- 0
- 0
- 種族
-
- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【体育祭】熱闘！ 寝子高伝統の騎馬戦！
【開戦直前（黒猫）】
「おーし騎馬戦だ！」
気合が入った酒浸 朱蘭は、『水』と書かれた瓢箪の中身をグビグビ飲み干した。
「ぷはぁー！ かーっ！ 勝負の前はやっぱコレだぜ！」
既にベロベロに酔っている酒浸。
だが飲んでいるのは正真正銘、ただの水だ。
彼女のろっこんは『似非バッカスの施し』という。
その効果は、中身の液体をアルコールのように酔わせるモノへ変えてしまう。
勿論、液体そのものが酒に変化するのではなく水の味のままだ。
「勝負事と喉ごしは熱いモノに限るっ！」
「なんだ、その『よその子供とオクラは早く育つ』みたいな標語的文言は？ というか人前なのによくろっこん発動するな……？」
矢萩 咲は事前に液体が水だということを確かめていた。
ろっこんのことも酒浸から聞いている。
「誰も水飲んで酔っ払ってるなんて思わないだろうさ！ 気分も良くなったことだし、騎馬戦頑張ろうぜ！」
盛り上がる酒浸に十文字 若菜も調子を合わせた。
「黒猫の勝利の為にも頑張らないと！ 皆よろしくね！」
盛り上がる空気の中、１人ぼうっと空を眺める哀坂 子夜。
「咲君に誘われて……騎馬を組むことになったけど……」
子夜はどうも乗り気ではないようだ。
「私は……お願いじゃ……動かないからね……」
彼女は実家の暗部に携わっていたせいか、命令という強い指示を受けなければ行動を強制できない。
「子夜さん、またそんなことを……」
友人の咲は子夜の生来の“癖”に困惑していた。
咲の“感情の起伏が乏しく浮世離れしている子夜が周りと打ち解けてほしい”と願っての行動が、子夜自身を困らせている。
咲は小さく息を吐いたあと、十文字に声を掛けた。
「十文字さん、今回の指揮官は君だ。つまり、子夜さんの仮初の主君になる」
「しゅ、主君！？ 大げさだってば？」
思わず半笑いの十文字。
だが咲の目は真剣だ。
「だからお願いだ。主君直々に子夜さんに『命令』してくれ。頼む」
頭を下げる咲に十文字は慌てふためいた。
「頭上げて！ うぅん、チームメイトに命令ってなんかなぁ？」
「でも……私はそうじゃないと……動けないんだ……」
子夜は空を眺めたまま呟く。
「あー、こいつはテコでも動かねぇって態度だぜ？」
赤ら顔の酒浸は指を顎に沿わせながら眉間にシワを寄せた。
このままでは騎馬戦どころではない。
十文字はやむなく、子夜に『命令』した。
「一緒に騎馬戦で戦って！ 主君の私の命令だよ！」
「命令……！」
その単語を聞いた瞬間、子夜の目に鈍い光が灯った。
「命令は……絶対……。これより……主の命に従う……」
「子夜さん、ようやくエンジンが掛かったようだな」
咲は安堵の表情を浮かべた。
「よっしゃー！ 女の子チームで勝つぜー！ って、あれ？ もしかして……」
酒浸はここに来てようやくある事実に気が付く。
「ジャージの色を見て気付いたぜ。俺だけ１年だ！ 全員先輩ばっかだった！」
さっきからタメ口聞いてる酒浸はしまった、と頭を掻く。
だが、すぐに瓢箪に口つけて中身をあおる。
「ま、いっかぁ！ 皆と楽しくやれたらそれで大丈夫大丈夫！」
「そうだ、まずは楽しむことが大切だ」
咲はさっきから大事そうに抱えている小包をおもむろに開け始めた。
その中身は、黒猫印の小さな外套と花の飾りが施された髪留めであった。
「実はこれを作るために夜なべしたのだ……。そのせいか咲は寝てなくてな」
「おいおい、大丈夫かよ……？ ろっこん水飲むか？」
「酒浸さん、気持ちだけで結構……。それに咲は鍛えているからな」
剣道部所属の咲は３年生の引退間近でも鍛錬をしっかり積んでいる。
「寝不足など、ちょうどいいハンデだ」
「咲ちゃん、かっこいい！ あっ！ これ菜の花だ！」
十文字の髪留めは花びらが十字の形をした菜の花であった。
「皆の名前から連想した花をあしらってみた。咲は苗字からとって萩の花だ」
「すげー！ あたしのは蘭の花かー！」
咲の話に酒浸はしきりに感心していた。
「私は……見慣れない、花だね……」
幾重にも重なった花に、咲はすぐに名を答えた。
「月下美人という花だ。子夜さんのイメージにとても似合うと思う」
「そうかい……？ 月下美人、か……」
子夜は特に表情を崩さすに髪飾りを刺した。
「ふふ、最後の騎馬戦だからな、やはり勝利したいものだ。皆、行くぞ！ 目指すは黒猫勝利だ！」
４人は黒猫外套を羽織り、グラウンドへ進み出た。
「おーし騎馬戦だ！」
