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満月の夜に
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会場が拍手に包まれる。
ピアノを連弾した飛び入り参加の男女二人の演奏に引き込まれ、すっかり集中していた
綾辻 綾花
は拍手の音に華奢な肩を小さく震わせた。黒い瞳を瞬かせ、舞台の上、並んで一礼する男女を見つめる。高鳴る胸の音を伝えたくて、精一杯の拍手を送る。
「生演奏はやっぱり凄いです」
「皆心がこもっているの、きっと頑張っているんだろうななのです!」
音に震える心の呟きを知らず声にして、隣に座る少女に元気な同意を貰った。見れば、膝にたこ焼きの舟を乗せた、茶色の髪と眼の少女が舞台に向けて一生懸命に拍手をしている。かと思えば、膝に乗せたたこ焼きを爪楊枝に刺し、拍手したのと同じくらいの懸命さで息吹きかけて冷まし、ぱくりと頬張る。
「おいしいのー!」
熱さに涙目になりながら心底楽しげに笑って、
「はっ!」
四月一日 菊乃
は食べることと音楽鑑賞に一生懸命になりすぎて忘れ掛けていた目的を思い出す。
(そうなの、屋台だけが目的じゃないのなの)
自分を眠れる獅子ならぬ眠れる狸と自称する菊乃には、月夜の狸としてやっておかねばならないことがある。
(あっ、でもこのたこ焼きやっぱり美味しいのー)
ピアノ連弾に続いて始まった飛び入り兄弟三味線の音を聞きながら、菊乃は残りのたこ焼きを口に運ぶ。
音楽会を楽しむ周りの人達に話しかけてもみたいけど、少し前に座っているお兄さんお姉さん二人はとってもいい雰囲気で入っていきにくそう。さっきまではなんだかちょっと喧嘩しているみたいだったけれど、きっと元々仲良しさんなのだろうと見定めて、菊乃はそっと見なかったふりをする。
(たぬは空気が読めちゃうスーパーたぬなのー)
一人得意げに頷いて、菊乃は他にお話出来そうな人がいないかぐるりを見回す。
「がんばって!」
三味線の音がつまづき途切れ、舞台の兄弟がしょんぼりした顔を見合わせたところに、白い髪のお兄さんが元気な励ましの声を掛ける。
「がんばれなのー!」
笑顔の素敵なお兄さんに合わせ、菊乃も舞台に向けて声援を送る。他の客からの拍手も受けて、舞台の三味線兄弟は掛け声を合わせ、再び弦を弾き始める。
「ふふ、楽しいわね」
タンバリンを手に柔らかな口調で微笑む
多岐川 玲栖
に、菊乃は大きく頷き返す。
「こんばんはなのー」
「ええ、今晩は」
「いいお天気でよかったねなのですー」
「そうね、いいお月さまよね」
聞き上手を目指して一方的にしゃべりすぎないように注意しながら、菊乃は人懐っこく玲栖に話しかける。自分より大きなひととも小さなひととも、もちろん同じ歳のひととも、みんなと友達になりたかった。
(目指せ友達一杯なの)
玲栖と一緒になって三味線兄弟に声援と拍手を送ってから、菊乃はその場を離れる。会場の端に備え付けられたごみ箱にちゃんとごみを捨てて、目指すは神社の裏側、人目のない所。
(月夜のたぬといえば、やっぱり腹鼓なの!)
きらきらの月明かりを全身に浴びて、人のざわめきの遠い神社の裏手で、菊乃はお腹に力を込める。両手で思い切り腹鼓を打つ。
「ぽんぽこぽーん! なの!」
音が足りない分は声で補って、菊乃はご機嫌に笑う。月明かりも、楽しい賑わいも、美味しい食べ物も。全部ぜんぶ最高だった。
(ぽんぽこ日和なのー!)
「今日のミッション、コンプリートなのー!」
全身で喜び表し、小狸のようにぴょんぴょん跳ねていて、
「……あれ、さっきの」
神社の表側からひょいと顔覗かせた
詠坂 紫蓮
と眼が合った。
「あっ、も一度こんばんはなのですー」
「今晩は」
明るすぎもせず、きちんと音楽が聞こえる場所を探して辿りついた神社の裏手に先客を見つけ、紫蓮はちょっと躊躇う。でも、人懐っこそうな彼女なら、話ができそう。
「月を見ようと思って……一緒に、いいかしら?」
「はいなのですー」
頭の天辺からぴょこんと飛び出た髪を元気に揺らして、菊乃は頷く。神社の裏に植えられた松の木の傍のベンチに二人で腰掛け、揃って静かに丸い月を見上げる。
「なんだか、自分の中の深い所を見つめてるみたいね」
「深い所、です?」
「好きな所も嫌いな所も見えてくるような?」
紫蓮は黒髪を揺らして首を捻る。隣でじっと耳を傾けてくれる少女に向け、心に思いつくままを言葉にしてみる。
「透き通ってるのにぼやっとしてるような、明るいのに暗いような、……綺麗なのに、怖いような」
変な事言っちゃったかな、と困ったように笑って見せる紫蓮に、眠れる狸な菊乃はしばらく考えてから首を横に振る。
「月の夜にいっぱい考えちゃうのは仕方のないことです」
「それも、……月の魔力、なのかもね」
「きっとそうです」
柔らかな同意を得て、紫蓮は浴衣の腕を月へと伸ばして大きく伸びをする。しんみりしすぎちゃったかしら、と隣の菊乃と顔を見合わせて笑い合う。
「んー、少し気分を変えて。賑やかな曲とかが聞こえてこないかな」
気持ちを切り替え、紫蓮は神社の表側で行われている音楽会に耳を澄ませる。自分を見つめるというのは格好いいかもしれないけれど、
(沈んでたら私らしくないものね)
「と。そうだわ、名前」
名乗る紫蓮に、菊乃はぺこり、頭を下げる。
「私は
四月一日 菊乃
ですー」
頭を下げ合う少女達の姿を眼にして、通りがかった
樋野 秀吉
は思わず息と足音を潜める。空腹を紛らわせるために買い、舞台を眺めながら半分齧っていた回転焼の残りを口に放り込む。半ば月影に隠れる格好で、人付き合い下手な少年は神社の裏手から九夜山を目指す。
人混みに酔いかけて悪くなりかけていた胸に、人いきれの無い空気と清涼な月の光を通して、もう少し遠くまで行ってみたくなった。
(……もう少し月に近づけるところまで……)
賑わいを離れ、少年はひとり、歩き出す。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月01日
参加申し込みの期限
2014年12月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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