重厚な扉を開けると、穏やかなランプの光に照らされた店内。
年代物の赤い絨毯や飾られている絵画からは
店が古い屋敷の趣をそのままに取り入れていることがよく分かる。
棚やテーブルにはハーブティーの缶や、ハーブを使用したバスセットが並べられている。
「よくぞ参られたな、ここは魔女の集まる場。汝にふさわしい物が見つかるとよいな」
扉を開けた貴方の目の前に現れるのは一人の「魔女」
仮面をつけたその顔で微笑み、店内へと戻っていく
◆
買い物RPをしたりのんびり雑談をしたりする場所です
※オカルティックなアイテムをお探しの場合は魔女と一緒に
まずそれがどこにあるのかRPする所から始まる可能性大です
あ、そう。
その願いが何なのかは、言いたければ言えばいいし、言いたくなければ黙っていればいい。
それとも、聞いてほしい?
魂とか幽霊とか死後の世界の話はやめておこう。
医療者にとっては、あるとかないとか軽々しく口にしちゃいけない話題だ。
どうしてかしらね。
悪魔と契約してでも叶えたい願いならあるけれど。
肉体を無くして魂のみの存在になるだけで
何もできないってことはなさそうだけれど
縫いぐるみを抱き締めたり
ケーキを食べたり出来なくなるのは困るわね。
さっきから、なんでそんなに悪魔と契約したがるかな。
そうでもしないと叶わない願い事でもあるわけ?
死ぬのが怖いって言うよりは、死んで何もできなくなるのが嫌だな。
薬の研究なんて完成は無い分野だから(不老不死の薬は一つの完成形かもしれないけど)
もう気が済んだと思えるまでは研究をし尽くしたいね。
ええ。分かっているわ。
命はとても大切なものね。
大切なものだからこそ、魔術の対価にもなるのでしょうし。
そう…。そうね。
やっぱり、不老不死の薬は
手に入らなくて良いものだったのかもしれないわ。
それが一般的な反応だろうねえ。
念のために言っておくけど、あたしは医薬の人間だから、命が大切じゃないって言ってるわけじゃないよ?
ただ、それだけがもっとも大切なものとは限らない、って話。特に個々人の認識する世界においてはね。
うーん、不老長寿ならいいけど、不死、死ぬ事ができないとなると、ちょっと考えちゃうな。
さっき、「病む苦しみ」「老いる苦しみ」「死ぬ苦しみ」って言ったけど、実はもう一つ「生きる苦しみ」ってのもセットなんだよ。愛するものと別れる「愛別離苦」、嫌なものに向きあわないといけない「怨憎会苦」、求めるものが手に入らない「求不得苦」、とかね。
だから健康で長生き、つまり不老長寿はほしいけど、生きる苦しみから逃れられない「不死」は遠慮しておくよ。
少なくとも、私が知っている大多数の人は
「家族よりぬいぐるみの方が大切だ」なんて言ったら
眉を潜めるだろうし。
庵さんの様な人は貴重だわ。
庵さんは、不老不死に憧れていたりする?
私がもし、何かしらの方法で
不老不死の薬を手に入れていたとして。
それを貴女に差し出したら、貴女は喜んでくれた?
ハハハ、そんなに変な事、言ってるかな?
あたしはあたし自身が一番大切だよ。
自分の体、特にあたしをあたしたらしめている脳とその中の記憶。
それらが一切なくなったら、天神平庵という人間は消滅する。
他人の記憶の中や文字情報に残っていたってしょうがない。それはあたし自身じゃないから。
人が、病んで老いて死んでいく存在だって事は充分に分かってるけど、それでも可能なかぎり健康で長生きしたいな、と思うよ。
それ以外で言うと、研究記録かなあ。あたしが生きてきた今までの全精力を注ぎ込んだ結果だからね。
庵さんって、変わった人ね。
ありがとう。そうするわ。
庵さんにとっては、何が一番大切?
庵さんの世界での一番は何?
ああ、その話ね。
あんたはあんたの認識する世界からは逃げられない。だったら、その世界を少しでも住みやすくするべきだ。
そのために、ぬいぐるみでもペットでも家族でも、大切だと思う存在がいるなら、大切にしてあげなよ。
それで自分の心が満たされるなら、それでいいじゃないか。
家族よりぬいぐるみの方が大切とか言い出しても、あたしは別に説教も何もしない。
人間>動物>植物>無生物 なんてヒエラルヒーは、ただ信者が多いってだけで、論理的な根拠があるわけじゃない。
あんたの世界で、どれがなぜ大切なのかを決めるのは、あんた自身なんだからね。
あ…ごめんなさい。
「私の認識する世界で、単なる道具を心の通った存在にするのは、私自身」
ってことについて、かしらね…。
何よ、「うん」一言って。つれないなー。それはあたしの言った何に対する「うん」?
