this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ネコシマ王国最期の日。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
10
つぎへ >>
どうやら自分はとことん間が悪いようだと、
呉井 陽太
は心の中で溜息を吐いた。どうせなら思いきり肺の中の空気を吐き出したいが、首がない以上それも出来ない。
路地の向こう側に感じる、増援の気配。今のうちにどんどん敵を倒そうと思っていたけれど、かなり多いようだ。
(なんかバケモノーって叫んでるねぃ……うん、そこは否定しない)
敵ながら上手い事言うじゃないかと、いっそ感心しながら陽太は、生ける死体となって敵を屠る。確かに自分の今の姿は、化け物に相違ない。
自分自身でもシュールだと思っていたけれど、やっぱりそう見えるよねぃ、とむしろ納得してしまった。ここは1つ、こんな滑稽な自分を嘲笑ってやりたいが、これまた首がないから出来ないのだ。
(あぁ……口が使えないって不便だわー……)
そう考える、陽太の胸を幾本もの剣が深々と貫いた。死してなお動く陽太を警戒したのだろう、次から次へと刺さるそれは次第に数えられなくなって、口ではなく胸から肺の空気を溜息のように洩らしながら、ちょっとは手加減してくれよねぃ、と思う。
遠くで、何かの燃える気配。奴らが街に火をかけたのだろうかと、ぼんやり思ったのが最期。
路地に転がる陽太の首が虚ろな視線を投げる、その遥か先にある図書館にもついに、敵兵が踏み込んでいた。だが、ここに居るのは
旅鴉 月詠
だけだ。
他の者は月詠の教えてやった裏道を使い、逃げて行った。それは良い事だと思う。
自ら死ぬより最後まで生きたいと、願えるのは良い事だ。恥ずべき生も、高潔な死も、どちらが正解なんて誰にも言えないのだから。
さて私はどちらだろうねと、壁の松明を取りながら考える。踏み込んできた兵達の、荒々しい足音が迫る――最上段最奥に居る彼女を目指し、奴らがやって来るのは予想済み。
だから十分に引き付けて、月詠はただフッ、と兵士達を嘲笑ってみせた。そのまま手にした松明を、躊躇なく撒いた油へ放つ。
ボッ、と赤い炎が上がった。怯む敵兵にまた嗤い、さらに2つ、3つと松明を放り投げては図書館を火に沈め。
その炎の中にまるで掻き消えたように、月詠の姿も見えなくなった。燃えてしまったのか、それともさらに奥へと火を掛けに行ったのか。
図書館を舐める炎は、大きくなりながら広がっていく。だがその炎は、月詠が点けたものだけではなかった――そのはずだと、
赤羽 勇樹
は出血多量で意識朦朧となりながら、思う。
そろそろ全てが燃えた頃だろうか。もはやそれを確かめに行く事も出来ないが、仕掛けは万全だったはずだ。
そう信じて、嗤う。ネコシマの豊かな土地を手に入れるという目的が無駄足になれば、奴らは名実共にただの『悪』になり下がる。
叶うなら双子姫が崖からから身投げして命を絶たれる事を誰かに伝え、姫達の事を頼みたかったが仕方ない。せいぜい目の前の許しがたき悪どもに、後世まで伝わる『呪い』を掛けてやろう。
文字通り、命をかけた呪い。正義執行と唱えて十字を切るのも、これが最期。
「『神』は『悪』を許さぬ……ネコシマの民を虐殺した罰を受けるがいい! 我らが神よ、ネコシマの民達の無念と我が魂を贄に神罰を! 侵略者共に永久に続く天変地異と終わりなき戦争……混沌の呪いを!」
ハレルーヤー……ッ!!
