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走る体と心の温度
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昼前の太陽が照りつける旧市街の参道商店街を、
淡島 直行
は走る。
プール帰りらしい濡れ髪の肩にタオルを掛けた小学生の群の脇を駆け抜け、買い物帰りの老婦人を追い抜き、日傘を差した主婦の傍らをすり抜ける。
(うあぁぁぁ!)
陽炎の立つ道の先を黒い眼で見据え、寝癖のついた茶色の髪を汗に濡らし、無精髭の口元を引き結んで内心で叫び倒すのは、
(やばい、バイト遅刻する!)
二十二歳フリーター全開ダメ大人の台詞。
しかも遅刻の理由は昨日ゲームにかまけてうっかり寝落ちてそのまま朝まで爆睡してしまった為。ダメ大人極まりない直行は、これ以上ダメ大人にならない為に汗を流して走る。
参道商店街の時計屋の軒に掛けられた時計で時間を確かめる。頑張って走ればまだ間に合う。それもこれも、
――直兄ぃ、起きて
一緒に住んでいる従妹が起こしてくれたお陰。もし起こしてもらっていなければ、
(本当に恐ろしい事になっていた!)
バイト終了間際まで眠りこけたかもしれない。バイト先の店長に謝っても許してもらえず、散々叱られ倒して、馘になっていたかもしれない。そうなれば次の仕事なんかきっと簡単には見つからない。ニートになんかなってしまえば、世の中を憂えて引き篭りになってしまうかもしれない。タダ飯食らいを養う気はないと居候として世話になっている従妹の家から放り出され、橋の下でのたれ死に一直線――
息を切らせて走りながら、そこまでネガティブ思考を巡らせる。未来を救ってくれた従妹に心から感謝する。
走る視界の端、昔ながらの和菓子兼洋菓子店を見つけて、直行は唇の端をちょっと持ち上げる。
女子高校生な従妹は、よく駄菓子やジュースを買って帰って来る。お裾分けしてくれる駄菓子の美味しさと従妹の可愛さを思い出して、思わず笑みが深くなる。
(今度ケーキくらいならおごるからな!)
従妹にケーキをおごるためにも、今はバイトに遅れないように走らなければ。走れば間に合う、ということは、走らなければ遅刻が決定するということ。
(ギリギリだから走ってるんだけどね!)
仕事に遅れてバイト代を減らすこともしたくないけれど、何よりバイト先での信頼をなくすことは全力で避けたい。
過去の経験上、失くした信頼を回復することは一から信頼を得ることの三倍は難しいことをよく知っている。それに。
(あの目)
こちらに対する信頼を失くした時の相手の眼の色を、直行は痛い程知っている。あんな目はもう二度と見たくない。もう二度と、誰にもさせたくない。
(にしても息、つらっ)
全力で走る足を僅かに緩め、直行は苦しい息を喘がせる。この辛さは運動不足ではない。
(完全にヤニだよな……)
真夏の勢いを全く失わずに眩しく輝く太陽を仰ぐ。どこまでも透き通って青い空の高さに、近づく秋をほんの少しだけ感じて、うっかり尻ポケットの煙草に手を触れさせる。
「っと、やばい」
何の脈絡もなく煙草を吸いたくなる己に呆れ、直行は自分を戒めるためにも自分の肺をイメージする。今よりも若かった頃、格好をつけるためにというより悪ぶるために吸い始めて、今に至るまで止められない煙草の毒のせいで、自分の肺はもうきっと真っ黒になってしまっている。
「うぅ」
想像した己の真っ黒な肺に思いがけず気分が悪くなって呻いた途端、足が止まった。切れた息の苦しさに膝に手をつく。荒い息を繰り返し、必死に真っ黒な肺に空気を送り込んでいて、だから背後から足早に近づいてくる誰かに構う余裕もなかった。
その誰かにぶつかられ様、尻ポケットの財布を乱暴に引き抜かれて、
「ちょッ、待って?!」
直行は焦る。ひったくった財布を手に一目散に逃げる男を、荒れた息が戻らぬまま追おうとして、
「俺の目の前で犯罪とはいい度胸だ! 絶対逃がさん!」
雄々しく吠える
風雲児 轟
に凄まじい勢いで追い抜かれた。ランニング途中なのか、動きやすいジャージ姿の轟が肩越しに直行を振り返る。
「任せろ、淡島さん!」
頼もしく親指を立てて見せる知り合いに、息も切れ切れな直行はその場にへたり込みながらも何とか片手を上げる。任せた、と嗄れた声で頷く。
旧市街の路地裏に逃げ込む引ったくり犯を追って、轟は日頃の鍛錬を活かした速度の落ちない脚力でもってひた走る。
非常時に備えて、この辺りの地理はばっちり把握している。どの角を曲がればどこに繋がるのかも、どこへ行けばどこへ行けるのかも、
(全部お見通し!)
