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【クリスマス】メリークリスマス、旧市街
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宵闇が深く落ちても止まぬ雪を被った七福猫のモニュメントを囲うように、光るトナカイのイルミネーションが飾られている。
木枯らしにゆらゆらと首を揺らすトナカイの赤い鼻をぼんやりと眺め、
葉利沢 倫理子
は黒い睫毛の影を黒い瞳に落とした。木造の駅舎を色とりどりに飾るイルミネーションが、ロータリーや道路に設けられたクリスマス市の屋台の光が酷く眩しく感じられて、クリスマスに湧く街のざわめきが酷く耳に障って、倫理子は艶やかな黒髪に縁どられた白い頬を微かに震わせる。
旧市街にある心療内科に赴いた帰り道にあるとは言え、賑わう街を歩くのは少し気が重かった。夏休みに体調を崩し、そのまま九月から十月までを療養生活に費やした病み上がりの身であれば尚のこと。
(でも、もう十七歳なのだから)
たった二週間前の十二月十日が、十七歳の誕生日だった。
(……あの日も、……)
三年前のあの忌まわしい夜も、誕生日から数日後だった。
忘れたくとも忘れられない、忘れようとする度に思い出してしまう過去の記憶に胸が潰れる。息が詰まる。吐き出した次の息が吸えず、吸っても吸っても息が出来ず、
(だめ、……)
過呼吸の発作だと頭で理解しても身体では理解出来ない。何度カウンセリングを受けようと癒えない過去の傷から汚らわしい血膿が噴き出す。
(だめ……!)
唇を冷たい指で抑える。混乱に陥りそうな心をぎりぎりの縁で堪える。
「……っ、」
深く深く、息を吐き出す。
胸が痛んだ。目眩しそうなほど、指の先までが重く疲れてしまった。
色鮮やかに華やかに、賑わうクリスマス市の楽しげな人々の隙を縫ってよろめき歩き、駅前のベンチに腰を掛ける。
疲弊した瞳に、きらきらと音もなく煌くイルミネーションを映す。行き交う人々をぼんやりと眺める。さっきまでは酷く心をざわめかせたイルミネーションは、今は疲れた心を慰撫するように優しかった。
緩やかに、心が落ち着いて行く。
駅舎やロータリーを飾る光は、他の地区に比べてしまえば派手さという面では到底及ばない。ささやかに、けれど確かな手作り感が感じられた。飾り付けた人々の暖かな心が感じられた。
優しい光に胸の痛みはいつしか和らいでいて、倫理子はそっと白い息を吐く。全身を侵していた倦怠感も随分と抜けている。
行き交う人々に踏み散らされて半ば泥に塗れた雪を踏み、立ち上がる。足元を確かめつつ、駅前のクリスマス市に足を踏み入れる。人混みはやはりどうしようもなく苦手ではあったけれど、露店に売られている色鮮やかなクリスマス飾りや、温かな湯気や食欲をそそる匂いをたてる食べ物や飲み物は、ほんの少し楽しさを掻き立ててくれた。
買い求めた温かいミルクティーとジンジャーブレッドを手に、クリスマスに因んだ雑貨の露店を覗く。雪だるまのキャンドル、リボンの紅が鮮やかなクリスマスリース、手の込んだオーナメントつきの小さなツリー。
きらきらとした空気さえ纏って見えるクリスマス雑貨の中から、硝子にワイヤーを掛けたランタンベースを手に取る。蝋燭と松ぼっくりが納められた優しい雰囲気の飾りは、殺風景な自室に少しでも彩りを与えてくれるだろうか。
ポインセチアの飾りがついた紙袋に購入した雑貨を入れてもらい、次は何を見ようかと踵を返して、
とてとてとて、七福猫の周りを今にも転びそうに危うげに歩く謎の生物と遭遇した。
(……これが噂の)
話しかけたり背後から触ったりしただけで気絶するという、マンボウくん。
(さすがに嘘よね)
大袈裟な噂を検証する気にもなれず、不器用に歩くおはじき型のナニカを眺めているうち、マンボウくんの後ろに小さな少女が現れた。
現れた、としか表現しようのない唐突さでマンボウくんの背後をとった少女は、灰の瞳をイルミネーションの光に銀色に輝かせる。雪をひとひらくっつけた波打つ銀髪を木枯らしに揺らし、
「こんにちはなのです。ゼロはゼロなのですー」
ふんわりとした星型のわたあめと銀色の星型オーナメントを手にしたのとは反対の手でマンボウくんに触れる。途端、
「きゅう」
マンボウくんはその場にぱたりと倒れた。気絶した。
「……マンボウくん、」
倫理子は思わず普段はあまり感情の起伏を見せない目を丸くしてマンボウくんの傍に膝をつく。介抱するために触れていいのかも分からず、そっと声をかける。
「大丈夫なの? しっかりして!」
おろおろする倫理子と気絶したマンボウくんを交互に見遣り、
ゼロ・シーアールシー
はのんびりとわたあめを口に含む。
「おいしいのですー」
わたあめのようにふんわり微笑み、綿雪のようなワンピースの裾を風に膨らませてマンボウくんと倫理子の隣に幼女の仕草でしゃがみこむ。
「えっとね、メリークリスマスなのです」
小さな指先でマンボウくんのヒレや足に触れてみる。
「中の人はいるのですー?」
躊躇いなくマンボウくんを撫でるゼロに倣い、倫理子もそうっとマンボウくんの平べったい頭に触れる。
「中の人なんていないんだよぉ」
水色のヒレがぴこぴこ動いた。もじもじと足を動かし、ヒレだけを器用に動かし、マンボウくんは起き上がる。その器用な起き上がりっぷりに、周りで見物していた人々から暖かい拍手が起きた。
「わわっ……きゅう」
応援の拍手にさえびっくりして、マンボウくんは再びぱたりと雪の地面に気絶する。
「マンボウくん、マンボウくんっ」
慌てる倫理子にマンボウくんの介抱を任せ、ゼロは現れたときと同じに、ふわり、その存在感の希薄さでもってその場から消え去るように立ち去った。人混みに迷うように紛れるようにふわふわと歩き、様々なメッセージの残された黒板の掲示板の前に立つ。
クリスマスらしい、温かな心こもったメッセージを眺め、自他の安寧の増大を是とする不思議少女は夢見るように微笑んだ。あどけない少女の指先に白墨を取り、爪先だって掲示板に文字を書き込む。
『安寧に満ちたよいクリスマスを』
「なのですー」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
49人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月06日
参加申し込みの期限
2016年02月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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