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雪より白い長い髪を緋色に染め、
旅鴉 月詠
は人外の町をそぞろ歩く。妖達のざわめきを耳に入れながら、人ならぬ者達の、人から見れば奇妙なかたちした彼らを夕日の紅よりも深い色した瞳に映しながら、
(日本で白蛇といえばミシャクジ様だが諏訪の土着神が寝子島に来るわけもなく)
思い巡らせるは己を呑み込み此方の世界に迷い込ませた白蛇について。
(中国の白娘子は特に悪さをする妖怪でもなく)
そも、と首を捻る。白蛇と言えば概ね神の使いでめでたいもの。であれば、
(あの白蛇は何がしたかったのだろう)
「よう旅鴉」
考えるまま、野立傘の並ぶ茶屋を通り過ぎようとしたところで、声を掛けられた。知った声に顔を向ければ、
御剣 刀
がこの奇妙な世界でも旺盛な食欲を見せて団子を頬張っている。
「こっちでお茶でもどうだ?」
「ああ、悪くないな」
眼を淡く細め、月詠は傘の下の長椅子に座す。鬼の店主に対価を尋ね、店主の趣味の茶屋が無償であることを確かめて後、供された茶に唇を付ける。
夕風に白の髪を梳かせ、熱い茶を啜る月詠の前、童髪の幼子が転がる鞠を追い駆けて過ぎる。幼子を追いかけ人の顔持つ犬が路地から走り出て、幼子と人面犬はもつれて転ぶ。
「大丈夫ですか」
泣き出す子供と犬のもと、
宮祀 智瑜
が駆け寄る。子供を抱き起こし、人面犬を優しく撫で、人に接するのと同じに人でない者に接する。
「ほれ」
智瑜に茶屋まで連れられて来た猩々面の男が鞠を拾い、子供に渡す。子供と人面犬が仲良く道を駆けて行くのに手を振って、智瑜は寝子島とは全く違う町を見回す。
「日暮さん、不思議な世界と寝子島が繋がるのは珍しい事でしょうか?」
「さあ、そないあるもんでもないやろけど、最近多いなあ、何でやろ」
「日暮さんはこの世界は好きですか?」
長椅子に腰を下ろした猩々面の隣に腰を下ろし、智瑜は供された茶の碗を両手で包む。
「さあ」
「私はこの世界も好きですよ」
気のない返事をする日暮に、智瑜は控えめに微笑む。
「私の住む寝子島と、雰囲気というか空気感と言うか、……似てる気がします」
徒然に話しながら茜の空を見上げて、この町に迷い込ませた白蛇の雲を思い出す。
「白蛇は神の使いって聞いた事がありますけど……」
「その話、私にも聞かせてもらえないか」
寝子島の住人とこの島の住人とが並ぶ長椅子の端に、湯呑みの盆を片手に月詠が移る。
「それやったら俺よりそっちの二人のが詳しいん違うか」
酒壺を両腕に抱えて猩々面が刀と円を顎で示す。そうなのかと月詠が問えば、刀が神社の神主に聞いてきた話をそのまま伝えた。
「なら、この世界に留まれる時間は如何ほどか」
刀の話に興味深げに相槌を打ち、月詠は再び猩々面に水を向けるが、猩々面は知らんと首を横に振るばかり。
この茶屋に至るまでに、月詠は町の様々の事を見聞きして来ている。この町は、記憶を対価に奪われかねない他は、何にせよ手を出さなければ安全であると月詠は認識している。
(確認すべきは対価と時間)
それでも、多少の例外はあるようだが、この町の住人達は皆記憶かそれに類するもので取引を行っているように見える。
(物的対価での取引は不可能か)
肌身離さず持ち込んだスケッチブックを指先で弾く。描いたものは全て己が記憶とも言えようが、この町に果たしてそれが通ずるかどうか。
「あの店」
月詠は紅の瞳を茶屋からほど近い土産屋に向ける。
「商品見たけど人間を糧に商売してるの? レプリカ?」
「個々に生きとるけど人間に害するもんやあらへんよ」
