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男子限定! スイーツバイキング
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【2】ナンパとまったりタイム
ウッドデッキのテーブルの一つに陣取り、
新江 天懸
は皿の上のピンクのにくきゅうマカロンをじっと見据えていた。
中学三年で、『寝子島一のナンパ師』を自称する彼は、ナンパ成功のために女子の好みを知る必要がある、とここにやって来た。
好きなものを自分で取っていいと知って、とりあえずりんごのシブーストと、にくきゅうマカロンをいくつか取って席に着いたわけだが――。
(たしかにこれは、世に言うかわいいというものに、属している。きっと女の子に渡したら、喜ぶはずだ)
じっとマカロンを見据えながら、そんなことを考えている。
マカロンは、名前のとおり猫の肉球の形をしていて味によって、赤や茶色、黄色やピンクと色が分かれている。
おそらくは、その色や形も、女の子たちにとっては「可愛い!」と叫ぶ要素の一つに違いないとは、彼も思うのだ。
けれど。
(……肉球って、猫の体のパーツだろ。それをバリバリ食べるのってなー)
少しばかり、なんだかなーな気分になる。
その脳裏に、ふと浮かんだのは昔見た光景だ。
どこかでナンパした顔も覚えていない女が、全体を猫に模したケーキを前に「可愛い! 超可愛い!」を連発しながら、それを真っ二つに切り分けて平然と口に運ぶ。
「……うぷ……」
思い出したら気分が悪くなって、天懸は思わず口元を抑えた。
動物の形を模したケーキは、眺めているだけで満足だ。
(……可愛いって言いながら、それを二つに割って食える神経が、信じらんねぇ……。ま、今日はそういうこと言いそうな女子いなくて、なんか居心地がいいけどな)
胸に呟き、天懸はシブーストの方を口に入れた。
「うん、甘い」
呟いて咀嚼し、すでに運ばれて来ていたブラックコーヒーを飲む。
それから少しためらって、結局、マカロンも口にした。イチゴの甘酸っぱい味が口に広がり、さっき思い出した嫌な記憶を消して行く。
続けて、黄色と白、緑と持って来たものを次々と食べて、コーヒーを半分ほど飲んだところで、彼は小さく吐息をついて、あたりを見回した。
天気がいいせいか、ウッドデッキにもけっこう客がいる。もちろん、全員男だ。いや、そのはずだったが――。
「……なんで、女がいるんだ?」
思わず呟く彼の視線の先には、エミルがいた。
怪訝に思ったものの、ともかく女性がいるなら、ナンパせねばなるまいと決めて、彼はまだ二つほどマカロンが乗っている皿とコーヒーのカップを手に、そちらに歩み寄った。
「ここ、空いてるか?」
「はい、どうぞ」
声をかけられ、エミルはうなずく。
甘いもの好きのエミルは、いくつものお菓子を前に、うれしさで頬を桜色に染めていた。
(このバイキングをきっかけに、一緒にお菓子を食べ歩けるような、友達ができるといいな……)
そんなことを考えつつも、他の客に自分から声をかける勇気はなくて、ずっと一人で持って来たお菓子を口にしていたのだ。なので、天懸に声をかけられたことは、彼にとっては少しも迷惑ではなかった。ただ、相手のいかつい外見に、内心少しだけ怯んだ。
天懸の方は、了承を得て、彼の向かいに腰を下ろす。
「ここのお菓子って、なかなかイケるじゃねーか。……俺は、りんごのシブーストってのと、マカロンを食べたんだが、あんたは、何食べてんだ?」
「柿とミルクのジェラートに、ショートケーキとマフィンです。シブーストは、僕も食べました。とっても美味しかったです」
問われてエミルは言うと、微笑んだ。同じ甘いもの好きらしいと感じて、怯んだ気持ちが消えて行く。
(甘いもの好きじゃなきゃ、スイーツのバイキングになんて、来ないよね)
胸に呟き、更に言った。
「ジェラートは、シブーストと同じで十一月のオススメだそうですから、食べておいて損はないと思います」
「そうか。そうだな、じゃあ、こいつを食べ終わったら俺もジェラートと、あんたが食べてるのと同じ、ショートケーキとマフィンをもらって来るか」
勧められてうなずき、天懸は皿に残っているマカロンを手に取る。
(笑うと、更に可愛くなるじゃねーか)
マカロンを咀嚼しながら、なかなか幸先がいいと一人喜ぶ天懸だった。
その同じころ。
店の前を通りがかって、『男性限定 スイーツバイキング』の看板に思わず足を止めた二人組がいた。
学校帰りに買い物に行く途中の、
遠矢 護
と
八神 修
である。
「これだったら、可愛いケーキとかも食べやすそうですよね。……行ってみますか?」