「逃げられると思うなよ!」
高らかに宣言して、犯人が曲がった角とは違う角を折れる。脳内にある地図通りに道筋を辿って走れば、程なく犯人と正面から鉢合った。
追っ手に先回りを食らい、たじろいだ様子で後ずさる犯人の男を真直ぐに睨み据え、轟は手を伸ばす。
「盗んだ財布を渡せ」
轟の言葉に従わず、男は罵声を吐き出す。太陽に熱せられた地面を蹴って熱血少年に飛び掛る。
男の大振りな拳を大きく跳び退ることで容易くやり過ごす。退った勢いを前のめりの力に変え、地面を砕くイメージで大きく踏み込む。踏み込みの力に腰の捻りを加えた右ストレートを、犯人の胴に叩き込む。
鍛えこまれた拳の一撃を受け、犯人の男は腹を抱えその場に蹲る。痛みと衝撃に動けなくなる男に素早く飛びつき、動けないように背中から組み伏せる。膝で男の背中を押さえつけ、ポケットから男のものと思しき財布を引きずり出す。
轟の目当ては財布の中身ではなく、身分証明書。引き出した車両免許証の顔と犯人の顔を照らし合わせ、免許が本人のものか確認して後、男の名前と住所を口に出しつつ記憶する。
「これで逃げても捕まえに行けるからな、諦めろ!」
轟に一喝に、押さえつけられて尚も隙があれば逃げ出そうとしていた犯人の体から力が抜ける。
「風雲児君!」
警官を連れて追いかけて来た直行に取り返した財布を渡し、警官に犯人を引き渡す。轟にありがとうと頭を下げて、直行は警官への事情説明もそこそこ、
「うあぁぁバイトー! とにかく走れー!」
悲鳴じみた声を上げて全力で走り出す。
「行ってらっしゃい」
直行に手を振り、お巡りさんの敬礼に敬礼を返し、轟はランニングを再開しようと青空に向けて伸びをして、
(……うん?)
頭の中に響くテオの声に気付いた。声に意識を集中してみれば、どうやらまたろっこん絡みの事件が近くで起こっているらしい。
(犯罪を犯したとは言え島の人間を捕まえた次はろっこんか)
この島も物騒になったもんだなぁ、と他人事のように思って、そんな場合じゃないなと首を横に振る。
前者はお巡りさんでも対応出来るが、後者はもれいびにしか対抗できない。となれば、
(今から全速力で現場に向かってすぐさま解決しなきゃな)
それが島の皆の平和にも繋がるというもの。ヒーローに憧れる熱血少年は拳を握り締める。
路地に人気が絶えたことを確かめ、
「戦衣着装!」
高らかに叫んでろっこんを発現させれば、
風雲児 轟
は自作ヒーロー『ザ・ストレイト』に変身する。吹き寄せる夏の熱風を全身に浴び、全速力で事件現場に急行すべく地を蹴る。
それもこれも全て、
(島の平和と皆の笑顔を全力で守るため!)
己が『正義論』に従い、『ザ・ストレイト』は今日も寝子島を走る。
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担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月24日
参加申し込みの期限
2014年10月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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