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【演目その9 『二つのF』(1)】
演劇祭の開催より、時間を幾日かさかのぼりまして。某所にて、劇団『NK2』、つまりは寝子高2年連合は、公演の日を間近に控え、総仕上げに向かって慌しい時を過ごしておりました。
各人の演技や掛け合いの確認、小道具の調達、セットの仕上がりの最終チェック。そして、パンフレットやポスターの作成も。
「芸術科の真価を、いまこそ発揮する時だ……!」
榊 彩斗
が、しゅばばっ! と筆を振るえば、現れるのは怪奇かつ幻想的な……そう、仮面! 怪人ファントムの仮面こそが、舞台を象徴するキーアイテムのひとつでありまして、彩斗はそれを大胆に描き出して見せました。
完成したポスターは劇場内へ張り出されてお客の目を惹きつけて、パンフレットも場内で配布されることになっています。
「おー、さっすがあやとだねぃ」
「……そうだろう、ふっ」
ひょいっと覗き込んだ
呉井 陽太
の言葉に、彩斗はご満悦。彼の感想そのものが、何よりの褒め言葉だったりするのです。
その陽太は、彩斗と一緒にセット作りなども行っているほか、本番では主に音響効果、それに演奏を担当することになっています。
「カーテンコールは、対決ッスね?」
同じく音響担当、
木野 聖華
がにっ、と笑って言いました。
「ねえ、呉井さん。もちろん、本気出していきまスから、覚悟するッスよ?」
「対決かぁ、そのほうが盛り上がるかねぃ。よーし、望むところだよぅ」
「……応援してるからな、よーた……!」
彼らの劇では、演奏も大きな役割を果たすことになっているのです。
「うおーい、聖華ちゃん! 寿美礼ちゃん手空いたから、例の演出、詰めちまおうぜ!」
「おっと。今行くッスー!」
舞台監督……言わば座長の役回りを務めて、みんなを取り仕切っている
宇佐見 望月
が聖華を呼び、彼女はそちらへ。
別のところを見てみますと、
仲秋 薫
と
蜂須賀 ルド
が、活発に意見を交わしております。
「ええ、そうなんです……この角度から照明を当てるのが、きっと映えると思うんです。その時に……」
「なーるほどな! それじゃこの衣装のここの部分を、例えばこう調整してやれば……」
「そう! きっとそのほうが、光が反射して、より効果的に見えると思うんですよ」
「おっけー、任せな!
俺がちゃちゃっと、直してやるぜっ」
着ぐるみ頭を親指で、びしっ!
薫は照明係。ルドは衣装係……それぞれに別の手腕を用いて舞台へ関わっているように見えて、やってみればこれが、実に色々なところで影響を与え合っていることに気付きます。
例えばルドは、単なる衣装を漫然と用意するに留まらず、みんなから聞き出した要望を盛り込みつつ、舞台の上で展開される演技を最も効果的に引き立てるものを自作したり、借りてきたりと、常に最適を考えて動いています。
(ま、そのための衣装を借りてくるのに、実家のコネをこねこねしたのは内緒だぜ……)
なかなかに資産家である実家の家業に、ルドはこっそり感謝。
薫にしても、そう。俳優たちの演技、セリフの間やタイミング、立ち位置までも注意深く観察して、光の色や強さ、角度……驚くほどに多くのことに気を使っているのです。入念な観察、そして研究によって、薫は演出の質を高めていきます。
彼女いわく。
「私……『美しさ』には、拘りがありますよ?」
そうした裏方たちのこだわりようや努力、妥協しない精神は、役柄を演じる俳優たちの背をも押して……舞台は、形作られていくのです。
「……よし! じゃ、カエル声の音源は、こいつで決まりだな。聖華ちゃん、収録よろしく……っと、その前に!」
望月が、最後の仕上げに向かって熱の篭もった場へ、呼びかけました。
「この辺でいったん、休みにしねぇ? ほら、今日は鮭おにぎりと味噌汁を用意したぜぃ! あ、そっちの赤いのは、武道ちゃん用。キムチ巻おにぎりなー」
役者から裏方まで、わいわいと集まってきて、しばしの休憩タイム。
望月のノリの良さ、それにこうした気配りが、彼らを引っ張っておりました。その上で望月は、多くの人に自分が支えられていることもまた、自覚しています……もちろん、意外な方向から彼を援護することとなった、彼の
姉の奮闘
に応えよう、なんて気持ちもきっと、あったことでしょう。
「コレって、俺様は選手のサポートするマネージャー、ってところかね?」
おにぎりをぱくりっと放り込みつつ、彼はそれもいいか、と笑います。
演劇祭は、間近に迫っておりました。
「よーし! 本番も、締まっていこーぜ!」
そんなわけで、本番当日。
きっと最後の最後まで、忙しく最終チェックに追われているのでしょう、舞台裏……ではなくて、ここは観客席。
寝子高2年連合の劇は前評判も高く、注目している客たちも多くおりまして、客席で開演を待つ
音無 文
もまた、そのひとりです。非公式新聞部として、文は彼らの劇を、あまさずチェック!
