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<鈴島海賊の秘宝IV>伝説の島リ・ウグウ
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●火鼠封じる四の槍
ところ変わって、曲がりくねった細い路地の行き止まり。
四の槍が波紋状の円い台座の上に刺さっている。貫かれ時を止めているのは、大きく牙を剥き、毛を逆立てたドブネズミ大の火鼠だ。
エヴァ・ブランシェ
、
小山内 海
、
薄野 九月
からなる四班は、掴むと熱した鉄のように熱くなるという槍と、封印が解けると燃え盛るという火鼠、二つの難題に対峙していた。
「三人寄れば文殊の知恵と言うし、きっと良い手が浮かぶわ」
エヴァが自信たっぷりなのはありがたかった。
海も九月も不安が消し飛び、頑張ろうという気になってくる。
九月が試しに槍に手を伸ばす。
「つっ」
爪の先を近づけても熱さは感じなかったのに、ひとさし指と親指で摘もうとした途端、カッっと柄が熱くなった。思わず手をひっこめ、指を口に咥える。一瞬だったから指先が赤くなった程度だが、これを掴んで引き抜くとなると手の皮がむけるくらいじゃ済まないだろう。
「困りましたねぇ」
『ってことは……つかまなければ あつくないのかな?』
海がスケッチブックに思いつきを綴る。これが九月にひらめきをもたらした。
「あっ、バケツの水でロープを濡らして槍に巻いて引っ張ればどうだろう!」
それなら手で触らなくても大丈夫そうだ。
『やってみようよ』
海も大いに頷く。
『もしあつくても ぬらしておけば きゅうにもえたりも しないだろうしね』
問題は宝の火鼠の方である。
「火鼠っていうくらいだから水嫌いだったりしないかな? もしかしたら動きを鈍らせられるかも」
九月はこう考えて、水ははじめから撒くつもりでバケツに汲んできてある。だが火鼠が逃げたらおしまいだ。街が火事、なんてことになったら目も当てられない。
「ぱっと捕まえたいですよね。こう虫取り網で虫を捕まえるみたいに」
九月が大事にしている薄桃色のキャスケット帽をひらり振ってみせる。すると海も。
『あみかご あるよ きんぞくせい これならもえないかも』
「うーん」
悪くないが決定打に欠ける気もして、エヴァは中空を見つめた。
あともう一歩、何かいい手があるはずなのだけれど。
頭が疲れているのか、その一手が出てこない。
「ちょっと脳に糖分補充しましょうか。長丁場になるかもしれないと思って、船の台所から持ってきたのよね」
先程抱えていた瓶詰めの干し葡萄だ。
みんなにもおすそ分して、一つまみ口にほおり込んだ瞬間、ひらめく。
「そうだわ! 長い事封印されてたのならきっと火鼠はお腹を空かせてる筈よ!」
◇
作戦は決まった。水にぬらしたロープを幾重にも槍に巻く。槍や火鼠の周囲に水を撒き、さらに瓶の中の干しブドウをぜんぶ撒く。海が餌を食べると網が落ちてくる仕掛けの罠をつくり、九月は意を決して、自らのキャスケット帽をバケツの水につけた。
「準備OKです!」
海とエヴァが左右からロープを引っ張った。
はじめ渋い手応えだったが、何度も息を合せてひくと、槍は徐々に持ち上がり始めた。
「行くわよ」
エヴァの声に、海は慎重な顔で頷き、力を込める。
槍は抜けた。
途端、火鼠の毛皮がカッと赤く燃え上がった。
エヴァと海は槍すぐに物陰に隠れる。
ぶるぶるっと身震いして台座から一飛び。水たまりもなんのその、飛沫を上げて飛び込むと火鼠の周りからじゅうっと蒸気があがる。と、火鼠は干し葡萄に気づき、両手で持つと半立ちの姿勢で食べ始めた。
(チャンス!)
海が飛び出して、金属の網を火鼠に被せようとした。
ところが火鼠はそれに気づいてパッと逃げる。仕掛け罠の餌にも食らいつくが、網が落ちかけるとまたもやパッと逃げる。
(すばやい!)
海は、仲の良い刀とどちらが素早いか、と一瞬考える。が、火鼠が飛びかかってきて思考は中断された。
尻餅をつく。海を飛び越え、難なく逃げ去る火鼠。声のでない海の代わりにエヴァが叫ぶ。
「そっちに行ったわ薄野さん!」
「はいっ!」
九月はキャスケット帽を火鼠の進路上に構えていた。火鼠はまっすぐ帽子の中に突っ込んだ。
「捕まえた!」
かと思いきや、火鼠の炎がぶすぶすと濡らしたキャスケット帽を焦がした。
蒸気があがり顔をそむけた瞬間、帽子に丸い穴が空いた。火鼠はそのまま九月の足の間を駆け抜ける。
「待って!」
追いかける。
道は細く、うねっている。九月の後ろ姿が消える。ただ声だけが。
「そっちに戻りましたっ!」
エヴァは脳みそをフル回転させる。
(金属かごもだめ、濡らした帽子もだめ、なら、どうする!?)
視界の端に、空の瓶が転がっている。干し葡萄が入っていた瓶だ。
「……瓶? あ、これは使える、かも!?」
火鼠が戻ってくる。エヴァに向かって地面を蹴る。
「海! 手伝って! 火鼠をあの瓶に封じ込めるわよ!」
エヴァが扇子を振り、<タービュランス>で火鼠を上空に吹き飛ばした。
海が走って、火鼠の落下ラインに瓶を立てる。これはなかなかうまい仕事だった。
すぽん! と心地よい音がして火鼠は頭から瓶に突っ込んだ。
瓶の口からは炎が噴き出したが、海は咄嗟にバケツの水をかけると急いで蓋を閉めた。
はぁ、はぁ、と海は肩で息をしている。エヴァもだ。
ふたりは顔を見合わせ、どちらともなく片手を上げてハイタッチ。
「やったわね!」
(うん!)
「あとは、この壺と槍を荷車に乗せて運べば……」
槍をロープで引いたまま引き摺って、バケツを載せるのに借りてきた荷車に乗せ、その隣に瓶も載せる。
「これでよし!」
――だがこのとき、ふたりはまだ気づいていなかった。
九月の姿が見えなくなっていたことに。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
前回シナリオ
<鈴島海賊の秘宝III>海へ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月28日
参加申し込みの期限
2015年08月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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