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【演目その8 『寝子島高校ミステリ研究会誕生秘話』】
新井 すばる
がにっかり、二人へ微笑んで。
「準備OK?」
「ええ。よろしくね、二人とも……それに、にゃーくんもね!」
にゃーん!
ブリジット・アーチャー
に応えるように、子猫のにゃーくんも元気いっぱいにひと鳴き。
その頭をするりと撫でてから、
神野 美野梨
は、すう、はあ。ひとつ深呼吸。
こっそりにゃーくんの耳元へ、
「……ニャーっ。頑張ろうね、にゃーくん?」
子猫が、まかせて! とばかりにこくんとうなずいたら、首に巻いた藍染のバンダナが、ぴこんっと揺れました。
すばるはパッチリ! ウィンクひとつ。
「さて、舞台でも、Q.E.D! といきますか!」
「ミステリー! 何とも、心惹かれる言葉よねん」
あんまり推理小説とか、むずかしそーな本は読まなそーに見えるハルさんが、うんうん! と大きくうなずきました。
「さっきは即興劇で、一風変わった推理劇をお届けしたけど。次の演目もまたミステリー、でもこちらもちょっち、変わりダネ! というのもね、これは怪奇な謎を追う彼らが日常の中で出会った、ちょっとした出来事のお話。とある高校のミステリ研究会、その誕生に迫る、これは秘められたストーリー!」
そうそう、とハルさん付け加えて、
「この劇にはね、可愛い子ニャンコちゃんも登場しますよー、そちらも合わせてご注目! それでは張り切って、いってみましょーッ!」
「『
ミス研
』の三人でお送りする、『
寝子島高校ミステリ研究会誕生秘話
』!!」
やあ! 君たちは、『寝子島高校ミステリ研究会』をご存知かな? 知ってる? それともご存じない?
推理小説なら、もちろん読んだことがあるよね? それもない? 本当に?
問題ないよ! 何にもね。ボクたちのことについては、これからたっぷりと教えてあげることになるんだから。
ちなみボクの名前は、
すばる
! このお話の語り手にして、
人呼んで、『ミス研のちくわホームズ』!
……うん? ちくわって何だって?
焦っちゃいけない。まだまだ序盤、推理っていうのは、じっくりと楽しむものなのさ。
さて、それじゃあ始めようか。今日はボクたちミス研のメンバーが、初めて出会った日について……そしてボクたちが直面した、最初の事件の話をしよう。
あれは、そう……入学式の日のことだ。
すばるの語りが始まれば、二人もいよいよ、出番です。
生真面目な美野梨は、大勢の観客の前での演技なんていう局面に、少々緊張……かと思いましたら。彼女、以前にはユニークな水着を着て、ステージでパフォーマンスをぶちかましたなんていう経験もありまして、意外とこれが、落ち着いておりました。
ブリジットはもう、言わずもがな。堂々とした立ち姿に、舞台に臆する様子も無くて、バッチリ冷静です。足元には、にゃーくん。彼の出番はもうちょっとだけ先でして、今はお行儀良くぺたんと床に座り、ぱたぱたと尻尾を揺らしています。ブリジットはそんなにゃーくんへ、にっこり。
「まずは、出会いのシーンね。行きましょ、美野梨」
「ええ、部長。にゃーくんは、もう少し後でね?」
にゃーん! 子猫に見送られて、二人は飛び出します。
クラブ勧誘の張り紙がそこら中に張り巡らされていて、校舎は咲き乱れる桜に彩られていて。これぞ入学式って風情で、とても綺麗だったのを覚えてる……といってもボクは、そのどちらも見てはいなかったんだけどね。綺麗だなぁ、って思ったのはその翌日になってからで、その日のボクは、魚を追いかけてた。
大丈夫、君たちの聞き間違いじゃないよ。魚を追いかけてたんだ、桜や勧誘の張り紙には目もくれずに、一生懸命にね。
実家が、魚屋なんだよ。
「へえ、いろんなクラブがあるのね……ねえあなたは、もう決めた?」
「私? うーん、そうね……」
そこで出会ったんだ。この二人に。
言わなくたって分かるよね? 後にミス研を一緒に立ち上げることになる、最初のメンバーさ。
息を切らして、ボクは言ったよ。
「ねえ、こっちに、魚をくわえた猫が走ってこなかったかい? 盗まれちゃってね」
「猫? いいえ、見てないわ。あなたは?」
「魚? 私も見てないわ」
二人はきょとんとしていたけど。
ちなみにボクたちは、この時からとても息が合ってた。後にこれでもかと発揮することになるチームワークの片鱗を、この時既に垣間見せていたんだ。
「魚って……何で学校に、それも初日の入学式に、魚を持ってきてるの?」
「ボクは、実家が魚屋でね」
「ああ、なるほど。それじゃ、仕方が無いわね」
「えっ。それって、仕方ないの……?」
ほらね?
