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黄昏への訪問者たち
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段ボール製の鉈には赤い絵具で書きつけた血痕、ミニスカサンタのスカートの裾から惜しげもなく剥きだした腿には傷痕のタトゥシール。くるりとした子猫のような眼の翡翠色は紅色のカラーコンタクトに隠して、目の下にどす黒い隈を描き込むことも忘れていない。
先日、非リア充実神の使徒の降臨を目の当たりにし、その尊顔を拝んで非リア充エネルギーを充電したからには、リア充撲滅委員会デビルサンタさんたる己も発奮せざるを得まいとばかり、猫鳴館の自室で気合に気合を入れて準備をした。今宵はリア充狩りに励まんと猫鳴館から飛び出して、
「……ヲヤ?」
デビルサンタさんたる
後木 真央
は赤い目を瞬く。
目前に広がるは、多種多様な妖たちの荒々しくも賑やかな祭典。
あちらでは妖たちが殴り合い、こちらでは東洋西洋の魔物たちが怪しげな技を惜しげもなくぶつかり合わせている。
「世に聞くヴァルプルギスナハトのようなのだ」
魔女とその眷属たちが高峰に集いて行うとされる彼の祭典は、けれど確か四月の晦日を開始としていた。となればこれは何だろう。
妖たちの間に紛れても何ら遜色のないデビルサンタさんな格好で、真央は興味津々、好奇心のままに周囲を観察する。
「あ」
ぐるり巡らせた視線の先、何の大火の後か広大な草原の一角をぶすぶす黒く燻らせ、黄昏の空に黒煙上げる地に伏せて倒れる和装の男。途端、真央は目を輝かせる。あれは、あの見慣れた和装と翁の面は、
「グレちゃん発見なのだ~!」
歓声じみて叫ぶなり駆け出す。真っすぐに突撃して、容赦のないフライングボディアタックを倒れ伏した日暮にぶちかます。
「……ん?」
小柄とは言え力加減なしに突っ込んだはずなのに何の反応も示さない翁面の男を不審に思い、真央は起き上がるついでに男の襟首を掴んで持ち上げる。
「グレちゃん?」
起きてとばかり力任せに揺すれば、ぽとり、男の顔から面が外れて落ちた。まるで人形のように男の腕が、体全体が力なく揺れる。
「んん?」
面の下にあったのは、人形じみた無機質な顔して白い瞼閉ざす男の顔。色艶も体温もない頬は正に人形を形作る陶器そのもの。
「グレちゃん?」
二度呼びかけて、日暮の体が大きく震えた。閉ざされた瞼が一息に大きく開く。胸が呼吸に上下する。突然戻った呼気に驚いたように、日暮は真央に縋り付くようにして激しく咳き込んだ。
「うぅわ、どうしたのだなんなのだっ」
慌てる真央を黒い瞳に映し、日暮は心配無用とでも言いたげに片手をひらひらと振り身を起こす。
「堪忍やで、どつかれて魂消て魂飛ばしてしもとっただけや」
「魂?」
「うん」
焼け焦げた地面に落ちた翁の面を拾い上げて掛け直しつつ、日暮は面の中で小さく笑う。
「まだどうも修行不足でなあ、驚いた拍子とかに身体から魂うっかり離れてしまうん」
動き出した途端に生身の人間の様相取り戻した首元を掌で擦り、ついた泥を払う。
「仮初の人形の体やさけ、魂離れてまうとあっさり元通りな人形になってしもて。恥ずかしいとこ見せてしもたわ、もう」
それにしても、と不思議そうに首を傾げる。
「今日はけったいな格好しとるなあ」
「今日の真央ちゃんはデビルサンタさんなのだ」
「デビルサンタさん?」
「リア充にも非リアにも夢と希望を振りまく悪妖精なのだ」
段ボール製の鉈を振りかざし胸を張るデビルサンタさんをしげしげと眺め、日暮はあんまり興味なさそうに頷いて立ち上がる。
「そっちも何や大変そうやねぇ」
「グレちゃんは今日はどうしたのだ?」
「どうって、……」
溜息吐いて目前に広がる焼け野原を見渡し、地面に倒れて伸びる河童の爺と何人かの火焔妖怪たちを見つけて、翁面の男はもう一度深く息を吐く。肩落とした男の視線の先、茜空に悠々と舞い、相も変わらず楽しげに炎撒き散らす輪入道と数百の炎引き連れ勝利の行進する不知火。ともすれば簡単に暴走する彼らを制するのが今日の翁面の男の仕事であるとの事情を聴くなり、
