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【クリスマス】メリークリスマス、旧市街
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カウンター席の両親と妹に外に行くねと目くばせし、
仙藤 紫
は仲睦まじい家族の脇をそっと通り抜ける。さりげなく妻を労わる夫の様子を目にしているうちに、どうにも去年の今頃、恋人が居た頃を思い出してしまいそうになってしまった。
胸を切なく痛ませる元恋人との思い出をひとまず忘れたくて、雪ふりしきる外に出る。道路の端に座布団を敷いて置かれた椅子かわりのビールケースにそっと腰掛ける。
焼き鳥屋のクリスマス会に家族で参加すると聞いたときはちょっと変わってると思ったけれど、実際に来てみればこれはこれで楽しくて割合気に入ってしまった。
(ちょっと和風な感じというか、手作り感というか)
一緒に連れられてきた中学生の妹は居酒屋でクリスマス会なんてと不満げだったけれど、不貞腐れた顔は美味しい食べ物を口にした途端に屈託のない笑顔に変わった。カウンターに相席の男子からケーキを譲ってもらったこともあってか、今は不満も忘れてご機嫌なよう。
「ケーキ、食べるアル?」
話しかけられて顔を上げれば、頬にえくぼを刻んだチャイナ服の少女がケーキ皿の二皿乗った盆を片手に立っている。
「とっても美味しいヨ」
「ありがとう、頂くわ」
他愛のない会話が、今はありがたかった。
紫から大人びた笑みを向けられ、
畑中 華菜子
は笑みを深くする。折角たくさん人が集まっているのだから、できればたくさんのひとと話をしてみたい。
「居酒屋さんのクリスマス料理ってどんな感じアルかなぁ、って思ってたアル」
「チキンは和風な醤油ベースだったわね」
ケーキをつつく紫の隣に、華菜子はビールケースをひっくり返して椅子にする。ひょいと腰掛け、残りのケーキに手をつける。
「うちはクリスマスラーメンっていう名前のラーメンを作るアル!」
「ラーメン屋さんなの?」
「そうアル!」
紫の問いに、華菜子は元気いっぱい首を縦に振る。
「明日はお父ちゃんたちと一緒にいっぱいラーメン作って、お客さんたちに日頃の感謝をお伝えしたいアル!」
「いいわね、楽しそう」
「きっと楽しいアル!」
顔中で笑って、華菜子は店の戸口でキョロキョロと周りを見回す男子に気付いた。賑やかな場にあまり慣れていなさそうな風情の少年の側、ケーキの皿を片手に迷わず近づく。
「今晩はアルー。誰か探してるアル?」
「あ、えっと、」
近づいてくるチャイナサンタに意を決して話しかけようとした矢先に先手を打たれ、
津島 直治
は黒い眼を瞠る。驚いた分だけ、仏頂面になってしまった。
(何を話せばいいんでしょうか……)
「あなたは、サンタさんに何かお願いとかした……?」
「サンタさんアル?」
ちょっぴり不機嫌なような表情した年下の少年に大真面目に問われ、華菜子は小さく首を傾げる。そう言えば、ここ最近はクリスマスラーメンのことで頭がいっぱいだった。
真剣な顔の直治と眼を合わせ、華菜子は雪降る空を仰ぐ。
「今からお願いしても間に合うアルかなぁ」
雪に触れようと手を伸ばす華菜子に、直治は大きく頷く。
「だってサンタさんだから」
サンタクロースに全幅の信頼を寄せる直治の言葉に、華菜子は頷き返す。ぱちん、と両手を合わせ、きっと今は夜空を飛び回って大忙しなサンタさんにプレゼントを願う。
「楽しみアル」
「楽しみだね」
チャイナサンタと笑み交わして、直治はふと思い出す。『ハナ』の店員はサンタさんなんて居ないと言っていたけれど。
(大人になったら、サンタさん来なくなってしまうんでしょうか?)
大人がサンタを信じないのはだからかもしれない、と十四歳の直治は考える。
「……あ、でも……」
(来ないってだけでサンタさんはいますよね?)
