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<鈴島海賊の秘宝III>海へ
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●嵐・その1
紅梟号の見張り当番は
朝鳥 さゆる
と
十朱 此方
だった。
麗しい女海賊の格好をしたさゆるはあまり船酔いしない体質なのか、船首の手すりにつかまり静かな表情で海を見据えている。時折顔をしかめるのは、波で船が揺れるせいだ。
さゆるは自問していた。
何故この船に乗ってしまったのだろう。
宝の島とか秘宝とか、そんなものにはさほど興味をそそられないのに。
一方、見張り台に上った此方は、ポニーテールに結いあげた髪を靡かせ、広がる光景に思わず息を呑んだ。
「海……広くて綺麗。すごい。船の上からだとこんなに綺麗なのすごい」
夜明けを迎えた海はインディゴブルー。波は高く鱗のように逆立って白いしぶきを上げている。
海。それはただ海というだけで、圧倒的に美しかった。
前方に黒雲が見えた。雲の中をのた打ち回る稲光が時折赤っぽく光る。まるで魔物の血管のようだ。
船はまっすぐその魔物のような嵐の中に突っ込んで行こうとしている。
もっと快晴の空だったら、と此方は思った。
きっともっと綺麗なのかも。見てみたい。
「おーい、大丈夫なのだー?」
儚げで弱々しい雰囲気の此方が、怖がる様子もなく見張り台まですいすい昇っていくのを、マスト下から心配そうに見守っていた
李 小麗
が声を掛ける。
「大丈夫、こんなのは怖くないの。ただ、この先の雲行きはすばらしく不穏よ」
この先の雲行きはすばらしく不穏。
さゆるはその言葉を胸のうちで転がした。
ああ。
悪くない。
ここではない何処かで、誰にも知られず海の藻屑となる。あるいは誰も知らない無人島に辿り着いて、そこで心静かに時の流れに身をゆだねる。一瞬の間にそんな夢を見る。欲しいものは宝なんかじゃない。自分をどこか遠くへ連れて行ってくれるならなんでもいい。さゆる自身気づいていなかったが、どこかへ消えてしまいたい、という思いは彼女の奥底に棲みついてしまっているのだ。
ぽつり。
一滴の大粒の雨が甲板に丸い染みを作る。ふたつ、みっつ……染みは見る間に広がって行く。
「あー……これはまずい、見るからにまずいな」
甲板長の
握 利平
が船内から飛び出してきて帆を繋いでいるロープに掴みかかった。
船尾にある船長室に向かって大声を上げる。コウの木乃伊が入った棺はそこにあるのだ。
「おーい船長! 干からびてるとこ悪いけど、進行方向に雲が見えるぜ? 避けた方が良くねーか?」
返事があるとは思っていなかった。
だからその張りのある声を耳にして利平は目を見張った。
「このまま突っ込む」
女性にしては低めの声だった。
すらりとした長身。まとめ上げた長い黒髪。細やかな装飾の入った赤い和風の海賊衣装を身に纏ったその女性は、三十前後に見えた。梨香に似た猫のようなアーモンド形の瞳が素早く動いて、瞬時に状況を把握する。
「おわっ!」
利平は飛びのいた。
「船長……なのか? 随分お美しく……胸の辺りも潤って……」
「どこを見とるか!」
船長――復活した坂内 コウは間をおかず怒鳴る。
「干からびてたんじゃ?」
「久々の航海じゃ、それも詰まらん……と言いたいところだが、我の意志というより、なにか大いなる力が我にこの姿を取り戻させたようだ。あれは、ただの嵐ではない。何が起こってもおかしくないと思えよ」
「そういうのはわりあい慣れてる方だと思うが……このまま突っ込むって言ったのは聞き間違いか?」
「聞き間違いではない」
「帆船で嵐に突っ込むって?」
「そうだ」
「マジなのか……」
利平は唖然とするを通り越して諦め顔になった。
「頑張るわー。宝っつーか、死なないように頑張るわー」
そのとき、ずっと無口だったさゆるがふいに振り返った。感じたのは、気配、のようなものだったかもしれない。瞳をすっと見開き、人差し指を船後方に伸ばす。
「あれは、なに?」
見張り台の上の此方も振り返り、双眼鏡を覗きこむ。
「……船だわ。真っ黒な船。……海賊旗が上がってる!?」
「どんな模様じゃ!」
コウが問う。此方は目を凝らす。
「髑髏に、なにか紐のような絡んだみたいな……」
コウは舌打ちした。
「紐ではない、海蛇じゃ……くそ、
漆黒の海蛇号
か……! 皆の者、交戦準備!」
◇
船は俄かに慌ただしくなった。
寝ていた者はたたき起こされ、戦える者は手に手に武器を取って甲板に飛び出してくる。
「あれ、コウがいつの間にか木乃伊から人間に戻ってる」
マスケット銃を抱えた
ブリジット・アーチャー
が呑気に言った。
「なんか増えるワカメ……違うなぁ。インスタントラーメンみたいね」
「いんすたんと……?」コウは首を傾げる。
「雨水で濡らしたら戻ったのよね?」
「違うわ!」
その間にも海蛇号はぐんぐん速度を上げこちらに近づいてくる。
此方は見張り台の上で双眼鏡を覗きながら小まめに見えたものを報告する。
「あの船……すごく、変なの。帆はボロボロで、船の周りにだけ薄く霧が立ち込めている。船員の姿もちらほら見えるんだけれど、動き方がぎこちないっていうか、まるで死体みたいっていうか……きゃっ!」
