this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
男子限定! スイーツバイキング
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
7
つぎへ >>
【4】大食い勝負と、感想と。
寝子高一年の
宇崎 宙太郎
は、ウッドデッキでようやく人心地がついて、溜息をついていた。
というのも彼、今日のために昨日の夕方から何も食べずにいたからだ。
もちろん、開店前には他の客たちと共に、並んで待った。
それで店に入ったあとは、とにかく目についた菓子を皿に盛って、倒れそうになりながらこの席にたどりついたあとは、ただひたすら食べた。
(さすがに、昨日の夕方から腹減らしておくっていうのは、やりすぎだったか。……けど、ここのお菓子、マジにうまいぜ)
脳裏に、さっきから食べた菓子類の味を思い出し、口元を緩めながら、そんなことを考える。
ただ、腹がくちくなってみると、何か物足りない気もした。といっても、スイーツの味ではない。そうではなく、せっかく男だらけなのだから、もっとワイワイと賑やかな何かがあってもいいのではないか、という気がするのだ。
「よう、ここ空いてるか?」
その彼に声をかけて来たのは、同じ寝子高一年の
御剣 刀
だった。
「ああ、いいぜ」
うなずく宙太郎に、刀は向かいの席へと腰を下ろす。テーブルの上に置いた皿には、ミルフィーユとモンブランが乗っていた。
ちなみに旧市街に住んでいる刀は、普段は菓子類なども参道商店街で買っている。が、参道商店街は、和菓子の店の方が多いのだ。
和菓子は好きだし、どの店も美味しいので不満はないのだが、たまには洋菓子をがっつり食べたい気分になる。今日のスイーツバイキングは、彼のそんな欲求を満たすには、ちょうどいいものだったのだ。
ミルフィーユとモンブランは、彼の好きなスイーツだった。
「宇崎は、何食べたんだ?」
空の皿を見て、宙太郎に尋ねつつ、刀は普通より小さく、一口サイズに作られたミルフィーユをフォークで刺して持ち上げると、そのままかぶりつく。
「うわ、あんた一口で食うか?」
声を上げる宙太郎に、刀は笑った。
「気にするな。こっちの方が美味いんだって」
平然と返して、咀嚼すると一人うなずく。
「うん。皮がサクサクしてて美味い」
文字通り一口でミルフィーユをたいらげると、続いてモンブランも同じようにフォークで刺してかぶりついた。
「栗は今が旬だからかな。モンブランの味が濃いな」
こちらもたいらげ、そんな感想を漏らす。そして、唖然としてこちらを見ている宙太郎をふり返った。
「宇崎も、あとで食ってみろよ」
「あ、ああ……」
うなずいて、宙太郎はふと、さっき思っていたことを刀に話してみようと思いつく。
「ところで、なあ……。あんたは、なんかこう、もうちょっとイベントっぽく盛り上げた方が面白いって思わないか?」
「どういうことだ?」
尋ねる刀に宙太郎は、続けた。
「たとえば、大食い勝負とか」
「俺なら、いいぞ」
即座に刀がうなずく。
「大食いには自信がある。勝負を挑まれて、逃げるつもりもないしな」
「え、いや、そういうことじゃなく……だな……」
宙太郎は驚いて、訂正しようとした。彼としては、二人だけでなく、周辺の客たちにも声をかけ、大勢でワイワイと賑やかに大食い大会をやろうと考えたのだった。
しかし、刀はどうやら、二人で大食い勝負をしようということだと勘違いしてしまったようだ。
「そうと決まれば、新しいのをもらって来よう。どっちみち、並んでいるスイーツを全部食べたいとは、思っていたしな!」
刀は、やる気満々で皿を手にして立ち上がる。
「え、あの……」
宙太郎は慌ててそれを止めようとしたが、何かのスイッチが入ってしまったらしい刀には、聞こえていないようだ。
(まあ、いっか。……俺たちの勝負を見て、他に参加したいって奴が、いるかもしれないしな……)
小さく吐息をつくと、宙太郎も自分の皿を手に、立ち上がった。
戻って来た二人の皿には、スイーツがころげ落ちそうなほどたっぷりと乗っていた。
大食い勝負とあって、どちらも並んでいるものを適当に選んで乗せた結果だった。
それぞれ席に着くと、上に乗っているものから順番に食べ始める。
時おり、箸休めがわりに、パスタスナックをかじったりもした。
「こいつは、りんごの酸味とプリン液の甘さがちょうどいいな」
