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【星幽塔】第三階層 鳥籠には少年の欠片
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枯れた草を踏み砕き、影の色した狼が晴れ渡る青空を跳躍する。
内まで闇色した顎を開き、黒煙じみた涎を撒き散らして飛びかかる狼に向け、
「三匹目の龍はどこだああぁ!」
握 利平
は喚きつつ和籠手に包まれた拳を突きだした。鮮烈な橙色した稲妻のかたちして、星の力宿した拳が風を切る。拳の内、利平のろっこんによって圧縮されていた空気が、まるで弾丸のように放たれる。
「にぎりだまっらァ!」
技名混みな気合の声と共、利平の掌から放たれた空気の圧縮弾は狙い過たず狼の鼻面を打ち据えた。ぶつかると同時、圧縮された空気が爆ぜる。
悲鳴を上げる間もなく、黒狼は跳ね飛ばされ乾いた地面に叩きつけられた。
呻いて起き上がろうとする黒狼の足元、黄昏よりも昏い紫の光の尾を引き飛来した矢が刺さる。
「去れ」
黒い和弓を構え、薄墨色の瞳を静かに細めるは、和装の少年、
音羽 紫鶴
。物静かな声音に含められた確かな殺気を感じてか、黒狼はふらつきながら起き上がり、忌々しげな一瞥を二人に、第三階層の入り口に立った人々に向けて後、短く吠えて踵を返した。
尾を巻き枯草の間に逃げ去る黒狼の姿に、星の力を得ているとは言え戦う力を持たぬ
鴻上 彰尋
はひとまず安堵の息を吐く。周囲には、おそらくは戦うに長けた力をも持つ人々も居るとは言え、何の情報共有もなしに敵と戦い、あまつさえばらばらになる危険は冒したくなかった。
「龍は! 龍はどこだー!」
「いやぁ、いないんじゃないかなぁ……」
「え? 居ねっすか? そーいうパターンじゃねーの? いやー、どっか隠れてんじゃねーっすか?」
「男の子の言ってた『欠片』を探さなきゃじゃないのー? あ、でも、さっきみたいな狼は出てくるかもねぃ」
「あー、そうかー……よっしゃ、そんじゃそいつを殴るっす!」
呉井 陽太
が学校の先輩を前にしてもまだまだ猛る利平の背をなだめつつぱたぱたと叩く。
「あ、呉井さん、ちーっす!」
「うん、ちーっすー」
改めて挨拶する利平に、陽太は眼鏡の奥のいつも笑みのかたちに見えるアッシュグレイの瞳を和ませた。柔らかな金の髪を乾いた風に揺らし、目前に広がる大農場を見晴るかす。
「サジタリオで聞いた噂では実り豊かな農場のはずだったんだけどねぃ。どうなってるんだろー」
「ココがその噂の場所なのか……?」
陽太の言葉に、
楢木 春彦
が萌黄色の瞳を細めて首を傾げる。
「たくさんの妖精さんが働いていて、麦藁色の髪と眼をした人の好さそうなおじさんが仕切ってるとか、蜂蜜酒が美味しいとか、……聞いたんだけどねぃー?」
春彦と同じように首を傾げる陽太の傍ら、彰尋は星幽塔の世界に合わせて変化した、白を基調とした衣装の裾を風にそよがせながら思案する。
道の先に建つ屋敷の玄関に現れ、直後に数十本もの黒い腕に捕らわれ屋敷内に引きずり込まれたあの少年は、こう言っていた。
「ぼくを、集めて。こころのかけらを、ぼくにして」
少年が口にした言葉を彰尋が唇に乗せれば、塔の天井に遥かに広がる青空を驚くでもなくただぼうやりと眺めていた
壬生 由貴奈
が黒い瞳を眠たげに瞬かせる。
「男の子が言ってた欠片って文字通りの『欠片』なのか、それとも比喩かな?」
乾燥した風に乱れる紅茶色の髪に構おうともせず、由貴奈は少年が囚われた屋敷へと黒い瞳を向ける。
