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そんな季節の変わり目に
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旧市街の家々に柔らかい朝陽が降り注ぐ。開いていない店が多く、通りを歩いている人の姿は疎らであった。
そこに小気味よい音が断続的に聞こえてきた。白い長袖シャツに黒いズボンを穿いた
煤内 都々
が熱心に箒を動かす。青みがかった灰色の巻き気味の髪を小刻みに揺らし、手慣れた動作で歩道のゴミを集めていく。
「こんなもんだな」
都々は青いスクエア型の眼鏡の中央を指で押し上げた。改めてゴミに目を落とす。
「もう秋か」
落ち葉の量が目立つようになった。ちりとりで掬い取って用意したゴミ袋に入れる。
その時、真後ろの木のドアが開いた。上部に取り付けていた鐘が軽やかに鳴る。
顔を覗かせたのは
浅葱眼鏡店
の店主、
浅葱 あやめ
であった。都々に似た服装で黒いベストを羽織っていた。纏まりのない灰色の髪が顔にまで垂れ下がる。
「…掃除、終わったようですね」
縦幅の短い眼鏡の奥で茶色い目が鋭さを増した。
「まーな。きれいなもんだろ」
委縮することなく、都々は胸を張って言った。
「…そう、ですね。ありがとうございました」
「ずっと同じような仕事ばっかりで、いい加減、慣れるってもんだぜ」
「…それでは、少し違うことも…してみますか…」
あやめは目に付いた枯れ葉を拾い上げた。指先でクルクルと回しながら店の中に入っていった。
都々はゴミ袋の処理を終えると勢い勇んで店内に駆け込んだ。
「俺にして欲しい仕事ってどれだ」
「…これですよ」
あやめはカウンターの中に立っている。手前のショーケースの上には丸い筒状の物体が並べられていた。
「なんだ、これは?」
「…これですか…ポスターですよ。…店内に貼って…秋仕様にしようかと思いまして…どのポスターが、いいでしょうか…」
あやめの言葉に都々は少し不満そうな表情を見せた。予想していた仕事ではなかったのかもしれない。
「ま、いいけどな」
都々は丸まったポスターを手に取って広げた。深い闇の中にガス灯が淡く浮き出るように描かれ、その下には純白のパーティードレスに身を包んだ金髪の若い女性が憂いを帯びた横顔で佇んでいた。片方のヒールは脱げて石畳に転がっている。
「これって古い映画のポスターだろ」
都々は下部に書かれた赤いタイトルを見て言った。
「…はい、そうです…そのポスターはどうですか」
「秋って感じではねぇな。夜逃げ、少し違うか。駆け落ちの一場面みたいだな」
「…よくわかりましたね。…貧しい出の女性は…その美しい容姿で…爵位を持つ男性に見初められました。…ですが、女性には心に決めた男性がいました」
なるほどな、と都々は頷いて先の展開を口にした。
「どうせ別々に逃げたんだろ、目立つとかで。このポスターの絵の時には、どうせ男は捕まってんだろ」
「…煤内さん…この映画を…どこかで観ましたか?」
「観てねぇよ。さっきの内容とポスターの絵でなんとなく予想できるだろ。それに俺は
映像研究部
の一員だしな」
「…映像…映画ではないのですか…」
「映画も込みの映研だぜ。ま、ほとんど顔を出してないけどな」
最後は早口で纏めて次々とポスターを手に取った。間もなく眠そうな目に変わる。あやめは反応に困って目を泳がせた。
「あ、この人物は知ってるぜ!」
都々が指差した人物を見てあやめは、そうですか、と少し表情を和らげた。
「…彼は名優です…世界の三大喜劇王と言われていますね」
「たぶん、それだ。俺がテレビで観た映画もコメディで面白かったな。就職先のデパートに遅刻しそうになって救急車をタクシー代わりに使ったシーンは、今でもはっきり覚えてるぜ」
あやめは一本のポスターを手渡した。
「…煤内さんが観た映画は、これではないでしょうか…」
「そうだよ、大きな時計の針に掴まってる、このシーンも覚えてるぜ! だいぶ昔のことなのに忘れないもんだな」
都々は嬉々として言った。そうですよね、とあやめが相槌を打つ。更に踏み込んで話を膨らませた。
「…知っていますか? 彼は…『ロイド眼鏡』という言葉の、由来になった人物ですよ」
「ロイド眼鏡はわかるけど、由来までは知らなかったな。やっぱ本職は見るところが違うぜ」
「…眼鏡ひとつで…他者に与える印象が、大きく変わってきます…。役者の衣装みたいなものと、同じですね」
「そうなのか。俺の眼鏡はどんな風に見えるんだろう?」
都々は前髪を手で整えると改めて眼鏡の位置を正した。あやめは少し顔を引く。
「…スクエア型の眼鏡は、知的な印象ですね…顔を引き締める効果が見込めるので…丸顔の人にお勧めです」
「知的か、悪くないな。他の眼鏡はどうなんだ? 材質が金属とかは」
「…知的、それに誠実に見えます。…他にウェリントン型は素材や色で、印象が変わります。…バレル型はふっくらとした丸みが、優しさを演出して…女性に人気がありますね」
滑らかな口調ではないものの、あやめの静かな熱意は伝わった。すげぇな、と言葉を漏らした都々は表情を引き締めた。
「な、なあ、そろそろ掃除以外の仕事も教えてくれても、いいです!」
あやめは眩しいものを見るかのように目を細めた。それとなく表情も緩む。目にした都々は上ずった声を出した。
「こっちは真剣なんだぜ」
「…そうですね…まずは眼鏡のクリーニングや、ネジ締めから、覚えて貰いましょうか…」
「え、本当か? 本当に教えてくれるのか!」
「…はい、その前にポスターを選んで、貼ってくださいね…」
「それって掃除と同じ、裏方仕事じゃねぇか」
不満を言いながらも都々はポスターに真剣な目を向けた。構図や色味を考慮して秋に相応しい作品を選び出す。
「…一枚では寂しいので、ポスターを追加しますね…」
「まだあるのかー」
薄っすらと笑みを浮かべたあやめはパーティションで区切られた一角に足を運ぶ。そこには長方形の箱にポスターが何十本という数で収まっていた。
「…フィッティング調整まで…学んで欲しいものです…」
あやめは優しい眼差しで箱を胸に抱えてカウンターに戻っていった。
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年11月21日
参加申し込みの期限
2014年11月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年11月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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