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さまよいアルク 第四章~朽ち果てゆく知識を抱く国立書庫
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【虫の記憶】
そびえる国立書庫の上層部、区画第3層。
呉井 陽太
の目の前に連なるのは、まるで飛び石のような……ぷかぷか、ふわり。重力の乱れによって宙へ浮かび上がった、床の切れ端のような小さな足場たちです。
「ふム」
陽太はちょっぴり首をひねりつつ、思考を巡らせた後……くるりっ。一行を振り返り、悪戯っぽく言いました。
「はい、皆さんご注目ぅ。床が途切れ途切れで、不安定な足場を飛び移りながら進まなきゃいけない! そんな時って、ありますよね? でももし、途中で足場が途切れてしまったら……? 進めなくて困っちゃいますよねぇ、そう思いませんかぁ武道くぅん?」
「はいっ、思いまっす☆」
何やら始まった寸劇に、び! と元気よく手を上げた、
志波 武道
が乗っかりまして。
「ですよねぃ、でも大丈夫! 今日はそんな時に役立つ、とっておきの商品をご紹介しちゃいまぁす」
「きゃーっなにナニ? 気になるゥ☆」
「本日ご紹介するのは、こちらー!」
ちゃらららっちゃらーん♪ と口で某猫型ロボットアニメのような効果音を再現しつつ、陽太が手のひらで指し示しましたのは、
「『Stairs of air』~! なんとこちら、春彦君が左耳のピアスを二度撫でるだけであら不思議、空中に空気の足場を作り出すことが……」
「……って、俺のろっこんじゃねーか!!」
切れ味あるツッコミを入れた、
楢木 春彦
くんでありました。こんな時には何ともうってつけ、便利な能力をお持ちのようでして。
「んなテレビショッピングな紹介しなくても普通にやるっつーの、何だ嫌がらせか? ただ言いたかっただけかっ? 志波先輩も乗っかってるんじゃねーっ!」
「「まぁまぁまぁまぁ」」
なんて、こんな状況にも明るく前向きに、みんなを笑わせて励まそう! といった、先輩方の気配りなのでした……多分。
とはいえ確かに、
「はぁ、まーいっか……みんなには見えねーけど、ソコとココ、ソッチにも足場作ったから。足元確かめながら、注意して渡ってくれなー?」
春彦のろっこんによるサポートもありつつ、ぐらぐらと揺れる足場をおっかなびっくりに飛び移りながら移動する彼らの表情は、不穏な状況にもめげずに、笑顔ではあったのです。
「オトコノコは元気ですねー。よっと」
そんな彼らに先んじて、蝶に変わってひらひらと飛び、一足お先にちょっと広めの足場へ到着したのは、
屋敷野 梢
です。
生物学部の部長を務め、それぞれの世界に息づく生き物たちにも関心を寄せる梢には、ここでぜひとも、調べておかなくてはならないことがありました。
「さて……と」
棚のケースたちに指を滑らせて、その中からひとつを選び出すと、梢はそれを端末へと挿入します。
「ホタルと言っても、ウミボタルや蛍石のような、光の形容だとすれば……いえ、あるいは、サンゴ虫のような……見えないくらいに小さな何かが、ローシルティウムを作り上げるとしたら……」
そうして、いくつかのディスクの中身を探るうち。彼女は、求める情報へとたどりつきました。
鉱物学者ダレン・キプリスの警告
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
ローシルティウムの他に類を見ない性質を実現しているものは、やはり内部に生息
する未知の微生物群による作用であると確信する。
この生物を、仮に『ツチボタル』と呼ぶ(なぜかその呼称が頭に浮かんだ)。
ツチボタルの主な働きは、ローシルティウムに対しての何らかの刺激、光学現象や
電気エネルギーや、ある種の配列や……とにかくあらゆる外的干渉を、彼らなりの言
語、あるいは方程式に則って変換し、内部へ正確に『記憶』すること。そして特定の
パターンによって構成される刺激に反応して、記憶された現象を再変換し、外部へ
『再現』することだ。その際、鉱石としての純度が高ければ高いほど、記憶させるこ
とができる容量、つまりはツチボタルの総数も多くなるようだ。
なぜそのような性質を備えるに至ったかは不明ながら、ここで追及すべき問題は、
ローシルティウムが反応時に放つ、この茜色の光だ。
