息が切れる。足が重い。脇腹が痛い。残暑の熱を浴びた肌から汗が噴き出す。額を流れたしょっぱい汗が眼に入って染みて、思わず足が止まる。熱を帯びた掌で瞼を擦って、それでは足りずにシャツの襟で顎を滴る汗を拭う。
体中が心臓になったようにどこもかしこもがどきどきと脈打つ。 苦しい息をどうにかしたくて、短い息を繰り返す。新しい酸素を求めて喘ぐ。疲れ切って折れ曲がりそうになる膝を拳で殴る。
息を詰めて唇を噛む。
俯きそうな顎を上げる。
汗を拭った眼を上げる。
胸いっぱいに夏の空気を詰め込む。深呼吸する。
陽炎の揺れる道の先をきつく睨む。汗に濡れて額に貼り付く髪を掻き上げる。指先についた汗を振り払い、足を踏み出す。疲弊した体を気力で奮い立たせ、駆け出す。
こんにちは。阿瀬 春と申します。
そういうわけであなたは走っています。力いっぱい。精一杯に力の限り。全力で。
でも、どうして?
何のために?
誰のために?
どこからどこを目指して?
誰かとの約束に遅れそうなのでしょうか。
それとも神魂絡みの事件に巻き込まれて謎の生物や人物に追いかけられたりしているのでしょうか。もしか追いかけられているとしたらどうしましょう。戦いますか。逃げますか。誰かに助けを求めますか。
あなたの行動次第では、もしかしたら思いがけない出会い(GAを組んでいないPCさんとの絡み)もあるかもしれません。
あなたの全力疾走の理由を、あなたのお話を、聞かせてください。
それから、もうひとつだけ。
あなたが今走っている場所は寝子島でしょうか。寝子島でなければ本土のどこかでしょうか。それとも夢の中? 神魂の影響で引きずり込まれた異世界の中?
その辺りもちょっと教えて頂けましたらと思います。日常風景でも幻想風景でも、あなたの走ったその風景を、よければ教えてください。
※NPCの登場はありません。ご了承ください。