ここらで、ご紹介しておこうか。
こっちの、特に根拠の無い自信に満ち溢れた金髪美人が、
ブリジット
さん。ミス研の部長さんになる人さ。
そしてこっちの、知的な香りを漂わせる眼鏡美人が、
神野
さん。一緒にミス研を立ち上げる仲間さ。
こんな風にして、ボクらはこの日、出会ったんだ。
二人へ、何だってボクが入学初日に、お魚くわえた野良猫なんて追い掛け回してるのか、説明してみたら……ああ、君たちにだって詳しい説明は必要だよね。
つまりは、ボクの実家が、魚屋なんだ。
「校門の前まで追いかけて、そこで見失ってしまってね。だからボクは推理した。手がかりはちゃんと残されていたんだ……魚を引きずったあとがばっちりと、校内へと向かって続いていたのさ」
「なるほど、要するにその猫を見つけて、商品の魚を取り戻したいということね? 面白そうじゃない。手伝うわよ」
ブリジットさんが力強く言ってくれて、
「……そうね。え? 私も、行くの?」
もちろん神野さんだって、快く手伝いを申し出てくれたよ。
二人の協力者を得て、ボクはまさに百人力! さっそく、泥棒猫の捜索を開始したんだ。
すばる本人も演じている部分は、録音しておいたナレーションです。すばるはそんな自分の語りを聞きながら、その時のことを、懐かしく思い出します。
この後に誕生したミス研は、今日に至るまで存続し、二人との楽しい日常だって、まだまだ続いていく勢いです。何と言っても今、こうやって一緒に舞台へ上がり、劇までやってしまうくらいなのですから。
良い仲間に巡り会った、とすばるは思います。きっと二人だって、そう思っているはず。
舞台袖のほうをちらりと見れば、後ろ足でこしこしと頭をかく、助っ人俳優さん。
(さてさて、頼んだよ?)
魚を引きずった跡をたどって、あちこち走り回るうち、やがてボクらは部室棟の裏にたどりついた。
そこには重要な参考人がいて、ボクらは彼に話を聞かないといけなかったんだ。
\にゃあーん!/
「猫って、この子が犯人?」
「可愛いわね……にゃーん?」
ボクらは三人で、子猫に近づいた……まだまだ小さな、産まれて数ヶ月の、ほんの子猫だよ。可愛いでしょ?
……この後に起こったことを、君たちは信じてもいいし、信じなくてもいいよ。それは君たち次第だし、これこそがあるいは、大いなるミステリーってやつかもしれない。ともかく、神野さんが、話し始めたんだ。
そうとも、子猫とね。
「え……? これ、あなたが喋ってるの? 私、この子が話してることが分かる、みたい……私だけ?」
神野さんが、子猫と会話した! そして聞き出したんだ、彼は……あ、子猫はオスだよ。自分は犯人じゃない、魚なんて盗んでない、って。
「確かに……その通りね。この子は犯人じゃない」
ブリジットさんもそう言った。彼女やボクには子猫の言葉は分からなかったけど、残された状況証拠が、ボクらに伝えていたんだ。
「まず、私の推理では、犯人……犯猫? は、小柄な黒い成猫で、足を怪我してる。手がかりの一つはここにある黒い毛、これは猫のものね。次にあの魚を引きずった跡。歩幅とスピードから考えてこれは大人の猫、でも大柄というほどではないわね。魚の跡が等間隔じゃないのは、足を引き摺って走っているから。つまり足の一本に怪我か何かしててうまく動いていないということ」
そしてボクらはやっぱり、息ピッタリなんだ。
「なるほど! 良い推理だね」
「Elementary! 基本よね」
「あ。それって、ホームズのセリフね?」
「となるとさながら、この子猫は名探偵の助手ってところだね。ねえ君、ひょっとして、軍医としてアフガニスタンに従軍経験がおありかな?」
「あなたね、ワトスンじゃないんだから……」
ほらね?
それで神野さんが言うには、
「うん、うん……そうなのね。この子の言う通りなら、部室棟のある教室に、手がかりがありそうよ」
子猫は魚を盗んだ犯人に心当たりがあって、そこへ案内してくれるんだって。ボクらは彼に続いて、部室棟へ入って行った……そこには確かにあの跡が続いてて、そしてボクらはやがて、とある空き教室にたどりついたんだ。
懐かしいやり取り。観客から見ればこれは劇でありながら、三人にとっては確かに、過去にたどった出来事。違うのは、子猫のにゃーくんが本人役ではないことくらいなのです。
ブリジットは思います。
(何だか不思議よね。あの時のことを、こんな風に改めて演じることになるなんて)
そして、この二人とこんなにも長く、ミステリ研として活動することになるなんて。
でも確かにブリジットにも、そうなるんだろうという予感は、胸の中にあったのです。
もう、分かっちゃったかな?