「ぼくがぼくにならなくては」
少年の言葉をなぞり、
「……男の子が何人かに分裂したとか、そんなのかな」
「そうですね」
何事にも動じぬようにも見える由貴奈の視線を辿り、彰尋は小さく同意を示す。
集めて、と言ったからには『彼』は一人ではなく複数居るはず。少年の言葉と陽太と共有した情報、そこにこの塔に起こる様々の不思議から鑑みて、
「壮年の方が少年にということは、心が別れ年齢が等分される魔法をかけられたのかも」
「ひとつになると大人……もしかすると噂話の壮年男性になるのかもしれない」
彰尋の仮説に同意を示し、
来島 アカリ
が思慮深げに蒼く透ける黒い睫毛を薄紅の瞳に伏せて発言する。
(第三階層の攻略とはあんま関係ねーかもだけど)
それでも、情報の共有はしておいた方がいい。
「とすれば、年齢的に五六人位かな?」
己と仮説を同じくするアカリに、彰尋は穏やかな笑みを向ける。
遠目に見た少年は六七歳ほどに見えた。『おじさん』の実際の年齢は分からないが、己の仮説が正しいとするならば。
「必ずしも当てはまるとは思っていないですが、」
先に言い置いて、彰尋は持論を展開する。
六情という言葉があること。
それには喜怒哀楽愛憎が該当すること。
少年たちがその感情ごとに別たれているかもしれないということ。
「少なくとも彼らの行動の目安にはなるんじゃないかと」
「鴻上の予想は頷ける」
枯れ果てた草を踏み、
獅子目 悠月
が榛の瞳を瞬かせる。彰尋とは星幽塔で一度共闘したことがあった。その一度だけでも、彼の慎重さと頼もしさを知るには十分。彰尋に頷いて見せてから、悠月はちらり、とクラスメイトでもあるアカリへ不満げな視線を流す。
「……まあ一応、一応来島の予想も頷けるな」
「何だよ」
眼差しを喧嘩腰に受け止められ、悠月は負けじと睨み返す。アカリに対する負けん気を隠そうともせず、大股に歩き始める。
「となると確実に見つけてやらないと」
「むー、少年探しか……」
二人同時に急ぎ足で同じ方向へ歩み始め、
「おい獅子目、ついて来てんじゃねーぞ」
「それはこちらの台詞だ」
立ち止まってまた睨みあって、けれど悠月はすぐに視線を逸らした。
視線の先に佇むは、此方も星幽塔で一度共闘したことのある
シグレ・ナイトウォーカー
。品位さえ感じさせる立ち振る舞いが悠月にはひどく好ましく映り、だからこそ彼の前では売り言葉に買い言葉な子供じみた喧嘩はしたくなかった。
悠月の視線に気づき、シグレは蒼い薔薇思わせる深い色した瞳を淡く笑ませる。
(旅の途中で少年を助けて道を拓く)
冒険譚としては王道だな、と腰のサーベルの柄に手を掛ける。どこか芝居じみた仕草も、引き締まった長躯のシグレがすればよく様になった。
(実に結構。ならば語るにふさわしい働きをしよう)
先に第二階層を突破した際、シグレはそこで出会った少年、アヴィケンナが口にしていた言葉が気になっていた。
――光栄あるアステリズムの一員
アステリズム。
それは元来、星と星を結びかたちとする、所謂『星群』を示す言葉。
それはこの塔の内で、何の意味を示すものなのだろう。
彼の少年は、第一階層のフランチェスカも、それとは知らぬまでもアステリズムの一人なのだと言っていた。
もし、あの麦藁色の髪の少年もアステリズムの一員なのだとすれば、彼は何の星座を司るのだろう。
(農園……斗宿か)
それは農事を司る星。この不思議の塔で占星術が適うか否かは解らぬが、この農園が斗宿に見立てたものならば、
(『土工・井戸堀は吉、家毀は凶』)
