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海と歌とキャンプと
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「よし、」
二張並んだポップアップテントを背景に、
高杉 かよう
はBBQコンロの炭を確かめる。
ステージは存分に楽しんだ。となれば残るはキャンプ。キャンプと言えば、BBQ。
「肉どんどん焼こうぜ、肉」
「盛り上がったな」
ステージ鑑賞中に食べたアップルパイひとつだけでは男子高校生の腹はもちろん満たされない。かようが宣言通りに網の上にどんどん乗せる肉の焼け具合をこまめに見つつ、
響 蒼留人
は隣で烏龍茶ばかりを飲む
マーガレット・ライカー
を見遣る。
「外で食うとやっぱひと味違うな」
「やっぱ肉はいいよな。と、」
加減せずにどんどん焼いてどんどん食べるかようの手を蒼留人はひょいと掴む。
「それはマーガレットの分だ」
男子二人の食欲に圧倒されていまいかと気を遣う蒼留人には姉がいる。姉持ち男子ならではの心配りを受けて差し出された肉を皿に受け取りながら、マーガレットの視線は蒼留人が何気なく掴んだかようの手首に釘付けになっている。
(素晴らしい……素晴らしい!)
無骨な剣道少年の手が、引き締まった筋肉の野球少年の手首を掴んでいる。これだけでネタとしては十二分に使えるというもの。
マーガレットが捗らせる妄想の中の剣道少年は、掴んだ野球少年の手首をぐっと握りしめる。見つめ合うふたりの視線が次第に熱を帯びてゆく。
「……マーガレット?」
とは言え、現実にはそうはいかない。蒼留人はあっさりとかようの手を離し、こちらを不思議そうに見る。かようは再び喜々として肉を焼き始める。
蒼留人の視線を受けて、マーガレットは妄想から我に返った。
「いえ、何でもありません」
肉はあまり好まないことを隠して、マーガレットは姉持ち男子の心遣いをありがたく受け取ることにする。
「ありがとう、響君」
しばらくのうちに、かようは数人前の肉をぺろりと平らげた。あまり食のすすまないマーガレットの分の肉も代わりに食べつくし、
「ふー、食った食った」
「ああ、美味かったな」
満足そうに腹を撫でつつ、体育会系男子ふたりは手早く後片付けを済ませてしまう。
時間は午後九時過ぎ、キャンプサイトから離れたステージには煌々とライトが灯り、イベント進行スタッフが賑やかに何かを呼び掛けている。
『さあここでお待ちかね、サプライズ・キスー!』
「マーガレット、まだ寝ないだろ」
ステージの賑やかさを耳にしながら、かようは自分のテントに入ろうとするマーガレットを呼び止める。
「こっちのテント来いよ」
「確かに、まだ眠るには早いですね」
だろ、とかようは笑い、テントの中から引っ張り出した青薔薇の描かれた華々しい箱を示して見せる。
「響の姉ちゃんお手製のBLすごろくってのがあるぜ」
「何……?」
『BL』の言葉を耳にした途端、蒼留人は長い睫毛を震わせて顔を強張らせた。腐女子の姉がかように面白いからと何か持たせているなとは思っていたが、手作りすごろくとはやけにこっているなとは思っていたが、
「やめとけ、ろくなもんじゃないぞ」
根っからの野球少年は、BLの意味も分かっていないのだろう。
姉から散々色々と教え込まれ、望まぬ同人知識に詳しくなってしまった代償に腐女子嫌いとなった蒼留人は咄嗟に止めようとするも、
「せっかくお姉さまが持たせて下さったのですから」
何故だかとても良い笑顔のマーガレットが喜々としてテントに入って来てしまった。かようと一緒になって、禁断のすごろくをテントの真ん中に広げる。
「これはかなりの完成度……」
同人作家でもある姉が精魂込めたらしい(BL)すごろくは、一見そうは見えないようにポップな絵柄で偽装されている。マーガレットが騙されてしまうのも仕方あるまいと思いながら、蒼留人は重たい息を吐く。
「空いてるコマあるし、俺たちもお題書こうぜ」
容易く読めない飾り文字とランタンひとつきりのテント内の薄暗さのお陰でいかがわしい内容が分かりづらいすごろくのコマの指令には全く気付かず、かようは素直に友人たちとすごろくを楽しもうとする。
「なに書こうかなー」
ペンを手に、思いついた。そういえば、外ではキスがどうこうで盛り上がっていた。
「誰とキスしたいか言う、これでどうだ!」
悪童じみて笑い、かようはすごろくの周りに座るマーガレットと蒼留人を見回す。どうやら二人も、空いたコマへのお題を書き込めた様子。
「よし、はじめるぞ」
始めて早々、かようは自分がお題を書いたコマに止まってしまった。
「定期ですね」
いつも通りだと頷くマーガレットをおどけて一睨みしてから、かようは腕を組んで考え込む。
「キスねー」
そうだな、とかようは爽やかに笑う。
「プロになって完投してニャハローズスにキスしてもらいたいかな」
「ニャハローズスって誰ですの?」
「え、知らない? ニャハローズス。かわいいんだぜ」
「マスコットキャラですの?」
「彼女にするならあんなコだな」
盛り上がるふたりを横目、蒼留人は淡々とサイコロを転がす。始めてしまったものはしょうがない。ここは危なげないコマに止まりつつ、無難にゴールを目指そう。
「あ、響は『好きなパーツを言う』に止まったのか」
あっけなく狙いを外して絶句する蒼留人が止まったコマを確かめ、かようは悪い笑顔を浮かべる。
「当ててやる、胸だろ?」
