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紅茶色した紅葉の向こう、どこまでも高く澄んで青い空に手をかざす。
眩しい太陽の温もり受けた掌を振り回し、
後木 真央
は全身をバネのようにして元気いっぱい跳ねた。肩から斜め掛けした三毛猫鞄が一緒に跳ねる。
「今日もおネコさまとおデェトなのだ♪」
歌うように言って、隣の煉瓦花壇の縁をぶっきらぼうな顔して歩く三毛猫のがおーに笑いかける。
寮である猫鳴館から寝子島高校方向へと山道を駆け足で下り、日々探索し発見したお猫さまスポットひとつひとつを見て回った末、桜川に生い茂る薄野原に何匹かの猫の姿を見つけた。
こけつまろびつ薄に顔をくすぐられつつ、川原の石に腹を乗せて日向ぼっこに勤しむ猫たちのもとに駆け寄る。ぎくりと顔上げた猫たちは、真央の後に続くがおーの姿を確かめ、真央が鞄から取り出して手に掲げる木天蓼粉を目にし、仕方ないなあ、とでも言いたげに短く鳴いた。
「いつもの木天蓼粉献上なのだー」
薄野原の真中、ぽっかりと開いた川原に真央はしゃがみこむ。翠玉色した子猫のような瞳に笑みを満たし、寄ってくる猫たちに向けて木天蓼粉パックの封を切る。
木天蓼粉に身を投げ出し背中を擦りつけ、うっとり瞳を細める酔っ払いお猫さまの様子をほくほく顔で見つめる。時折気紛れに近寄ってくる猫の背中や顎の下に触れさせてもらい、お日さまの温もりを存分に集めた猫たちの毛皮や体温に、まるで酔ったようににこにこと笑っていて、ふと。
「……お腹空いたのだ」
にゃあにゃあみゃうみゃう、猫の鳴き声に混ざる腹の虫の声を耳にした。しょんぼり顔する真央を、近くの猫が不思議そうに見上げる。素知らぬ顔で粉に頭を擦り付ける。
猫のように首を傾げ、真央は手にした粉の袋をためつすがめつする。底に残った粉を指ですくって舐めて、
「……っ、」
舌が痺れるほどの辛酸っぱさに顔を顰めた。背を丸めて呻いて、がおーに背中をよじ登られた。
こんなことでめげていられないと真央はがおーを背に負い、涙目で立ち上がる。
「ご飯と一緒に炊いたらおネコさまに囲まれゴハンできるかもなのだ!」
ぎゅっと拳を握り、痺れる舌で宣言する。
「チャレンジなのだー!」
酔っ払い猫たちにまたねと手を振り、薄野原を駆け抜ける。山道も力いっぱい駆け上がって駆け下り、猫鳴館に飛んで帰る。
いつも通りに何だか暗くておどろおどろしくてとんでもなく賑やかな寮に飛び込む。歩く度ミシミシ鳴る廊下を渡り、食堂とは名ばかりの物置小屋から飯盒を引っ張り出す。寮の裏手のドラム缶風呂周辺に散乱する薪をうきうきと掻き集めたところで、
「あそこで飯盒炊飯したら警察と消防飛んでくるのだ……」
正気に返った。
ならばと周囲を見回すも、猫鳴館前に猫は不在。背中にくっつくがおー以外の猫の尻尾の先も見当たらない。ここでは夢見た『調理中から木天蓼粉目当ての猫に見守られて一緒にゴハンを食べる天国』は訪れない。
「とほほ~」
飯盒と薪を抱えて膝からくずおれて、すぐに顔をあげる。
「どうせなら寝子祭で作るライスバーガー練習するのだ」
しょんぼりしたのも忘れ、薪はとりあえず捨て置いて廊下にある共用の台所に一目散に走る。勢いだけで飯盒ご飯を炊き、その間に二リットル円形のペットボトルを輪切りにする。
炊けたご飯を鼻歌まじりに冷まし、その間にバーガーの具を作りにかかる。
「みんなのイメージしてる豆腐ハンバーグ、多分こっちなのだ」
