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【星幽塔】第五階層 福音の王国と揺れる天秤
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【法王庁】
「……まぁ」
御巫 時子
の口から思わず、ほう、と感嘆の息が漏れる。先ほど訪れた聖水酒醸造所も、少なくとも外観に限って言うなら美しく繕われてはいたが、リブラス法王国の中枢である法王庁のそれはまさに、別格と言えた。
礼拝堂へ入ると、荘厳な響きのパイプオルガンの音色が満ちて、壁は純白、大理石。加えて金の縁取りやレリーフがそこらじゅうを艶やかに彩り、それらをキャンドルの灯火が揺れながら淡く照らしている。身なりの良い国民が詰めかけ、中央奥の祭壇に掲げられた聖なる竜の彫像と、そこで演説する老年の男、法王の姿へ向かってありがたそうに祈りを捧げている。
「こちらの建物は、内側も綺麗ですね……」
「わぁ……聞いてた以上の豪華さだなぁ」
道すがら、通りすがりの住人へ法王庁について尋ねた
恵御納 夏朝
は、興奮した様子で激しい身振り手振りと共に、いかに素晴らしい建物であるか、国民にとって重要な意味を持つ場所であるのか、実に熱っぽく延々と語られてしまった。その場では話半分で聞いてはいたものの、実際にこうして目にすると、確かにあながち間違いでは無かったことが理解できる。
「あれが、法王様……お話聞いてみたいけど、聖騎士さんに守られてて、会えないみたいだね……」
いささかのんびりとして言った
遠野 まほろ
だが、もちろん彼女は真剣だ。
法王は聖竜や聖水酒、国を守る結界にまつわるありがたい説法を、どこか淡々として語り続けている。彼は毎日この時間に同じ話をするようだが、聞けばそのたび、礼拝堂はほとんど満員の状態になるのだという。
静かに、しかし何だか惹きこまれてしまうようなその語り口に、時子、夏朝にまほろはしばしぼんやりと聞き入ってしまったが、
「見て。あそこ」
日暮 ねむる
が控えめに指を差しながら声をかけると、我に返る。
「あの扉から、中に入れそうだね。聖騎士がいて、見張ってるけど……」
見ると、礼拝堂の片隅には飾り気のない重たげな扉があり、そこから内部へ侵入できそうだ。ただ、一人の屈強な聖騎士がちょうどその近くに立ち、どうにか気を逸らさなければ、通り抜けられそうにない。
「それじゃ……私が、話しかけてみるね」
名乗りを上げたのは、まほろだった。
「私が、聖騎士さんとお話してる間に……みんなは、中に入って」
「遠野さん、大丈夫……?」
心配そうな夏朝へ、まほろはにこりと微笑み、うなずく。どんなことであれ、仲間たちの役に立てるのは素直に嬉しく、引っ込み思案な彼女にも、勇気が湧いてくる。
屋敷野 梢
がそんなまほろへうなずいて、
「それじゃその隙に、私が蝶になって扉の裏に回って、鍵を開けますよー」
重厚そうな扉には確かに鍵穴が見えるが、梢のろっこんならば、扉と壁のわずかな隙間を通り抜けることができそうだ。
「それじゃ、作戦開始だね。遠野さん、よろしく」
ねむるへうなずき、まずはまほろが、扉前の聖騎士へゆっくりと近づいていく。彼女の装いは旅の巡礼者といった出で立ちであり、そうした人々は礼拝堂にも少なくないので、そうそう怪しまれることは無いだろう。
「あの、すみません……良かったら、お話、聞かせてもらえませんか……?」
「ん? ああ、旅の人かい。聖竜様のご加護について聞きたいのかな?」
「えっと、はい……みんな、熱心にお祈りしてて、すごいなぁって思って……」
「ははは、そうだろう。私は説法をする立場ではないが、簡単になら教えてあげられるよ」
扉からなるべく聖騎士の意識を引き離そうと、まほろは自然な仕草で立ち位置を変えて、死角を作る。その隙に、仲間たちが聖騎士の後ろを通り抜け、一羽の蝶が扉の隙間へ小さな身体を押し込んだかと思うと、それから程なくしてかちゃりと扉は開き、彼らは小さくまほろへ手を振ってから、中へと消えていった。
(……ふう。良かった……でも、少し慣れてきたけど、やっぱり……人と話すのはちょっと、疲れちゃう……)
喜々として語る聖騎士へ向けた微笑みを崩さず、まほろは密やかに、仲間たちの無事を祈った。
(……みんな、気を付けてね。いってらっしゃい……!)
