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さまよいアルク 第一章~蒼空へ漕ぎ出す漁夫たちの豊漁祭
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【茜色の石】
ぶかぶかどんどん! 楽器に歌に、音楽は最高潮まで一気に駆け上がり、踊りの輪はぐるぐるぐる、手に手を取って回ります。
「よし、最後はこいつだ。振り落とされるなよ、アルク?」
にゃおん! 相も変わらず肩の上、すっかり慣れた
サキリ・デイジーカッター
とアルクは、そこらにいくつも置いてあるお酒の入った木箱、その中のカラッポになったひとつへ、すぽんと飛び込みまして。
ナイフ芸で場を盛り上げた彼のとっておきとあって、固唾を呑んで成り行きを見守る観客たち……その背後から。しゅば! 突如出現! 瞬間移動のろっこんを巧みに用いた、脱出マジックでありました。反応はもちろん上々、拍手喝采!
折りしもその瞬間に、音楽は最高の盛り上がりを経て、じゃかじゃん! とひと段落。
オーデン・ソル・キャドー
はシルクハットを優雅に脱いで
雨寺 凛
へ一礼、互いのダンスを称え、
フィリップ・ヨソナラ
は合唱隊に囲まれ頭を撫でられたり、親しげに肩を叩かれたり、もみくちゃです。
志波 武道
は何やら、現地の女の子たちに取り囲まれて、水泳で鍛えた均整の取れた肉体にきゃあきゃあと言われてモテモテですし、
薄野 五月
のくるくる歓喜の舞だってもちろん、好評でありました。一緒に踊った街の人たちと、彼らは次々に、ぱちん、ぱちりとハイタッチ!
まさしく、先ほどに凛が語ったとおり。彼らは音楽や踊りを通じて、世界の壁や言葉の壁や、その他の何もかもを一足でぴょんっと飛び越えて、すっかり打ち解け合ってしまったのでした。
(みんな、すごいなぁ……)
そんな、何だか胸を打つ光景に。
恵御納 夏朝
はスマホを掲げて、ぱしゃり! きっとこの写真は、夏朝にとっても、みんなにとっても、素晴らしい思い出になってくれることでしょう。
写真の中央では、白黒猫が大きく口を開けて、ふにゃあとあくび……夏朝はふわりと、微笑みました。
「あなたたち、素晴らしかったわね!」
「うん、海神様も、さぞお喜びになるだろうさ!」
「それにしても……君たち、変わった格好だねぇ。どこから来たんだい?」
口々に話しかけてきたのは、演奏はちょっぴり小休止らしい、あの旅芸人の一座です。
アコーディオン弾きの小太りなおじさんの問いに、
弘明寺 能美子
はちょっぴり、困り顔。何と答えたものかと思案した後に、
「その……遠くよ。ずっと、ずっと遠くから」
「へえ、そうなのかい? それじゃめいっぱい、この街の豊漁祭を楽しんでいかんとね!」
どうにも、この世界で出会う人々は概ね豪快で、細かいところはあまり考えない性分らしく、おじさんはただ笑って、深く追求するでもなくそう言いました。
「楽しむ……ええ、そうね。で、でも、ちょっとだけよ? ちょっとだけ!」
つんとして素直じゃない能美子がそっぽを向くと、旅芸人たちは揃って、からからと朗らかに笑います。
広場の脇、芝生の上へとひと時腰を落ち着けたところで、戻ってきたのは、そのあたりを散策して回っていた
鴻上 彰尋
です。
「ちょうどいい。この人たちに、色々と聞いてみるとしようか」
「貴方……どうしたの? その格好」
能美子が眉をひそめたのは、彰尋が何やら、街の人々が身につけているような、滑らかで美しい布のケープを羽織っていたからです。
「ここの人たちは、旅人には本当に親切みたいだな。お金は無いと言ったのに、譲ってくれたんだ」
と言って、まんざらでも無さそうにケープを翻し、彼もまた芝生の上へ座ったら、一行は改めて状況の整理をば。
まずは彰尋が口火を切りまして、
「さて。俺たちはどうやら、このアルクによって、この世界に連れてこられたみたいだな」