ぬるい冷蔵庫から出した豆腐と戸棚の奥から発掘したツナ缶をボウルにあける。野菜室に転がっていた玉葱と人参を微塵切りにし、戻したひじきと一緒くたに炒め、これもボウルに突っ込む。卵と味噌とゴマを入れて混ぜに混ぜてハンバーグを形成、フライパンで両面蒸し焼き。
ペットボトルの型の下にラップを敷いて冷めたご飯を詰め、
「そーっとそーっと」
型を引き抜けばバンズ代わりのライスのできあがり。順番に作ってはラップに包み込み、都度都度冷蔵庫に直行して丁寧に冷やし固める。
蒸し焼き上がったハンバーグをフライパンから取り出し、さっと洗って多めのごま油を敷く。余分な油を取りながら焦げ目がつくまで焼くのは、冷蔵庫で冷やした円形ライス。廊下中にいい匂いが広がったところで、ご飯の上に紫蘇を一枚。梅干と紫蘇に醤油ベースのタレを混ぜて作ったソースを掛け、特製豆腐ハンバーグを置き、もう一度ソースをかけてライスで挟めば、ライスバーガーの出来上がり。
出来上がるなりかぶりついて、こくり、首を捻る。
「あっさりしすぎなのだ」
増量バーグ派真央は豆腐ハンバーグをもう一度作り直す。今度は豆腐だけでなく挽肉も混ぜよう。ソースには焼肉のタレを使おう。
手際よく肉入り豆腐バーグを作り上げ、ライスバンズに海苔と紫蘇とレタスを挟めば増量バーグも出来上がり。ハラヘリ真央はふたつめのライスバーガーも一気に食べて、
「そう言えばシラタキパスタの練習忘れてたのだ!」
猫のことは完全に忘れ去り、廊下に床に投げ出した鞄からスマートフォンを取り出す。床に座り込んでレシピを検索し、わくわくと調理に取り掛かる。
机の上のコップに、白い山茶花が一輪。
古びた椅子は、慣れてしまえばむしろ集中するに丁度いい。
猫鳴館に至る山道で密やかに咲いていた一輪を、同じく山道で拾った掌大の木に鉛筆で書き付ける。清楚ながらも愛嬌のある花をモチーフにした鉛筆画に沿い、ノミや彫刻刀を入れる。
「……」
窓から流れ込む明るい秋の陽射しをセル黒縁の眼鏡レンズに反射させ、
神代 千早
は黙々と手を動かす。
肩を滑り落ちてきた長い黒髪を背中に払い、知らぬ間に詰めていた息を吐き出す。木肌に花のかたちが荒く見え始めている。手を動かすうちに乱れた黒髪を束ね直していて、隙間だらけの壁の向こうの廊下に漂ういい匂いに気がついた。胡麻油の焼ける香ばしい匂い。焼いているのはご飯だろうか。
くぅっ、と鳴る腹に視線を落とす。机の隅の小さな銀色電波時計に目をやり、
「もう昼過ぎてたのか」
小さく呟く。
気付いてしまえば、ふわり目眩がするほどの空腹感に襲われた。作業を続けようにも、これでは集中はもうできない。
しょんぼりと鳴る腹をひと撫でして立ち上がる。机の上に散らばる木屑を掌で払って床に落とし、作業用に掛けたエプロンから足元に散らばった木屑と一緒に箒で掃く。ビニール袋に纏めて部屋の隅のゴミ箱へ放り込む。
エプロンを外し、木彫りをするうちに凝り固まった肩を軽く揉み解しつつ、部屋をぐるり見回す。
入寮した当初、埃塗れ雨漏りの染み塗れだった壁は許可を得て自分で塗り替えた。自己表現の手段として木工に始まり紙漉き、果ては七宝焼きまで室内で行うため油断すればすぐに汚れる部屋は、けれどこまめに掃除を行い、猫鳴館内では多少はマシに保たれているはず。
部屋から一歩出れば、廊下には誰が捨て置いたのかも知れぬ楽器や巨大な観葉植物の鉢、梯子に脚立にマネキン、大工道具や半分に切られたドラム缶。足元に転がり時には廊下の真中に鎮座する様々なガラクタとも何とも判別のつかない物を物慣れた足取りで避け、共用台所に向かう。どうやら先客が居るようだが、一人の様子。隣で料理をしても邪魔にはならないだろう。
