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彼岸の門のその向こう
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桜庭 円
は黄昏よりも赤い瞳を朱の色した石橋の周囲に巡らせる。足元にじゃれつく飼い猫の柔らかで温かな感覚にふと笑み、細い膝を折ってしゃがみこむ。
「にゃーくん、肩にどーぞ」
名を呼ばれ、茶虎の子猫は差し伸ばされた少女の腕を慣れた仕種でよじ登る。つぶらな眼を好奇心に輝かせ、飼い主の少女の頬に小さな頭を楽しげに擦り付ける。
「凄いのに巻き込まれちゃった」
緩やかに波打つ髪を夕風に遊ばせ、円はにゃーくんと共に背後を振り返る。
「不思議な町だ」
黒髪を夕陽に染め、橋や橋の下を見回していた
御剣 刀
が小さく頷く。
「折角来たんだし少し遊んでいこう」
「呼ばれたのかな? 巻き込まれたのかな?」
白蛇に飲まれて一緒に町に来た少年の言葉に頷き、円は橋の向こうの山門を見遣る。開いたままの扉の向こう、物の怪が遊ぶ石畳の街路を見遣る。呼ばれたにしろ巻き込まれたにしろ、その理由は何だろう。
「長居すると記憶を町に喰われるらしいから、適当な所で帰ろう」
隣に肩を並べて歩き出しながら、刀が背後へちらりと視線を向ける。欄干に腰掛け、知らぬ気に酒をあおる猩々面の男を見る。
「記憶を失うのは嫌だな」
「町に記憶を食われる、かぁ」
刀の視線に釣られて猩々面を振り返り、円は小さく首を傾げる。
(記憶を喰う為、この町がボク達を呼んだ?)
問いもせぬうちから町の情報を提供してくれた猩々面は、今は我関せずの風で佇んでいる。彼から更なる情報を得ることは難しいかもしれない。
(白蛇、……)
肩にしがみつく子猫の頭をそっと撫で、円は小さな体ごと猩々面の男を振り返る。
「猩々面のお兄さん、神社とかない?」
「神社?」
「白蛇様が何だったのか、気になってさ」
円が白蛇から連想したのは神社や神様だった。この不思議な町に神社やそれに類するものがあるのなら、そこに行ってみれば、この町に迷い込んでしまった理由も分かるかもしれない。
「そう見えたんか」
欄干から橋の下へと猩々面の奥の瞳を向けつつ、男は着物の袖を揺らして山門を真直ぐに指し示す。
「大通り行ったとこにちっさいお社があるわ。行ったらすぐ分かるさかい、参ってみ」
「ありがとう、行ってくるよ」
笑み浮かべて真直ぐに礼を言うと、猩々面は関心薄げに手を振った。
刀とにゃーくんと共に山門を潜る。黄昏の光が呼び起こそうとする寂寞や物悲しさを吹き払おうとするかの如く、町行く物の怪達は賑やかに笑う。声高に言葉を交わす。
「こんばんにゃー」
鞠を抱えて二本足で歩く二股の三毛猫が人懐こく笑うて鞠を転がす。
「うん、今晩は」
円が鞠を拾う間に、にゃーくんが三毛猫の傍に駆け寄る。小さく鳴いて、三毛の化け猫と鼻先を合わせてご挨拶。円が鞠を転がして返し、三毛猫が拾い上げる間に、にゃーくんはまた円の肩に戻る。
「色々な人達が居るな」
鞠と戯れ遊ぶ三毛の化け猫を、黒瓦の屋根にはためく一反木綿を、通りを駆ける人面犬を、通りを闊歩する妖怪達を物珍しそうに眺め、刀は思わず呟く。
(九夜山に居る妖怪達もここに来ているのか?)
もしも九夜山で見たのと同じ姿の妖怪を見たとしても、この町に居る妖怪と九夜山に居る妖怪が同じであるとは気付けないかもしれないけれど。
大通りを進めば、猩々面が言った通り、家と家に挟まれた小さな社があった。手を伸ばせば天辺の横木に届く小さな鳥居を潜り、丁寧に掃き清められた石畳の参道を数歩進んだ先に、刀の背丈ほどの小さな小さな社。
「小さいな」
いつも修行している寝子島神社に比べ、随分ちんまりとした佇まいに刀は首を傾げつつ周りを見回す。
にゃーくんを肩に、円は社の隣の絵馬掛に奉納された絵馬を眺める。赤い鳥居が描かれた絵馬には、『だんご食いたい』『あし返せ』『願わくばおもひで返し候』、町の住人達の願い事。
絵馬掛の下に屈み、軒下を見、社の脇に生えた御神木らしい松の古木の虚を覗き、白蛇が居ないかと探す円に、
「桜庭、神主さんを捜そう」
刀は告げる。告げつつも、
(こんな小さな社に居るのか)
少し不安になる。
「神主さーん」
刀の不安も何のその、円は明るい声を社に響かせる。
「なーに?」
返事はすぐにあった。社の後ろから、袴姿に翁面を掛けたあどけない風情の少女が顔を覗かせる。
「お参りしてみてもいい?」
「どうぞー」
二人の前に立つ、幼い風体の神主と視線合わせて円は問う。この奇妙な町の住人達がどんな信仰をしているのか興味があった。社の内に祀られた御神体は何かとそっと覗いてみる。
此方と彼方の境目が朧になる赤い光に照らされた社殿の内には、無数の小さな鳥居。
祀られたものの意味を捉えきれぬまま、刀と二人、小さな賽銭箱に五円を投げ入れる。鈴を鳴らして一礼二拍手。今回の縁に礼を言い、この町の人と寝子島の人の健康を願う。
円が願い終わって瞼開けば、刀は小さな神主に町の伝承や成り立ちを問うている。
「教えてくれるかなぁ?」
刀に倣い、円も柔らかく問うてみるも、翁面の神主が返すは、
「いつの間にかみんな集まったんだよー」
あやふやな言葉ばかり。
それじゃあ、と刀は自分達の住む寝子島に起きた不思議な出来事を話す。楽しいものから怖いもの、小さな事件に大きな事件。小さな神主は刀の話に耳を傾け、そのひとつひとつに大きく頷き、
「ここはね、色んなとこに重なったり離れたりしながら、漂ってるのー。風の吹くまま気の向くままー。入り口も色々かたち変えるよ、すごいでしょー」
刀の話に応じるようにふわふわと話すだけ話して、着物の袂から幾つも束ねた鈴を取り出す。しゃん、と鳴らして、――ふわり、その姿を消す。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月20日
参加申し込みの期限
2014年10月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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