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\ オーバータイム!/
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寝子島高校
自動販売機の前
モトクロス練習中
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吐き出す息の白が夕風と共に流れる。
(風は冷てぇけど)
アスファルトの地面を蹴って走る足は緩めず、
楢木 春彦
は宵闇迫る茜空を仰ぐ。全身余すところなく疲れてはいるが、疲労感は薄い。むしろ熱を帯びた体に冷たい風が心地よかった。
シーサイドタウン寄りの九夜山裾野に位置する二輪車用スポーツ施設、スポーツランドNYAGOで時間が許す限りにバイクを走らせたその帰りは、トレーニングを兼ねて桜花寮までランニングすることが常。
秋の日暮れは早い。
住宅地を駆ける足を追い越して、夕日が空の向こうに去って行く。
(走るには丁度いいよなー)
黄昏に長く伸びる己の影を踏み、春彦は寮に近い道の途にある自販機の前で足を止めた。走るうちに額に滲んだ汗を手の甲で拭い、ポケットに突っ込んだ財布から小銭を取り出す。
(ちっと休憩)
弾む息はそのまま、宵闇に明るい光を灯す自販機を覗き込み小銭を投入する。
「おっ」
見つけたのは、寒さ迫るこの時期に残っているのが珍しいボトルタイプの炭酸スポーツ飲料。
深緑の瞳が輝く。迷うことなくボタンを押し、取り出し口に落ちてきたボトル飲料を手にする。知らずに熱を帯びていた掌に触れるボトルの冷たさに思わず笑みが零れた。
ウルフカットの茶髪をかき上げ、開封したスポーツ飲料を喉に流し込む。走りこんで体内に篭もった熱が一気に冷える。
冷たくなった息を吐き出し、自販機に背を預ける。機械の熱を背中に、藍色を深める空を見上げる。
口いっぱいに広がる炭酸の刺激とスポーツ飲料独特の甘さを感じながら、思うのはやはりNYAGOでのバイク走行。
(今日のバンクはイイカンジに決まったケド)
バイクでコーナーを曲がるためには車体を傾け寝かせなければならない。恐れて車体を起こしてしまえば速度が落ちる上に曲がることすら出来ず、思い切りすぎてはバイクごと転んでしまう。重力だ遠心力だ体重移動だと言われても勘や体で覚える己の性はどうしようもなく、とにかく練習の量を増やしてコツを掴む以外になかった。
(タイムはなんかイマイチだったよなぁ……)
どれだけ転んでも怪我をしても思うようにタイムが伸びなくても、それでも、幼い頃にキッズのモトクロスを始めて以来ずっと好きなバイクを止めようとは微塵も思わない。
オフロードをバイクで駆ける楽しさは、バイクをうまく操れない苦しささえも撥ね飛ばしてくれる。とはいえ、
(B級取ってよーやくジュニアじゃねぇレースに参加出来るようになったっのに)
「アレじゃマダマダだよなぁ……」
吐き出した息が思いがけない白さで仰いだ夕闇空へと広がる。
(やっぱ自分のマシンがねぇのはキッツイよなー)
猪突猛進、負けず嫌いな性格が幸いしてか、今までこうして続けてきたバイクではあるけれど、
(趣味でドコまで続けていけっかな……)
それを考えると、好きだと言うだけで突っ走る足がふと止まってしまった。
高校一年も半分以上が過ぎた。時間なんてきっとすぐに過ぎてしまう。高校を卒業して、その先もバイクを続けて行けるのだろうか。
(将来プロになって食ってけるとかは流石に思ってねぇ、けどさ……)
未だ先の見えぬ将来に思いを馳せれば、知らず溜息が唇から洩れた。視界の空を白く覆い隠す不安に眉を顰める。がりがりと頭を掻き、ボトルの飲み口を唇に押し付ける。反らした喉に冷えた飲料を流し込む。ついでに胸からうっかり溢れた不安を飲み下す。
バイクで生計を立て自立する未来が未だ見えずとも、だからと言ってバイクから離れる選択肢は無い。
「あーでもなー……」
掻きむしった頭を抱え込む。プロとして生計を立てる夢が夢で終わったとしても、
(俺が普通のサラリーマンとかもぜってぇ考えらんねぇしなぁ……)
だって高校のネクタイも時間が迫ったりして焦ると未だに上手く結べない。寮の同室の友人にも何度突っ込まれたか。
友人の顔を思い出してクスリ笑って、笑った途端、
「あ、」
思いつく。一度試験に失敗したとは言え、諦めるつもりは毛頭ない。バイクの免許を取得して後、将来バイクスタントの道に進むというのは、
(アリ、かなー?)
空を仰ぐ。
白く視界を曇らせる息が夜風に攫われ飛び去る。透き通る空を埋めて、どこまでも深い夜の蒼。遠く輝き出す宵の明星。
空仰ぐ深緑の瞳にぎゅっと力が籠もる。挑戦前から何をこんなに考え込んでいるのだろう。
(俺らしくねぇっつーか)
結局のところ、何にしてもやってみないことには始まらない。
思い悩んで閉ざしていた唇を引き結ぶ。腹にわだかまるぐずぐずとした思いを白い息にして全て吐き出す。
将来のことは今はまだわからない。このまま突き進んで行けるかどうかも見通しがつかない。
けれどB級ライセンスは取れた。ようやく一般のレースにも出られるようになった。となれば、
(まずは次の大会目指して調整してくしかねぇんだっつーの!)
ボトルに残った飲料を一気に飲み干し蓋を閉め、自販機横のゴミ箱に投げ入れる。
「っし!」
いつの間にか冷えた両手で頬を叩く。
「っと、」
いつも通りの明るい光を取り戻した瞳を夕闇の町へと巡らせる。さっさと帰らなければ、寮の夕飯がなくなってしまう。
その場で幾度か跳ねる。最後の一跳ねを踏み出す力に変えて、春彦は再び軽い足取りで駆け出す。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月27日
参加申し込みの期限
2015年08月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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