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図書委員会のお仕事
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【彼らの本棚】
「へぇ、渋い本をお探しだね」
鴻上 彰尋
の問いに、
早川 珪
先生は、感心したようにそう言いました。
「ええ、ここにあればと思って……こんな日にお願いするのは、少し気が引けますが」
「はは、構わないよ。いつだって図書室は、君たち生徒のために開かれているものだからね」
見回せば、忙しく立ち回っている図書委員たち。見る間に高さを増してゆく、本の山の威圧感。とある本を探しに来た彰尋が、少々遠慮がちになってしまうのも、無理は無いのです。
けれどそんな中でも、珪先生は気さくに、きっちりと彼に応対してくれます。
「それにね、君はすごく運が良いよ」
「運、ですか? それはどういう……」
怪訝そうな彰尋へ、ちょっと待ってて、と言い置いてから図書準備室へ入り、
「綾辻さん、ちょっといいかな。さっき届いた中に、イプセンがあったよね? ああ、それそれ……もう貸し出せる状態だよね? うん、バッチリ、完璧だ。ありがとう」
図書委員と短くやり取りした後、戻ってきた先生の手には……まさしく、彰尋の探しているものがありました。
思わず目をぱちぱちとしながら、
「……今日、届いたんですか?」
「そうさ、ついさっきね。はい、ヘンリック・イプセン著、『人形の家』だよ」
「あ……ありがとうございます」
手渡されたのは、一冊の文庫本。彰尋が前々から、いつか読んでみたい、と思っていたものです。
感慨深げにその表紙を眺めた彰尋に。今度は珪先生が、興味深そうに尋ねました。
「……差し支えなければ、聞いても良いかな。どうしてその本を読もうと思ったんだい?」
言われてみれば、確かに、気になるところではあったかも知れません。舞台劇のための戯曲として書かれたそれは、物語に社会的なテーマを多分に含んでいて、学生が読む題材としては、言わば堅い本ではありました。
先生の問いの意図も、きっとそんなところにあるのだろうと考えて、彰尋は少し思考した後に……持っていた鞄から、何かを取り出して見せました。
「これは……台本かい? なかなか古いものだね」
「ええ。祖父の持ち物だったものなんです」
舞台俳優だった彰尋の祖父は、かつてその戯曲を日本語訳にしたものを、舞台で演じたことがあったのです。
時を経て自分の手に渡った台本、そこに込められた祖父の想いを理解するには、自分自身でもそれに触れてみるべきだと。彰尋は、そう考えたのです。
「もっとも祖父は、どちらかと言えば、脇役を演じることが多かったようですが……」
「いや、立派なものだよ。なるほどね、それでこの本を……貴重なものを見せてもらったよ、ありがとう」
感嘆と共に台本を彰尋に返した珪先生は、付け加えて、
「ところで君のお爺さんは、他の劇も演じたことがあるのかな?」
「ええ、そのはずですが……台本はこれだけではなくて、他にも沢山ありますから」
祖父が残したものは、自宅にまだいくつもありました。それらは、彰尋自身が演劇に興味を持つきっかけともなり、そして今なお多くのことを彼に教えてくれる、大切な宝物です。
先生は、首を回して図書室をぐるりと一望し、ふむ、とつぶやいて。
「今日届いた本の中には、そういった類のものもあるようでね。あるいは、君のお爺さんが演じた劇の戯曲が、他にも見つかるかも知れないよ」
「本当ですか? それは、興味があるな……」
そんな、魅力的な先生の言葉に。
「じゃあ、そういったものを探しがてらに。俺も、作業を手伝いますよ」
「いいのかい? じゃあ、ひとまず職員玄関前に行って、運搬作業のほうを手伝ってもらえると助かるかな。あちらはそろそろひと段落すると思うから、その後はこちらで整理作業を……ああ、そうそう。気になる本を見つけたら持っておいで、貸し出し手続きをしてあげるから」
いち早く、探していたものを見つけてくれた先生への、お礼の意味もありました。
借りた本は、帰ってからの楽しみに。彰尋は少しばかり心を弾ませて、図書室を出て、一階へと向かいました。
(……おや? どげんかしたんでしょうか……?)