法王庁の内部は外観と同じかそれ以上のきらびやかさだが、灯る明かりは礼拝堂のそれと比べていくらか薄暗く、ぽつり、ぽつりとキャンドルが灯るのみだ。
「やっぱり、ここにも……外の人には見せられない、何かがあるんでしょうか……?」
時子が醸造所で目にしたものは、この場の仲間たちへも伝えられている。聖水酒の原材料が、聖竜と何かしらの関係があることは分かった。ならばこの場で探すべきは、そんな非道を何者が、何のために行っているのか? その証拠であると言えるだろう。
「……! 隠れて」
広く、両端に幾つもの美しい円柱が並ぶ、長い廊下を進む中。盗人の光を宿した夏朝がカンを働かせ、唇に指を立てて静かに告げた。曲がり角の向こうをちらと覗くと、巡回警備の聖騎士がふたりやってくるのが見えた。近くに詰め所のようなものがあるらしく、話し声も聞こえてくる……ここで立ち回りを演じるのは、得策では無さそうだ。柱の陰に身を潜め、聖騎士たちをやり過ごす。
ほっと安堵しつつ、ねむるが横手に見えた階段を指差し、
「この階には、重要なものは無さそうだね。上へ行こう」
階段を登り、再び長い廊下を歩く。二階の廊下は礼拝堂の吹き抜けに面しているようで、小さく開いた窓から顔を覗かせてみると、聖騎士と談笑を交わすまほろの姿が見えた。
もう一つ階段を登ると、三階はやけに薄暗く、ひっそりとして冷たい静けさが満ちている。
「……! あれは」
時子が気付いた。廊下の壁、ぽつぽつと広い間隔で灯る蝋燭の光が作り出す、黒々とした影。
そこから、ずるり、ずるりと。染み出すように。
「こんな時に……こいつら、話に聞いた黒影かい?」
即座にねむるは身構え、仲間へと尋ねる。
確かにそれらは、黒い人影、黒い犬。先ほどの醸造所や、森の中へも姿を現した、黒い影たちだ。人の少ない場所で待ち構えていたのか、影はすぐさま彼らへと襲い掛かってくる。
「そのとーりです、ここは私の出番のよーですねー!」
ずい、と足を踏み出したのは、梢。長大なクレイモアを軽々と引き抜くと、
「私は聖騎士でも、この国の国民でもありません……しかし! 立ち塞がるなら、もはや見過ごすわけにはいきません!」
何を思ったか、彼女は影たちへ向かって、名乗りを上げた。
「冒険者にして、漆黒の騎士! 数多の命を救ってきた……
我が名は、英雄ダークナイト・オブ・ネコアイランド!!
いざ尋常に、勝負ッ!!」
かの聖騎士、ナイト・オブ・リブラスの名乗る響きが、少々うらやましかったのかもしれない。ついでに傍らへ控える相棒も巻き込み、
「ほら、如月くんも英雄ごっこしましょーよ! 伝説の不良バイオレンス・オブ・ネコアイランドさん!」
如月 庚
は呆れたように首を振ったものの、ともかく拳を構え、並び立つ。
静かな廊下の真っ只中で、戦いが始まった。もちろん、ここで騒ぎ立てるのは得策ではないと分かってはいるが、影たちを退けなければ、先へ進むことはできない。
「んじゃ、よろしく~」
と、ねむるは騎士の光を使い、フクロウを呼び出して影へとけしかけようとしたものの、
「……ありゃ? 言うこと聞かないや……ああ、そうか。騎士の光が実体化したものだから、騎乗しないと命令は聞かないんだね」
仕方なく、ねむるは星の力でフクロウを自身がまたがれる大きさにまで拡大すると、その背に乗って群れ始めた黒影たちへと突撃、蹴散らした。想定していた用途とは違うが、鋭い爪の一撃はなかなかに有効だ。
「御巫さん、見張りよろしくお願いしまーす!」
鳥に変身して黒犬の牙を逃れた時子は、見張り役を務める。駆け出した梢は、クレイモアを振り上げ小さな雀に追いすがる黒犬を胴から両断すると、片足を軸にくるりと反転、遠心力を利用し人影を逆袈裟に斬り払う。剣士の光を宿しているだけあり、その剣さばきは鮮やかだ。
「僕だって……負けられない!」
夏朝の左手、勇ましくバンダナを撒いた盗人ルックのハルくんから投じられた戦輪が、蝋燭の明かりに照り映えながら、暗がりを鋭く飛翔する。戦輪は対となる右の手甲にワイヤーで繋がれており、くん、と右手を引いて軌跡に変化を加えてやれば、影たちを逃さず斬り裂いた。
みな、相応に戦い慣れている。梢の大剣が斬って捨て、ねむるとフクロウが蹴散らし、夏朝の戦輪が薙ぎ払い、影たちは順調に、その数を減らしていく。
人の姿に戻った時子が、声をかけた直後に。
「……! 誰か、来ます!」
がしゃ、がしゃと鎧を着込んだ足音を合図にしてか、影たちはするりと暗がりの中へ逃げ込むように、姿を消してしまった。
三階の廊下に円柱は無く、身を隠せるような物陰も見当たらない。やがて、巡回警備の聖騎士たちがやってきて、武器を帯びた彼らの姿を見つけると、
「な……何だ、君たちは? しん、侵入者……!?」
「お前たちは、まさか……クルセイダー・マスターが連れてきた、あの旅人たちでは……!?」
「ご名答。でも……ちょっと、眠っててよね?」
ねむるの動きは、機敏だった。面喰った聖騎士たちの頭部へ両手をそれぞれ添え、ろっこんを発動……彼らを即座に眠気へ誘い、無力化してしまった。
夏朝はほっと息を吐き、
「危なかった……やったね、日暮君」
「咄嗟にね。ちょうどいい、この人たちの鎧を借りておこうか?」
同じ聖騎士の装いを身に纏っておけば、欺くこともできるだろう。彼らは、ぐうすかといびきを立てて眠りこける男たちの甲冑を、その構造には少々苦労しながらも、がしゃがしゃと取り外していった。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月25日
参加申し込みの期限
2016年10月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月02日 11時00分
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