「どうした!?」
コウが尋ねた。此方は双眼鏡から目を放し、怯えたような目でコウを見た。
「……いま、こっち向いた船員、人間の顔色じゃない……まるで、じゃなくて絶対、死体」
コウが小さく頷く。
「ゾンビってわけ? ……そもそもおかしいよ」
北原 みゆき
が
龍目 豪
にしがみ付きながら言った。
「漆黒の海蛇号って何百年も前の船のはず……ってことは、まさか、幽霊船?」
「かもな。だが、狙ったように俺らの前に現れたのは何か因縁があるんじゃないか? なあ、コウ?」
豪が尋ねるとコウは苦虫を噛み潰したような顔で答える。
「漆黒の海蛇号の船長は
グジ
といういやらしく欲深で執念深い男だ。かつて紅梟号との戦いで、船を沈められたのを根に持って化けて出たとしか思えぬわ。まったく忌々しい!」
吐き捨てるような言い振りから察するにコウはグジのことが相当嫌いらしい。
桜庭 円
も疑問を重ねる。
「ボクも航海日誌で気になってた点があったんだ。漆黒の海蛇号と一回目の交戦はわかるんだけど宝島から出た後の二回目の交戦って偶然なのかな」
「我も聞きたいわ。おおかた、あそこが漆黒の海蛇号の縄張りであったのだろうよ。――操舵長!」
コウが大声を上げた。
八神 修
が応える。
「俺だ」
「よし、舵を握れ!」
「もちろんだ。仕組みは頭に元々ある。だが、実技は別だ、教えてくれ。最短時間で頭に叩き込む!」
「了解した、我もすぐ行く!」
「それと帆に斜めに風を受けて進めるなら誰かに操作を頼みたい!」
「そうだな――甲板長!」
「もうやってる!」
帆桁に取りついた利平が怒鳴り返す。
「帆を小さく畳んで、流され過ぎないようにするんだろ? 全部降ろすと、舵が効かねーからな。ところで手の空いてるやつ、マジで頼む! 手伝ってくれ!」
船の帆は大きく、とても一人で畳み切れるものではない。天野や蛇那伊、豪など男子が次々帆に取りつく。
「どうしたのだ!?」
利平の声に小麗も飛んで来た。
「なるほどー、帆を小さく畳んで船の操縦を安定させようとしてるのか。ん、それならしゃおりーも手伝えそうなのだ」
「おー、李! すまねえ、助かるぜ! あそこのロープ引っ張ってくれねーか」
「ん? ん? どこなのだ?」
利平は指差して教えるがうまく伝わらない。
すると小ザルのしっぽが、キキッと鳴いて肩から飛び降り、利平の指差す方に向かって駆けだした。
「頼むしっぽ! 李に教えてやってくれ!」
しっぽを追って、小麗は白いセーラーシャツの青い襟をはためかせながら走る。トレッキングシューズを履いて来たお蔭で、濡れた甲板でも彼女の身軽さは損なわれていない。
「ありがとうしっぽ! このロープを引っ張ればいいのだ?」
「引っ張ったらフックに結び付けるんだ!」
「わかったのだ!」
小麗は力いっぱい引っ張ったロープを、風に身体を持って行かれそうになりながらフックに縛りつける。
「李、次はこれをその隣に!」
投げられたロープを再び掴み、引っ張る。
だが今度は上手くない。上の方で引っ掛かっているのだ。
「さゆる、これ持ってて欲しいのだ!」
小麗は近くにいたさゆるにロープを預けると自分はあっという間に帆桁に登り、軽業師のように足を引っかけて逆さまになって、引っ掛かった部分を解きほぐした。
「オーケーなのだ! さゆる、引っ張って!」
「了解、引っ張るわ!」
さゆるが体重を掛けロープを引く。小麗は飛び降りると、さゆると協力して縄をフックに縛り付けた。
その時だった。
斜め後ろを並走していたリ・ボーン号から発煙筒の煙が上がった。
見張り台にいる
双葉 仄
があっちを見ろ、とばかりに前方を指差している。
<うおー! 巨大蛸! イカ!?>
リ・ボーン号の甲板から、文字の形のブロックが飛んだ。
晴海 飛鳥
のろっこん<ソリッドボイス>である。
<クラーケン!?>
飛鳥の言う通りだった。
前方の海が泡立ち、有り得ないほど大きな蛸のような吸盤のついた足が波間でうねる。
明らかに我々を待ち構えているのである。
帆を畳んでいなかったら、全速力であの触手の中に突っ込んでいただろう。
だが、良かった、と胸を撫で下ろしていいのかはわからない。速度を落とし船の操りやすさを取ったのはいいが、後方から来る黒い船影がみるみる大きくなってくるからだ。
なんてことだろうか。後ろからは幽霊船。前からは巨大生物。どちらも標的は我々の船。
利平はマストの上で頭抱えた。
「だよなー、嵐の中で敵に襲われる。映画で良く有るわー。知ってた、俺」
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<鈴島海賊の秘宝II>赤い寝子島の冒険
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月20日
参加申し込みの期限
2015年06月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月27日 11時00分
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