護は、嬉しそうに看板を眺めて言うと、修に尋ねた。
「遠矢は、お菓子が好きなんだな」
小さく笑って言うと、修はうなずく。
「入ってみよう。俺も、甘いものはわりと好きだ」
「え? 八神さんも、こういうのよく食べるんですか? 意外かも……」
うなずく修に、護は目を丸くした。
「意外? そうかな」
言われて修は、小さく首をかしげる。
ともあれ、二人は店の中へと入って行った。
それぞれ皿とトングを手に、スイーツの並ぶテーブルへと向かう。
(あ、バイキングのは小さいんだー。これなら、いろいろ食べられる)
ケーキは好きだが、あまりたくさんは食べられないだろうと考えていた護は、そこに並んだスイーツのサイズに、思わず目を輝かせる。りんごのシブーストにシュークリーム、チョコチップマフィンに、にくきゅうマカロンと、次々に皿の上に取って行く。
そんな護を見やって、修もスイーツを選び始めた。
(制服で寄り道……。ちょっと不良になった気分だな)
柿とミルクのジェラートや、ガトーショコラ、ロールケーキなどを皿に取りつつ、彼はふとそんなことを考えて苦笑する。
護の方は、スイーツを選び終え、今度は飲み物で悩んでいた。
(コーヒーと紅茶は……甘くないと飲めないから、スイーツと一緒だと両方甘くてあれかなあ……)
あれこれ考えたあと、日替わりジュースに決めて、近くにいた景貴に声をかける。
修の方は、迷うことなくブラックコーヒーを、同じく景貴に注文すると、空いている席を目で探し、護に声をかけた。
「あそこにしよう」
二人が腰をおちつけたのは、窓際の席だった。
「八神さんのそれも、美味しそうですね」
皿の上のものを見て言う護に、修は提案する。
「半分にしないか? いろいろ食べられるだろ」
「あ、いいんですか?」
笑顔で問い返す護に、修はうなずいた。
そこへ、景貴がジュースとブラックコーヒーを運んで来た。この日のジュースはグレープフルーツジュースだ。
「すみません。写真を撮っていいですか」
修が景貴に尋ねる。
「はい、かまいませんよ」
景貴はうなずき、飲み物を置いて立ち去って行った。
それへ礼を言って、修はスマホを取り出し、スイーツの盛られた皿の写真を撮る。
それを見て、護も携帯電話を取り出し、自分の皿を撮影した。
(可愛く撮れた)
撮った画像を確認して、にんまり笑うと、携帯電話をしまう。それから、ようやく皿の上に手を伸ばした。
シブーストをフォークで半分に切って、口に入れる。
「美味しい……! 八神さんもどうぞ。僕は、こっちを半分もらいますね」
シブーストをゆっくり味わって食べたあと、修の皿の上のロールケーキに手を伸ばした。フォークで半分に割ると、マンゴーのクリームがたっぷり詰まったそれを口に入れる。
「わあ、これも美味しい……!」
「ああ、美味しいな」
修も残り半分のロールケーキを口に入れ、うなずく。
バイキングだからといって、無茶食いは失礼だと思っているので、彼はゆっくり味わって食べた。
一方、護は自分が持って来たマカロンの半分を手にしていた。赤のフランボワーズ味のものだ。
「僕、マカロンって食べたことないんです。いろんな種類があって、迷っちゃったけど、この赤いのにしました」
「赤いのは、フランボワーズ味だな。……フランス語で木苺、ラズベリーのことだ」
護の言葉に、修が言う。
「そうなんですか。僕、フランボワーズってなんだろうって思ってました。……八神さんって、物知りなんですね」
感心しながら、護はそれを口に入れた。たちまち、ラズベリーの甘酸っぱい味が口の中に広がる。
美味しいものを、しかも半分ずつにしながらの会話はよく弾んだ。あれこれ話すうち、いつしか話題は、料理のことに移って行った。
「俺は、料理はほとんどしないな。シェフが作ってくれるから、どうしてもな。……この前のモンブランもそうだったろ」
肩をすくめて言う修に、護は笑う。
「そうですね。……でもそのかわり、八神さんは舌が肥えてるじゃないですか」
「そうかな」
首をかしげつつ、修は言った。
「遠矢の手作りも、食べてみたいよ」
「お菓子は、家や寮で作ったこともありますが、ホットケーキくらいですよー。ケーキを焼いたら、スポンジがぺしゃんこになったことがあって、材料がもったいなくて……。それからは、簡単なものしか作ってないんです」
対して護は、苦笑と共に返す。そうしながら彼は、ふと思った。
(八神さん、なんだかうれしそうだなあ。……そんなにスイーツが好きだったんだ。僕もうれしくなっちゃうな)
思わず修に笑いかけ、「なんだか、うれしそうですね」と口に出す。
「なんとなく……だよ」
修は小さく笑って曖昧に返した。が、けしてスイーツがとても好きでうれしそうにしているわけではなかった。
