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さまよいアルク 第一章~蒼空へ漕ぎ出す漁夫たちの豊漁祭
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【大空のヌシ】
疾風駆け抜ける甲板上がにわかに騒がしくなり始めたのは、この世界でもそう変わらないらしい、ぎらぎらとまぶしい太陽が直上へと差し掛かり始めた頃のことでした。
(……ん? 何かあったのかな)
三夜 茜
はふわり、ぱたぱた。ろっこんで翼を生やし、この世界の大気や風の感触を確かめていたところに、何やら届く慌しい声。
見れば船のマストの向こう、恐ろしく巨大な入道雲の中に、ぼんやりと黒く映る影。それは、魚影……であるように見えました、あまりにも大きな。
漁師たちの反応を見るに、これはクルーズで予定されていたものではなく、偶発的な出会いであるようです。
「近くで眺めてみようか」
茜は翼をばさりとひと打ち、あっという間に順応したこの心地良い空を、ひゅうと華麗に滑空していきます。
甲板では、ぴりぴりと増していく緊迫感を受けて、
鴇波 羽衣
もまた緊張の面持ちを浮かべつつ、
「な、なになに? 何が来たの?」
「……どうやら、大物が現れたようだな」
ヨハン・プレストン
がじっと見据えるその先で、やがて……ぼふん。雲を突き破り、漁師たち、乗船したクルーズ客たちの前へと、そいつは、恐るべき巨体をさらけだしました。
鈍く銀色に、細かくハニカム状に輝く無数の鱗が並ぶ、滑らかな魚体。側面にはひときわ立派な、大きな黄金色の翼が、全部で四枚。長大で、この有翼船も簡単に貫いてしまいそうな、剣状の一本角……。
漁師のひとりが指差し、鋭く叫びました。
「…………『コウテイソラカジキ』だぁッ!!」
大きさは、計り知れません。巨躯をくねらせ雲を散らすたび、空気がぐわんとたわみ、わななくかのよう。周囲には何隻もの有翼船が飛んでおりましたけれど、あの巨大な尾びれがひとたび薙ぎ払われでもしようものなら、それらの全てがあっという間に叩き落されてしまいそうなほどです。
当然、船たちは即座に反転、巨大空魚から距離を取り、安全なコースへと離脱……なんて、乗客たちは思ったことでしょう。
けれど彼らは、どこまでも大きなこの青空を庭とする、漁師たち。
「ふふふ……悪いな、お客人たち。こいつはどうやら、ただの遊覧飛行とはいかなくなっちまったようだ」
歩み出た船長らしきひとりの屈強な漁師が、言い放ったのです。
「……漁の時間だッ!! 他でも無い豊漁祭の日に、十年に一度巡り合うかどうかの獲物……大空のヌシとも呼ばれる、コウテイソラカジキ! こいつは、海神様が遣わしてくださったに違いねえ。逃す手は無いぜ!!」
「よし。手伝おう」
と、興奮した様子の漁師たちへ。単なるクルーズ客のひとりであるはずの彼が、事も無げに言ったものです。歩み出たのは、
八神 修
!
「俺たちは、何をすればいい?」
「ありがてえ! ならお客人たちは、捕鯨砲を使ってくれ!」
示されたのは、甲板の縁へ幾つもずらり、ずらずらと並んでいる、いかめしい銛撃ち機。意気揚々とそれに近づき、修が動かし方など確認し始めたなら。
「じゃ、じゃあ、あたしも……微力だけど、手伝うよ!」
思えば羽衣も、優雅に空を舞う、そんな素敵なろっこんの持ち主です。このカッコイイ空飛ぶ船をどかんとやられてしまうのは、もちろん望むべくも無いこと。
それに、隣のヨハンだって、
「……分かった。私も付き合おう」
「ああ、助かるよ、ふたりとも」
うなずいた修、羽衣と共に、彼も手伝いを……内心に、少しばかりの疑問を抱きながらに。
(なぜ、私は……私たちは、この世界へ呼ばれたのだろうか)
空飛ぶ船。空飛ぶ魚。海と空の美しい街並み。自分たちの故郷である寝子島と、どこか近しく、そして縁遠い別世界。なぜ、あの白黒猫……アルクは、彼らをここへと導いたのでしょうか?