うん…。
このお店には、自分の意思で動いたりおしゃべりしたりする
縫いぐるみはないのかしら。
あったら欲しいなあ。
「接する内に「生きている」と感じれば縫いぐるみだって私にとっては生命体」じゃなかったの? 命と魂は別?
あんたの認識する世界で、単なる道具を心の通った存在にするのは、あんた自身だ。
自然な心がほしいなら、悪魔だのホムンクルスだのに頼っちゃダメだよ。そんなのは自然な存在じゃない。
ぬいぐるみをかわいがっている方がまだ自然だわ。
…確かにね。
でも、そうじゃないの。
私が欲しいのは、道具じゃない。
命令だからとか、規則だからとか、そういうものじゃない。
私はもっと自然な心が…。
魂が宿ったものが欲しいの。
…悪魔と契約をすれば、魂を創ることも出来るのかしら。
ロボット三原則をなめるな。
「第2則 第1則(ロボットは人間を守らなければならない)に反しないかぎりロボットは人間の命令に従わなければならない」がある以上、冴来がただ一言「面白い事をしろ」と命令すれば、ロボットは持てる全ての能力を使ってあんたを面白がらせようとするだろうさ。それが冴来にとって面白いかどうかは別にして。
命令は、「私の思考パターンをシミュレーションした上でその範囲にない反応を返せ」でもいいし、もっと漠然と「気の利いた話し相手になれ」でもいい。
要は、命令通りにしか動かないって言っても、その命令の方法によっては、いくらでも動かし方はあるのよ。
いつも命令通りに動いていると人間のためにならないから(第1則に違反する→第2則より優先)定期的に人間の命令していない事をするロボット、なんていうのもあるくらいだ。
魂が生きているなんていうのは魔女の店らしくていいわね。
別に反逆されたいというわけじゃないけれど
予測通りのことしかしない相手といたって
直ぐ飽きてしまいそうだから。
なにを持って死とするかもそれぞれよね。
肉体が死んでも魂が生きているなら
死んでいるとは言わない、とかね。
ロボットに殺されたり反逆されたりしたいの?
まあ、あんたはそういうドラマチックなの好きそうよね。
自殺するロボットとか。
一般的な感覚としてはそんなもんだと思うよ。
自分の知らない他人が自分と関わりなく死ぬ事よりも、お気に入りのマグカップをうっかり割っちゃう方が、気分が沈むのが平常の感覚だ。
存在する事が「生」でその消滅が「死」なら、死体とはなんぞや? とかね。
そういえば流行ったっけ…。
ロボットでもいいのだけど
ロボット三原則に縛られないロボットがいいなあ…。
私としては、一般的な生命体の定義にはあまり興味がないのよね。
接する内に「生きている」と感じれば
縫いぐるみだって私にとっては生命体だわ。
ホムンクルスとはまた、大きく出たね。
ちょっと前に犬型ロボットが流行ったのを思い出したよ。
「生命体」の厳密な定義は難しいんだけど、一般的には、
・閉鎖系:独立したかたまりである事
・代謝:エネルギーのもとを取り入れてエネルギーを使う機能を持つ事
・自己増殖:自分をもとにして子孫の生命体を作る機能を持つ事
あたりが必要条件として挙げられている。
それがどう作られたかは定義に含まれていない。だって、そもそも作り方がわからなくて困ってるんだから。
人工生命体でも「自己増殖」機能をどう再現するかが一番の難関じゃないかな。
興味がある事なら好きなだけやってみるといい。
あたしは薬に興味があったから、薬とその周囲の物事を、すごくたくさん勉強した。
ふふ、ごめんなさい。
とりあえず、庵さんは大丈夫そうで安心したわ。
錬金術の目標というと、人工生命体(ホムンクルス)の創造もその一つよね。
動物の姿をしたホムンクルスなら私も欲しいかな。
詳しいと言えるほどの知識は無いの。
知っているのはほんの一欠片の事だけ。
本当はもっとちゃんと知識を深めたいのだけど
何かと忙しくて勉強する時間が取れないのよね。
(PL:桜華さんいつもお相手ありがとうございます。
どうかお気になさらずに!
心身の調子を崩されませんよう、ご自愛下さいませ(・ω・*