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「日暮さん!」
鳥居柱の傍でひたすらに針仕事をする和装の男を見つけるなり、
宮祀 智瑜
は弾んだ声を上げた。霧を彷徨ううちに抱いた心細さを振り払うように、大きく手を振る。針仕事の手元から視線を上げ、手を振り返す日暮の姿が嬉しくて、霧を蹴って駆け出す。
(怪我はしてないみたい?)
「この前、ワンちゃんに追いかけられた後会えなかったから心配してたんですよ」
「ワンちゃん、なぁ」
人懐っこく朗らかな少女の大きな黒い瞳に見つめられ、日暮は翁面の奥の目を戸惑うように細める。
うなじで切った髪をふわり霧に揺らし、智瑜はいつのまにか迷い込んだ見慣れぬ世界を見渡す。
(日暮さんに会えるって分かってたら)
そうしたら、実家である宮祀青果店の野菜や果物を持って来たのに。
「夢に出てきてお知らせって無理……?」
「そないな力は持っとらんなあ」
首を横に振り、裁縫仕事に戻る日暮の手元を智瑜は覗き込む。赤い布を袋状に縫い付ける、いかにも不器用な糸の線。
「日暮さん、お守り作ってるの?」
一心に針を使いながら、日暮は肯う。
(何に効くお守りかな)
好きな先生のズボンを縫ってあげる事も多いため、最近は裁縫の腕も上がってきている。
「私も手伝いたいです」
いつも持ち歩いている裁縫セットを取り出し、控えめに申し出る。
「向こう行かんのか」
「だめ、ですか?」
「ええけど」
ゴザの上の尻をずらし、隣に智瑜のための間を作る。
「あっ。日暮さんの着物も解れたら縫いますよ」
「そらおおきに」
翁面の男に正座し、糸の束と長方形に切りそろえた布地の束を受け取る。袋の中に入れる無地の和紙を幾つかと完成品をひとつ渡され、
「そない難しいもんと違うさけ」
言われるまま、智瑜は隣の男の手元に倣ってお守り袋を縫い上げる。
「学校でこの前中間テストがあって。テストが返されるのがドキドキです」
「……てすと?」
「今はハロウィンイベントが開催されててカボチャが良く売れてます。うちの店頭にもカボチャのランタンが置いてあるんですよ」
「はあ、そっちもなんや色々あるんやねえ」
楽しげに話しながらも、智瑜の手は日暮よりも素早く丁寧にお守り袋を縫い上げて行く。
「日暮れさんは最近何かありましたか?」
まさかずっとお守り作り?、と首を傾げる智瑜に、日暮は裁縫する手を見下ろしたまま、曖昧に笑う。
「まあ、そんなとこや」
出来上がった小さな袋に真っ白の和紙を入れ、飾り紐で封印すれば、お守りは出来上がり。
「できました」
「上手やな」
少し恥ずかしげに微笑む少女と、表情の見えぬ翁面の男に向け、パシャリ、インスタントカメラのフラッシュが光る。
「きゃっ?」
「何や」
「グレちゃんにあげるのだ」
霧を揺らがせ、
後木 真央
が悪気ない笑顔で二人の前にしゃがみこむ。そうして今度は日暮と自分の姿を感光紙に焼き付ける。
「記念なのだ」
写真にゆっくりと浮かび上がる己と日暮の姿をちらりと確かめ、真央はポケットから引っ張り出した飴玉と一緒に日暮の手に写真を押し付ける。
「奪われてもいい記憶を増やすのも手だと思うのだ」
言うなり、跳ねるように立ち上がる。
「何言うて――」
引き止めようとする日暮の手をすり抜け、駆け足で鳥居を潜る。
「ああ、……行ってしもた」
鳥居の向こうの霧に消える少女を追おうとして、翁面の男はまるでその場に縫いとめられているかのように再び座り込んだ。嘆息して押し付けられた写真を見下ろす。
「……うん?」
「……あれ?」
智瑜と日暮がそれぞれに見下ろす写真の中、自分たちとは別に、いつのまにかもう一人、居る。
緩く波打つ長い銀色の髪、霧の空に浮かぶ陽めいて銀色に光る瞳、曇りを知らずどこまでも白いワンピース。
「こんにちはなのですー」
スカートの裾でたゆたう霧を払い、
ゼロ・シーアールシー
は翁面の男の傍にほとんど音もなく座り込む。
「どちらさん?」
「ゼロはゼロなのです」
白い頬に銀色睫毛の影を落としてゼロは夢見るように微笑む。
「お名前はなんとおっしゃるのですー?」
幼い容姿のその癖、霧の中を彷徨ってきたとも思えぬおっとりとした口調に、翁面の男は面の奥の瞳を訝しげに細める。
「日暮」
小さく名乗り、責を果たそうとするかの如く、此の場についての説明をするも、
「ゼロには奪われた記憶はないのですー」
ゼロはふうわり、だからいろいろお話を聞きたいと微笑むばかり。
「私と一緒ですね」
「一緒なのですー」
銀髪の少女と黒髪の少女は穏かに笑みを交わす。
「ここで何をなさっているのですー?」
「見ての通りや」
「このお守りはなぜ、どうして鬼に効くのです?」
「さあ、こないだから突然効くようになったわ」
「どうしてお守りを配っているのですー?」
「……暇潰しや」
その言葉の割りに不器用な裁縫を止めない日暮の手元をゼロは大きな瞳で見つめる。
「何や」
唇を尖らすような日暮の物言いにも、ゼロは捉えどころなく笑んで返す。
「普段は何をなさっているのですー?」
「酒飲んだり近所の爺と将棋打ったりしとる」
幼い少女の好奇心からの質問の山に、多少面倒くさそうにしながらも、霧が晴れるまで鳥居の下から動けぬ男はまったりと世間話に応じる。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
前回シナリオ
黄昏空のその向こう
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年05月20日
参加申し込みの期限
2015年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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