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そんな季節の変わり目に
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白い長袖シャツを着た
佐藤 タカシ
が通りを歩く。肩に薄茶色のショルダーバッグを引っ掛けて人波に紛れるように移動した。
人の通りが途絶えた。目にした公園に足を向ける。目立った遊具は何もない。砂場はあるが子供の姿はなかった。
「……少し緑が多いか」
タカシは木製のベンチに座った。背もたれに背中を預けて空を見る。ほんのりと色付いた雲が浮かんでいた。ぼんやりとした目で眺めて時を過ごす。
身体が少し震えた。タカシはショルダーバッグからフリースの膝掛けを引っ張り出す。ベンチの一面に敷いて座り直した。掌で柔らかい感触を楽しむ。
そこに黒猫が通り掛かる。ぴたりと足を止めてタカシの方に顔を向けた。下げた尻尾を焦らすかのように左右に振る。
タカシは興味の無さそうな表情で猫を見つめた。一人と一匹の視線は重なったまま、数分の時が経過した。
黒猫は歩みを再開して繁みの中に入っていった。タカシは消えた先に目をやり、乏しい表情で諦めた。
「本来の使い方がいいのか?」
タカシは敷いていた膝掛けを揃えた太腿に乗せた。間もなくして斜向かいの繁みが微かに動いた。風はほとんどなく、無風に近い。目は一点に注がれた。
大きく葉が揺れて現れたのは白猫であった。鼻の部分に特徴的な黒い斑が見て取れる。タカシは膝掛けの端を摘まんで軽く左右に振ってみた。白猫が目を留める。顔が小刻みに動かした。タカシは気のない表情で誘う。
白猫は瞬きをして、にゃ~、と鳴いた。ゆっくりと近づいてきてベンチの端に飛び乗った。安易には近づかず、耳の辺りを後ろ足で掻き始めた。タカシは置物と化して目だけで見守る。
白猫はタカシに近づいてきた。膝掛けを踏んで太腿に相当する部分に頬を擦り付けた。入念な行動を経て太腿の上に移動した。微妙な凹みに尻を沈めるようにして丸くなる。
タカシはシャツのポケットからケータイを摘まんで真下にレンズを向ける。真上からのシャッター音に白猫は顔を上げた。見詰め合う一人と一匹。取り敢えず、タカシは微笑んでみた。
白猫は顔を逸らして尻尾を巻き込んで丸くなった。
「その子が懐くなんて珍しいことだよ」
白衣を着た
ジェレミア・ベルトーニ
が後ろから覗き込むようにして言った。タカシは顔を向けて、誰ですか、と返した。
「これは失礼。俺はジェレミア ベルトーニ。星ヶ丘で獣医師をしている者だよ。地中海風の白い建物を知らないかな」
「ぼくは佐藤タカシ。星ヶ丘は白い建物が多いから」
タカシの言葉にジェレミアは、そうだね、と笑って言った。
「
オレンジ動物病院
という病院名ならわかるかな」
タカシは視線を下げる。暗い表情が少し明るくなった。
「……庭にオレンジの樹があるところ?」
「そう、そこが俺の開業した病院だよ」
「仕事中ですよね?」
ジェレミアは白衣に目を落として微笑んだ。
「このくらいの時間帯には手が空くんだよ。その間に野良猫達の生態を調べているんだ。これも一種の職業病かな」
ポケットに手を入れるとジェレミアは一冊の手帳を取り出した。頁を捲ってタカシに見せる。ここだよ、と書かれた文字の一部を指差した。
そこには鼻先に黒い斑のある白猫について書かれていた。生後二年くらいの雌の成猫で人見知りをするとある。タカシは膝の上の白猫に目を移す。丸まった状態で特に変化は見られなかった。
「君と相性がいいのかもしれないね。俺は他の猫を見に行くよ。早く猫の集会に混ぜて貰いたいからね」
バイバイ、と膝の上の白猫にも声を掛けた。僅かに尻尾が反応したのを見てジェレミアは公園の奥の方に歩いていった。
タカシは膝の上の白猫を見ながら、そうだ、と思い出したように呟く。ケータイで写した一枚を猫ブログに掲載した。状況が分かるように端的な言葉を添えた。出来栄えに納得した様子で撮り溜めた猫の写真と見比べる。
ふと視線が離れて膝に向かった。
「……人見知りか」
掌を白猫の頭に近づける。突然に耳が動いたので手を引っ込めた。
瞬間、すっと立ち上がり、白猫は地面に跳び下りた。尻尾を振りながらタカシから離れていく。
引き留める手段のないタカシは口を引き結んで見ていた。白猫は自ら足を止める。顔だけを向けて、にゃ~、と少し長めに鳴いた。
「またね、という意味なのかな」
タカシもまた、立ち上がる。膝掛けをショルダーバッグに収めて公園の外へと歩き出す。
道に出る直前、後ろを振り返った。
「またね」
白猫の消えた下草に声を掛けてタカシは公園を後にした。
人気のない公園でジェレミアは精力的に動いた。見つけた猫の様子や気付いた点を手帳に書き込む。見慣れない猫には特に熱心で詳細を記しながらベンチに戻ってきた。
「……どちらもいないのか」
ジェレミアは無人のベンチに腰掛けた。気を取り直して手帳の続きを書き始めた。
間もなくして仔猫のような鳴き声が聞こえてきた。手が止まり、遠くを見回す。猫の姿はなかった。
未だに鳴き声が聞こえる。小さい声は間近に思えて足元を見た。さらに腰を曲げてベンチの下を覗き込むと、そこに茶トラ柄の仔猫がいた。荒れた毛並みで身体を振るわせている。
「どうしたの?」
手を差し伸べると鼻を動かし、近づいてきた。指先に頬擦りしながらか細い声で鳴いた。大丈夫だよ、と優しく語り掛けて仔猫を抱き上げた。肋骨が薄っすらと浮いて見える。鼻と目の湿り気が多く、風邪を引いているようだった。
「どこかで会ったことがあるような……」
仔猫を膝の上に乗せると手帳を開いた。該当する頁を即座に探し出す。母親や兄弟等の家族構成が書かれていた。
「家族とはぐれたのかな」
ジェレミアは仔猫の頭を撫でた。震える前脚で人差し指を掴むと口に含んだ。夢中で乳を飲むかのようにしがみ付く。
「生きたいんだね」
仔猫は何も答えない。指先に吸い付くことで懸命になっていた。ジェレミアの静かな湖面のような緑の瞳に揺らぎが生じた。
「うちの子になるかい?」
仔猫は顔を上げて、うなんなー、と鳴いた。震える頭でジェレミアに訴え掛ける。
「君は故郷で飼っていた愛猫に似ている。この出会いは運命なのかな」
仔猫を宝物のように胸に抱いた。慈しむ手が全身を撫でる。
「君の名前を付けないと。『こはく』で、どうかな。綺麗な茶色は宝石の輝きに似ているよね」
仔猫は頻りに鳴いた。それだけで十分とジェレミアは母親の顔で、よろしくね、と言葉を送って微笑んだ。
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担当ゲームマスター
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年11月21日
参加申し込みの期限
2014年11月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年11月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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