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迷子の太陽と彷徨う犬
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宮祀 智瑜
は参道商店街の通りを愛用の自転車で駆ける。
宮祀青果店の店名が書き込まれた実用一点張りの自転車は、祖父母が営む青果店の手伝いで配達をするときにいつも乗り回しているもの。
配達で毎日のように行き来する通りが、いつもよりも妙に騒然としている気がして、智瑜はペダルを扱ぐ足を緩める。
(どうしたのかな?)
「あら、智瑜ちゃん」
「あっ、今日は!」
顔見知りの惣菜屋のおばさんに声を掛けられ、智瑜は自転車を停める。自転車から降り、ぺこりと丁寧に頭を下げる。
「何かあったんですか?」
「それがねえ」
顔を顰めて言いかけて、おばさんは口を噤む。
「智瑜ちゃんはどうしたの? 何だか急いでいるようだけど」
反対に尋ねられ、智瑜は肩で揃えた黒髪を揺らして周囲を見回す。
「赤毛の犬を見かけませんでしたか? 九夜山の方へ走って行ったらしいんです」
もしかしたら、犬になったハナの女将は息子に嘘だと言われたことを気にしているのかもしれない。光る人は本当にいるのだと証明したくて、光る人を探しているのかもしれない。
(それとも、光る人が光る理由がこの辺りにあるのかな?)
女将が犬に変わってしまった理由を、智瑜は夕暮れの九夜山を仰ぎながら考える。例えば、どこかに早く向かいたいと思ったから、女将さんは早く走れる犬になるろっこんを手に入れたのかな?
「あ、珍しい色してたから覚えてるよ。確かに九夜山の方へ行ったね」
「ありがとうございます!」
惣菜屋のおばさんが指す道を真直ぐな黒い瞳に映し、智瑜はもう一度丁寧に頭を下げて自転車に飛び乗る。寝子島神社の石階段の下までは自転車で行って、そこからは徒歩で九夜山に入ろう。
(神社に寄ってお願いしよう)
女将が見つかりますようにと祈ろうと決めて、智瑜は夕焼けの商店街を自転車で駆ける。
女将を見つけることが出来たら、向かい合って話をしよう。犬の姿のままだと人間の言葉は話せないだろうから、ろっこんを使おう。そうすれば、彼女の想いを知ることができる。
犬になった切欠は何かの感情のはず。それを知ることが出来れば、元の姿に戻る手掛りを得ることもきっと出来る――
女将を助けたい一心で参道商店街を駆け抜けて行く黒髪の少女の背を見送り、
志波 高久
は早めようとした足を逆に緩める。首を巡らせ、後を追う格好になってしまっている
深倉 理紗子
を振り返る。
「すみません」
「いや、俺の方が急き過ぎた。すまない」
申し訳なさげに緑の瞳に黒い睫毛の影を落とす理紗子を気遣い、高久は首を横に振る。
「顔色が良くないが、大丈夫か」
「夜になる前に女将さんを見つけなくちゃ」
伏せた瞼を持ち上げ、理紗子は強い眼差しで茜に染まる九夜山を見上げる。
(足手纏いになってしまうかな)
一ヶ月間静養していたとはいえ、まだまだ病み上がりの身ではある。冬の山中捜索はどう考えても体に堪えるだろう。
(でも)
足手纏いになってしまうのはどうしようもなく申し訳ないけれど、それでも、行方不明の女将が心配だった。自分の身を慮って店先で店員と一緒にじっと皆の帰りを待つことなど到底出来ない。
「山の方に……と言っていたな」
「ええ」
いかにも体力に自信のありそうな連れの男に向けて頷く。『ハナ』で時たま顔を合わせることのある快活な笑顔の持ち主は、物怖じの欠片も見せずに商店街に店を構える人々から『赤毛の犬』に関する情報を得る。
「寝子島神社を抜けて行ったようだが……」
「まずは神社周辺から、順繰りに耳福池、登山道沿いに寝子温泉や砂掛谷、」
考え考え、理紗子は辿るべき道筋を挙げる。
「それでも見つからなければ展望台や三夜湖周辺、といったところかしら」
「そうだな」
想定していたものとほとんど同じルートを挙げられ、高久は栗色の眼を細める。
「いくら興奮していると言っても、そのうち自分の置かれた状況を知ったら、さすがに冷静になって、ひとまずその場にじっとしているかもしれないわ」
「赤毛の犬ねぇ……」
商店街の一角に立ち止まり話し合う二人に追いついた
毒島 柘榴
が眉間に深い縦皺を刻み込で首を捻る。
「万が一の確率で店員の方かもしれねェけど、多分女将がもれいびだろう」
「おそらくは無自覚な、ね」
柘榴の後に続いて現れ、黙したまま大人たちの話し合いに耳を傾ける
御剣 刀
を一瞥して後、柘榴の言葉に小さく首是して理紗子は付け加える。
「犬に変身したトリガーは怒り、かしら」
「息子さんとの喧嘩が引き金の可能性は高いな」
「だな。『誰かと喧嘩した時』とか『感情が高ぶった時』とか、」
高久の言葉に、柘榴は女将が変身した要因と思われる事項を指折り列挙する。
「あとはてめえの言うように、『怒ってる時』に変身って具合か?」
そうね、と頷きつつ、理紗子は自分の名を名乗る。
「おう、よろしくな。俺ァ毒島だ。……落ち着いてくれたら元に戻ってくれねぇかな?」
原因が息子との喧嘩であるのならば、例えばお互いに謝りあったりすれば変身は解除できるかもしれない。
「……まあ最終手段として俺のろっこんで強制解除でもいいが」
「そんなことが出来るのか」
眼を丸くする高久に、柘榴は片目をすがめるようにして渋く笑う。
「一時的にだがな」
「だが、そうすれば女将さんの言葉を聞くことができる。試しておきたいところだ」
大人たちの相談を耳にしながら、刀は出掛けに店員に包んでもらった焼き立ての焼き鳥入りのレジ袋を見下ろす。空腹は空腹だけれど、もっと空腹かもしれない女将を焼き鳥の匂いで誘い出せるかもしれないし、今はじっと我慢しなくては。
「ともかく九夜山方面に向かうか……」
「俺はロープウェイで頂上まで登る」
柘榴が話をまとめるのを見計らい、刀は声をあげる。
「山を降りながら女将さんに呼びかける」
「おう」
強い意志持つ少年に凄みのある笑顔を向け、柘榴はふと眉根を寄せる。削げた頬に力籠めて考え込めば、元々凄みのある顔はますます迫力を増した。
「どうかしたか」
怖じない高久にあっけらかんと明るく問われ、柘榴は険しい表情のまま短く息を吐き出す。刀の言葉につられ、思い出したことがあった。
「昔、飲んでた時に婆さんが言っていた事がある……展望台からの眺めが好きだと」
今はそれを信じて展望台に向かってみよう。
「一緒に行こうぜ、御剣の兄さん」
「うん、毒島さん」
柘榴は刀と、高久は理紗子と、それぞれ視線を交わす。
「俺達は山の下から上方向へ探そう」
「ええ、それがいいわ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年12月03日
参加申し込みの期限
2015年12月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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