(卵があったし、オムレツかな)
「千早ちゃん先輩!」
「今日は」
「こんにちはなのだ!」
寮でよく見かける元気な一年女子、
後木 真央
に軽く挨拶し、冷蔵庫の前に立つ。あんまり冷えない冷凍庫からラップに包んだ白飯を取り出してレンジにかけ、冷蔵庫からは卵を二つとケチャップ。
冷蔵庫の真中、『ご自由にどうぞ!』と書かれた茹でブロッコリーを見つけ、折角なので彩りに二三個頂戴する。食器棚から出した白い皿の端に載せて、準備は完了。
「ガス台どうぞなのだ!」
「ありがとう」
作業台の脇にいくつか並ぶフライパンの中から小さいものを選び、火にかけ油をしく。真央が洗って乾かしていたらしい共有のステンレスボウルに卵を割り入れ、塩を少し。泡立てないように混ぜる。
「オムレツなのだ?」
「はい、オムレツです」
大量のシラタキを寮一大きい中華鍋で炒める手を一時止め、こちらの手元を覗き込んで来る人懐っこい女子の緑色のきらきらした瞳に少し照れた。眼鏡の視線を逸らし、菜箸についた卵液をフライパンに触れさせる。ジュッ、といい音。温度は丁度。
卵液を流し込む。鮮やかな黄色に火が通り、色が深くなる。ぷくぷくと厚みが増したところを菜箸で手早くかき混ぜ、形を整えながら縁へと畳んでゆく。
傍らでわくわくと見守る女子の視線にたじろぎながらも、フライパンの柄を持つ手をトンと叩く。くるり、卵が引っくり返る。
「ふおぉ、上手!」
感心しきりな歓声に思わず頬に熱が上る。それでも手元は何とか崩さず、卵のかたちを葉っぱ型に整えて皿に盛る。慣れた手際で作り上げた黄金オムレツの上、ケチャップの赤で描くは可愛いうさぎ。
「うさぎ! 上手なのだ!」
諸手あげてはしゃぐ真央の声に、千早は逆に少し冷静になる。うっかり集中してオムレツを作り、流れで可愛いうさぎまで描いてしまった。流し台に手をついて項垂れる。
「……セルフハートよりはましだ」
呻いて何とか顔を起こして、作業台の半ばを埋める真央作のごはんを目にとめた。
大皿の上に積みあがる二種のライスバーガー、ブロッコリーを彩りに添えたおそらく一キロ近いシラタキパスタ。
「たくさん作りましたね」
山のような試作品の前、真央はニッカリ笑う。
「みんなの夕ご飯にするのだ!」
「ああ」
千早は頷く。トラブルまみれな故にその対処に手慣れた猫鳴館の面々ならば、このくらいの御飯の山は綺麗さっぱり食い尽くしてくれるだろう。
「皆、きっと喜びます」
夕飯の時間まで試作と試食を続けると笑う真央に台所のスペースを譲り、熱々のオムレツの皿をトレーに乗せ自室に戻る。
秋の陽射しに暖められた部屋の、一番暖かい窓辺の机に掛ける。とろりとしたオムレツを口に運びながら、ふと上げた視線の先、窓辺に立てかけた七宝焼きのプレート。
深いエメラルドグリーンに走る黄色い道の縁が陽光集めた深い赤にも見えて、卵とケチャップが舌の上で溶けて混ざって、
(……少し似てるな)
千早は目を細める。
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阿瀬春
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月17日
参加申し込みの期限
2015年08月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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