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さまよいアルク 最終章~茜色に揺れる魔導帝国ローシルテ
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【それぞれの役割、それぞれの思い】
手元の小さな機械……中央に茜色の石がはまったトランシーバーのようなものに、
呉井 陽太
は声をひそめて話しかけます。
「あー、あー。テステス、マイクのテスト中……春彦君、聞こえる?」
「ばっちり聞こえてるぜ! 通信機ってアイディアは、アタリだったよなー」
通話口から聞こえてくる軽やかな声は、親友、
楢木 春彦
です。
「うんうん、彰尋君のおかげだねぃ。お礼言っといてくれる?」
「おう。鴻上ー、呉井がありがとよーって!」
これもまた魔導技術の産物であるらしい通信機器は、
鴻上 彰尋
が主に担当した事前準備のうち、ファシナラと協力して用意したものです。残念ながら数が揃わず、ひとりにひとつずつとはいかなかったものの、それでもおかげで旅人たちは、いくらか分散しての行動も可能になりました。どういたしまして、と通信機から小さく聞こえた彰尋の返事に、陽太は小さく笑みを浮かべます。
潜伏が得意な彼は、軍港の入り口近くの死角、ずらりと並んだ戦車の影に隠れている一行からはひとり離れて先行し、潜入の隙を伺っているところです。
「んで、呉井、どうだ? 警備の様子は」
「ん、そうだねぃ。春彦君の言うとおり、確かにちょーっと、薄くなってる気がするよぅ」
人手が手薄になりやすいのは、昼食時や休憩時。その隙を突くことを提案した春彦の思惑は、どうやら当たっていたようです。こっそりと顔を覗かせて確認してみると、周囲に見える兵士たちの数は、先ほどバリケード付近に密集していたほどに多くはありません。
「よし、そんじゃ行動開始といくかー。頼んだぜ、呉井!」
「おっけー。じゃ、いくよぅ?」
作戦実行の合図を経て、陽太がポケットから取り出し、ころりと手のひらに乗せたのは、猫の形をした小さな粘土細工。それを指先でつんつん、とつつくと、腕を振りかぶり、
「いっといで~、『
ニャッタ君
』♪」
びゅ、と自慢の投擲技術で投げた人形の描く放物線は、狙いバッチリ。ちょうどいいところへ投げ込んで、ろっこんを発動……歩哨の任に着く兵士の気を引くように、粘土細工のニャッタ君を操作して、戦車の装甲を爪でもってかりかり、かりかり。音を立てると、
「ん? 何の音だ……誰かいるのか?」
兵士の注意が逸れた瞬間を見計らって、今度は仲間たちが、すぐさま行動を開始します。
小山内 海
の引いたラインに乗って、滑るように高速移動……あるいは体重の軽い女性陣などは、
御剣 刀
が抱えて加速し、
「……っと、到着だ」
運んだり。
「よし、次行くよ」
サキリ・デイジーカッター
と一緒に短距離瞬間転移したり、それぞれのろっこんを活かしてピストン輸送。陽太の潜むポイントへと、手際良く移動させていきます。
「アルクちゃん、いつになく元気ですねー」
ひらひら、飛んできた蝶がふわりと
屋敷野 梢
の姿に変わり、むぎゅっと
綾辻 綾花
の胸に抱かれた白黒猫を眺めて言いました。先ほどに飛び出していってしまった彼を、綾花と
恵御納 夏朝
、それに
トワ・E・ライトフェロゥ
などが追いかけ、ちょっぴり苦労しつつもどうにか、際どくキャッチアップ。ここまで連れてはきたものの……それでも落ち着かず、彼はしばし、じたばたするのを止めませんでした。
今はひとまず大人しく抱かれてはいるものの、きょろきょろと周囲へ、しきりに青い瞳を巡らせています。
「アルク……そんなに、
ベルベット
ちゃんに会いたいのだ?」
後木 真央
の、口にした名前。ベルベット。ファシナラが教えてくれました。
『
ベルベット・ル・グリエス・ローシルテXIV
』。いかめしい響きのそれが、アルクの飼い主……この国の皇帝たる、少年の名だといいます。
「……会わせてあげないと、ですねー。それでやっと、私たちのやるべきことが分かるんですから。いろいろ考えるのは、後で!」
「うん、そーなのだ。絶対ぜったい、会わせてあげるのだ~アルク~!」
白黒の頭やら背中を撫でながら、梢や真央も、仲間たちも、改めて心に決めました。
オーデン・ソル・キャドー
の両手には、通信機がひとつずつ。機械の類には明るい彼も、異世界の技術には興味津々です。
「魔導技術ですか、ふむ……可能なら、構造を詳しく調べさせていただきたいところですが」
とはいえ今は残念ながら、その時間も余裕もありません。オーデンは通信機を、目の前のふたりへと手渡します。
「くれぐれも、お気をつけて」
「おっけー、アリガトーオーデンさん! 皆を信じて、チョーットいってくるゼイ☆」
受け取ったのは、
志波 武道
。それに、
「よーしっ、天音ちゃんも頑張っちゃうんだよー!」
鈴原 天音
。先ほどに、仲間たちを進ませるため自ら囮を引き受けた
雨寺 凛
のように、ふたりもまたそれぞれに、兵士たちの耳目を惹き付ける役割を申し出ました。
危険は当然、付きまとうことになるでしょう……けれど、いかに手薄な時間帯とはいえ、ただ手をこまねいていても、やすやすと目指すところにたどりつけそうにはありません。
春彦と陽太は、武道へ心配そうに、
「志波先輩、無茶すんなよなー?」
「武道君……気を付けて」
「ああ、分かってる。ありがとう、ふたりとも」
毒島 林檎
は、幼馴染の小さな身体を、ぎゅうっときつく抱き寄せて、
「鈴原……(『天音ちゃん、ケガしちゃ嫌だよ~! 気を付けてねっ!』)」
「うんっ、大丈夫! きっと何とかなるんだよー、心配しないで、林檎ちゃん!」
決意は、固く。やがてふたりはうなずき合うと、ぱ、と二手に分かれて、軍港の中央付近……兵士たちが多く集まる一角へ、軽やかに駆け出していきました。
つま先立てて、ぴょんっと小さく飛び跳ねて。
「いっくよ~~~!!」
天音は思い切り、大ジャンプ! 戦車を飛び越え、積んであるコンテナの類に軽々と飛び乗り、浮かぶ浮遊艇の外壁をごいんと蹴って、時には、
「な、何だあの小さいのは……うわ!?」
「むーっ、小さいは禁句なんだよー!!」
兵士のかぶった兜を、むぎゅっ! 踏んづけて。再び茜色の空へと向かって、ぴょいんと跳躍。確かに小柄な彼女、もしかしたらふらりと紛れ込んでしまった、どこかのイタズラな子どもにでも見えたかもしれません。
「うっわー、たくさん来たきた! でも、このくらいなら……うん、なんとかなりそうなんだよーっ」
詰めかける兵士たちの手を逃れて、ひょいっ。別のほうから来たひとりを、しゅばっ! 身をかわして、四方から取り囲もうと迫る一団には、その中のひとりへと目がけて地面を蹴り、思いっきり、キック!
