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さまよいアルク 第三章~かそけき生命を慈しむ地下樹木園
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【薬草湯の香り】
ふたつの世界を駆け抜けて。元気いっぱいな学生たちが中心とは言いましても、旅をするなら疲労も溜まるもの。
そんなお疲れの心と身体を、芯から温めて癒してくれるのは、
「うわぁ……大浴場なんだよー♪」
そう。やっぱり、お風呂! であります。覗き込むなり、
鈴原 天音
のお顔はもう、ぱああっ! と明るく輝きます。
巨大な倒木の幹を平らにならして、大きくくり抜いたところへ満たしたお湯から、もくもくと立ち昇る湯気。お湯に浮かんでいるのは……草や、葉っぱ? どうやらただのお風呂では無いようでして、あたりには不思議な、それに良い香りが漂っております。
ぽくぽく、とひづめを鳴らしてやってきた、六本足の美しい牝鹿が、その効能について教えてくれました。
「あら、薬草湯は初めて? このお風呂に入るとね、とっても疲れが取れるし、切り傷擦り傷、打撲に骨折なんかにもよく効くのよ。それにね……毛並みが、とっても! 美しくなるの」
つんっとあごを反らして、モデルのごとく自信タップリ! な鹿さんはそう言うと、ぽくぽくぽくと湯船のほうへ歩いていきました。
ほほう、と嘆息したのは
毒島 林檎
に、
屋敷野 梢
。
「薬草湯……か。薬効が気になるな。後でサンプルを採取しておくか……」
林檎はもちろん、ついついにじみ出てしまう乙女成分が顔を出しまして、小声で付け足し。
『えへへー、異世界のお風呂の源泉、ゲットだよー♪』
「私も
庭でハーブとか育ててます
し、効能には興味がありますねー……って、あれ?」
ふと、梢が何かに気付いて、はたと首をひねります。
「何で、あの鹿さんの言葉が分かったんでしょー? アルクちゃんがいないと、ここの言葉は分からないはずですよね」
と言った問いには、ぴ、と天音が指を差しまして。
「うーん。多分その、アルクのおかげだと思うんだよ?」
振り返ってみますと、
「?」
きょとん、と頭を傾けた
小山内 海
……と、その腕の中にはいつのまにやら、白黒猫!
「……一応、ここは女湯らしいぞ?(『ごめんねーアルクちゃん、一緒には入れないんだぁ』)」
彼女たちだけなら、オス猫の一匹くらい気にしないようなものですけれど、ここは動物たちのためのお風呂でありまして。オス・メス別、とどうやら定められているらしいと聞いて、海はちょっぴり残念そうに、アルクを男湯のほうへと運んでいきました。ちょうど今、一緒にやってきた男性陣もまた入浴するところだそうでして、彼らに託しておけば間違いは無いでしょう。
「それじゃ、わたしたちも入るんだよー♪」
改めまして。天音は、すっぱーん! と景気よく脱衣、もー待ちきれない! といった様子で、てててっと湯船へ駆けていきます。
「私たちも行きましょーか……ん? どーかしたんです?」
同じくするりと服を脱ぎ始めた梢の隣で、林檎は胸元を隠すようにしながら、もじもじ。
「……裸の付き合い、か。少し、恥ずかしいな……」
彼女は最近、とみにおカラダの特定部分の発育がよろしいようでして。梢さん、途端に眉を下げて、ひとこと。
「ほほー。それはそれは、贅沢なお悩みですねー」
『な、なんで睨むのー!?』
もくもく、良い香りの湯気の中。ちゃぷん、ずずず、と肩まで、少しとろりとしたお湯に身体を沈めれば、
「ふへぁぁぁ……」
なんてついつい、気の抜けた声が口から漏れました……あ、ちなみにこの声の主は、
志波 武道
くんであります。場面変わって、こちらは男湯です。
「イヤァ、あの砂まじりの風の中をさんざん歩いた後だから、気っ持ちイイナーこりゃ! うあー、生き返るゥ……」
「薬草がいろいろ、浮いてるですね。この世界の知恵、でしょうか?」
フィリップ・ヨソナラ
が両手でお湯をすくってみますと、手のひらの中には大小さまざま、形もいろいろの薬草がぷかりと浮いています。
「それのお陰でこんなに、ふはぁぁぁ。疲れがジワーッテ染み出してくみたいなんだナァ……」
「気持ち、いいですね! それに、動物さん、一緒で……えへへー。僕、なんだか、楽しくなっちゃいます!」
お湯には動物たち、背中に甲羅のある熊やら、まるで竜のような形のトカゲやら、もふもふのでっかいお猿やらが、一緒にちゃぷちゃぷ。気持ちのいいお風呂を堪能しておりますもので、動物好きなフィリップはもう、いつになくはしゃいでしまうのです。
と、
「……志波さん、腕、怪我しましたか? 痛む、ですか?」
フィリップが心配そうに見つめたのは、武道の左腕……彼は先ほどから、くるりとちょっぴり赤くなったアザのようなあたりを、しきりに揉み解しています。
「イヤーこれは、怪我とかじゃないよ。ダイジョウブー、時々ちょっと痛むくらいで……」
「僕、マッサージ、するですよ!」
武道の表情に、何か事情があるようだと思ったのでしょうか。フィリップはただ笑顔で、そんなことを言いました。
「お爺さまやお婆さまの肩を揉んだりするから、僕、得意です! 気持ちいいですよ?」
「……そっか。優しいナーフィリップ君は、じゃあお願いシチャオッカナー!」
「はいー! 後でみなさんにも、マッサージ、するですよー!」
「ええー、いいの? じゃあ、おれもお願いしようかなー」