「こ、これは!! マンゴーのクリームがたまらないぜ!」
ただ黙って食べるだけではつまらないと、両者合意の元、食べた感想も口にする。
皿の中身がどちらも全部なくなるころ、宙太郎が吐息と共に言った。
「俺のオススメは、あえてシンプルに焼き立てのシュークリームだ! 限定メニューも捨てがたいが、やはり焼き立てってのが、たまらないぜ!」
「それは一理あるな。俺も、シュークリームと焼き立てのチョコチップマフィンは、他のより美味いと感じた」
刀がうなずき、続ける。
「俺のオススメは、やはりミルフィーユだな。一口サイズなのに、サクサク感はよその店の普通サイズのものより、強いように思う」
「よし、じゃあ次は、互いのオススメをいくつか食べてみるか」
「そうだな」
二人は再び、皿を手に立ち上がった。
それを、たまたま空いた席の皿を下げていたジニーが見やって、苦笑と共に肩をすくめる。
(若ェのは元気でいいな)
自分も客で来ていたなら、加わらずとも野次の一つぐらいは飛ばしてやったかもしれない、とも思う。だが今は。
(俺も店の一員。ドジ踏めねーだろ)
再度肩をすくめると、彼は汚れた皿を乗せたトレイを手に、店内へと向かった。
ジニー同様、ウッドデッキにいる他の客たちも、宙太郎と刀の大食い勝負に、気づいていないわけではなかった。
寝子高二年の
宇佐見 望月
も、その一人である。
気になる女子のために、一つこのバイキングで菓子の勉強をしようとやって来た彼は、二人同様ウッドデッキで食べている最中だった。
(アレは、危険人物、御剣って奴じゃねぇか?)
新たにスイーツを皿に盛って戻って来た刀の姿に気づき、彼は思わず眉をひそめる。
ちなみに、刀が危険人物というのは彼の誤解というか、思い込みにすぎなかった。
刀は、たまたま望月の姪と同じクラスで、しかも女子と仲がいいという噂を彼はよく耳にしていた。そこから、姪っ子可愛さもあって、妙な具合にイメージが膨らんでしまったのだ。
だが、望月としては「ここで会ったが百年目」的な気分だったので、立ち上がると、ためらうことなくそちらへ大股に近づいて行った。
「やい、御剣って奴!」
「宇佐見先輩? こんにちわ」
声をかけられ、ふり返った刀は、ごくまっとうに挨拶する。
「先輩?」
刀の言葉に、宙太郎が怪訝な顔になるのへ、刀は言った。
「二年の宇佐見先輩だ」
「ちわっす」
二年と聞いて、宙太郎が挨拶するのへ、「お、おう!」と返して、望月は慌ててかぶりをふった。
「じゃねぇ! おい、御剣。俺様と食べ勝負だ!」
「相変わらず、元気ですね。お店の手伝いはいいんですか?」
軽く目をしばたたいて、刀は問う。望月は、旧市街にあるお好み焼き屋の息子なのだ。
「今日はいいんだよ。俺様だって、いっつも手伝いに追われてるわけじゃないからな」
ムッとして返す望月に、刀は苦笑する。
「すみません、なんかそんな印象があったんで」
「もしかして、先輩、俺たちの仲間に入りに来てくれたんっすか?」
横から尋ねたのは、宙太郎だ。
「お、おう」
刀以外にもう一人いることを失念して声をかけたのは、失敗だったと思いつつ、それでも引っ込みがつかずに、望月はうなずく。
「食い勝負だ。味の品評会なら、負けねぇぞ」
「宇崎がかまわないなら、俺は別にいいが」
言って、刀は宙太郎を見やった。
「俺は、全然問題ないぜ」
宙太郎は、最初の目論見に近くなったと喜んでうなずく。
ということで、大食い勝負は三人になった。
望月も、最初にいたテーブルから自分の皿とグレープフルーツジュースを手に、改めて二人のいるテーブルに移って来ると、まだほとんど手をつけていなかった、皿の中身を見下ろした。皿の上に乗っているのは、りんごのシブーストにガトーショコラ、ティラミスに四種のベリーベリータルト、マフィンににくきゅうマカロンだった。
「普段のサイズよりも、小さめなんだ。コレだと食いやすいし、量もイケるな。シブーストもちっちゃく作ってある。……スゲェ」
改めてそれらを眺めて、望月は感心したように呟く。そして、他の二人を見やって、幾分得意げに胸を張った。
「……うぇっふん、俺様、クッキングスタジオに通ってるからな。作りに関してもわかるんだぜ」
「え? 料理できるんすか?」
素直に驚いている宙太郎の向かいで、刀も「すごいですね」と感心した顔をする。
望月はそれに気をよくしながら、シブーストを一口でたいらげ、次はガトーショコラを見やる。
