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映画村ポルターガイスト 少し不思議なお片づけ
ここは宇宙船（セット）内のオペレーションルーム。二〇体を超える宇宙人（模型）に囲まれた中央、円形の手術台にのせられた3人の女性がいる。
「うそ、ちょっと、こういう展開アリ！？」
桃川 圭花、足をばたつかせようとするが縛られていて身動きがとれない。
「やめてぇ〜私を食べても美味しくないと思いますよぉ〜」
不破 ふわりはノリノリだ。
「え、僕も！？ ……まあこれもネタになるからいっか！」
ついでに響 タルトも捕まってみた。
大の字で固定されるうら若き乙女たち。宇宙人の一体が取り出したるは、一筋の鋭い光を放つメス。
「それで何をする気ですか〜」
「マジで！ ちょっとタイム！」
メスがふわりの服の上を走る。ツツツと、繊維が二つに割かれる音がする。
「おお、これはお色気シーンですね！ 記事にしたら注目が集まる！」
「赤毛のグラマー美女って紹介してくださいねぇ〜」
緊張感なく交わされる会話。いよいよふわりのバストがあらわになるか！ というとき、
「傍観していたいシチュだけど、ここで助っ人の登場だぜ」
脆い手動ドアを慎重に開けて入って来た邪魔者、もとい救世主は、御剣 刀。
宇宙人たちは一斉に、刀を捕まえにかかる。が、その動作は鈍い。
「使うまでもないかもしれないが」
ガチン。
刀、脳裏で撃鉄の落ちるイメージ。
ただでさえトロい宇宙人の動きがさらに減速化。刀の木刀が次から次へと、迫る宇宙人たちを薙ぎ払っていく。極力傷をつけないよう注意はしている。
「まるで手応えがないな」
ものの数秒で地に伏す宇宙人模型。囚われの3人は無傷で解放される。
「妹のせいでとんだ目にあったわ……ってカメラ、どっかやっちゃった……」
ま、いっか。大きなあくびを一つする圭花。
「いや〜怖かったです〜さぁて、お手伝い再開です♪」
颯爽と去っていくふわり。
タルトはメモ帳にペンを走らせる。
「ピンチに登場するは、疾風怒濤、木刀の使い手。これは画になる！」
「かっこよく描写してくれよ」
「なんならオプションで、守衛甚八との叶わぬ恋沙汰なんてのも盛り込むよ！」
「いやそれはマジで勘弁だ」
と、ここで桜庭 円からメールが。
「甚八さん、みんなに持て囃されて絶賛浮かれ中か。それが原因とは、皮肉なもんだな」
刀、ボサボサ頭を掻きつつ、宇宙船を後にするのだった。
「見つけたぜ仮面野郎」
ビームセイバー仮面男の前に立ちふさがり、再戦を挑む者がいた。
「まだまだ勝負はこれからだぜ」
神木 煉。手には仮面男と同じく、調達したビームセイバーが握られている。
舞台は、宇宙ターミナルといった趣の近未来的なセット。中段に構える煉。「喜」の感情に反映された仮面男の動きは軽快だ。
「さっきのときより動きが早い！？」
瞬時に死角に回り込まれる。煉が体勢を向けるころには、重い突きが炸裂していた。
「くそっ」
さっきの戦いの教訓を活かそうとしたが、相手の身体能力が強化されていては躊躇するばかりだ。
「くっ、また圧されてる」
仮面男の一突きが煉の頬をかすめた。
「！！」
風圧で切れ、血が吹き出る。劣勢を具現するようにして。
何が何でも勝ちたい。手の甲で血を拭うと、瞑ったままだった左目を開いた。
煉のろっこん「狂化」は、自分の血を左目で見ることで、身体能力を強化させる。
「へへっこれで対等か、もしくはこっちに分があるか」
反動で、理性は徐々に失われていく。
「B級悪役は引っ込んでろ！」
倍加した動体視力で、仮面男の筋を読み切る。セイバーでいなし、姿勢を落とすと、隙をついて足技で体勢を崩しにかかった。見事これが成功し、煉は追撃を決め込む。
「へいへいその仮面の奥はどんな顔をしてんだい。拝ませてもらおうじゃんか！」
沈黙するのも構わず、煉は仮面に向けてセイバーを叩き込み続ける。ろっこんの効果が切れるまで、振れる理性を抑えられない煉だった。
「そうですか、霊障の原因は私にあったのですね」
倉庫内は落ち着きを取り戻しつつあった。甚八のそばについていた者たちが、甚八の心を傷つけないよう、慎重を期して現象の原因を説明している。
「甚八さんの寂しいという感情が爆発すると、ここの物たちも動き出す。楽しかったり喜んだりしても、ここはお祭り騒ぎ」
しがみついていた人形も今は静かにしている。逆巻 天野は人形をセットの隅っこにのせると、頭をポンポン撫でて別れを告げた。
「ですから片づけるには、甚八さんの気持ちが凪いでいる必要があるのです」
機材を片づけながら、常葉 治が優しい言葉で付け足していく。
「なるほど、自分が一番よく分かります。倉庫にしまわれた彼らとは長い付き合いですから、余計に感情が触れ合ってしまうのかもしれません」
「おっと、感傷的になっちゃだめだよ甚八さん。俺たちがいるんだからさ。片づけもすぐだよ」
邪衣 士もてきぱきと片づけ作業に参加する。
「分かっておりますとも。今は楽しいです……って楽しみすぎてもだめなんですね。難しい……」
（今は楽しくても……明日も明後日もそうとは限らないんだよな）
桜庭 円は心の中でため息をついた。
「うそ、ちょっと、こういう展開アリ！？」