気合が入った酒浸 朱蘭は、『水』と書かれた瓢箪の中身をグビグビ飲み干した。
「ぷはぁー！ かーっ！ 勝負の前はやっぱコレだぜ！」
既にベロベロに酔っている酒浸。
だが飲んでいるのは正真正銘、ただの水だ。
彼女のろっこんは『似非バッカスの施し』という。
その効果は、中身の液体をアルコールのように酔わせるモノへ変えてしまう。
勿論、液体そのものが酒に変化するのではなく水の味のままだ。
「勝負事と喉ごしは熱いモノに限るっ！」
「なんだ、その『よその子供とオクラは早く育つ』みたいな標語的文言は？ というか人前なのによくろっこん発動するな……？」
矢萩 咲は事前に液体が水だということを確かめていた。
ろっこんのことも酒浸から聞いている。
「誰も水飲んで酔っ払ってるなんて思わないだろうさ！ 気分も良くなったことだし、騎馬戦頑張ろうぜ！」
盛り上がる酒浸に十文字 若菜も調子を合わせた。
「黒猫の勝利の為にも頑張らないと！ 皆よろしくね！」
盛り上がる空気の中、１人ぼうっと空を眺める哀坂 子夜。
「咲君に誘われて……騎馬を組むことになったけど……」
子夜はどうも乗り気ではないようだ。
「私は……お願いじゃ……動かないからね……」
彼女は実家の暗部に携わっていたせいか、命令という強い指示を受けなければ行動を強制できない。
「子夜さん、またそんなことを……」
友人の咲は子夜の生来の“癖”に困惑していた。
咲の“感情の起伏が乏しく浮世離れしている子夜が周りと打ち解けてほしい”と願っての行動が、子夜自身を困らせている。
咲は小さく息を吐いたあと、十文字に声を掛けた。
「十文字さん、今回の指揮官は君だ。つまり、子夜さんの仮初の主君になる」
「しゅ、主君！？ 大げさだってば？」
思わず半笑いの十文字。
だが咲の目は真剣だ。
「だからお願いだ。主君直々に子夜さんに『命令』してくれ。頼む」
頭を下げる咲に十文字は慌てふためいた。
「頭上げて！ うぅん、チームメイトに命令ってなんかなぁ？」
「でも……私はそうじゃないと……動けないんだ……」
子夜は空を眺めたまま呟く。
「あー、こいつはテコでも動かねぇって態度だぜ？」
赤ら顔の酒浸は指を顎に沿わせながら眉間にシワを寄せた。
このままでは騎馬戦どころではない。
十文字はやむなく、子夜に『命令』した。
「命令……！」
その単語を聞いた瞬間、子夜の目に鈍い光が灯った。
「命令は……絶対……。これより……主の命に従う……」
「子夜さん、ようやくエンジンが掛かったようだな」
咲は安堵の表情を浮かべた。
「よっしゃー！ 女の子チームで勝つぜー！ って、あれ？ もしかして……」
酒浸はここに来てようやくある事実に気が付く。
「ジャージの色を見て気付いたぜ。俺だけ１年だ！ 全員先輩ばっかだった！」
さっきからタメ口聞いてる酒浸はしまった、と頭を掻く。
だが、すぐに瓢箪に口つけて中身をあおる。
「ま、いっかぁ！ 皆と楽しくやれたらそれで大丈夫大丈夫！」
「そうだ、まずは楽しむことが大切だ」
咲はさっきから大事そうに抱えている小包をおもむろに開け始めた。
その中身は、黒猫印の小さな外套と花の飾りが施された髪留めであった。
「実はこれを作るために夜なべしたのだ……。そのせいか咲は寝てなくてな」
「おいおい、大丈夫かよ……？ ろっこん水飲むか？」
「酒浸さん、気持ちだけで結構……。それに咲は鍛えているからな」
剣道部所属の咲は３年生の引退間近でも鍛錬をしっかり積んでいる。
「寝不足など、ちょうどいいハンデだ」
「咲ちゃん、かっこいい！ あっ！ これ菜の花だ！」
十文字の髪留めは花びらが十字の形をした菜の花であった。
「皆の名前から連想した花をあしらってみた。咲は苗字からとって萩の花だ」
「すげー！ あたしのは蘭の花かー！」
咲の話に酒浸はしきりに感心していた。
「私は……見慣れない、花だね……」
幾重にも重なった花に、咲はすぐに名を答えた。
「月下美人という花だ。子夜さんのイメージにとても似合うと思う」
「そうかい……？ 月下美人、か……」
子夜は特に表情を崩さすに髪飾りを刺した。
「ふふ、最後の騎馬戦だからな、やはり勝利したいものだ。皆、行くぞ！ 目指すは黒猫勝利だ！」
４人は黒猫外套を羽織り、グラウンドへ進み出た。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2015年01月03日
- 参加申し込みの期限
-
- 2015年01月10日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2015年01月10日 11時00分