ツチボタルは反応時、取り込んだ記憶を再現するため、ローシルティウムの外へと
這い出す。観測の結果判明したのは、記憶、抽出に伴う移動による生息数の増減が、
必ずしも等価ではないということだ。
住み家たるローシルティウムの外へ飛び出したツチボタルの一部は、そのまま降り
立った先にて、新たな安住の地を築き上げようと試みる……つまりは、新たなローシ
ルティウムを育てるのだ。彼らはそのための場所を問わない、たどり着いたのが無機
物の表面だろうと、生命体の体内であろうとも。
結論を言えば、彼らのそうしたごくゆっくりとした営みは、人類がローシルティウ
ムを反応させるたびに増え続け、加速されていく。やがて世界はローシルティウムで
覆われ、緩やかにして避けがたい滅びを迎えるだろう。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
にゃお、という鳴き声に気付いて振り返ると、いつの間にやら追いついていた武道の腕の中に、アルク。陽太も並んで、梢が映し出した情報を見つめています。
武道は、むむむっと難しい顔で眉を寄せて、
「俺は、特性としてどこか『琥珀』に似てるナーって思ってたんだけど……確かにこれだと、サンゴみたいなものにも見えるな」
「あるいは、その両方? そんな感じなのかもねぃ」
細目をますます細めながらに、陽太もうなずきます。
ローシルティウム。旅のきっかけとなり、巡る世界のあちらこちらで目にし、そしてアルクの首輪にも提げられている、茜色の宝石。それに対して、憂いの面持ちを浮かべた梢の抱く心象は、ひどく複雑なものです。
思わず、つぶやきは漏れて、
「……この世界にも、ずーっと昔のいつからか、この石はあって。ゆっくりゆっくり増えて、育って……ついに今、星を壊しちゃうくらいにまで成長した。そういうこと、なんでしょうかねー……」
見合わせた武道と陽太もまた、その表情は同様に、割り切れないものではありました。
石についての考察は梢や眼鏡ーズに任せて、春彦はアルクを抱きかかえて、あたりをてくてく。何とはなしに棚を眺めて、白黒猫自身についての情報なんて、どこかに無いだろうか……? なんて、探していたところに。
「『ロウソクの科学』って本、知ってるのだ?」
ふと、いつになく静かな
後木 真央
が、口を開きました。
「いや、多分知らねーかな……どんな本なんだ?」
「イギリスのマイケル・ファラデーさんって科学者が、ロウソクを題材にして、子供たちに物理とか化学についてレクチャーしたのをまとめた本なのだ。真央ちゃんも子供の頃に叔父貴からもらって夢中で読んだのだ、知らない知識がいっぱい詰まった魔法みたいな本だったのだ~!」
そんな昔の思い出が甦ってきたのでしょうか、きらきら、真央の瞳は輝いて……けれど、あたりを眺めれば、しゅん。彼女は沈み込んだように、再び静かな表情をたたえます。
春彦は首をかしげて、
「どうしたんだ?」
「うん……本って、その世界の記憶だと思うのだ。経験してきた出来事、時間、思い出も……そういうの、全部全部無くなっちゃおうとしてるのが、寂しくて……悲しくて」
この星は間もなく、爆発して消滅してしまうのだと言います。人々が残した記憶の全て、ローシルティウム・ディスクもまた、粉々になって消えてしまうでしょう。
真央が手にしたのは、この世界における科学、その概要が分かりやすくまとめられた、いわば入門書のようなRDです。じぃっ、と、彼女はそれを見つめて。
「できるなら……世界の記憶も、連れていきたいのだ」
「……そうだな。Mr.ブルックスに聞いてみっか? 貸出とかしてくれるかもよ、返せる当てはねーけど……このまま無くなっちまうよりは、さ」
春彦の言葉に、一抹の希望を見出したのでしょう。真央の瞳は再び、きらきら。にわかに輝き始めました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
さまよいアルク 第三章~かそけき生命を慈しむ地下樹木園
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年12月19日
参加申し込みの期限
2015年12月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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