居心地の良い図書室で、いつものように無心に本を読み耽っていた、
倉前 七瀬
。小説を一冊まるまる読み終え、心地良い読後感に浸っておりましたら……ふと気付くと、目の前に本の山。ぱたぱたと通り過ぎていく図書委員たち。
文字を追うのに没頭しすぎるあまり、目の前で展開されている慌しい光景にも、今の今まで気付かなかったようです。
(これは……どうやら、難儀しとるようですね)
図書室を良く利用する七瀬にとっては、図書委員たちはほとんど見知った顔でありまして。そんな彼らが今、総出で大量の本への対応に追われているらしいこと。それでもどうやら手が足りず、委員以外からも手伝いを募っているらしいことが分かると、七瀬もすぐに、そこへ加わることを決めました。
何せ、図書室、それに図書委員たちには、日頃からお世話になっておりますもので。
早速、近くで作業をしている生徒へ、
「大変そうですね。僕も何か、お手伝いしますよ」
「ああ、それは助かるな。俺も今始めたところだし、協力してやっていこう」
振り返ったのは、彰尋です。職員玄関前からの運搬作業は、お手伝いの面々の奮闘によってようやく落ち着いてきた頃合らしく、彼は階下から運んできたダンボール箱の中身を、そのまま自分の手で棚へ収めているところでした。
彰尋と並んで、七瀬は整理を始めます。
「さて。この本はこっち、これはこっちに……これは、あっちの棚へっと」
「……早いな」
じっくりと吟味して、本の背に貼られたラベルと棚の場所を照らし合わせている彰尋に比べて、七瀬はひょいひょい、一目見ただけで本棚へと収めていきます。
「図書室は、良く利用させてもらっとるんで。ジャンルの並びは、大体把握しとるんですよ。記憶力には少し、自信がありますからね」
ふふん、と七瀬は、ちょっと得意げに胸を反らします。確かに、活字中毒を自認するだけありまして、七瀬の本に関する造詣は、なかなかに深いものがありました。
そうしてしばらく、作業を共にするうち。彰尋のほうも徐々に慣れてきたようで、二人は軽快に作業を進めていく……のですけれど。
「……ほう。この本は……」
ぺらぺら。
「うん……うん、なるほど……」
ぺらぺらぺらぺら。
「おお、これは面白い。ふむふむ……」
ぺらららら……集中力が途切れてしまったのか、七瀬は次第に、手に取った本の中身へ、いちいち目を通してから収めるようになっておりました。
「それ、国語辞典じゃないか。面白いのか?」
「ああ、僕は本が好きと言うより、文字が好きでして。読めるものなら大概楽しいんですよ」
面白ければそれに越したことはないものの、活字でありさえすれば、案外何でも良かったりするそうです。
速読が得意な七瀬だけに、一冊一冊に目を通している時間はそう長くないのですけれど。本を手に取るたび、そうした僅かな数秒が積み重なり、いささか非効率的なのも確かでありまして。
彰尋も、仕方ないといった様子で、
「すまないんだが……それ、ちょっと効率が悪くないか?」
ついにはそう指摘されてしまい、七瀬ははっとして、バツが悪そうに顔を上げました。
「ああ、すみません。文字があると、ついつい読んでしまって……それに魅力的な本が、こんなにもたくさん増えたもので。嬉しくて」
「確かにそれは、俺も分かるな。演劇関係の本も、きっとあるだろうな……」
何となく周囲を見回し、思わず、顔を綻ばせた二人。
更に蔵書を充実させた図書室には、七瀬も彰尋も、これからも大いにお世話になることでしょう。
「そのためにも、そうですね。ここはもう少し集中して、頑張るとしましょうか」
「ああ、よろしく頼むよ」
二人はうなずきあうと、今度は先ほどよりも格段に早いスピードで、てきぱきと作業を進めていきました。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月14日
参加申し込みの期限
2014年12月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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