ひときわ高く燃え上がる炎の中から、そう叫ぶ声が響き渡った。その中で
多喜 勇生
も最後の死力を振り絞る。
さすがにここまで戦い続けては、限界も近かった。すでに勇生の能力は何度も切れ、そのたびに己のなした残虐に怯えている。
それでも、絶対に苦しむ顔や絶望した顔は見せてやるものかというのは、誰でもない勇生の意思。血反吐を吐いても不敵な笑みを見せてやると――勇生の心はこの極限に、能力を超えて強靭になっている。
「俺も、ネコシマも、お前らには屈しない……!」
例え滅ぼされようとも、この最期を敵兵に刻み付ける。この死は戦いの終わりではなく、奴らの悪夢の始まりだ。
叫ぶと同時に血と、折れた歯を纏めて吐き出し立ち上がり、向かってくる勇生に敵兵が、怯えた表情で槍を突き出す。穂先が届いた刹那、むしろ好機と槍を掴んで引き寄せ、短剣を顎下から思い切り突き刺した。
それが、限界。同じ様に戦い抜いていた
高梨 煉
もまた、満身創痍で立っているのもやっとだ。
歪む視界はひっきりなしに揺れ、人の姿を結ばない。とはいえ自分を取り囲んでいる人影が、すべて敵だというのは判っていた。
やべぇな、と最後の力を振り絞る。
「なら――大きく散ってやりますか!」
最後の全ての力を振り絞って、煉が放ったのはそれまでの風の刃よりもはるかに強力な竜巻。平素でも体力を大きく消耗するこの技を、今の煉が放てばあの世への片道切符は確実だ。
急速に血の気が失われ、身体大きくぐらりと揺れる。視界はもはや真っ暗で、何も映ってはいない。
(あとは……頼んだぜ……)
誰にともなく呟きながら、煉はどう、と床に倒れ込み、そのまま動かなくなった。最後の竜巻の行方を、彼が見届ける事はもはや無い。
そんな――神殿の裏の崖下で
八神 修
は、双子姫と向き合っていた。
「姫……お願いです。姫の身分を捨てて、ただのアオイとして……姫として死んで、生きて下さい……!」
真剣な顔で訴える、修の前のアオイ姫は未だ、身体が痺れて満足に動けない。けれども表情だけは雄弁に、困った様子を浮かべている。
そんな姫の足元にひれ伏し、縋りつくように修は必死に訴えた。
「貴女が好きなのです。心から、お慕いしておりました」
だから、生きて欲しい。どんな形でも、アオイ姫が生きていてくれるならばそれで、良い。
神などいないと、修は思う。居ても人間の味方ではないのだろうし、或いは別種の生物なのだろう。少なくとも人間に加護を与えてくれる、都合の良い神ではないからネコシマは今、焦土になろうとしている。
そして、だからこそ――神の国など無い。あっても人間は行けない場所で、自分達にはもちろん、神の末裔(スエ)と呼ばれながらも確かに人間である姫達だって、それは変わらない。
だから。
「死を美化してはなりません。生きてください、姫――俺が時間を作ります」
「でも……?」
その言葉にアオイ姫は、悲しそうな瞳になった。それは、修の意に沿う事が出来ない事を悲しむ表情。
ネコシマの民を殺せと命じた連合軍が、なぜ双子姫だけは手中に収めようとしているのか。なぜ、彼女達が命を絶たねばならないのか――それは『神の末裔(スエ)』たる王族だからこそ。
双子姫は、王家に連なる人々は、神の恵みを約束された血筋を持つと言われている。だから決して双子姫は、敵に渡されてはならない。だから双子姫は、『神の国』に帰らなければならない。
その理屈を、もちろん修も知っていた。だがそれでも――それだからこそ、納得出来ない想いはある。
修はアオイ姫の説得を諦め、ノノコ姫と共に予め置いておいたボートに乗せた。まだ体がしびれている双子姫は、それに抵抗する術がない。
姫達のショールと髪の一部を形見に頂き、全力でボートを海へと押し出す。オールは用意してあるし、そのままでも今の潮の流れなら大陸のいずこかに流れ着くだろう。
そう信じ、どうかと最後まで祈った。それから頂いたショールと髪、護身の短剣に、同じく用意しておいた魚の血を付ける。
血まみれの髪を、血まみれのショールで包んでほんの少しだけ、大切に押し頂いた。それから沖合へ向かうボートに狂おしい眼差しを向けると、次の目的の為に背を向けた。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ネコシマ王国最期の日。
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年08月25日
参加申し込みの期限
2014年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!