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【クリスマス】メリークリスマス、旧市街
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深海色した瞳で覗き込む一眼レフのファインダーの向こう、夕景の駅舎を飾るイルミネーションと、七色の光に彩られた銀の髪。
誰かを探すように雪の中に巡らせた銀髪の頭が、真っ直ぐにこちらを向く。
「おお、神嶋」
一眼レフのカメラを無言に構える
神嶋 征一郎
に向け、
内藤 武諭
は緋色の瞳に僅かの笑みも乗せず、仏頂面でピースサインをしてみせた。
「また持ってきたのか」
「以前廃墟に行った時に面白ぇもんが撮れたから」
シャッターをひとつ切り、征一郎はカメラを下ろす。挑むように、笑みも浮かべぬ冴えた瞳で武諭を見遣る。
「今回も期待の意味をこめてだ」
征一郎の頬が何かを思い出したかのように緩んだのを、武諭は見落とさなかった。
「言っておくがあれはアレだからな」
カメラに向けた仏頂面と同じ表情で言い募る。
「別にビビッてなどいない。ただ予想外な事に対応しきれなかっただけのことだ。英語で言うとキャパオーバーというヤツだ。俺のシマじゃノーカンだから」
「ロベルト、こっちだ」
廃墟での恐怖体験をなかったことにしようとする武諭をほとんど無視して、征一郎はロータリーを渡ってすぐにある動物園の看板の前に立つ
ロベルト・エメリヤノフ
へ声を張る。
「お、みんな来たね」
鮮やかな赤毛を雪風に揺らし、ロベルトはクリスマス市に賑わう人混みの中にあっても目立つ長身の友人ふたりに手を振った。足元に置いていた手荷物を片手に、並んで歩くふたりの元に駆け寄る。
「……てめぇに言われるがままに来たが」
人混みに辟易したように低く唸りつつ、征一郎は赤毛の友人の持つ手荷物を一瞥する。目に留めながら見なかったことにする。
「うん、声かけておいてなんだけど、僕、旧市街は詳しくないんだ」
反省の色ひとつ見せず、ロベルトはまだまだ少年ぽさの残る薄い胸を張る。
「いつもはシーサイドタウンか星ヶ丘の方だからなぁ。神嶋と内藤は? この辺詳しい?」
他人には威嚇にも見えるだろう己の態度にも全く怖じず、人懐っこくぐいぐい迫るロベルトに、征一郎は小さく白い息を吐く。
「旧市街はそこまで来ねぇな」
視線を巡らせる。夕景の駅舎とクリスマスイルミネーション、ロータリーを賑やかに彩るクリスマス市。
(……人混みは好きじゃねぇ)
「この時期は大抵どこもクリスマス一色に飾られてるし、珍しくも何ともねぇ」
「旧市街は俺は昔なじみだ」
吐き捨てる征一郎の背を気軽に叩き、とんと自分の胸を叩いてみせる武諭に、ロベルトが明るく屈託なく頼る。
「困った時は内藤よろしくー!」
「おう、任せておけ」
とにもかくにも、と武諭はロータリーを埋める露店を見遣る。まずは適当に駅前を散策しつつ、食料の調達といこう。
「しかしまぁ……せっかくのクリスマスだというのに男同士で過ごすのか」
雑踏に繰り出しながら、武諭は友人ふたりに目をやる。
「お前ら彼女とかいないのか?」
「そういえば……」
素知らぬ顔でコーヒーとジンジャークッキーを買う征一郎の隣、ロベルトがかなしい顔をする。けれどそれも征一郎からクッキーを一枚強奪するまで。
「……まあ友達と過ごすのも青春さ!」
食料を盗られたことにさして怒るでもなく、征一郎はクッキーを齧るロベルトにカメラを向ける。シャッターを切った直後にロベルトが気付き、満面の笑みでピースサインをした。瞳を顰めながらも、もう一枚、今度は傍らの武諭も入れて写真を撮る。
カメラを仕舞いながら流した視線の先に、六花を彫り込んだ硝子製の写真立て。目が引かれるに任せ、征一郎は写真立てを店番の女に差し出し買い求める。
迷うことなく買い物をする征一郎の背を眺めつつ、
「まぁ、俺も言えた義理ではないがな」
武諭は頬を引っ掻く。
クリスマスは毎年毎年、恒例のように腐れ縁の人間と家族ぐるみで過ごしてきた。いつものことと言えばいつものことで、そうすることに大した感慨もないが、