何を隠そう、この時に初めて足を踏み入れた教室こそが、後にボクらミステリ研究会の、部室になる場所というわけ……当時はまだ空き部屋でね。でもその時、そこには先客がいたんだ。
にゃあ、にゃあと賑やかに聞こえてきた声に、ボクは答えを確信していたよ。
「犯猫は、子育て中の親猫だった……というわけだね! 参ったな、これじゃあボクは、怒るに怒れない」
そう、まだ小さな子供たちを育てるために、母親は必死だったんだ。ボクの実家の魚屋から持ち去った魚が、子猫たちがすくすくと成長するのに、一役買っていた……正直に言って、何だか嬉しかったよ。
仲睦まじい家族たちを眺めていたら、ふいにブリジットさんがこう言った。
「新井君、だったわよね? ねえ、この魚、私が買い取るわ。それなら問題ないでしょ?」
問題は、ひとつだけ。彼女が颯爽と取り出した黄金のクレジットカードが、ウチの魚屋じゃ使えない、ってこと。
「はぁ? カードは使えない? ちょっと、そのくらい使えるようにしなさいよ……!」
と言って詰め寄るブリジットさんに、まあまあ、なんて宥めるボク。神野さんはくすくすと笑いながらボクらを見て、そして猫たちと、何かお喋りをしてたっけ。
ボクはこの時に、分かったんだ。この二人とは、この先ずっと、仲良くやっていけそうだ! ってね。
するすると、幕が下りていきます。劇はもう少しで終幕、あとはすばるの最後のナレーションと、いつもの決めゼリフを残すだけ。
「……これがボクらの事件簿の、最初の一ページになった。気が合ったボクらは三人で、結成したんだ……『寝子島高校ミステリ研究会』を! 部室はここでいい、ちょうど空き部屋だ。初めての事件はもう解決済み、あとはアフターサービスを残すのみ。子猫たちに、良い里親を見つけてやらなくっちゃ!」
ブリジットがにゃーくんを抱き上げると、実にちょうど良いタイミングで、にゃーん! と声を出してくれました。
「そう。ここから、ボクらは始まったんだ……」
最後は、三人で。
思いっきり、高らかに、すばるは、美野梨は、ブリジットは、叫びました。
\ Q.E.D! /
<『寝子島高校ミステリ研究会誕生秘話』 終>
出番を終えたミステリ研の楽屋を、三人のお客さんが訪ねました。
ひとりは、
桜庭 円
。
「みんな、お疲れさまー! 良かったよー! 特ににゃーくん、主演男優ものの名演技だったね!」
「円、ありがとうね。ほら、にゃーくん?」
ブリジットの手から、しゅたっ! とご主人様のもとへと戻ったにゃーくん。ごろごろにゃーんと、さっそく円へおでこをすりすり。
「……にゃー?」
美野梨がこっそり、聞いたなら。褒めて、褒めて!
もうひとりのお客は、
桜 月
。
「楽しい舞台だったよ、アーチャーさん。それに二人ともね」
「月も応援してくれてたのね、ありがとう。何か、良いインスピレーションを与えられたかしら?」
同寮の彼女の訪問に、ブリジットがにこりと微笑みました。
最後のひとりは、
御剣 刀
。彼が机の上に、しゅぱ、しゅぱっと並べていくものは……幕の内弁当!
「これは差し入れだ、良かったらみんなで食べてくれよ」
「刀っち、気が利くね! ありがたくいただくことにしようか。あ、もちろんちくわもあるよ?」
みんなで、ちょっとだけ早い昼食タイム。お弁当を開ければ、俵おにぎり、サンマの照り焼きにから揚げに、蒲鉾に厚焼き玉子に……彩り豊かで、美味しそう!
「デザートには、こんなのもあるからな」
と取り出したのは、後ほど上演される演劇とのコラボスイーツ、その名も『人魚姫スイーツ幕の内』に『お菓子の家』も!
賑やかな食事風景を眺めて、そしてその中に自分もまたいることに、改めて、美野梨は思います。
(……こんな風にたくさんの人と、触れ合うことになるなんて……あの頃は、思ってなかったけど)
こういうのも、悪くは無いかも。
美野梨はふわり、微笑しながら、エビフライをぱくり! 頬張りました。
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墨谷幽
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
160人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月14日
参加申し込みの期限
2015年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月21日 11時00分
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