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満月の夜に
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演奏を控え、
サナリアナ・アークロット
は楽譜を両腕に抱えて秋の風を胸に通す。舞台を照らす篝火の色帯びた夜空を仰ぎ、空色の瞳に真白の満月を捉える。
月を宿した瞳を閉ざして、開く。舞台袖に立ち、それぞれに出演の番を待つ寝子島クラシック同好会、略してNCCの仲間の背中を控えめに見遣る。
胸に抱えた楽譜に視線を落とす。月と秋をキーワードに、この日の為に皆で相談して決めた演目は、二曲。シューマンの『トロイメライ』とイギリス古民謡を編曲した『グリーンスリーブス幻想曲』。
楽譜に視線を落としたまま、合奏で担当するピアノの旋律を頭になぞる。指先で幻の鍵盤を叩く。
「ここ」
背後から伸びて来た細い指先に楽譜の一部を軽く弾かれ、サナリアナはぎくりと眼を丸くする。肩越しに振り向いて、
神嶋 征一郎
の群青色の眼と眼が合った。
「音合わせ練習の時よりも弱く弾け」
「ピアニッシモですか?」
「ピアノ・ピアニッシモだな」
極めて弱く、とサナリアナに告げ、征一郎は厳しい視線をNCC仲間の背中に向ける。神社での演奏に備えて事前練習をした時の皆の音を脳裏に浮かべ、
「おい、テナーサックス」
「ふえぇ、はいぃ?!」
舞台袖で小動物じみた動きをする、柔らかな金の髪した下級生の少年の背に呼びかける。
言葉の端々に棘の混じる先輩に声を掛けられ、
榛宮 智
はびくりと肩を震わせた。担当するテナーサックスを抱きしめて振り返る。怯えの混じった澄んだ青い瞳で、それでも真直ぐに征一郎を見遣る。
「一曲めの入り方の音のズレ、足引っ張らないよう気をつけますっ!」
「後輩をそんなに威圧するな」
智の傍らに立つ
伊勢 エリカ
に苦笑まじりに制され、征一郎は群青の瞳に冷たい光を宿す。
「分かってるならいい」
低く言い捨て、他の面子にも音のズレや緩急のつけ方の指摘をするべく声を掛けようとして、ふと。空に浮かぶ満月の光が眼に入った。
「満月の夜に音楽会って素敵だねー」
明るい声音で
結城 日和
に話しかけられ、征一郎は月光に射られた瞳をほんの僅かに歪める。
「月見で演奏会か」
仲間に吐こうとしていた鋭い言葉の代わり、小さく息を零す。
「悪くねぇ試行だ、乗ってやる」
挑むように呟きながら、ただ、演奏曲二曲目だけは気に入らなかった。あの曲は、――姉を、思い出してしまう。
ヴァイオリンを片手に佇む征一郎の横顔をそっと覗き見て後、日和は征一郎の視線を追う。夜空に輝く満月に出会って、琥珀色の瞳をふわり、笑ませる。
NCCの人達と一緒に音楽会で演奏できる事が嬉しかった。
NCCの人もそうだけれど、他の色んな人の音楽が聞ける事が嬉しかった。
篝火に照らされた舞台から夜空に向けて響く音楽に耳を傾ける。
音楽が大好きで、音を奏でるだけで幸せで、でも、小さい頃のようにコンクールで賞を取れなくなってしまってからは、ほんの少し音楽に対してわだかまりを抱くようになってしまっていた。
でも今は、前よりも素直に音楽を聞けるようになった気がする。
(本当に音を楽しめてる)
そう思える。
「よし……!」
征一郎に声を掛けられ振り向いたままの格好で、智は小さく気合を入れる。傍らに凜と前を向いて立ち静かに月を仰ぐ、一年先輩のエリカの横顔を見つめる。何者も恐れぬような、茶色の瞳。月明かりに輝く銀色の長い髪。
彼女に誘われてNCCに入って、今日が初めての表舞台での演奏になる。いつも援けてくれて、さっきも庇ってくれた先輩の面子を潰さないためにも、
「が、頑張ろう……!」
拳を固め、瞳に力を籠めて、こちらを見るエリカに気付いた。挙動不審に慌てる智に、エリカは勝気な笑みを浮かべて見せる。
「私は問題ないが、榛宮、準備はできているか」
「は、はい!」
多少緊張気味ではあるもののしっかりとした返事が返って来て、エリカは一安心する。
こちらがNCCに誘った手前、気弱な後輩が場に馴染めているか心配もしていたが、智は案外、やるときはやれる。
「大丈夫そうだな」
大きく頷いて、エリカは演奏に集中すべく深呼吸する。もう一度、月を見上げる。
「綺麗な月だ」
強く気高く、微笑む。
降り注ぐ月光を受けて背筋を伸ばすエリカの前で、
篠崎 響也
は舞台袖の最前で前演奏者達の音楽を耳にしながら、代表代行を務めるNCCのメンバーを見渡す。人工の光源を極力抑えた舞台袖で、それぞれに出番を待つ皆の様子を確かめて、そうして、エリカの隣で緊張した気配を見せる智に黒い瞳を真直ぐに向ける。
「大丈夫だ」
そっけない口調で言って手を伸ばす。力の入った智の肩を軽く叩く。
「暁桜も」
今回の出演者で唯一の小学生、
暁桜 逢莉
にも眼をやる。
「楽しみなのです、どきどきわくわくします!」
小柄な体には大きすぎるようにも見えるハープの傍らに立ち、逢莉は上気した白い頬で月を見上げる。藍の髪を揺らす秋風がひんやりと頬を撫でてくれる。
いつも練習しているハープを外に運び出し、満月の明るい光のもとで演奏できるなんて、楽しみで楽しみで仕方がないけれど、
「……おちついてまいりませんとっ」
演奏を前に、逢莉は弾む胸を押さえる。朝焼けの色した瞳を静かに伏せ、深呼吸する。
出番は、もうすぐだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月01日
参加申し込みの期限
2014年12月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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