シグレは美術品を見分ける注意深い眼差しを広大な農園へと向ける。幸いと言うべきか、今立つ場所は他より高い緩やかな丘陵地。地平まで続く農耕地を、点在する施設を、つぶさに確かめることが出来る。
ここより最北に見えるのは、先ほど少年が黒い腕のようなものに掴まり引きずり込まれた蔦まみれの屋敷。
少し距離を置いた手前の左右、向かって右手には煉瓦造りの小屋、左手には木造の小屋。
農地の央に見えるのは、中央にナニカを祀っていると思しき石祠を置いた窪地。視線を巡らせれば、枯れ果てた向日葵畑や野茨が茂るばかりの休耕地。自分たちの立つ丘陵の麓には、白茶けた農地の中にあって唯一葉を青々と茂らせ、見慣れぬ果実を実らせる果樹園がある。
「屋敷や小屋は充分警戒した方が良いだろうな」
己と同じように第三階層に召喚された人々を見回し、シグレは並び立ちながらも居心地悪げに剣呑な視線を交わし合う悠月とアカリに笑みかける。
「さて、天籥となる少年を探しに行こうか」
農場の方々に散らされた少年がひとりとなれば、次の階層への扉が開く。となれば少年は、例えるならば横道の錠とされる『天籥』であろう。
(皆物知りだなぁ)
丘に立ち意見を交わす、自分と同い年ほどの少年たちをおっとりと見つめ、
猫島 寝太郎
は羽織った半纏の袖口を合わせる。不思議の塔の不思議の力が働くのか、集められた人々は大抵がファンタジックな衣装や装備品を身に着けているものの、寝太郎が纏うているのはいつもの寝子島高校の制服に鎧にもならぬ半纏のみ。
にゃー、と頭にしがみついたナニカが鳴いて、両手で抱えあげてみれば、それは猫のぬいぐるみ。ぬいぐるみの瞳が金色の光を瞬かせたようにも見えて、寝太郎はちらりと首を傾げた。とりあえず元の位置、頭の上に猫を戻し置く。
「猫、可愛いわね!」
ひょい、と隣に少女が顔を覗かせた。
「こんにちは! 私、
時高 クレオ
」
「うん、こんにちはー。猫島寝太郎だよー」
明るく挨拶してくれる感じの良い年下の女の子に思わず気持ちをほこほこさせて、寝太郎は挨拶を返す。
「お役に立てるようにがんばるわね! 何かあればクレオが教えてあげる!」
「そうだね、お願いするよー」
言いつつ、寝太郎は目前に広がる広大な農地を見す渡す。
「うわぁ……」
どこまでも広がる農地に、知らず感嘆の溜息が零れた。
「すごい」
呟いてしゃがみこめば、足元に咲くは星の形して開く花。水気を全て奪われ茶色く枯れた花は、指先で触れた途端にカサリと花を茎から落とした。
地面に落ちて砕け風にさらわれる花を鳶色の瞳に映し、寝太郎は眉間を寄せる。
悲しい瞳が次に捉えたのは、言葉交わす寝子島の人々の輪から少し離れ、黙々と地面に農地の地図を描く金色の髪の少女。
近寄ってくる寝太郎には何の感情も示さず、
大天使 天吏
は地面の地図と目前の景色をどこか虚ろにさえ見える瞳で見比べ続ける。
「一緒に見てもいいかな?」
問うても一言も発さぬ天吏の隣に遠慮がちにしゃがみ、地図をじっと見つめていて、寝太郎は首を傾げた。
「時高さん」
「なあに?」
隣に来るクレオを見仰ぎ、寝太郎は天吏が描いた地図を示す。東西の小屋と果樹園を宙に描いた線で結び、野薔薇茂る休耕地と向日葵畑と屋敷を線で結ぶ。浮かび上がるのは三角形を上下逆に重ね合わせたかたち。
「これって何の形だっけ?」
「え、うーん……」
寝太郎と同じに首を傾げて悩んで後、クレオはおもむろに寝太郎の手を取った。
「え、えっ?」
「クレオが教えてあげる」
クレオがそう口にしてしばらく後、寝太郎の脳裏に『籠目』『六芒星』の文字が過る。
