大怪獣襲来！～寝子島防衛戦～｜リアクション

大怪獣襲来！～寝子島防衛戦～

●バーサーカー

　巨大サンマと半魚人の軍団の勢いはとどまるところを知らないでいた。
　それらは荒れ狂う暴風雨のように暴れまわり、島を破壊していく。

「如月か……あいつとはまだ決着がついてねぇ。白黒つけてぇところだが、今は優先することがある。
　あのデカブツをぶっ飛ばすまでは協力してやるぜ……」

　因縁を思い出しながらも、今はそれよりもやる事があると新井瞬平は自分の意地を通す事に決めた。
　片を付けるのはその後で良い。

　瞬平は巨大サンマの破壊した瓦礫の山からガラス片を拾うと、一息に自分の腹部に突き立てた。
　激痛に若干呻きながらもガラスを抜き、手にべっとりとついた自分の血を舐める……

　ろっこん『リヴェンジブラッド』。
　それは自分の受けた傷から流れる血を舐める事で全身の筋肉が強化されるというものだ。
　その力はダメージや痛みに比例するものだが、発動を急ぎ、自分で傷を付けたので、それほど深い傷ではない。そのために爆発的な力は得られていないが、目の前の半魚人たちを蹴散らすにはこれで充分か――

　神魂の力で増強された筋肉が瞬平の服を持ち上げ、その体格を一回り大きなものに変えた。

「出し惜しみは無しだ……全力、残さずもっていけ」