「いつ見てもここのチョコ、表面つやっつやのテンパリングだなぁ。これ、やるのむっずかしいんだよなー」
などとこれ見よがしに呟いてから、それをこれまた一口でたいらげた。
「……味はもっちり濃厚、ちょっとビターなところが、今の俺様にぴったりだぜ」
そんな感想を漏らしつつ、ティラミスにベリーベリータルトと、次々と食べて行く。
それを見やって、宙太郎と刀も、自分たちも負けてはいられないと、新しく取って来た皿の中身に手を伸ばした。
そんな二人を尻目に、望月の感想は止まらない。
ジュースを飲んでは「ティラミス、ちょっと酒染みてるとこ取っちまったか?」と呟き、マフィンを食べては、「今度猫鳴館へ行くときは、ここのマフィンを真似るか」と一人うなずく。
「なんで、猫鳴館なんっすか?」
と宙太郎が合いの手のように問うが、それにはノーコメントだった。気になる彼女が、そこに住んでいるなんてことは、口が裂けても言えない。
やがて皿の上のものはほとんどが、望月の胃袋に収まり、残っているのはマカロンだけになった。
「それにしても……やっぱ職人ってすげぇよな。バイキングでも手を抜かねぇって。マカロンもちっちぇえけど、全部味が同じじゃ……」
ない――と言いかけ、彼の口の動きが止まる。
「アレー、イマコーヒーノアジシナカッタカー?」
ややあって、固まった彼の口から、抑揚のない声が漏れた。彼の手に握られたマカロンは、薄茶色だ。
「薄茶色はたしか、コーヒー味――」
刀が言いかけるのとほぼ同時に、顔面蒼白の上に脂汗をだらだら流しながら、望月が立ち上がった。
「す、すまん……」
かすれ声で一言告げるなり、彼は腹を抑えて脱兎のごとく店の中へと駆け出す。
実は彼、コーヒーとの相性が最悪で、ちょっぴり香る程度に添加されていても、たちまち腹を壊してしまうほどなのだった。
刀と宙太郎は、彼の背を見送り、思わず顔を見合わせた。
「二人で、続きをやるか」
先にそう言ったのは、刀だった。
が、宙太郎はいささか情けない声を上げる。
「御剣、勘弁。俺ももう、これ以上は食えないわ」
「じゃあ、勝負は俺の勝ちだな」
小さく肩をすくめて言うと、刀は問うた。
「それも、もらっていいか?」
「ああ」
うなずく宙太郎の皿を自分の方へと引き寄せ、刀はその皿の上のものも自分の皿のと合わせて、全てたいらげる。
そのころになって、望月はようやく青い顔のまま、よろよろと戻って来た。
刀は、それを見やって両手を合わせると、楽しげに言う。
「ごちそうさまでした。美味しかったです」
「まさに、大食いだな」
宙太郎が、笑って拍手する。が、望月は、悔しがる気力もないままに、テーブルに突っ伏したのだった。
寝子高一年の
蜂矢 時生
は、そんな彼ら三人の勝負を、少し離れた席でのんびりお菓子を食べながら、眺めていた。
彼は、購買のプリンが好きで、仕入れの場所を聞いて以降、時おりこの『Raton』にも買いに来る。
甘党というほどではないが、プリンもケーキも好きで、男一人で周囲の目を気にせず、イートインできる人間だった。
とはいえやはり、食べ放題と聞いては、来ずにはいられなかったのだ。
彼が最初に口にしたのは、もちろんプリンだった。
「おれ、これが一番好き」
と呟き、いつもより小さめのプリンのカップを皿の上から取り上げる。
それから、ブラックコーヒーと共に、チョコチップマフィンとガトーショコラ、ティラミスを食べた。
途中で三人になった大食い勝負を眺めつつ、ふと思い出したのは、昔やったことだった。
(ボウル一杯の生クリームを、好きなだけ舐めるとか、ホールケーキを、切り分けずに、最初の一口を食べるとか……いろいろやったことあったけど、さすがに、全部食べきれなかったなあ……)
胸に呟き、クスクスと笑う。
そして、大量のスイーツを目の前に、実際に大食い勝負をやった三人に、心の中で小さく拍手して、彼はゆっくりコーヒーを飲み干した。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
男子限定! スイーツバイキング
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月23日
参加申し込みの期限
2015年06月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!