「いや俺は胸というか、ハートだな」
「胸といえば、俺だってたいしたもんだぜ胸筋。触ってもいいぜ、カッチカチだし」
「いいって」
「ホントだって、見せてやるよ」
脱ごうとして蒼留人に止められたかようが唇を尖らせる。おいしいネタを拾えそうだと内心ほくそ笑んでいた腐女子マーガレットもこっそり残念な顔をする。
その後にも『夜這いしたい? されたい?』だの『身体のどこにキスをしたい?』だのの指示が続いた挙句、
「ああもう、やめ! セクハラすごろくやめろ!」
最後は蒼留人がすごろくの盤面を引っ繰り返してBLすごろくの会はお開きとなった。
「疲れた……もう寝る……」
心の扉を閉ざして毛布を引き被る蒼留人をかように任せ、マーガレットは自分のテントに戻ることにする。
「おやすみなさい」
「おやすみー」
かようの声を背に、マーガレットはまたもやこっそりほくそ笑む。ここまではほんの序盤。
(キャンプで一緒……二人で寝る……)
重要なのはそう、小さなテントで惹かれ合う二人の男子が寝床を共にするシチュエーション。
(二人で、……寝る)
大切なのはここから。
ここからそこまでを想像し、マーガレットは自分のテントでひとり頬を赤くする。最早ご馳走様でしたな心中ではあるけれど、
(そういえば二人とも寮は同部屋でしたね)
そんな二人は、テントの中でどんな会話をするのだろう。
よからぬ妄想に胸を高鳴らせ、マーガレットは隣り合ったテントに耳をそばだてる。
「……可愛い子もいたよな」
BLすごろくのダメージから抜け出そうと、蒼留人はかように男子っぽい話題を振る。
「抽選に当たるとキスしてもらえるらしいぞ」
「あ、ステージの話か」
毛布を引き被る蒼留人の隣、かようは何も被らず仰向けに横になる。両手を頭の下に敷いて枕にし、クスリと笑う。
「興味あるのか?」
「いや、俺も興味ないけどな」
首を横に振り、蒼留人は毛布から頭を出した。うつ伏せの体勢になり、手を伸ばしてつきっぱなしのランタンの灯を消す。
「あれって、ファンなら好みのタイプじゃなくてもするのか」
蒼留人の言葉に、かようはちょっと首を傾げる。それも仕事だと割り切ることもできるだろうが、
「ファンってだけでありがたいだろ」
「そういうもんかな」
「そういうもんじゃねえかな」
ふうん、と蒼留人は黙った。
「キャンプっても響と寝るのって日常だよな、ただの」
今度はかようが話題を振ってくる。そういえば、と笑いかけて、蒼留人は声を潜めた。BLすごろくのせいで、実家にいた頃は姉に友人との電話を盗み聞きされていたことを思い出してしまった。友人との何でもない会話であっても、腐女子な姉は妄想を逞しくさせていた。
(萌えられてたまるか)
「考えてみれば同室なのにキャンプでまで一緒か……」
かように応じつつ、手足を伸ばす。いつもと同じではあるけれど、気楽ではある。
自分たちのことをさておけば、気になるのは隣のテントで寝ているはずのマーガレットの寮事情。
「そういやマーガレットって星ヶ丘寮なのか?」
「星ヶ丘の個室だったかな」
一般生徒が起居する桜花寮と、どんな違いがあるのだろう。蒼留人とかようにとって、星ヶ丘寮は未だに未知の領域だ。
「いいよなー、あっこは壁が純金で出来てるらしいぜ。イッツゴージャス」
「まさか、純金の置物とかその程度じゃないのか」
本気とも冗談ともつかぬ口調でふたりはお嬢様の邸宅を予想する。
「いや、金持ちんとこはそうなんだって。マーガレットは下着も金とみたね」
「それよりメイドがいるんだろ」
女子に無関心なあまりセクハラじみたことを言う野球少年の話題を、蒼留人は咄嗟に逸らす。
「メイドも金で、」
「そう、オムライスにケチャップで絵を描いてくれたりとか……」
「ケチャップも金。金ってどんな味がするんだろうなー」
「金にこだわりすぎだろ」
素なのか冗談なのか真顔で言い続けるかように、蒼留人は思わず吹き出した。こうして何でもない会話をするのも、そうして笑うのも、いつものこと。それでもいつもよりほんの少し楽しい気がするのは、テントの中であるからだろうか。
「なー、今度マーガレットんち遊びに行こうぜ。天蓋付きの金ベッドで懸垂してみたいわ俺」
「金ベッドか」
「いい筋肉つきそうだろ、金だけに。って、やかましいわ」
隣のテントから屈託のない楽し気な笑い声が聞こえてきている。
(ちょっと)
男子たちの会話を元にいかがわしい想像に耽ろうとしていた腐女子は、妄想をぶった斬られて青い瞳を怒りに細めた。
(ちょっと待ってください)
あの二人は、自分を一体何だと思っているのだろう。
金箔の壁も金の置物も星ヶ丘寮の自室には置いていない。置いているわけがない。
(金の下着ってもう意味が分からないですし……)
それからメイド喫茶みたいなメイドもいない。これはちょっぴり残念ではあるけれど。
隣のテントの会話を盗み聞きしていた罪は脇に置き、マーガレットは盛大な溜息を吐いた。これは一度、二人を寮に呼んで誤解を解いておいた方が良さそうだ。
(本当に!)
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月05日
参加申し込みの期限
2018年03月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月12日 11時00分
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