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【お花見】桜の下で待ち合わせ
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「ネコジマの人もーほしびともー」
歌うように涼やかな賑やかな声を張るトワの首の後ろ襟を楓は掴む。
「Oh,カエデ」
「Oh,じゃねえ」
きょとんと振り返る青い瞳を短く叱りつけ、ここまでトワが花見客に呼び掛けながら練り歩いてきた道順をきちんと教えておく。
(無駄かもしれんが)
何せお嬢様は無類の方向音痴。こうなれば、元の場所で皆と合流出来るまで離れないようにしよう。
楓はすぐに居場所をくらませるお嬢様と並んで歩き出す。
「皆でお花見できる場所はこっちデス!」
両手をメガホンのようにして、なにものにも物怖じせぬ人懐っこさで、トワは花見客を勧誘する。
「君もー桜をー見たいがー! なのデス!」
参道を行く人々に声を掛け、ついでに目についた屋台の食べ物を買い込んでは楓に持たせる。用意してきたラム肉は大量ではあるけれど、きっとあれだけでは足りなくなる。それに何より、自分たちも色々楽しみたい。
どこまでも楽し気なトワに、楓は不審げに尋ねる。
「お前、この勧誘知り合いを誘ってるだけなんだよな?」
ノー、とトワはきっぱりはっきり首を横に振る。見も知らぬ寝子島の人々に見境なしに声を掛ける。
「これを機会にー、友達になる人も大歓迎デス! 多くの人で楽しむマス!」
「違うのか、そうか」
お嬢様の言葉に合点して、楓は首を捻る。となれば、やはりあれだけの肉では足りるまい。
「……まあ、いいんだけどよ」
お嬢様と同じことを考えているとはいざ知らず、楓も楓で屋台の食べ物を色々と買い足し始める。
「荷物が持てなくなるか、」
お前の気が済むか、と言いかけて、その言葉は呑み込む。そんなことを言ってしまえば、お嬢様の気は神社中の人々を集めるまで済みはすまい。
「……そうなったら戻るぞ」
「了解デース」
大きく頷くトワは、本当に解っているのかいないのか、相も変わらず底抜けに明るい声をあげる。
「friendly tiger.トワのフレンズのトラのフレンズからのお言葉なのデスー! 桜を見たいがー! なの……ン?」
「あっ、コラ」
不意に口を閉ざしたかと思えば駆けだすトワを追い駆ける。その先では、トワが
呉井 陽太
と
呉井 弦月
の兄弟と
楢木 春彦
を捕まえていた。
「ヨータ、桜を見たいがー!?」
「えっ? あ、ああ、そうだねぃ」
「いいんじゃね?」
陽太と春彦が顔を見合わせ、追いかけてきた楓に気づいた弦月が遠慮がちに問う。
「僕たちは構いませんが……いいんですか?」
「あー……そっちが良ければそのお嬢様に付き合ってやってくれるか」
「あっ、リョウ! セートカイフクカイチョー! 桜を見たいがー!」
更には次いで見つけた何故かハゲカツラを被った
新田 亮
と
屋敷野 梢
、
薄野 九月
と
如月 庚
の情熱お花見会の面々にも躊躇いなく声を掛ける。
「ああ、いいぜ」
「お花見はまだまだ続きますよー。もっちろん、バツゲームもー」
「あっ、あの、そのカツラも案外似合ってます、大丈夫ですよっ」
「……いやそろそろ勘弁してやってもいいんじゃねーの」
合計七人をばっちりゲットし、トワはほくほく顔で星幽塔花見会会場へと足を向けようとする。その足がぴたりと止まる。
「……オヤ?」
「あー、はいはい、こっちだ」
速攻で戻る道を見失うお嬢様に代わり、お付きの護衛が道案内を買って出た。
(……さて)
賑やかな一行を案内しながら、楓はリリエルに託してきたジンギスカンの場を慮る。問題ないとは思うものの、酷い惨状に陥っていないとも限らない。
(大体こいつの所為だよな)
思いつきでジンギスカンを始めたくせに思いつきでその場を離れたトワを横目に見遣る。見られているとはいざ知らず、当のお嬢様は見事捕まえた花見仲間と楽しそうに話している。
(片付けしねーと)