「やっぱり、この子の首の宝石のせいかしら? 気になるわね……あ」
とてとてとやってきた件のアルクが、能美子の膝の上へと、ひょいっ。遠慮がちにその背中や頭を撫でてやると、彼は気持ちよさそうに、なおんっと鳴きました。
「こいつは、この世界の猫なのか? このあたりに飼い主がいるんだろうか」
『あのけっしょうと、おなじほうせきだね』
御剣 刀
の疑問に、隣り合った
小山内 海
が、スケッチブックへ筆談で指摘します。彼女が指差した先、広場の真ん中にどどんとそびえる巨大な結晶はやはり、アルクの首輪についている、茜色の宝石と同じものに見えました。
「でも、僕、気が付いたですよ」
フィリップが周囲のあちこち……お店の看板、標識、お酒の入った木箱の刻印や、人々の身につけているものに記された諸々の文字。それらを眺めてから、アルクの首輪を指差して、
「首輪の文字と、ここの文字、ぜんぜん違うもの、見えますよ?」
見比べてみますと、確かに。首輪の文字は、簡潔に『アルク』と名前が記されているのみながら、その字体はどうにも、このあたりで使われているものとは似ても似つかないものに見えました。きっぱりと、別の言語、と断じてしまっても良いくらいの違いです。
フィリップは、語学に堪能です。日本語はまだちょっとカタコトではありましたけれど、英語にロシア語に……この世界の言語だって覚えることができたなら、きっと現地の人々とだって、もっと仲良くなれそう! 真っ先にそんな風に考えた、彼ならではの着眼点でありました。
ひょいっと彼の横から、能美子の膝の上で丸くなっているアルクを覗き込んだ、
鈴原 天音
。彼女は先ほど、まねっこアイドルダンスがことのほか街の人たちに大好評だったもので、すこぶるゴキゲンです。
「でも、アルクちゃんがいると、言葉が分かっちゃうみたいなんだよー。なんでだろ?」
「やはり、この石が鍵なんじゃないか?」
天音の隣で、相変わらずの無愛想顔は、
毒島 林檎
。
彼女がおもむろに、旅芸人たちへ、目の前の巨大な結晶を示しながらに、ぶっきらぼうに尋ねました。
「なあ、あんたたち。この石は、なんなんだ……?(訳:『この石、アルク君のと同じみたいだけど、何なのかな? 教えてくれたら嬉しいな~って!』)」
旅芸人たちは、しばし、きょとん。何だか意外そうに、互いに顔を見合わせます。
「ふむ……? ああ、そうだね、こんなに大きなものは、きっとここにしか無いだろうからね」
「なんたって、この巨大な『
ローシルティウム
』は、この街の象徴だものね!」
「……ローシル、ティウム?」
聞き慣れない単語に、夏朝が首を傾げます。旅芸人たちは、いよいよもって不思議そうな顔を浮かべまして、
「ひょっとして、君たち……初めて見るのかい? そりゃまた……ローシルティウムが無いとは、えらく遠いところから来たんだなぁ」
アコーディオン弾きのおじさんが、夏朝や他の面々の反応に、驚いたように言いました。
口ぶりからすると、この茜色の石はどうやら、この世界では比較的ポピュラーな存在であるようです。彼は続けて、
「ローシルティウムは、
光を記憶する結晶
なんだ。昼間はこうして、日の光を存分に吸い込んで……」
空へと手のひらをかざし、
「夜になれば、茜色にきらきらと輝く。この大きさだからね、そりゃあもう、街の全部を照らすほどさ。それに、夜の漁へ出かける船の道標にもなる」
「もっと大きな街へ行けば、ローシルティウム灯が道の横にずらりと並んでたりしてね、とっても綺麗なのよ? それに、ほら。私たちだって、携帯用の小さいのを持ち歩いてるし」
色っぽい踊り子のお姉さんが、加工された小さな茜色の宝石を胸元から取り出して、見せてくれました。隣の青年、太鼓を叩いていた彼も同じものを懐から取り出し、うんうん、とうなずきます。
『ローシルティウム』。それが、この宝石の名前であるようです。
