ある日の夕暮れ時。
寝子島高校近くにある、
洋菓子店『Raton』では、オーナー兼店長の
荒井 景貴が店仕舞いをしていた。
シャッターを下ろして鍵をかけ、今日も一日よく働いたと、軽く伸びをする。
そして、小さく呟いた。
「もう十一月ですね……」
秋は深まり、食べ物の美味しい季節でもある。
「うちの店でも、何かイベントをやりたいですね」
それは、秋の声を聞き始めたころから、考えていたことだ。ただ、どんなイベントがいいのか、なかなか思いつかなかった。
「う~ん」
考え込みながら、奥の調理場に入ろうとして、ふとカウンターに置かれた雑誌に気づく。
バイトの誰かが忘れて行ったのだろうか。
なんの気なしに手に取って、中をパラパラとめくる。と、その手があるページで止まった。
『男子×スイーツ 秋特集』の文字が大きく踊っている。
文面に目を通してみると、この雑誌の募集に応募して来た読者の男性五人が、それぞれ秋限定のスイーツを食べ、感想と共に自分のイチオシを語るというものだった。
その中で、一人がコメントしていた。
『スイーツって、どうしても女性のものってイメージが強いじゃないですか。だから、一人で喫茶店とか洋菓子店のイートインに入って、スイーツを満足するまで食べるって、男にはちょっとできないですね。ってか、俺はムリです。……そういうの、やってみたいって思ったりしますけどね』
それに対して、他の参加者たちも、同意するコメントを寄せていた。
その記事を何度か読み直し、景貴は呟く。
「これ……いいかもしれませんね」
高校の近くなので、客の大半は学生たちだ。その中にはむろん、男子学生たちもいる。
だが、考えてみれば、イートインで食べて行く客のほとんどは、女性だった。更に言えば、学生以外の客層は、やはり女性が多い。
「男性限定の、スイーツバイキング、というのはどうでしょうか。……これならば……」
景貴は、考え込みつつ、一人呟くのだった。
数日後、店の表には、一枚の張り紙が貼られた。
『男子限定! スイーツバイキング
甘いものが好きだけど、そういうお店はどこも女性客ばかりで、おちついてスイーツを堪能できないとお嘆きの男子諸君!
当店にて、スイーツバイキングを楽しんでみませんか?
次の土曜日、午後一時半~六時までの間、当店では男子限定のスイーツバイキングを開催します。
参加費用は、お一人様千五百円。もちろん、ドリンク付きです。
我こそはと思わん方は、どうぞご参加あれ!』
はたして、スイーツ好きの男子は集まるのだろうか。
いくらかは不安を抱きつつも、開催日に向けて着々と準備を進める景貴なのだった。
荒井 景貴様、登場ありがとうございました。
こんにちわ。マスターの織人文です。
スイーツというと、女性の好きなものと思われがちですが、案外、男性にもスイーツ好きさんはいるのではないだろうか……と思いまして、こんなガイドを考えてみました。
男性限定の店内で、好きなだけスイーツを召し上がって下さいね。
▼開催日・場所などについて▼
開催日:次の土曜日、午後1時半~午後6時
場所:洋菓子店『Raton』
参加条件:男性のみ
参加費用:お一人様1500円(ドリンク付き)
=======以下、PL様情報です===================
・このガイドは、男性PC様限定です。男性であれば、誰でも参加できます。
・どんなお菓子を食べたいか、何を飲むかをアクションに書いていただければ、ありがたいです。
・その他、行動は基本的に自由です。
▼洋菓子店『Raton』について▼
寝子高の近くにある洋菓子店です。
詳しくはコミュニティ洋菓子店『Raton』を参照下さい。
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それでは、みなさまの参加を、心よりお待ちしています。