桃川 圭花、足をばたつかせようとするが縛られていて身動きがとれない。
「やめてぇ〜私を食べても美味しくないと思いますよぉ〜」
不破 ふわりはノリノリだ。
「え、僕も！？ ……まあこれもネタになるからいっか！」
ついでに響 タルトも捕まってみた。
大の字で固定されるうら若き乙女たち。宇宙人の一体が取り出したるは、一筋の鋭い光を放つメス。
「それで何をする気ですか〜」
「マジで！ ちょっとタイム！」
メスがふわりの服の上を走る。ツツツと、繊維が二つに割かれる音がする。
「おお、これはお色気シーンですね！ 記事にしたら注目が集まる！」
「赤毛のグラマー美女って紹介してくださいねぇ〜」
緊張感なく交わされる会話。いよいよふわりのバストがあらわになるか！ というとき、
「傍観していたいシチュだけど、ここで助っ人の登場だぜ」
脆い手動ドアを慎重に開けて入って来た邪魔者、もとい救世主は、御剣 刀。
宇宙人たちは一斉に、刀を捕まえにかかる。が、その動作は鈍い。
「使うまでもないかもしれないが」
ガチン。
刀、脳裏で撃鉄の落ちるイメージ。
ただでさえトロい宇宙人の動きがさらに減速化。刀の木刀が次から次へと、迫る宇宙人たちを薙ぎ払っていく。極力傷をつけないよう注意はしている。
「まるで手応えがないな」
ものの数秒で地に伏す宇宙人模型。囚われの3人は無傷で解放される。
「妹のせいでとんだ目にあったわ……ってカメラ、どっかやっちゃった……」
ま、いっか。大きなあくびを一つする圭花。
「いや〜怖かったです〜さぁて、お手伝い再開です♪」
颯爽と去っていくふわり。
タルトはメモ帳にペンを走らせる。
「ピンチに登場するは、疾風怒濤、木刀の使い手。これは画になる！」
「かっこよく描写してくれよ」
「なんならオプションで、守衛甚八との叶わぬ恋沙汰なんてのも盛り込むよ！」
「いやそれはマジで勘弁だ」
と、ここで桜庭 円からメールが。
「甚八さん、みんなに持て囃されて絶賛浮かれ中か。それが原因とは、皮肉なもんだな」
刀、ボサボサ頭を掻きつつ、宇宙船を後にするのだった。
「見つけたぜ仮面野郎」
ビームセイバー仮面男の前に立ちふさがり、再戦を挑む者がいた。
「まだまだ勝負はこれからだぜ」
神木 煉。手には仮面男と同じく、調達したビームセイバーが握られている。
舞台は、宇宙ターミナルといった趣の近未来的なセット。中段に構える煉。「喜」の感情に反映された仮面男の動きは軽快だ。
「さっきのときより動きが早い！？」
瞬時に死角に回り込まれる。煉が体勢を向けるころには、重い突きが炸裂していた。
「くそっ」
さっきの戦いの教訓を活かそうとしたが、相手の身体能力が強化されていては躊躇するばかりだ。
「くっ、また圧されてる」
仮面男の一突きが煉の頬をかすめた。
「！！」
風圧で切れ、血が吹き出る。劣勢を具現するようにして。
何が何でも勝ちたい。手の甲で血を拭うと、瞑ったままだった左目を開いた。
煉のろっこん「狂化」は、自分の血を左目で見ることで、身体能力を強化させる。
「へへっこれで対等か、もしくはこっちに分があるか」
反動で、理性は徐々に失われていく。
「B級悪役は引っ込んでろ！」
倍加した動体視力で、仮面男の筋を読み切る。セイバーでいなし、姿勢を落とすと、隙をついて足技で体勢を崩しにかかった。見事これが成功し、煉は追撃を決め込む。
「へいへいその仮面の奥はどんな顔をしてんだい。拝ませてもらおうじゃんか！」
沈黙するのも構わず、煉は仮面に向けてセイバーを叩き込み続ける。ろっこんの効果が切れるまで、振れる理性を抑えられない煉だった。
「そうですか、霊障の原因は私にあったのですね」
倉庫内は落ち着きを取り戻しつつあった。甚八のそばについていた者たちが、甚八の心を傷つけないよう、慎重を期して現象の原因を説明している。
「甚八さんの寂しいという感情が爆発すると、ここの物たちも動き出す。楽しかったり喜んだりしても、ここはお祭り騒ぎ」
しがみついていた人形も今は静かにしている。逆巻 天野は人形をセットの隅っこにのせると、頭をポンポン撫でて別れを告げた。
「ですから片づけるには、甚八さんの気持ちが凪いでいる必要があるのです」
機材を片づけながら、常葉 治が優しい言葉で付け足していく。
「なるほど、自分が一番よく分かります。倉庫にしまわれた彼らとは長い付き合いですから、余計に感情が触れ合ってしまうのかもしれません」
「おっと、感傷的になっちゃだめだよ甚八さん。俺たちがいるんだからさ。片づけもすぐだよ」
邪衣 士もてきぱきと片づけ作業に参加する。
「分かっておりますとも。今は楽しいです……って楽しみすぎてもだめなんですね。難しい……」
（今は楽しくても……明日も明後日もそうとは限らないんだよな）
桜庭 円は心の中でため息をついた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2013年01月30日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年02月06日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2013年02月06日 11時00分
