this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【星幽塔】第三階層 鳥籠には少年の欠片
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
11
つぎへ >>
煉瓦造りの小屋の屋根の上、黒い狼が座している。
小屋から少し離れた玉蜀黍畑に身を潜め、
来島 アカリ
は薄紅色の瞳に力をこめた。
吹き抜ける風に音を紛らわせ、小屋の周囲に視線を走らせる。見たところ、屋根の上に陣取る一際巨大な狼が一匹、小屋の脇に捨て置かれた大きめの檻の周囲を無闇に巡る、屋根の上の一匹よりも小柄な狼が二匹。
見止められるのはその三匹だけではあるものの、
(今いる奴だけとも限んねーのか……)
警戒するに越したことはない。
「まずあいつから潰そう」
傍らに膝を折り、そっと様子を窺っていた
シグレ・ナイトウォーカー
が低く囁いた。
「ここから行けば檻からは死角になる」
「一匹だけ高所にいるアイツが司令塔の可能性もある」
「ご名答」
シグレの微笑みを受け、
獅子目 悠月
は僅かに笑む。高く結い上げた赤銅色の髪が肩から滑り落ちるに任せ、榛の瞳に長い睫毛の影を落として瞬く。
「あいつがリーダーならそいつ倒せば残りが尻尾巻いて逃げる可能性もあるし」
張り合うように口にするアカリを悠月はちらりと見遣る。反射的に反駁の声を上げようとして、間に膝を突いているシグレを視界の端に捕らえた。唇を尖らせつつ、極々小さく顎を引く。
「狼は群れる生き物だしな」
悠月の珍しい肯定を受けて、アカリは目を丸くするも、
「そいつから倒すってシグレ先輩の案でいいと思うぞ」
「先に司令塔らしき奴を押さえる為にもシグレの案でいくか」
次に発した言葉が悠月とぶつかりあった。くすりと笑うシグレにふたり同時に困惑の瞳を向け、ふたり同時に視線を上げて睨みあう。
先に逸らしたのは、今はアカリだった。
「俺は近接戦闘とか防御とかはさっぱりだし」
サーベルを腰に帯びたシグレと、ろっこんによって自身の半径一メートルに半透明の障壁を作り出すことのできる悠月に言い、魔水の光が変化した杖をそっと持ち直す。氷の花蕾のような装飾が頭についた杖は、振るえば氷の矢を撃ちだすことができる。
「遠距離からの攻撃に専念する」
「ひとまずは俺もだ」
アカリの横顔を一瞥して後、悠月も携帯してきた弓に矢を番える。第一階層のサジタリオの町で買って来た弓は、狩人の光の加護を得ている。ほとんど狙い過たず敵を穿つことが適う。
「……頼りにしてるぜ?」
左右の後輩を交互に見、シグレは蒼い瞳を笑みに細めた。
悠月とは第二階層で共闘している。その悠月の友人であるアカリも、ここに至るまでの挙動を見れば信頼に足る動きをすることは確実と思われた。
だからこそ、重要な初撃を後輩ふたりに託すことに躊躇いはない。
「行け」
シグレから落ち着いた声と共に背中を叩かれ、悠月とアカリは息を合わせる。揃って繁みから立ち上がると同時、悠月が瞬きの間に矢を二本撃つ。アカリが杖を振るい、
「出力全開でブチかます!」
氷の矢を無数に空中に生み出し放つ。
眼下の玉蜀黍畑から不意に立ち上がり攻撃を仕掛けてきた二人に、屋根の上の狼は跳ねるように立った。その途端に右の眼に矢を受け、足元を無数の氷の矢に凍り付かされ、屋根から滑り落ちる。
よろめき立ち上がるなり、ボス狼は一声鋭く鳴いた。
地面に落ちたボスに向け、シグレが走る。風を纏った剣を抜き放ち、風に似て速く鋭い一突きを狼の巨躯に突き込む。
明らかに狼の胴を貫いた一撃は、けれど狼の胴を分厚く纏う被毛と皮に阻まれ内臓には至らない。
けれどシグレの目的はボス狼を仕留めることではない。
狼の胴から剣を引き抜くと同時、シグレは剣に纏わせた風を爆ぜさせる。瞬間、狼の巨躯を旋風が包む。引くも進むも適わず、狼は悔し気に喚いた。