そんなことを考えながら歩いて行く。と、お嬢様曰く『桜が見たいがー』な面子がジンギスカンをしている界隈にはあちこちの屋台も何のそのな香ばしいいい匂いが漂っていた。
「なんだ?」
「あっ、お帰りなさーい! と、いらっしゃーい!」
ひらひらと手を振るリリエルが七輪で焼いていたのは、リリエルやすずが持ってきていた色んな具入りのおにぎり。どうやら持ち込んだラム肉は食いしん坊たちが全部食べてしまったらしい。
「ただいま帰りましたデス!」
勧誘に成功したお花見仲間を星幽塔から花見にやってきたリリエルたちに紹介し、トワは桜と共に花見宴の場をくるくると走り回る。何をすればいいのか迷う弦月たちには屋台で買ってきた焼きトウモロコシやイカ焼きを勧める。かと思えば、別の場所から聞こえてきた笛の音に耳を留め、別の桜の下で宴会をしていた
ティクス・ソル
たち『十二支』の面々にも声を掛ける。ティクスの笛に合わせて即興の桜の歌を口ずさみつつ、同じく即興で舞い始めた
スハイル・アルムーリフ
と
イダス・アグリオス
と共にくるくるくるり、楽し気に躍る。仲間の声に、桜の下で眠っていた
イダス・アグリオス
とその大きな体にもたれてうつらうつらしていた
プリムローズ・ブライト
が目を覚ました。
「一緒にdancingデス!」
宴の端にそっと座り、どこか胡散臭い笑顔を一瞬たりとも崩さず絵帳を広げてひたすらに花見の人々を描き続けていた
ダルディ・ラ・チェルディ
の手を取る。花の風に白い髪を乱して、それでも笑顔を崩さぬダルディと両手を取りあい、トワは満開の桜の下で歌って踊る。
寝子島のこの場所にナニカの縁を得て集まった人々に、楽しい思い出を作ってもらいたかった。楽しい思い出になるくらい、楽しんでもらいたかった。
(もちろん、トワも楽しむのデス!)
「お祭りは始まったばかりデスヨー!」
「おふたりの分、取っておきましたよ」
ラム肉の皿を手に、リリエルが微笑む。食堂勤めのリリエルは、きちんと気を効かせて取り置いてくれていたらしい。
「みなさんは焼きおにぎりをどうぞ! たくさんありますからね」
トワが集めてきた新しいフレンズたちにも分け隔てなく焼きおにぎりを配りながら、リリエルは桜をさざめかせて流れ来る夕風を見上げる。
「あ、」
金の髪を撫でる風を追いかけて、リリエルは目を瞠る。
「風で桜の花が!」
藍色の空にふわふわひらひら、舞い上げられる桜の花びらにリリエルは思わず歓声を上げた。
「うわー、すごいです!」
祭のともしびに照らし出された幾千の花びらは、
「まるで花の吹雪ですね!」
お祭り騒ぎな宴の最中、リリエルは満面で笑う。星幽塔を離れ、寝子島までお花見に来て良かった。心からそう思う。
(帰ったらマスターに自慢しなくちゃですね)
働いている『Bar アストラル』のマスターの笑顔が思い浮かんで、リリエルはまた笑みを深くした。寝子島で作った楽しい思い出は、何一つ忘れずに星幽塔に持って帰ろう。そうして星幽塔のみんなにお話ししよう。遠く離れているようでとても近いところにある、こんなに素敵な世界のことを。
「……桜っておいしいのかな?」
花吹雪を仰ぐリリエルの隣に並び、メリィが首を傾げる。リリエルから焼きおにぎりを分けてもらってほおばりながら、メリィはふわふわと桜の花びらのように笑った。
「桜の食べ物ってあるって、なんか聞いたことあるから!」
「ベルンハルトさんが持ってきてくれた桜色したお餅も、確か桜餅って言うそうですよ」
「そうそう、さくらもち!」
あれも美味しかった、とおにぎりを平らげてぴょこぴょこ跳ねて、メリィはまたリリエルと桜を仰ぐ。
「でもさ、キレーだよねー……ふわふわピンクでとってもかわいい!」
言うなり、メリィは両手を桜吹雪の空へと上げた。それだけでは足りずに全身を使って、ぴょーん、飛び上がる。
「キャッチ出来たら良いことあるかもー!」
楽しそうに一生懸命なメリィを見、ミハネもひらひら舞い踊る桜へ掌を差し伸ばす。ひらひらくるくる、躍る花びらを捕まえるのは簡単なように見えて意外と難しい。