彼にとっては、仲のいい友人と学校帰りにこうした時間を過ごすことそのものが、大切でひどくうれしいことだったのだ。
それは、学生にとってはごく当たり前の日常といってもいい出来事だろう。
だが、中学までは上流階級の枠や格式に縛られ、心から『友人』と呼べる相手がいなかった修にとっては、これは何より貴重な時間だった。
もちろん、ここのスイーツの味にも心を動かされてはいた。
彼には、食べただけでそれぞれのスイーツの材料や隠し味も、なんとなくわかった。おかげで、ここのスイーツが、素材を生かして作られ、丁寧に仕上げられたものだと理解できた。
「美味しいですね」
皿の上の最後の品を食べて、護が吐息のように言った。
「ああ」
うなずきつつ、その一言を客の口から引き出すために、この店のシェフがどれだけスイーツ一つ一つに心血を注いでいるのかを、修は思う。
その時。
「やあ、遠矢君と八神君じゃないか」
二人に声をかける者があった。
「ジェレミアさん」
護が驚いたように声を上げ、修もそちらをふり返る。
そこに立っていたのは、オレンジ動物病院の院長、
ジェレミア・ベルトーニ
だった。
「ベルトーニさんも、ここへ?」
尋ねる修に、ジェレミアはうなずいた。
「ここのことは、患畜の飼い主さんから教えてもらったんだ。可愛くて、美味しい動物クッキーがあるとか、にくきゅうマカロンが絶品だとか。飼い主さんが持って来てくれたこともあって。とても気になっていたんだよ。それが、男性限定のスイーツバイキングをやると聞いて、こうして足を運んだというわけだ」
そう言う彼が手にしている皿には、りんごのシブーストとベイクドチーズケーキ、ハニーフィナンシェが乗っている。
「シブーストは、ちょうど僕たちも半分こして食べたところです。とっても美味しかったですよ」
それに気づいて、護が言った。
「他のものも、丁寧に仕上げられていて、悪くない」
うなずいて、修も言う。
「おや、そうかい? 二人のお墨付きなら、なおさら食べるのが楽しみだ」
笑って返すと、ジェレミアは二人に小さく手をふり、そのまま空いたテーブルを探して歩き出した。
ちょうどジニーが皿を下げているテーブルがあったので、「ここ、構わないかい?」と声をかける。
「はい、どうぞ」
ジニーはテーブルの上を布巾でさっと一拭きして、そちらを示す。
礼を言って席に着くと、ジェレミアは以前から気になっていた、ハーブティーを注文した。
ジニーがうなずいて立ち去って行くと、彼はさっそく皿の上のシブーストにフォークを入れる。
(お勧め品は、旬の食材を使っているものが多いから、ラ・フランスのタルトとかかなって思ってたけど、りんごのシブーストとはね)
少し予想と違っていたなと思いつつ、フォークで切り取ったかけらを口にした。
「……ん!」
軽く目を見張って、もう一口食べる。
「これはなかなか……」
悪くない――と最後のかけらを口に入れたところに、ハーブティーが運ばれて来た。
「ありがとう。ドリンクも、予想以上に種類豊富で、いいお店だね!」
カップをテーブルに置くジニーに、ジェレミアは礼と共に言う。
「ありがとうございます。ごゆっくりどうぞ」
ジニーは営業用のスマイルと共に言うと、一礼して立ち去って行く。
それへもう一度礼を言い、ジェレミアはさっそくハーブティーを一口飲んだ。
(この香りは……ジンジャーかな。でも、それだけではないね。後味がすっきりして、これも悪くないな)
胸に呟き、カップを置くと、今度はベイクドチーズケーキを食べ始める。
(このケーキも好きなんだ。シンプルだけれど、だから素材の味がよくわかる)
そんなことを思いながら口にした、『Raton』のベイクドチーズケーキは、その重さを感じさせないふんわりとした焼き具合が、チーズの味わいをより引き立てていて、なんとも言えず美味しかった。
続けて、ハニーフィナンシェにも手を伸ばす。
蜂蜜は、蜜を取る花によって味も香りもまったく違うが、このフィナンシェに使われている蜂蜜は、マイルドで落ち着いた味わいだった。
(これもいいね。焼き加減もだけど、素材の味をうまく引き出しているって感じがするよ)
ゆっくりとその風味や舌触りを楽しみながら、胸に呟き、彼は口元が自然とゆるむのを感じるのだった。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月23日
参加申し込みの期限
2015年06月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月30日 11時00分
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