「ああそう」
猩々面の返事をさらりと受け取り、人に恐怖与える姿して道行く妖怪達を眺める。妖怪は人間の恐怖を糧にしていると聞いているが、
(私は怖くないな)
月詠にしてみれば、妖怪も神も同じ。
(彼らからしてみれば人間の方が恐ろしいという者もいるだろう)
物の怪の群に見知った人間の姿を見つけ、月詠は動じぬ仕種で片手を挙げる。月詠に気付き、ぐったりとした
八十八旗 信彦
に肩を貸す格好で、
八神 修
が軽く手を振る。
「どうした八神、信彦」
「人屋の前に捨てられていたのを拾って来たんだ」
「ツッキー、ああツッキー、酷い目に遭ったんだ」
月詠を見た途端、信彦はここまで介抱しつつ連れて来てくれた修の手を振り払い、月詠に縋り付こうとして、
「酷い目とは?」
すげなくスケッチブックではたかれた。信彦は緋毛氈の長椅子に突っ伏す。人屋の狢親父に大切な記憶を奪われた悲劇を涙ながらに語り始める信彦の様子を見つつ、修はその傍らに座す。
町を一通り巡り、人屋の前で急に感じた不可思議な酩酊感は、いつの間にか抜けている。行動に問題は無さそうだと唇を小さく笑ませ、茶屋の前を半ば踊るように行き過ぎる妖達を興味深く見つめる。
紙とペンを取り出す。お茶や団子を運んできた鬼の店主に丁寧に礼を伝えるも、口をつけることなく一心不乱に町の様子を綴り始める。眼に留まった事象を絵に変えて行く。
写真は残らないかもしれないが、
(俺の世界から持ち込んだ物なら残るだろうさ)
瞳を知識欲に輝かせながらも、けれど決して行き交う物の怪達とは目を合わさない。目を合わせると言うことは、繋がりが出来ると言う事。この奇妙な町で、無用のトラブルに巻き込まれることは避けたい。
素描する手がふと止まった。物の怪を描きこんだ紙の上を見、物の怪行き交う通りを見、
「薄野?」
物の怪達に混じって歩く
薄野 五月
を見つける。
「はい八神さん。今日はー」
知り合いに呼び止められ、五月は肩より短い黒髪の頭を茶屋へと巡らせのんびりと微笑む。
「相席してもよろしいでしょうか」
「どうぞ」
「ゴガツちゃん、俺もぜひ隣に!」
席を詰めてくれる修に礼を言い、積極的に迫ってくる信彦とも快く相席し、出されたお茶と団子を口に運びながら、五月は町の様子を眺める。
「お団子、美味しいですね」
五月には温かなほうじ茶と甘いみたらし団子。修と信彦には緑茶と黄粉団子。店主の道楽らしい茶屋の品は、客によって変わるらしかった。
「スケッチ、お上手ですねー」
「ありがとう」
紙に鉛筆を走らせる音に夕暮れの風や行き交う者達のざわめきが混ざり合う。
黄昏の町を眺め、どこか懐かしい味のするみたらし団子を食べていて、
(おばあちゃん)
ふわり、五月の心に祖母が生きていた頃の思い出が蘇る。
「祖母との、……昔の話をしてもよろしいでしょうか」
「ゴガツちゃんの小さい頃の話? それはぜひとも聞きたいね」
興味を示してくれる信彦に笑みかけ、五月は話し始める。
「小さな頃は人見知りが酷くて、知らない人のいる場所に行くのが怖くて、よくわんわん泣いておりました」
「今はそうは見えないな」
「おばあちゃんはそんな私にお団子を食べさせてくれながら、おまじないを教えてくれたんです」
おばあちゃんがおまじないを教えてあげようね、そう言って瞳を覗き込んでくれた祖母の目の優しさを、五月は今もしっかりと覚えている。
「渡されたのはおもちゃの眼鏡でした」
今掛けて居るのは近視用のものですが、と掛けていた眼鏡を外し、
「眼鏡の硝子をおばあちゃんだと思って通して見てごらん、怖いものからはおばあちゃんが守ってあげるからねって」