(私の担当は、誰もが名前は知ってるのに、内容をちゃんと知らない演劇ランキング、堂々のナンバーワン! オペラ座の怪人がモチーフみたいですね。ていうか私も良く知らないですし……うん、楽しみですね!)
実のところ、こうやって演劇をちゃんと見るのも初めてでありまして、どきどき、期待で胸は高鳴ります。良い記事を作るのはもちろん、個人的にも、楽しみたいのです。
やがて、ぶぶーっとブザーが鳴りました。
演目紹介に現れたハルさんの様子は、この時、ちょっぴり違っておりました。
仮面。目元を覆い隠しているのは、羽飾りのついたベネチアンマスクです。
「……フランスはパリに鎮座する、豪華絢爛たるガルニエ宮。またの名を、『オペラ座』……かのナポレオン三世の時代に落成し、以来王立および国立オペラ劇団などによる数多くの舞台を上演してきた、歴史深く華やかな歌劇場。そう、皆さまはきっと、ご存知であることでしょう……その名を冠する、ある著名な物語、そして歌劇のことを」
芝居がかった調子で、ハルさんは客席へと語りかけます。マスクがきらり、ライトを照り返して光りました。
「『オペラ座の怪人』! ガストン・ルルーが著した一大怪奇ロマン小説、またはそこに端を発する壮大なミュージカル。彼らはそれらへと大胆なアレンジを加え、新たな物語として今、このスターヒル・シアターへと再構築してくれると言うのです……それでは、ご覧いただきましょう。一対の仮面にまつわる、新たなる愛憎のステージを!」
「劇団『
NK2-寝子高2年連合-
』による演劇。『
二つのF
』!!」
影が、ゆらり。暗がりに暖炉の明かりが映し出す、その影がゆらゆらと振れているのは、しかし、炎の揺らめきによるものではありません。
女です。激しく叩き付けているのは、ピアノの鍵盤。鮮烈で壮烈な、ピアノの響きは美しく大胆で、心揺さぶる音色ではありました。しかし、そこへ紛れ込むひどく耳障りな雑音は、女自身こそが発しているものです。
「神よ! ああ、神よ、なぜ……なぜこのようなひどい仕打ちを、私に……!!」
それはまるで、呪詛めいておぞましい、恨み言のように聞こえました。
「私には終ぞ無かった素晴らしい才能を、よもや……よもや!」
そして同時に、羨望、嫉妬、渇望、複雑に入り組む女の情を表した、それは紛れも無い愛情の迸りにも聞こえました。
「この息子に、私の望んだものを与えてやるなんて!!」
息子は、美しい少年は、黙して語らぬまま。母のヒステリックな叫びは、彼にとって聞き慣れた、瑣末な日常の一部に過ぎなかったのです。
息子は気付きません。この日、この瞬間に、母が長年に渡り抑圧してきたある欲求を、情動のままに解放することを選んだことに。
「そう……そうだわ。我が息子。貴方はこんなにも美しい……だから私は、嫉妬してしまう。ならば。ならば、いっそう……」
母は憎みました。美しく才能に満ち溢れた息子を憎みました。そして愛していました。愛しているからこそ、憎かったのです。
母のつぶやきに息子は首を傾げましたが、遅すぎました。
「醜くしてしまえばいい」
息子は母が自分に何をしたのか、顔を焼き、見る間に肌を爛れさせていく炎の熱と、耐え難いほどの激痛によって気付きました。母が自分を、暖炉の揺らめく炎の中へと突き飛ばしたことに。
絶叫が轟きます。薄暗く物寂しいこの空間へ、苦悶に歪み切った息子の焼け溶けた顔から、怖気を震い身を竦ませるような、身の内をあらん限りに絞り尽くすほどの、絶叫が。
「アッハハハハハ!! これで苦しまずに済む……貴方を心から、愛することができる。そうよね、そうでしょう? ねえ? 我が息子……」
息子に、絡みつく母の腕を振り解く心の余裕はありません。元よりそのような意思も。
「それでいい。それでいいのよ、我が息子。いいえ……」
「私の可愛い、醜い、
ファントム
……」
母の被せた仮面が、
ファントム
を産み出しました。
悲劇は既に、この時からの予定調和であったのです。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
160人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月14日
参加申し込みの期限
2015年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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