「ふぇえ、ごめんなさいなんだよ~! でも、まだ捕まっちゃうわけにいかないんだよっ」
開いた人波の隙間をするりと抜けて、なるべく多くの兵士たちを集められるように。ホップ、ステップ、ジャンプ!
明るく、どちらかと言えばお気楽に見える天音にももちろん、この旅に、そして白黒猫に、思うところはありました。
「アルクちゃんが、ちゃんと飼い主さんに会えますように……そのために、わたしたち、ここまで来たんだもん」
ちらりと視界に、仲間たちの姿。軍港の端っこ、停泊している一隻の浮遊艇を目指して進む彼らへと、届かないと分かっていながらも。天音は、
「みんな、頑張ってねー! わたしもめいっぱい、頑張るんだよーっ!」
アルクとは距離が離れてしまったためか、いつしか兵士たちが口々に叫ぶ言葉も分からなくなり、ぞろぞろと人数は集まり始め。飛び跳ねる天音を捕まえようと、躍起になって迫ります。
それでも天音は、元気いっぱい! 叫ぶのです。
「鬼さんこーちらー、手のなるほうへー! なんだよーっ!」
そして、もう一方。天音とは少し離れた別の一角で、こちらは密やかに行動する武道。目の前にはじりじりと、長銃を構えて近づいてくる、兵士がひとり。
「この場所! この場所に行きたいんですー、意味ワカルゥ? ワッカンナイカナー」
彼の掲げた手には、ひらり、一枚の紙がありました。そこへと書きつけられた文字は、
『此奴は侵略を企てている。幸い文字が読めぬ様で、代わりにこうして密告の旨を記載した。観光客を装い情報を探ろうとしているため、適当な場所へ案内するフリをし、捕らえろ』
武道もまたアルクとは離れ、今はもう意味は読み取れないものの、大まかにそんな内容を示しているはずです。ファシナラに頼んで一筆したためてもらった紙切れ一枚を手に、武道は兵士を釣り、指示通りに物陰あたりへと連れ込み捕らえようとする相手へは、
「悪いな。よっと」
甲冑のわずかな隙間を狙って、びしりと手刀をひと突き。ろっこんを使って麻痺させ、行動不能に陥らせていきます。同様にして少しずつ兵士を排除していったなら、大いに仲間たちの助けとなるでしょう。
そうして動きながらも、ふと。もはや染み付いた、クセのようなものかもしれません……武道は、考察へと頭を巡らせます。
思い浮かぶのは、あの機械の友人。
Mr.ブルックスの語った言葉
です。
(……滅びた世界の住人たちは、ローシルティウムの中に新しい世界を作り、そこへと逃げ込んだ……高純度のローシルティウムは、『世界すら記憶することができる』。だとすると、アルクの首輪の石に封じられているのは……)
もうひとり、怪しむそぶりでやってきた兵士のひとりへ、にこやかに紙を掲げて見せながらも。武道は、思うのです。
この旅は、一体、何であったのか? と。
(これまでに訪れた世界は、全て……
アルクの石の中
? そうなのか? 俺たちは、意識だけをその中に取り込まれている……? だが、待て。たどってきた世界が単なる『記憶』なら、他世界の物を、どうして俺たちは持ち出せた……?)
武道の受け取ったローシルティウム・ディスクもまた、懐の中にしまい込んでありました。その感触は本物で、艶やかな質感など、どうしても夢幻か何かだとは思えません。
恐らくは旅も終わりに近づきながら、考察が真なる答えを導くにはいくつか、足りないピースがあるようです。
「それもこれも、全部埋めるには……もーちょっと。頑張らなきゃいけないカナ!」
いつしか武道の存在は周囲にも知れたようで、向こうからやってくるのは、幾人もの兵士たち。まだ発砲こそしてはこないものの、捕まればきっと、多少なりとも痛い目を見ることにはなるのでしょう。
それでも。武道もまた彼らへ、叫びました。
「さぁ、脅威はここにいるぞ! 来いッ!!」
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冒険
SF・ファンタジー
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20人
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20人
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シナリオガイド公開日
2016年02月21日
参加申し込みの期限
2016年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月28日 11時00分
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