なんてのんびり言った甲羅クマさんににっこり笑顔を返して、フィリップは張り切ってもみもみもみ、一生懸命にマッサージを始めます。
という、そのお隣。
「ふぉぉぉ、良い湯だなぁ……旅の疲れが取れそうだ。なぁ、アルク」
御剣 刀
と、その目の前をかきかきかき、犬かきならぬ猫かきで横切っていくアルク。水を吸ってぺたんとした白黒毛並みに手を伸ばして、肩口へ乗っけてやると、アルクは刀の肩へだらーんと身体を預けたまま、満足そうにむにゃむにゃ言いつつ伸びをしました。
「お気楽だなぁお前は、この前だって、大変だったんだぞ? 刃引き刀でこう、ばったばったと敵を……」
「ひゃわあ!?」
黄色い声が上がったのは、ついたてのような木板がお湯を隔てた、その向こう。魅惑の女湯からです。
「林檎ちゃ、ひゃっ、くすぐったいんだよー!」
「だって、鈴原の肌……この前の戦いのせいで、傷だらけだから。薬草、良く刷り込んでおかないと……すりすり、すりすり」
「ひゃ、わぁ、そこは自分でやるからー! あははは!」
なんて、あちらはあちらで楽しそうでありまして。どうにも、
「……気になっちゃう? 刀くん、男の子ダナァー☆」
「そりゃそうですよ、志波先輩。気になりますって、こんなの!」
誰が呼んだか、ムッツルギくんの呼び名は伊達じゃない! とはいえまぁ、無理もありませんけれど。
と、そんな中。
「デイジーカッターさん、何持ってるですか?」
武道の腕をもみもみしつつ、フィリップが尋ねた相手は、
サキリ・デイジーカッター
です。お湯に浸かりながらも、掲げた彼の手にきらりと光るのは……か、カミソリ!?
ちなみにフィリップは先ほど、サキリが服を脱ぐなり、すとととととんっ! と床へ落ちて突き立った大量の刃物を目にして、大変に驚いたりしましたけれど。サキリいわく、
「僕にとって、刃物は心の拠り所。血肉の延長でもある。これが無いと、精神の安定を保てないんだよ……それにね」
そう言って、ちらと視線を寄せたのは、刀です。彼の武器は刃を潰した刃引き刀ではありますけれど、同じく刀剣の類を使う者同士、どこか通じるところもあるのかもしれません。
「これのおかげで、君たちやアルクや、みんなを救えることだってあるかもしれない。前回の世界はハードだったし、この先も険しい場所を訪れないとも限らないからね。十分に身体を休めたら、後で全て研ぎ直して、手入れしてやるつもりだよ」
「ウーン、確かにナァ」
武道はぱしゃ、と肩口にお湯をかけて、ふわりと立ち昇る薬草の香りを楽しみながらに、
「この先も、どうなるか分からないからな。今のうちに英気を養って、準備をしておくべきかもなァ……」
少ーしだけ真剣な面持ちでそうつぶやいてから……やっぱりお風呂の気持ち良さには抗えず。はふぅ。満足の吐息を漏らしました。
(前の世界……)
そんな男湯での話題はちらと、ついたての向こうにも聞こえていたりしまして。
ちゃぷん、と芯から温まる薬草湯につかりながら、海が思い出したのは、荒野の道行き。あの夫婦の笑顔と、別れ際に見た涙です。
「あたた、ちょっと傷に染みる……でも、それも効いてる証拠かなぁ。ほわぁぁぁ、気持ち良いんだよ~♪」
例えば、ふにゃっと緩んだ笑顔の天音。彼女の肌に小さく、いくつも残った傷跡は、見つめた海自身や戦う力を持たない同行者たちを、彼女がその小柄な身体を張って守ってくれた、証です。
ふと、小さなつぶやきが聞こえます。
『……ニヴィエさん。無事に赤ちゃん、産めたかなぁ……』
林檎もまた、ずっとそれが気がかりなのでしょう。
もちろん、もはや、それを確かめる術はありません。けれど海もまた、今はもう遠い異世界へと思いを馳せて。
(きっと……大丈夫だよね。ニヴィエさんと、ファシナラさんと、赤ちゃんと……三人で、幸せに……なれる、よね)
「祈るしか無い、ですね」
努めてドライを装って見える梢だって、内心にはきっと、複雑な想いがあることでしょう。
「あの世界に蔓延する奇病が終焉を迎えて、あのおふたりと、あの世界の生物たちが、明るく生きられる未来が来ますように。今の私たちにできることは、そう祈っておくことと……それに」
言うなり、ざぶん! と梢は勢いよくお湯を顔にかぶり、ふわぁー、と気の抜けた声。
「このお風呂を堪能しつつ、身体を休めておくこと! だと思いますよー」
確かに、彼女たちや仲間たちは、十分に役目を果たしました。命の恩人たちが、自分たちのことで必要以上にあれこれと思い悩むのを、きっとあの夫婦だって望んではいないことでしょう。
四人はあらためて、こくり、とうなずきあって……ずずいっと肩まで。ざぶん!
「「「ふわぁぁぁ……気持ちいいなぁ」」」
(……ああ、のんびり♪)
海もひとまず、じっくり、じんわりと疲れを解きほぐしてくれるこのお風呂を、心から満喫することにしました。
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さまよいアルク 第二章~太陽と月を孕む鏡面湖へ至る荒野
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月25日
参加申し込みの期限
2015年11月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月01日 11時00分
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