眼鏡の硝子に夕焼けの光を透かせる。
「それで、怖くなくなった?」
「はい。うちの蕎麦屋のお客さんに話すように話せば、知らない人とだって話せるようになりました」
「素晴らしいレディだったんだね、ゴガツちゃんのおばあちゃんは」
手放しで褒めちぎる紳士な信彦の言葉に、五月は大真面目に頷く。
「祖母はとても素敵な人でした」
人見知りが治った今でも、言葉遣いだけは元に戻すのが今更過ぎるように思えて、ごく親しい友人や家族以外の人には敬語で接してしまうのがほんの少しだけ弊害と言えば弊害かもしれないけれど。そんなのは大したことではない。
(そうだよね、おばあちゃん)
「そんなことを思い出したのは、ここが不思議な雰囲気だからでしょうかね……」
淡く笑んで、五月は黄昏の空を仰ぐ。湯呑みを取ろうとしていた五月の手が止まる。まん丸に見開いた眼鏡越しの瞳が映すのは、土産物屋の屋根を四つんばいで跨ぎ越す、巨大な人骨の妖怪。
柔らかな語り口に和んでいた空気を切り裂き、がしゃどくろの巨体支える腰骨を小さなヨーヨーの円盤が叩く。瞬間、骨が砕けた。白骨の欠片をばら撒いて、骨の身の一部が地面に崩れ落ちる。
「うぜェんだよ!」
土埃を巻いて、罵声を吐いて、黒髪の少年がヨーヨーを宙に掴み取る。体の一部を達磨落としじみて順繰りに砕かれ、がしゃどくろが悔しげに吠える。何本か欠けて、それでも人からすれば木の幹ほどもある指を少年に、――
来栖 棗
に伸ばす。
棗は凶暴な笑み浮かべヨーヨーを構え、
「止めろ」
背後から近付いた月詠にスケッチブックではたかれた。スパン、といい音が響く。
「てめ……!」
「先に手を出したのはどちらだ」
後頭部を押さえて振り返る棗の琥珀の眼を、月詠の深紅の眼が間近に見つめる。
「あちらが手を出さない限りはこちらも手を出さない方が良い」
静かに諭され、棗は険悪に顔を顰める。
「人間なんて一捻り。そうだろう?」
がしゃどくろを沈静化させるべく、月詠は再生を始める巨大骸骨に語りかける。
構わず罵声吐こうとする棗の肩に、小さな手が触れる。今度は何だと視線を移して、
「ねこさんねこさんねこさん」
不可解な呪文を唱える
狩野 マオ
に肩や背中を宥めるが如く撫でられた。突然の行動に暫くの間毒気を抜かれる。我に返ってマオの手を振り払おうとして、気付いた。
手も足も、人間のものではなくなっている。
上げた声も、人間の言葉ではない。
「ニャア」
「……望めば、元に戻れるわ」
己がろっこんの力で黒猫の姿に変えた少年を抱き上げ、マオは囁く。必死に身を捩る黒猫をそっと道に解放する。
「話に付き合ってくれて感謝する」
機嫌を直しガチガチと歯を鳴らして笑うがしゃどくろに手を振り、月詠は茶屋に集まった寝子島の人々を見遣る。
「記憶を奪われる前に帰ろうか」
「お団子も食べ終わりましたし」
妖怪大決戦をお茶菓子代わりにお茶を飲み終え、五月が月詠に同意する。
「そうですね、帰った方が良い気がします」
町の雰囲気に思わず長居しそうになっている自分に気付いて、智瑜が立ち上がる。胸騒ぎを覚える胸を片手で押さえ、我関せずとお茶を啜る猩々面にぺこり、頭を下げる。
「そろそろ失礼します、日暮さん」
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月20日
参加申し込みの期限
2014年10月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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