(今年は、少し違ったことをしている)
目前で同じものを食べる友人ふたり。気心の知れた友人と過ごすというのも、
(悪くはない)
「あ、……美少年の彼氏なら欲しいかな……」
ふとロベルトが呟いて友人ふたりから目を逸らした。
「お、おう」
「そうか」
ロベルトが美しい少年に並々ならず注ぐ情熱を知る友人たちは曖昧に頷く。
「クリスマスは、僕はみんなでワイワイやってきたかなぁ」
友人たちの視線には気付かぬ振りして、ロベルトは降りしきる雪を仰ぎぼんやり首を傾げる。
「神嶋は?」
武諭に水を向けられ、征一郎はクリスマスの記憶を辿って瞳を伏せた。
小学校から中学一年、その頃まではクリスマスを一人で過ごすことはなかった。家でヴァイオリンを披露したり、出掛けたりはしていた。
(付き合ってれば普通だろ)
「最低限の事はしていた、つもりだ」
プレゼントを贈ったりもした。
(贈った物は覚えてねぇ)
思い出を振り払うように息を吐く。肩に優しく触れる雪を払いのける。
「そういえば神嶋、最近仲良い女の子いるの知ってるんだぞー」
話を転換させようとしてか、悪戯顔で覗き込んでくるロベルトをしばらく真顔を見下ろし、デコピンをお見舞いする。
「今は彼女なんざいねぇし、クリスマスを一人で過ごさない日は久しい……弄り甲斐がなくて残念そうだな、ロベルト」
額を抑えて難しい顔をしていたロベルトが、途端に朗らかな笑顔になる。
「神嶋、そうだったのかー」
「……何だ」
「となればたしかに今年は珍しいかもなぁ」
道の端、真新しい雪の上にぴょんと飛び乗る。嬉しそうに足跡をつける。
「貴重な体験はしとくに限るよ、えへへ」
上機嫌な顔して、ロベルトは駅舎近くの屋台でベルのかたちした小さなカステラを買い込む。まだあったかいお菓子を友人ふたりに配る。
もらったカステラを手に、征一郎はロベルトを、武諭を、クリスマスを一緒に過ごしているふたりを見る。
「……奇特な奴に心当たりがない、とは言わねぇが」
奴らと言うべきだったか、とちらりと思う。
唇に浮かぶのは、ほんの僅か、皮肉な笑み。
「端から見たら可哀想な奴らだと思われかねないかもな」
わざと吐いた暴言に、けれど武諭が噴き出した。違いない、と肩を震わせ笑う。
「じゃあ! じゃあますます可哀想な奴らになってみよう!」
ロベルトは待ってましたとばかりにずっと持っていた紙袋の中からリボンで包装した小箱を取り出す始末。
「メリクリ! 二人にプレゼント!」
クリスマスプレゼントを押し付けられ、征一郎は溜息を吐く。
征一郎の吐いた息に、ロベルトは気弱な笑みを浮かべた。
「ごめんごめん」
「マグカップか」
軽口を叩きながらも肩を落とすロベルトに、武諭は中身を言い当てて笑う。開けてみれば、確かに白いマグカップ。
武諭に倣って開けた征一郎のプレゼントの箱の中身は、青のマグカップ。くすり、武諭が笑う。
「ロベルトは赤か?」
「あたり」
「プレゼント交換会でもする気だったのか? なら先に言っておけ」
「……迷惑だったかな」
言いながら言葉尻を萎ませるロベルトに、征一郎はもう一度息を吐く。
「誰も受け取らねぇとは言ってねぇ」
憎まれ口を叩きつつ、雑貨店で買った写真立てを渡す。
「さっき買っておいた、内藤の分も」
それぞれに違う雪の花を描いた硝子の写真立ては三枚。一枚ずつをそれぞれの手に渡し、征一郎は不機嫌な顔でそっぽを向く。
「……貸しを作るのは苦手なだけだ」
「神嶋ー!」
すかさず抱きつこうとした征一郎に素早くかわされ、たたらを踏むロベルトに、武諭はコートのポケットから引っ張り出した包みを差し出す。離れて観察の態を取ろうとしている征一郎にも包みを掴ませる。
「茶葉を奢ってやろう」
実はこっそり、事前に用意していた。
「祖父さんが一緒に選んでくれてな」
包みの中身は、洒落た缶に入った紅茶の葉。
「たまには友人に気の効いた事をしてやれと」
言い訳じみて言い、ぎゅっと眉間を寄せて怖い顔をする。
「だから、まぁ、なんだ」
照れる。
「後で飲め」
「なかなかお洒落な缶に入ってるね」