「来島!」
「はい!」
シグレが狼を足止めしてその場から引くに合わせ、アカリは杖を振るう。再度出力全開な一撃を見舞おうとして、思わず唇を噛む。杖に、身の内に宿ったはずの星の力が減退している。
それでも数十に及ぶ氷の矢を作り出し、アカリはボス狼の全身を凍りつかさんと魔法を放つ。
周囲の玉蜀黍を凍りつかせながら飛来した氷の矢が、シグレの旋風による拘束を受けたボス狼に次々と突き刺さる。
「……まだ、来る……!」
四肢を頭部を、半ば氷漬けにされながら、旋風の檻を抜け出そうとボス狼が恐ろしいほどの生命力でもがく。
「ッ、もう一撃ぶちかましてやる!」
アカリの声を傍らに、悠月はボス狼の咆哮に応じる声を聞いた。素早く視線を巡らせれば、小屋の向こうから怒り狂いつつ駆けて来る二匹の狼。
「シグレ!」
「牽制を!」
発した警句は、振り向きもせずに返された。こちらを信頼しきった言葉に、悠月は唇を強気に笑ませる。
「任せろ!」
言うなり矢を番え、瞬きの間に狙いすまし、射る。風を切り裂いて飛んだ矢は、シグレに迫ろうとしていた狼の前肢を貫いた。高い悲鳴を上げ、一匹がその場で飛び上がる。仲間を射られたもう一匹が、狙いをシグレから悠月たちに変更する。
「可愛い後輩たちに噛みつかないで頂こうか!」
ボス狼の止めをアカリの遠距離攻撃に委ね、シグレはふたりに近づこうとする狼へと足を向ける。二人と狼との線上に己の身を割り込ませる。油断なく剣構えるシグレを前に、狼は低く身を伏せた。地を蹴り、跳躍する。
アカリの重ねての氷の矢を受けたボス狼の断末魔が響き渡ったのと、
悠月が放った矢がシグレに飛びかかる狼の眉間に突き立ったのは、同じ刹那。
「来島!」
眉間を矢で射抜かれた狼の胸に刺突を見まいながら、シグレが見たのは、足に矢を受けつつもアカリへと突進する最後の一匹。
アカリが咄嗟に杖を振るうも、ボス狼を斃すことに魔水の光を費やした為か、氷の矢は現れなかった。
「……ッ!」
狼に食いつかれる痛みを覚悟して身構えるアカリの耳朶を打ったのは、高く澄んだ、――歌声。
上半身と頭を庇って持ち上げた両腕をそっと下ろす。きつく閉じた瞼をそっと押し開けば、己の目前には半透明の障壁が出来ていた。
己に襲い掛かろうとした狼は、手を伸ばせば届きそうなほどの障壁の向こう側、不満げに低く不穏に唸っている。
「獅子目……?」
聞き間違うことなど決してない歌声の主の名を、アカリは囁く。傍らに立ち、儚くも力強い声をその細い喉から紡いで、悠月は不満げな一瞥をアカリへと向けた。アカリと己自身とを護る障壁を、歌声で発動するろっこんで作り出しながら、指を上げる。示すは、目前で唸り、障壁を引き裂こうと繰り返し鋭い爪を振り回し顎開いて牙立てる狼。
(非常に癪だが、って顔だな)
悠月の顔を視界の端に、アカリは深く息を吸い込む。身の内に残る星の力は残り少ない。時間が経てば元に戻るのかもしれないが、
(今は、これだけだ)
吐き出す息と共、杖を掲げる。ちりちりと空気を鳴らし、頭上に蒼い氷の結晶が集い始める。
今優先すべきは、目の前の敵を倒すこと。
攻撃のための魔法を残り僅かな星の力で創り上げようとするアカリをちらりと見遣り、悠月は真っ直ぐに狼を睨む。
(そうだ、お前は攻撃に専念しろ)
狼の牙が障壁を抉ろうとする。爪が削ろうとする。
障壁が傷つけられる毎、心臓が激しく跳ねる。全身に疲労が圧し掛かる。
ともすれば乱れそうになる息を噛み殺し、悠月は顔色ひとつ変えずに歌を紡ぎ続ける。
(めちゃめちゃ不本意だけど、というところか)
アカリの心中を読みつつ、アカリを護るために聖歌を紡ぎ、ろっこんを発動させ続ける。
シグレが風の勢いで駆けて来る。もう数秒もすればシグレの刃が狼の背に届く。もう数秒もすればアカリの氷の矢が完成する。
シグレが近接の剣で、アカリが遠距離の矢であるのならば、
(俺は二人を守る盾だ……!)