真剣に悩んで考え込む直治の肩に積もる雪を、華菜子はぱたぱたと払う。眼鏡の奥で目を瞬かせる悩める少年に、空から舞い降りる雪を指し示す。
「雪、積もるアルかなぁ」
店先を飾るイルミネーションの光を受ける道の端や、サンタの飾りがよじ登ろうとしている屋根の上を、雪がうっすらと白く染め始めている。雪を見上げ、華菜子は店外でクリスマス会を楽しむ人々に明るい笑顔を振りまく。
「ホワイトクリスマスイブ、素敵アルナー」
クリスマスは毎年のように家族や友達と過ごしてきていた。クリスマスに寂しい思いをしたことがないからこそ、華菜子は知っている。
(こうやって皆で楽しくイブを過ごせるのは嬉しい事アル)
「メリークルシミマスなのだ!」
チャイナサンタの前、段ボール製の鉈を振りかざしてデビルサンタが立った。肩に担いだ袋の中から猫耳付きの小袋を取り出し、華菜子と直治に手渡す。
「ありがとアル!」
「あ、ありがとう」
「デビルサンタさんは良い子と悪い子を区別したりしないのだ!」
屈託ない顔で笑うデビルサンタ真央から貰った袋を開けてみれば、中身は手作りのジンジャーブレッドマン。甘い香りにふわり、生姜の香が混ざる。
「お礼にラーメン奢るアル! 今度『猫島軒』に来るアルヨ、デビルサンタさん!」
「ラーメンなのだ?」
「ラーメンアル!」
「ほんとなのだ?」
「ほんとアル!」
チャイナサンタと手を取り合って飛び跳ねて、デビルサンタは集まった人々に次々とプレゼントを配り歩く。戸外をぐるりと一周し、店内に入ろうとしたところで、白鬚つけて赤い帽子に赤い服着た店員と鉢合った。戸口を塞ぐ店員サンタの背後から、小柄な女将がひょいと顔を覗かせる。
「まあ、可愛いサンタさん! うちのとは大違いねえ」
「メリークルシミマスなのだ!」
「……正に、正にクルシミマスです……」
嘆く店員サンタと女将に猫耳小袋を押し付け、デビルサンタは店員と女将と入れ替わりに店内に入って行った。
「さあ、きりきり働きなさい」
割烹着姿の女将に背中を叩かれ、店員サンタは担いだ袋を地面に下ろす。中から取り出したプレゼントを、戸外で飲食する人々に配る。
チャイナサンタな華菜子には掌サイズの黄金色両手招き猫。
「ありがとアル! 今度お礼にラーメン持って来るアル!」
女将セレクトなどう見ても微妙なプレゼントに小躍りして喜んでくれるチャイナサンタに、店員サンタは丁寧にお辞儀する。
雪避けタープの端で静かに雪を眺める紫には、水に入れると割れて中から小鳥のぬいぐるみが出て来る子供の玩具。
「……大変珍しいものですね、ありがとう……」
やっぱり微妙なプレゼントにも、くすり、大人びた困った笑みを浮かべてくれる紫にも頭を下げて、店員はもう開き直る。
「さあっ、メリークルシミマスー! 女将からのクリスマスプレゼントですー!」
簡易テーブルに並んだ焼き鳥やチキンやポテトサラダやフルーツポンチを旨そうに食べる勘三郎にはお金を入れると躍る蛙の貯金箱、
「ぶっは、なんだこれ、おもっしれー顔ー!」
馬鹿笑いする勘三郎の手元の貯金箱を不思議そうにつつく直治には、一文字ずつしか書き込めないほどに小さな小さな白紙の本。
どう扱えばいいのか分からない玩具を撒き散らす店員サンタの後ろでは、
「メリークリスマス! プレゼントダヨー!」
イヴが女将にツボ押し機をプレゼントしている。
「……っと、忘れるところだった」
嫁の行動に柘榴も女将へのプレゼントを用意していたことを思い出した。
「年なんだからあんまり無理すんなよ?」
一応クリスマスプレゼントだ、と薬局『アネモネ』の薬剤師の柘榴特製の健康補助サプリメントを手渡す。
「イヴちゃんも毒島さんもありがとうねえ、柘榴ちゃん製のお薬は効くのよねえ」
「……俺もいい年なんだから柘榴ちゃんは止してくれ」
結い上げた白髪交じりの頭を掻き、柘榴は奥の席でひたすらに焼き鳥を齧る娘を見遣る。娘の隣に戻って再び飲食しようとする妻の手を取る。
「そんだけ食えば満足だろ?」
これ以上は店に迷惑掛かるから、と耳元に囁かれ、イヴはくすぐったそうに瞬きして、素直に頷く。
「久々にいっぱいはしゃいだネ!」