しゅぱ、しゅぱぱぱん! 程なく撃ち放たれ始めた捕鯨砲の第一射を浴び、巨大空魚が身をくねらせ、うおおおおん……と空気に響く声を上げ。ヨハンの胸に浮かんだそんな問いは、ひとまずどこかへ吹き飛んでいきました。
加速する有翼船、一段と強まる向かい風。目まぐるしく視界を流れていく、七色にきらめく空魚たちの群れ。
がくりと大きく揺れた船体に、よろめいた
小山内 海
の肩を、
御剣 刀
が力強く支えます。
「怖くは無いか? 小山内」
『だいじょうぶ。刀くんがいるから』
ふたりは寄り添い合うようにしながら、空を泳ぐ銀色の威容を見上げます。
突発的な漁の手伝いを申し出た修、羽衣、ヨハンらを除いて、他のクルーズ客たちはひとまず甲板の真ん中のほうへ固まって、その経緯を見守っております。あんなにも巨大な空魚へ、躊躇無く突撃していく漁師たちの勇ましさは実に頼もしく、不安そうな顔を浮かべていた彼らも、いつしかきらきらと輝くような瞳で見つめています。何だかみんな、この場の昂揚感に呑まれてしまったかのようです。
刀と海の隣には、ちょっぴり興奮した様子の、
屋敷野 梢
。
「やーまさか、空魚漁をこんなに間近に見られるとは! 興味深いですねー」
空魚の生態には尋常ならざる興味を抱いております彼女、全ての成り行きを目に焼き付けんとばかりに、ビタイチ視線を外す気配もありません。
「皆さん、すごい勇気ですね……」
感心して言った
綾辻 綾花
の胸には、きゅうと抱かれたアルク……と、もう一匹。修の愛猫、子猫のブラックが。
「綾辻、すまないな! ブラックを頼んだ!」
「はーい、任せてください!」
捕鯨砲の発射に取り掛かりながらに叫んだ修へ、綾花はこくりとうなずいて、二匹の猫をむぎゅう。もちろん、猫大好き! な彼女のこと、彼らが漁のお手伝いをしている間、こうして猫たちの面倒を見ているのはお安い御用……と言うより、願ったり叶ったりなのでした。といっても手がかかることもなく、すっかり仲良くなった二匹は時折にゃあ、ふにゃあとじゃれ合いながらに、大人しく綾花の腕の中に収まっております。
そんな猫たちを微笑ましく見つめ、次いで空を覆わんばかりの魚体を見上げた、
鴻上 彰尋
。先ほど街の人にもらった滑らかなケープが、風にばたばたと揺れていて、彼はそれを飛ばされまいと、首元をしっかり押さえつけます。
「すごい光景だな。しかし、あんなに大きな魚を、本当に獲れるのか……?」
「漁師の皆さんの、お手並み拝見というところですね。とはいえ、恐らく問題は無いでしょう」
オーデン・ソル・キャドー
はその信じがたい漁の模様を、スマホのカメラでぱしゃぱしゃ、ぱしゃり。
とはいえ彼が慌てることなく、いつものバッチリ渋い微笑みをたたえたままなのは、単なる楽観主義によるものばかりではありません。隣で、梢が彼らへと力強くうなずいて、
「漁師さんたち、言ってましたよー。あれより、もっと大きな魚を獲ったこともあるって」
オーデンも梢も、先ほど漁師たちへあれこれと質問をぶつける中で、そうした話を耳に入れていたようです。
「私たちは、お客人! ですからねー、安心して楽しんでおけばいいんですよー」
「そうですね、これは実に! 得難い体験ですから」
ふたりがそんな風にして、あんまり落ち着いているもので。彰尋も自然、するりと肩の力が抜けまして、
「ああ、そうだな。そうするか……あれ? どこに行ったんだ?」
と。気付けば頭上に、あの巨大すぎる魚影ははたと消え失せ、見当たりません。間近には、山より大きな入道雲……どうやら巨大空魚は、その中へと潜り、隠れてしまったようです。
空魚の姿を探し、甲板上では漁師たちが行ったり来たり。逃がしてしまったのか、と次第に彼らの間へ落胆の色が見え始めた……その時。
「……あそこだ!」
叫び声に、一斉に集まった視線の真ん中で。船体の縁を越えた向こうで、翼をはためかせて指を差し、雲の中に潜む影の場所を知らせたのは……茜!