「獅子目!」
「無理すんじゃねー!」
シグレとアカリの声を合図に、悠月は歌う唇を閉ざす。障壁が消え失せて、刹那、アカリの氷の矢が、シグレのサーベルが、風を裂いた。
氷の破片に喉を射られ、風纏う刃に胴を薙がれ、最後の一匹が地に叩きつけられ身動きを失くす。
崩れそうになる膝を堪え、悠月は背筋を伸ばした。傍らのアカリと近づくシグレにどこまでも強気な笑みを見せる。
悠月の笑みを見、けれどアカリはすぐに視線を逸らした。
「檻と小屋の中を確認、だな」
周囲に狼の気配が絶えたことを確かめつつ、小屋へと足を向ける。ぐるりを巡り、端に無造作に置き去られて見える檻を覗き込めば、
「開いてる、ぞ……?」
大型の獣を捕らえておけるほどの檻の格子扉は開かれ、中にはひとの首に嵌まる大きさの首輪がひとつ。首輪には鎖が繋がれ、鎖の先は檻の鉄格子に絡められている。
「繋がれていた何者かが逃げた、というところか?」
シグレの推論に頷いて、悠月は注意深い視線を地面に這わせる。
「血痕、か……?」
見つけた血の痕を辿れば、小屋の入り口に辿り着いた。
「おい、怪我してんのか? ここ開けろよ、助けに来たぞ!」
アカリが躊躇いもなく扉を叩き、
「屋敷の少年から君たちを集めるべく頼まれた。共に――」
シグレが言い終えるよりも早く、扉が勢いよく開く。中から飛び出して来た麦藁色の髪と眼の少年を、悠月が受け止める。日焼けしたうなじに首輪の痕を、腕に狼の爪に裂かれた傷を負いながらも、少年は怒りのあまり剣呑に輝く瞳をもたげた。
「連れて行ってくれ。僕は、あの子を、……」
助け出された安堵のせいか傷のせいか眩暈覚えたようによろける少年の身を、悠月は支える。
悠月の腕にしがみつく少年の剥き出しの肩に刻み込まれた星座の意匠を目敏く目に留め、シグレは蒼い瞳を細めた。
「アクエリアス」
シグレが口にしたその名に、少年は眉間に皺を寄せる。
「……そう、僕はアステリズムの一員。みずがめ座、リア」
低く低く唸る声には確かな怒りが籠っている。
「だからこそ、僕は行かなくては。こんなところで足止めを喰っているわけにいかないんだ」
「連れて行ってやる」
力強く頷く悠月の耳に届いて、行く手を遮るかのように狼の遠吠え。思いがけず近くに聞こえた咆哮に、悠月が身を固める。アカリが身構え、――シグレが悠然と背を見せる。
「俺が惹きつけ役になろう」
道の先、繁みから黒い狼が飛び出した。間を置かず襲い掛かろうとする狼の足元、風を切り裂いて飛んだ矢が突き刺さる。
「助太刀するよぉ」
道を挟む小麦畑の中、炎を象ったような弓を構えて立ち、ひょこりと現れた
壬生 由貴奈
がひらりと手を振る。
「行け!」
シグレが鋭く叫ぶ。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
11
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【星幽塔】第三階層 鳥籠には少年の欠片
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月26日
参加申し込みの期限
2016年08月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!