「えいっ」
待ち受けるだけでは足りなくなって、ミハネはその場で飛び跳ねる。空中で両手をぱちんと合わせても、どれだけ振り回しても、花びらはなかなか捕まえられない。
「……う~、結構難しい」
見回してみれば、周りのひとは皆ミハネよりも背が高い。
「難しいね」
「難しいものですねー」
トワに連れられてやってきた九月と梢が同じように挑戦して同じように唇を尖らせている。
「ね。難しいね」
「取れないねー」
同い年くらいの寝子島の少女たちに、星幽塔のミハネとメリィは笑いかけた。
「背がおっきい人は、いいね」
ミハネは自分の頭に手をやる。お花見に集まったみんなの中で、一番に背の高いのはベルンハルトだろうか。
「ん?」
「うらやましいなぁ」
トワと楓が買い足して来たりんご飴をがりがり齧りながら振り返るベルンハルトに、ミハネは素直に告げる。あれだけ背が高かったら、花びらを取るのももっと簡単なのになあ。
「んー……おいでー」
りんご飴を食べ終わったベルンハルトに手招きされ、何の警戒もなく近づいたミハネは、
「ひゃっ?!」
熊の獣人にひょいと容易く肩車された。
「桜は愛でるものだからねー」
折っちゃダメ絶対、と穏やかな顔で言いつつ、ベルンハルトは桜の木に近づく。
「わ、わっ……わあっ」
最初は慌ててベルンハルトの頭にしがみついたミハネは、けれど顔に触れるほどに近く桜の梢を見て、悲鳴を歓声に変えた。
「ちっちゃくて可愛い子と同じ、片手は添えるだけ! 可愛い系じゃない野郎はそこにお座り下さい」
己の信条を高らかに宣言する熊の紳士の主張はとりあえず聞かなかったことにして、ミハネは両掌をそっと広げる。ふわりと落ちてきた花びらを掌に包み込み、礼を言って地面に下してもらう。
添えるだけ、の言葉通りにふんわりすとんと肩から地面に着地させてくれたベルンハルトにぺこりとお辞儀をして、ミハネはリリエルが敷いた敷物の上にぺたりと座る。ポケットから出したハンカチに花びらを大事に包んで仕舞う。星幽塔に持って帰って、
(しおりにしよっと)
どんなかたちのしおりにしようか。幸せな思案に暮れながら、宵の空を覆う夜桜を見上げる。今度は、ちゃんと。
春の青空のように明るく澄んだ瞳に桜を映す。風に揺れる、同じように見えてかたちも色もほんの僅かずつ違える桜の花。
(けど、)
ひとつひとつ別々の花なのに、訪れた春を感じ取ってみんなで一斉に花びらを開かせる。それはすごいことだとミハネは思う。
(うん、……すごいなぁ)
星幽塔での姿のままに背の羽を堂々と現すことが出来るのなら、桜の梢の天辺まで飛んで、誰の眼にも触れていないような花をうんと近くで見たりできるだろうし、花びらだってたくさん取れたりするのかもしれない。
(でも)
今日はそうじゃない。でも、だからこそ。
ミハネはポケットの上からしまい込んだ桜の花びらに触れる。いつもと違う場所から見る景色を知ることが出来たこともあって、
(今日はこんな風に楽しいのかも)
「ちゃんと桜も楽しまなくちゃね! ちゅん!」
ミハネに続いてベルンハルトに肩車してもらったすずが、軽業じみてその逞しい肩に軽々と立ち上がる。かと思えば、ひらりと身軽に桜の枝に飛び移る。
梢が僅かも揺れぬほどに体重を感じさせず、すずは小鳥のように枝に腰を下ろした。目を丸くするベルンハルトに朗らかに笑って手を振り、桜の幹にその小柄な身を寄せる。花より団子もいいけれど、こうして満開の桜に埋もれるのもやっぱりいい。
頬に触れてさらさらと揺れる花びらの涼やかな感覚に、すずは目を細める。見上げるだけでは分からないけれど、こうして近づけば、桜の花はふうわりと優しく香ってくれる。
桜の香に嬉しくなって、宙に投げ出した足をぱたぱたと動かす。揺れる梢からはらりと落ちた花はひらひらと舞い落ち、花より団子に夢中になっていた
ファ・ルー
のわたあめにくっついた。
「……? 花ー……」
真っ白なわたあめばかりを見ていた視界に薄紅が映って、
ファ・ルー