「か……海神様の御使いか?」
さすがに、翼を持って空を舞う人間は、この世界でも希少なようでして。漁師たちのあんぐりと開いた口、ぽっかりまん丸に見開いた目にちょっぴり苦笑いしながら、茜は肩をすくめて、
「ま、そんなに上等なものじゃないけどね。僕が位置を示す……君たちは、漁に専念を!」
「お、応ッ!!」
茜の導きで、ぐわんと船体を傾けた有翼船。一気に雲の中を泳ぐ巨大な影へと近づくと、
「プレストン先輩、鴇波、準備はいいか!?」
ぎぎぎ、がしゃこん! 羽衣とヨハンが照準を合わせ、トリガーを預かった修が問えば、もちろんふたりは、こくりと大きくうなずいて。
「うんっ、狙いバッチリ! いつでもいけるよーっ、修くん!」
「……今だ、撃て!」
トリガーを引けば。しゅぱんっ!
捕鯨砲、といかめしい名前ではありつつも、それは巻き上げた弦の力で銛を撃ち出す、比較的簡素な作りの仕掛けです……とはいえその威力は、十分! 撃ち放たれた銛は真っ直ぐに飛び、堅牢な鱗の隙間へ寸分違わずに吸い込まれ、突き刺さりました。
そうしてしばし、巨大空魚との息詰まる、めまぐるしい攻防が続いた後に。
「……いやぁ、あんたたち! 良くやってくれたな!」
巨大な獲物は今、幾つかの船から伸びた頑強な綱によって、ふわふわと宙に横たわり曳航されております。漁師たちの経験に、協力を申し出た修、羽衣、ヨハン、それに茜の活躍もあって、巨大空魚漁はどうにか、無事に終了! となったのでした。
「こいつは、報酬だ。飛び入りとはいえ、正当な労働には正当な対価をってな、受け取ってくんな!」
「うわぁ、いいの!? ありがとうー!」
それぞれに手渡されたものに、羽衣は目を輝かせます……それは手のひら大の六角形、鈍い銀色の鱗。あの巨大空魚、コウテイソラカジキの鱗です。良く見ればそれはかすかに透き通っていて、太陽にかざすときらきらとプリズムのように反射して、とっても綺麗!
「そいつは、旅人の行く先を祈るお守りさ。海神様が、あんたたちの道行きをお導きくださるだろうよ。それに地上へ下りたら、さっそくあいつを捌いて、新鮮なのを食わせてやるからな。楽しみにしててくれ!」
「ふうん、悪く無いね。なかなか楽しめたし、良い経験だったよ」
茜も鱗を受け取り、それを日の光に透かしながらに言いました。異世界の大空を存分に飛び回ることもできまして、彼女は満足そうです。
猫たちを抱えた綾花がやってきて、修の腕へと子猫のブラックを返しながら、
「お疲れさまでした、すごかったですね! でも、実はあとひとつ、やることが残っているんです……手伝ってもらえますか?」
「やること?」
怪訝そうに首を傾げた修、ヨハンの前へと、彰尋が大きな布袋を抱えてやってきました。それは綾花が船に乗り込む前、街の人に託された、豊漁祭の大切なならわし。
「この紙吹雪を、空から街へと撒くんだそうだ。手分けしてやろうか」
「ああ、俺たちも手伝おう。な、小山内」
『うん、私もやりたい!』
申し出た刀の言葉には、海だってもちろん、こくこくと同意。そんなシーンをスケッチしたなら、どんなに素敵なものになるでしょうか!
やってきた梢にオーデンも交えて、彼らは船の縁に立ち、綾花を中心に、
「それじゃ、皆さん、一斉にいきますよ。せーの……!」
紙吹雪を空へと、ぶわーっ! 青い、青い空へと瞬く間に広がり、ひらひらと散っていく、無数の小さな白。
ひらひら、ひらひら……ひらり。ふと鼻の上へ落ちた一枚に、アルクが、くちゅん! くしゃみをひとつ。ふわんと宙へ舞い上がり、飛んでいった紙吹雪に、彼らの笑いが弾けました。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月23日
参加申し込みの期限
2015年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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