「ふぅん……それじゃあ、アルクくんのこの石も、そんなに珍しいものじゃないのかな……?」
と、凛が言った、その時に。
「ふむ、こりゃまた変わった毛並みの猫だね……ん? んん?」
改めて、アルクの首元にある宝石へと視線を向けた、アコーディオン弾きのおじさんの目が、みるみるまん丸に見開かれまして。おじさん何やら、ぷるぷると肩を震わせ始めました。
「こっ……これは!?」
「ちょ、ちょっと……!」
ずずいと身を乗り出して、まじまじと宝石を眺めたおじさんに、アルクを膝に乗せた能美子がちょっぴりのけぞります……当の白黒猫はと言いますと、のんびり、ごろごろと機嫌よく喉を鳴らしておりましたけれど。
おじさんは、引っ繰り返りそうなほどにすっとんきょうな声で、
「こいつは……こりゃあ、ローシルティウムの純結晶じゃないか! それも、とびきり純度の高いやつだ……いや、こいつはたまげた! 長いこと旅をしてるが、こんなのは初めて見たなぁ……」
「えっと、そんなに貴重なものなの?」
凛が問い返すと、おじさんは真剣な表情でうなずいて、
「そりゃあもう。王族や高貴な身分のお方でもなけりゃあ、まずお目にかかれない代物さ。君たち、こいつを大事にするんだよ? 絶対に誰かに渡したり、失くしたりしちゃあいけない。貴重なものだからね」
今度はみんなが、まじまじと宝石を、それにアルクを見つめる番。
「……アルくんって……実は、猫の王子様?」
夏朝のメルヘンなつぶやきに、何だか納得してしまいそうになるのも、無理はありませんでした。
立ち上がった能美子は、件の巨大結晶へと歩み寄ります。
(私の……ろっこんなら)
彼女は、自身の身につけた能力に対して、常にある危惧を抱いています。壊れた物品の過去、あるいは触れた物の持ち主が込めた想いを垣間見る、そんな能力……能美子には、その行いが不躾な覗き見のようにも思えて、不用意に発動してしまわないようにと、ひどく警戒しているのです。
同時に、そんな風に感じてしまう自分を、変えたいとも思っています。
(私がこんな力を与えられたことには、きっと……何か、意味があるから)
能美子は、恐る恐るではありながらに、茜色の巨大結晶へ、両手をぺたん。ひんやりとした感触を手のひらに感じつつ、じっと見つめれば……浮かんでくるのは、いくつもの感情です。
「街の人や、漁師の人たちの……あたたかい……感謝の気持ち?」
続いて能美子は、まるで察したようにてててっと駆けてきた、アルクの首元。茜色の宝石、ローシルティウムの純結晶とやらを、そっと両手で包み込みます。
ひとつの、強い感情。感じるのは、たったひとりの感情です。どこか幼くて、そしてとても、とても強い……。
「アルクへの……愛情……?」
「こいつの飼い主の、ってことか?」
サキリの横合いからの問いに、確証は無く、能美子にははっきりと答えることはできません。けれどきっと、そうなのでしょう。
アルクは、今はここにはいない飼い主に、とてもとても、愛されていたのでしょう。
そんな飼い主のもとを離れて、なぜ彼は、今こうして目の前にいるのでしょうか?
能美子がそっと、やっぱり少しだけ躊躇いがちに、白黒の毛並みを撫でてやりますと。彼女のいささか複雑な思いもどこ吹く風、アルクはただ心地良さそうに、目を細めるばかりです。
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墨谷幽
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月23日
参加申し込みの期限
2015年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月30日 11時00分
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