海色の瞳に満足げな笑みを満たし、情熱的な異国の妻は女将の両手を熱く握る。
「ありがとう、女将! また来るヨ!」
「じゃあな、婆さん。またな」
最後の最後まで元気な妻を優しい眸に映し、柘榴は娘にも同じ眼差しを向ける。
「帰るぞ、イヴ、林檎」
戸口の父に呼ばれ、林檎は底無しの胃を撫でて息を吐く。表情も変えぬ娘の心中を読み取って、柘榴は僅かに笑う。
「大丈夫だよ、家にも飯は用意してある」
帰るぞ、と重ねて呼びかけられ、林檎はごちそうさま、と手を合わせた。
「……世話になったな」
「また家族で来てね」
おっとりと笑む女将の脇を目礼して過ぎざま、
「何だか食べ過ぎちゃったみたい……ごめんなさい!」
間近に居る人間にだけどうにか聞き取れる声で本音を漏らす。
「いいえ、こちらこそありがとう」
うっかり心中を零してしまっているとは夢にも思わぬ林檎は、女将が微笑ましそうに答える意味が分からず、ちらりと首を傾げた。
雪景色の路に腕を組んで待っている両親のもとへと小走りに向かう。
「親父、お袋」
ふたりに呼びかけながら、今までこっそり隠し持っていた手編みのマフラーを二人の首にそれぞれ掛ける。
「キャー! やっぱり林檎はいい子だネー! 大好きダヨー!」
「……ありがとな」
全身で抱きついてくる母を受け止め、母の肩越しに不器用に礼を言う父を見上げ、
「……別に大したものじゃない」
林檎は低く吐き捨てる。頬ずりまで始めようとする母の抱擁は拒まず、母の肩口に顎を埋めて、ぽつり、
「いつもありがとう! 二人とも大好きだよ!」
それだけははっきりと、心の中で思う。
しっかり唇から零れる娘の心の声に、柘榴とイヴは目を合わせて微笑みあった。
道や屋根をうっすらと白く染める雪に、店を先に出た人々が楽しげに笑み交わしている。
家族と肩を並べて、酔った祖父を支えて、この会で知り合った友人と雪と遊びながら、それぞれがそれぞれに楽しそうに帰路を行く。
「この後は飲み会するアルかー」
「クルシミマスなのだー」
道の端に積もった雪で小さな雪猫を作ろうとしているデビルサンタ真央の傍、チャイナサンタ華菜子はしゃがみこむ。
まだ高校生だから飲酒は出来ないけれど、
「お酒飲めるようになったら飲み会っていうのに参加してみたいアルナー」
「そしたらクリスマス会とクルシミマス会、連続で参加できるのだ! ってことは、何時間飲み食い放題?! うわあ!」
出来上がった掌大の雪猫を電信柱の影に置き、真央は嬉しい悲鳴をあげる。
飲み会主催の店員は何だか悲愴な顔をしていたけれど、お酒を飲めばきっと元気になるに違いない。だって華菜子の周りの大人たちは、お酒を飲んでいるときは皆とても楽しそうにしている。
「きっと楽しい会に違いないアルー」
「子どもってつまらないのだー」
「はやく大人になりたいアルナー」
雪と戯れながら、キャッキャと楽しそうな女子たちをちらりと見、酒臭い息を吐きながら上機嫌な叔父の背をちらりと見、直治は後ろを振り返る。『やきとり ハナ』と書かれた電光看板を傍らに手を振る女将に向き直り、ぺこりとひとつお辞儀して、叔父の背を追う。
見上げる空には雪が舞う。朝には積もっているだろうか。
(早く帰って寝ないと)
真っ直ぐに帰り道を辿りながら、直治は帰宅後の計画を立てる。風呂に入って明日の用意をして、枕元には靴下を忘れずに。急いで動けば、夜十時半過ぎには床に就ける。
(夜遅くまで起きているような人のところにサンタさんはいらっしゃらないんですから)
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
49人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月06日
参加申し込みの期限
2016年02月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月13日 11時00分
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