「分かったのだ」
真央は訳知り顔に大きく頷く。
「つまりグレちゃんがあそこでナンバーワンになればみんな言うこと聞くのだ」
指さしたのは大量の妖怪たちが大喧嘩を繰り広げる決戦場。
「なんばーわん、て」
「突撃なのだ~!」
「待っ……」
日暮の言葉も聞かず、真央は日暮の腕をがっしり掴む。まっすぐに走って向かうは、妖怪達が入り乱れて戦う祭会場のうちで一番に荒々しい乱戦の場。
手製段ボール鉈を道の途に投げ捨て、戦場の端に転がる本物の鉈を二本拾う。錆びてはいるが使えそうなのを目の端に確かめ、真央は駆けながら凶暴に笑う。
視界の全て、人ならざる者共が互いに互いの身を切り刻みつつ、それでも楽しげに哄笑している。血が飛沫き、ナニカが吹っ飛ばされる。炎の龍が地を奔り、妖たちを赤く呑む。刃の閃くが如く風が過ぎ、触れる全てを切り裂く。それでも、その場の人ならぬ者共は誰も彼もが熱にうかされたように楽しげで、だから真央も腹の底から笑う。
肌が粟立つ。血が滾る。体が震える。
「真央ちゃんもまぜろなのだ~!」
鉈を両脇に手挟み、両手を丸める。
「にゃにゃにゃがおー!」
ろっこんで召喚猫のがおーを素早く呼びだし、目前に立ちふさがる西洋妖怪の頭上に降らせる。猫は直後に送還し、虚を突かれた風の妖怪の首に蹴りを叩き込む。思わずのけ反る妖を組み伏せ、妖の武器持つ手をサンタブーツの靴底に踏んで獣のかたちした鼻先に拳を埋める。
潰した筈の妖怪の鼻先が瞬時に癒えるのを見て、真央はむしろ弾んだ笑みを零した。
「……確かに人じゃないのだっ」
笑う真央の小柄な体を獣の力で跳ね飛ばし、妖が猛り狂う。妖が持つ分厚い刃が閃く。人ならざる力が振るわれ、真央の腕が深く切り裂かれる。
「ッ!」
肘から先をほとんど断たれて、それでも真央は気にせず笑う。片方だけ残った腕で鉈を掴み、ようやく真央に追いつき息を切らせつつ獣の西洋妖怪を退かせる日暮にその刃先を向ける。
「どうせならグレちゃんとも一戦したいのだ」
「いやほんま、勘弁してんか」
唯一の武器らしい棒を制止の形に上げる日暮に構わず、真央は鉈を振り上げ飛びかかる。
「にゃにゃにゃがおー!」
「ぅにゃー」
「うわ?!」
真央に召喚されたがおーが面倒くさそうに鳴きながら翁面の頭にのしかかる。よろめく日暮に全身全霊で突進して押し倒し、その胸の上に腰を落とす。呻く日暮の喉元に刃を突きつける。
「影ちゃんが居てグレちゃんが居てご神木もあって、……この世界が好きなのだ」
そうして口にするのは、己の世界ならぬ世界に対する真摯な告白。
「片腕トバされとるんにそない動くんやない……!」
「真央ちゃんはそんなに弱くないよ、グレちゃん?」
「弱い弱いないの話……」
がおーに視界を半分塞がれた面の下、掠れた声で喚く日暮が不意に黙る。翁面の頬にひらり、真央が日暮の喉元に突き付けた刃にひらり、薄紅の花びら。
「……?」
見上げた黄昏の空を渡るは、白鶴の翼をその背に負うた少年。その腕に大量の花と花びら収めた大きな籠。
戦場に百花の花びらを撒き散らしながら、
音羽 紫鶴
は静かに微笑む。
「まさか花が舞う戦場で過激すぎる戦いなんてしないよね?」
美しいものがその身に宿す力を信じて、妖たちにもそれを感じ取る心があると信じて、少年は戦場を飛翔する。
最初に磊落な笑み零したのは妖たちの誰だったのだろう。
大らかな笑い声は漣のように戦場中に広がる。花びらを血まみれの体につけて、今の今まで刃合わせていた妖たちが手に手をとって笑いあう。
失血で気を失った真央を抱きかかえた翁面の男に声かけられ、救護所への空駆けての搬送を頼まれて、紫鶴は小さく頷いた。
「そろそろ帰ろうかと思ったのだけれど、仕方ないね」
「頼む」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年12月29日
参加申し込みの期限
2016年01月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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