吹き寄せる風の冷たさに瞳を細める。マフラーの端がさらわれ、夜に揺れる。冷えた唇をマフラーに埋め、温い息を布地に満たす。
視線を上げれば、冴えた夜空を満たす星々。瞬きと同じ速度で煌く星が、吐き出す息の白さに滲む。
かじかむ指を拳に握りこみ、コートのポケットに放り込もうとして、
「……ん」
夜の先、暗がりに慣れた瞳を眩ませるほど煌々と照る自動販売機。
冷えた頬を冷えた掌で擦る。足を早めて眩しい光に近づき、缶ジュースやペットボトル飲料の並ぶ自販機の前に立つ。
「寒っむ」
低く呻いて、背中を丸める。コートのポケットから財布を取り出し、小銭を探る。
「おし、丁度」
代金を投入し、然程迷わず温かな紅茶の缶を、ひとつ。
凍えた手を熱いくらいの缶で暖めながら、晩秋の夜空を仰ぐ。片手を空に向け、大きく伸びをする。
「さて、と」
このまま缶ジュースを懐炉代わりに家路を辿るか、満天の星空の下で少し休んで行くか。どちらにしよう。
こんにちは。阿瀬 春と申します。
今回は、みなさまの日常のひとこまを書かせてください。
ただし、舞台は自動販売機の前に限らせていただきます。
缶ジュースにお菓子に煙草、カップ麺にお酒。寝子島高校にも、寝子島のあちこちにも、色んな自販機があると思います。場所によってはベンチがあったりも。
コンビニに行くのも億劫で、でも何かジュースが欲しい、なときに最適なのです自動販売機。場所によっては変り種なジュースもあったりしますよね。激安品が並んでいたりも。
何せ自販機、早朝だろうが夜更けだろうが、誰でも眩しい光で大歓迎、代金さえ頂けましたら在庫あるだけご提供いたします。
そういうわけで、自販機の前でひとり物思いに耽ってみたり、一緒に居る誰かとお話してみたり、あるいは誰かと出会ってみたり、してみませんか。
舞台が自販機付近であれば、時間帯も出来事もご自由にどうぞ、なシナリオです。
※参加されていないPCさんやNPCの描写はできません。ご了承ください。
ご参加、お待ちしております。