はちょこんと首を傾げる。二度三度と瞬いてから、
「あっ、あいやー!」
気づいた。そういえば、お花見にきていたのだった。
花びらのついたわたあめをそのままぺろりと平らげ、猫熊の獣人は後ろに手をつく。背をのけぞらせるようにして空と桜を仰ぐ。
「んんー……」
眩しいほどの薄紅の向こう、あおい空が透けている。視線を傾ければ、高く高く、真っ白な月さえ見えた。澄み渡った春風を髪に額に受け、あまりの気持ちよさにころり、花びらの積もる敷物の上でごろごろん、
ファ・ルー
は転がる。気ままに転がって、腹ごなしといこう。
傍らに座るミハネと目があって、桜の枝に座るすずと目があって、
ファ・ルー
はふわふわと花のように笑った。翼を持つふたりが桜を纏って空に飛べたら、
(きっと楽しいアルネー……)
寝転がったまま、うーんっ、と伸びをして、
ファ・ルー
はまたころころんと頭や服に花びらをくっつけながら、敷物の一角に並んで座るリリエルとメリィの傍に近寄る。子パンダの動きでリリエルの膝に顎と両手を乗せ、眠たい瞳で笑う。
「メリィたちもごろごろしないアル?」
ファ・ルー
に誘われるまま、メリィとリリエルは桜の布団に倒れ込む。両手を高い梢に差し伸べ、降りしきる桜を全身に浴びてみんなで笑う。
「こういう日々がずーっと続くといいなあ」
思いがけず大規模な宴会となった桜の木の下で、ベルンハルトは可愛い小さな少女たちを微笑まし気に眺めて微笑む。こうして大勢で花を見ながら賑やかに食事をしていると、思わずしみじみと思ってしまう。
(平和だなあ)
それはなんて嬉しい充実感なのだろう。
「こういう日々がずーっと続くといいなあ」
もう一度呟いて、ベルンハルトはどこか辟易したような顔で花見の大宴会を眺める楓を見遣る。
「ね?」
ベルンハルトからおっとりとした笑顔を向けられ、楓は黒髪を結ったうなじに手をやった。眼鏡の奥の黒い瞳を瞬かせ、目の前の桜景色を見遣る。
この島に来る前の記憶が胸の底を過る。
(……あれは、争いの末路だ)
この島でフツウの高校生として暮らしていても、あの頃の景色は消えてはいない。
血臭を孕んだ黒煙の雲が湧き上がる空と、鼻をつく炎と煙の臭い。砕けて割れた壁が散らばる焼野原には、そのどこにも動くものの姿はない。
ふとした折に瞼の裏を占める灰色の景色と、今まさに目の前にある桜色とその色に染められて楽し気に笑う人々がいる景色。ふたつの景色を比べ、楓は淡く微笑む。たまには、と頷く。
「騒がしい位が丁度いい」
そう思える。
ファ・ルー
と一緒になってころんころんとひとねむりしていたメリィが、子虎の動きでぴょこんと跳ね起きた。幸せな顔で笑う。
「ねーねー、みんな! 今日はありがとねっ!」
昼下がりの眩しい頃に始めた花見の宴も、気づけば周りは宵闇が包みこんでいる。屋台にはたくさんの灯がつけられ、祭はまだまだ続くようではあるけけれど、
「時間が経つの早いなぁ」
すっごく楽しかった、と星幽塔からやってきた少女は眼を輝かせる。
「またみんなで、こうして集まって楽しめたらいいなって思うの!」
いつか、また。だって桜が散ったって、季節は巡る。春も夏も秋も冬も、まだまだたくさん訪れる。みんなが居るここには、楽しいことがきっとまだまだ、たくさんあるに違いない。
「だから、よかったらまた集まりたいなって!」
集まって遊ぼう。ごはんを食べて、お話をしよう。同じ景色を一緒に見よう。そうして一緒に笑い合おう――
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
110人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月13日
参加申し込みの期限
2017年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月20日 11時00分
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