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「……あれ?」
アスファルトを踏んでいたはずの足元がいつのまにか砂利混じりの石畳を踏んでいることに気付いて、
倉前 七瀬
は深い森の色した眼を眠たげに瞬かせた。色素の薄い黒髪を揺らして首を傾げ、いつの間にか迷い込んだ見慣れぬ町を見回すも、
(まあ、深く考えても仕方なかですし)
あっさりと悩むことを放り出す。
平屋が軒を寄せる雑然とした印象の町を見やる。
茜色に染まったまま一向に暮れない空を見上げる。
炎纏うた牛車が二台、速度を競って暴走している。その周囲を飛びまわり、高笑いしつつ野次を飛ばすは、行者姿に鴉の翼持つ天狗。
人外の者達の愉快な生活を眺めながら、七瀬は町を見て歩く。こんな不思議な町を歩いていても、活字中毒な少年が思うのは、
(本屋とか文字がたくさんあるようなお店があれば楽しそうですね)
いつもと変わらず本に関することばかり。
足の向くまま気の向くまま、妖達の遊ぶ路地を歩く。塗り壁に道を塞がれ、仕方ないなあと方向を変えて、町を貫く広い大通りに出た。
野立て傘の林立する茶屋、紅色千本格子の人屋、綺麗な箱ばかりを山と並べた土産物屋。よく見れば、妖に混じって自分と同じように迷い込んだらしい寝子島の人々の姿もある。
(それにしても、おもしろい町ですねー)
風変わりな店が並び、風変わりな住人が行き交う通りを、楽しげな瞳で観察する。見たことのない景色を映す度、緑の眼に潜む好奇心がくすぐられ、きらきらと輝く。
町に遊ぶ、一見恐ろしげな住人達も、
(姿は少し変わっとるけど、まあ……さして気にすることではないですよね?)
七瀬にしてみれば、怯える対象には当たらない。
「あにさん、すまんが捉えておくんない」
墨色の壁した店の前、藍染前掛け職人姿の老人に声掛けられて顔を向け、黄昏の空気を舞う黒い蝶を見た。手を伸ばして捉え、捉えた手を開いてみれば、蝶は黒い墨の塊。
「ほい、ありがとさん」
老人が真新しい和紙を広げて墨を包む。見るかい、と老人が広げた紙には、一頁分に綴られた達筆すぎて読めない文字。蝶の夢を描いたものだと老人は笑う。
老人を手伝い、店中を飛び交い這い回る墨の虫を掌に捕らえて幾枚かの和紙に写す。
お駄賃にと虹色の氷砂糖の入った小袋を貰い、次々に味を変える氷砂糖を一欠けずつ口に入れながら、散歩を再開して、
「どんなに美味しくてもごゴッキー本体は食べられない気がするのだ、つまりそれ以外なら多分美味しくいただけるのだ♪」
元気いっぱいな少女の声を耳にした。
「まぐろの目ん玉は食いでがあって旨いのだコラーゲンなのだミミガーもコリコリなのだスルメの足も旨いのだ♪」
大通りの突き当たり、物々しい櫓の厳つい山門近くの柳の木の下、地べたに車座組んで酒盛りする物の怪達の輪の真中、七瀬も通う寝子高ジャージ姿の少女が旺盛な食欲を見せている。
「特に日持ちして美味しいのはどれなのだ?」
赤い着物のろくろ首の隣、まるで長年の友人のように座り、どうやら土産物を探している様子。
眺める七瀬に気付き、ジャージの少女は人懐っこく手を振ってきた。なんとなく振り返し、なんとなく宴会の輪に混ざる。
「何かのお祝いですか」
七瀬の問いに、真央と名乗った少女はいつものことらしいのだ、と朗らかに笑った。ろくろ首からこれはどうだと深海魚の巨大な頭の干物を差し出され、
「おっおぅ……」
人懐こい子猫のような眼をまん丸にするも、それも少しの間。
「ウナギの頭の缶詰を初めて見た時並みの衝撃なのだ旨そうなのだ」
「旨そうですかね?」
「でもあんまりお土産向きじゃなさそうなのだ、いただきます? 一緒にどうなのだ?」
ろくろ首と真央に勧められるまま、好奇心旺盛な七瀬は巨大魚の頭の一部を口にする。橋から飛び降りて帰らなければいけないことは何となく理解していたが、
(もう少しここにおってもいいかもしれませんね)
そう、思う。
「……あれ? 真央ちゃんボケたのだ?」
隣で笑っていた真央が不意に首を傾げた。どうかしたのかと問いかけて、
(……あれ?)
ふと、物心ついてから最初に読んだ本を思い出した。思い出したものの、それが喜劇だったのか悲劇だったのか、面白かったのか詰まらなかったのか、いつもなら覚えている本の内容が思い出せない。
一度読み終えた本には執着せずとも、それでも思い出せないことが不思議で、七瀬は戸惑う。
(また探して読めばいいだけのことですが)
深く考えず一人納得する七瀬と同じに、真央もまたあっけらかんと魚の干物を頬張る。
「あー、でも記憶はまだまだ積めるのだ、無問題なのだ」
「キミも何か忘れたんですか」
「昨日会ったはずのおネコさまの顔と行動と、初めてがおーを喚んだ時の、……ちょっち寂しかったような気がする、けど、」
真央はほんの少し泣き出しそうな顔をして、けれどすぐに元の明るい笑顔が戻る。
「忘れちゃったのだ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月20日
参加申し込みの期限
2014年10月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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