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終焉狂想曲 NO.222
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均整のとれた長身でしなやかに伸びをする。ダイニングバーでグラスを傾ける客たちがぶつけてくる不躾な視線に、妖艶でありながらも快活な笑みをさりげなく返して、
城山 水樹
はカウンターの止まり木に細い腰を下ろす。
早朝からの横浜での撮影が長引いてしまった。
読者モデルの仕事は楽しいが、疲れは残る。寝子島駅で降りるはずが、寝過ごしてシーサイドタウン駅で下車するはめになってしまった。
整えた眉の上で切り揃えた前髪に指先で触れる。
駅前で食事を済ませ、自宅までウォーキングがてら徒歩で帰ろうとして、寝子電スタジアム近くの洒落たダイニングバーの前で足が止まった。
(後はお風呂入ってベッドに潜りこむだけだもの)
身体に澱む疲れを流すには適度な運動と適度なアルコールが一番、と黒い瞳を小さく笑ませる。
まなざしで店員を呼び、注文しようとして、――硝子張りの店外、街が紅の光に染め上げられた。
光と同時、空に何者とも知れぬ恐ろしげな咆哮が響き渡る。地面が激しく震え、道路のアスファルトが割れる。赤い火花を爆ぜさせる黒煙が噴き出す。黒煙に混じり地面から這い出すのは、大型犬ほどにも巨大な大蟻。化物蟻を踏み潰し、何処から現れたとも知れぬ滑る鱗の大蜥蜴が赤い舌を伸ばす。舌に絡め取られ、道行く人々が次々と蜥蜴に食われる。
パニックに陥る店外の人々を瞳に、水樹は言葉を失う。
「な、……」
息を零すよりも先、店内で誰かが悲鳴を上げる。悲鳴が断末魔に変わる。怖気を奮う咀嚼音が静まる店内に響く。波打つ黒髪を震わせ、振り返る視界に、店の裏口から入り込み、店員や客を貪るナニカ。
ナニカの爬虫類の目と、水樹の視線が交錯する。
理解不能の恐怖が瞬きよりも速く脳を侵食する。恐怖に奪われる思考に反して、強烈な生存本能に突き動かされた身体が動いた。止まり木から飛び降りる。店外へ逃げ出そうとして、カウンターから飛び出した店員に突き飛ばされた。立ち上がろうとして、テーブルを蹴立てて我先に逃げる客の男に体当たりを食らった。
「ッ、……!」
転んだ痛みを感じるよりも先、店の奥から伸びたナニカの長い舌に絡め取られ床を引き摺られてゆく男の悲鳴が神経を引っ掻く。立ち上がる。他の客にぶつかっても、誰かを突き飛ばしても構わず、生への門に見える店の出入り口へと走る。頭にあるのは、
(死にたくない)
それだけ。
もつれる足で揺れる床を踏みしめ蹴りつけ走る。何人かの客と押し合いながら扉から外に飛び出す。ともかくも外に出られた安堵は、赤い空を、大蟻に集られ死ぬ男を目にした瞬間に絶望に変わる。
水を浴びせられたように全身の血の気が引く。貧血に似て覚えた目眩を振り払い、再び駆け出す。誰も彼もが殺められてゆく大通りから、途中の路地裏に身を滑りこませる。空から降る赤い光を遮る建物の壁に背を凭れさせる。
冷たい壁に背中が触れた途端、全身から汗が噴き上がった。額から頬を伝う汗を拭おうとして、白い肘や膝を汚す擦り傷に気付いた。痛みよりも滲む血よりも、モデルとしての身体に傷がついたことに頭に血が昇る。
「どうしてくれるの! 身体が傷物になっちゃったじゃない!」
毒づいて、けれどすぐその言のおかしさに自嘲する。
(こんな時に仕事の心配するなんて!)
哂いながら、全身に走る悪寒に自分の身体を抱きしめる。胸の奥からせり上がる恐怖に、涙が溢れた。
「……っ、……」
唇から飛び出しそうになる泣き声を吐息に代える。逃げなくてはならない。
(どこへ?)
己を抱く指先に力が篭もる。恐怖に震える胸を、乱れる息を、無理矢理に静める。生き延びられるなら、
(そんなの、どこだっていい!)
絶望に呑まれそうになりながらも生を渇望し、水樹は全身に力を籠める。蹲ってしまいたくなる足を踏ん張り、活路を探すべく視線を巡らせる。大通りは人が多い。人を食らう化物も多い。となれば、――
「こっちに!」
路地の奥から掛けられた声が少女のものであると理解するなり、水樹は迷わず踵を返す。暗がりに身を躍らせる。
隠れ家じみた路地裏のアクセサリーショップの木造の扉が薄く開く。少女の白い手が覗き、水樹の手を引く。
外の赤い光を一筋も入れぬ分厚い白壁の中、倒れた棚やテーブルを飾っていた輝石飾りが散乱する小さな店には、青い瞳の少女がひとり。木彫りの白いバレッタで纏めた長い黒髪を揺らし、少女は呼び込んだ水樹の顔を気遣わしげに見つめる。蒼白い顔の水樹を落ちつかせようとしてか、白い頬を僅かに緩める。
「怪我をしていますね」
「え、……ああ」
言うなり、少女は衣服に留めていた安全ピンを外し、顔色ひとつ変えずに左の指先を突く。目を瞠る水樹に心配いりませんと笑みかけ、左手の甲に唇を寄せた。呪文を唱えるように小さな声で口ずさむそれが、歌であることに水樹が思い至ると同時、少女の血に触れた肘や膝の傷が見る間に治癒する。
不審げに瞬く水樹に、
黒依 アリーセ
は魔法使いのように密やかに笑み、静かに励ます。
「状況は私にも分かりませんが、なんとか逃げ切って下さい」
「ありがとう」
痛みと共に消えた傷を確かめ、水樹は頷く。
「あなたはこれからどうするの?」
「私は私に出来る事をします」
「……そう」
天井さえ震わせて、外から巨大なナニカが建物を破壊しながら近づいて来る。
ここに居ては潰されると外に出たふたりが見たのは、炎を吐き散らす身の丈二メートルの獣人。
「先に行きなさい」
「でも」
少女を背に、水樹は足元に転がる鉄筋入りのコンクリート片を拾い上げる。引きつる頬で強気に笑う。
「美人薄命っていうけどね」
鉄筋の赤錆が指先に刺さるのも構わず、力いっぱい握り締める。獲物を見つけて舌なめずりする獣人に向け、しなやかな全身を使って突っかかる。
「覚えておきなさい、美人っていうのは往生際悪いんだから!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月06日
参加申し込みの期限
2015年06月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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