それは、中央にナニカを封ずるかたち。
(農場の、真ん中)
何者かが農場の主の身体と心を六つに分断して農場のあちこちに閉ざし、その央にナニカを閉じ込める結界を作り出したとすれば。
その結界の中には何が封じられているのだろう。
寝太郎は天吏の描いた地図を見る。
(位置しているのは――)
「あ、志波さんも、ちーっす! 楢木も、よろしくな!」
「やっほー、利平くん」
「おう、握!」
友人を見つけては挨拶を交わし、利平はその友人たちと向かう場所を定める。
「それじゃあ、オレたちはあの祠のあるところに行ってみよっかー?」
陽太が示し、利平たちが頷く。
「目の前でさらわれた子を放っておくわけにはいかねえ!」
白銀を基調とした攻殻スーツに闘士の光を宿した籠手、純白のマントを翻して宣言するは、
風雲児 轟
がろっこんで変身した自作ヒーロー『ザ・ストレイト』。言うなり駆け出す轟に続くは、
桜庭 円
と
時高 クレオ
、
屋敷野 梢
。
『あとでそっちに行く』
屋敷の少年救出に向かう人々に向け、
小山内 海
は文字を書き込んだスケッチブックを掲げて見せる。
「りょうかーい!」
振り返った円が手を振り返すのにスケッチブックを振って応じ、海は傍らに立つ
御剣 刀
を見遣る。僅かに緊張しているような海の視線を受けて、刀は短く頷いた。
「少年の欠片を集めてオーブに光を灯すことが出来れば、蜂蜜酒も作ってもらえるな! 頑張ろう」
食欲魔人じみたことを大真面目に言い、心底楽しみな風に笑う刀につられ、海もうっかり笑みを浮かべる。ふたりで笑えば、緊張は容易く解けた。
(次の階を目指すためにも、少年のためにも、)
『心のかけらをあつめよう。がんばろう』
決意を新たにする刀と海をぼんやりと眺めつつ、由貴奈も向かう先を定める。
「んー……東の小屋に行ってみよっかー」
「お供します、壬生さん」
急ぐ風でもない由貴奈に続くは、
常闇 月
。
「俺は果樹園に向かう」
橙の光の粒子が薄く纏わりつく両手持ちの戦斧を逞しい肩に担ぎ上げ、
鮫ノ口 礼二郎
が悠揚とした足取りで歩き始める。
「誰か、一緒に来るか。苦難を乗り越える仲間が居るなら心強い」
「はーい、自分も行ってみるよ」
「ああ、僕も行くよ。知らない果物の樹が生えていて面白そうだ」
振り返る礼二郎に、寝太郎が半纏の裾とぬいぐるみ猫の尻尾をぱたぱたさせながら駆け寄る。紫鶴が黒和弓を片手、矢筒を片手、下駄の足元を苦にした様子もなく軽々と進み始める。
それぞれに集い、それぞれが目指す場所へと向かい始める人々の背中を無関心な瞳で黙して眺め、天吏は己が地面に記した地図へと視線を落とす。記憶する。
(……少年が、本当に全部を管理していたのかしら)
少年であれ大人であれ、この広大な農地を一人で全て管理していたとは思えない。寝子島から来た人々の一人が言っていたように、たくさんの妖精が働いていたとしても。そう思わせるほどに、ここは広大だった。
その地平まで広がる農場を、天吏はひとり、歩み始める。
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2016年07月26日
参加申し込みの期限
2016年08月02日 11時00分
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2016年08月02日 11時00分
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