片手に写真立ての包み、もう片手に茶葉の缶の包みを持ち、ロベルトは栗色のどこか幼い瞳を嬉しそうに笑み崩す。
「ありがとう、神嶋。ありがとう、内藤」
常にない丁寧さでお礼を言われ、征一郎と武諭は気まずいような面映ゆいような視線を交わした。思い込みが激しい上に感情を暴走させたり空回りさせたりもするけれど、結局のところ、ロベルトはひどく優しい。クリスマスの今日をこうして三人で過ごすのも、ロベルトの発案あってのこと。
「えへへ、えへへへー……」
満面の笑みで友達ふたりからのプレゼントを抱きしめ、頬ずりさえしそうなロベルトを、征一郎は黙して眺める。
「ま、まぁ、喜んでくれれば何よりだ。な、神嶋」
「……自分に振るな」
困惑するふたりをよそに、ロベルトは上機嫌な顔で貰ったプレゼントを空になった紙袋に入れる。皆と一緒に次はどこへ行こうかと栗色の瞳を巡らせる。
「あ、黒板にいろいろ書けるんだね」
そうして見つけたのは、駅舎の入り口付近に置かれた黒板と白墨の伝言板。近づいてメッセージを見れば、小さな少女が背伸びして書いたような位置に、『安寧に満ちたよいクリスマスを』の文字。
「何を書こうかなー……」
「クリスマスに因んでなくても良さそうだな」
早速白墨を手に取るロベルトと武諭の背後から、征一郎は伝言板を覗き込む。『メリークリスマス!』、『リア充ばくはつしろ』、『ずっと大好き』、『サンマさんに負けるな!』、『見習い卒業ガンバレマンボウ』、様々な文字で書き込まれた、誰かから誰かへの伝言。
伝言板を前に悩むふたりの傍らに立ち、白墨を掴む。
「てめぇらは」
低く問いかけつつ文字を書き込もうと手を動かし始める。
「よく自分なんかと付き合っているが疲れねぇのか?」
(来年も馬鹿に――)
ドイツ語で書き込もうとして、掌で消す。ロベルトが気遣うような瞳で書き込もうとした文字を追っていた。むしろ、と赤毛の眉を八の字にする。
「神嶋の方が疲れてるかと思ってたけど……」
(それなら気にしなくていいんだけどな)
書き込む文字と互いへの気遣いの仕方に迷うふたりの友人を見比べ、武諭は心底不思議そうに首を傾げた。
「疲れる? それはお互い様だろう」
緋色の瞳を細める。驚いたように己を見る友人たちを真摯に見返し、唇を笑ませる。
「……という謙虚さが秘訣だ」
大真面目な顔で、冗談はさておき、と付け足す。
「俺はお前らとツルんで楽しいと思っているぞ」
入学したときから数えて二年弱の付き合いになる。ぶっきらぼうのその癖付き合いのいい根は優しいヴァイオリニストと、色々と迷走気味ではあるものの友達思いなロシア人と。
長い付き合いになるといい。そう、心から思っている。
(故に)
二人に見せつけるように、ガリガリと、案外達筆な文字を書き込む。
『ずっとともだちだ』
「な、」
ロベルトが栗色の瞳を瞠り、白い肌を紅潮させる。
「内藤ー! 武諭ー!」
嬉しさを友人の名にして叫んで、細身でありながらも筋肉質な友人の腰に力いっぱい抱きつく。
「うん……! ずっと友達だぜ!」
歓声をあげつつ、ロベルトは黒板に向き合う。
『メリークリスマス! 大切な友達へ、いつもありがとう』
ふたりの友人からのメッセージを前に、征一郎は気難しげに、まるで笑みをかみ殺すように、唇を引き結ぶ。
「……変な奴」
呟いて、白墨を置く。黒板の前を離れる。
「あ、神嶋! 神嶋も何か書こうぜ!」
「そうだぞ、こういうときは全員で書くものだ」
「うるせぇ」
黒板の端の端、ふたりには秘密にして短く走り書いた文字は、――『Tricolore 4ever』。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
49人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月06日
参加申し込みの期限
2016年02月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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