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ネコシマ王国最期の日。
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一体どれほど戦い続けたのか、
恵御納 久隆
には解らなかった。
数多の傷を受け、血を流したせいだろうか。それともこの身に受けた矢の毒が、少しずつ蓄積され、激しい戦いのせいで全身に回ったのだろうか。
「ク……ッ!」
意識が遠のきかけて能力が切れるのを、強く頭を振って引き留める。その瞬間を、敵は見逃さなかった。
四方八方から久隆に、あらゆる刃が突き出された。上半身を覆った甲冑は、とっくに壊れている。
「ぐぁ……ッ!?」
故に。内臓を貫かれ、引き裂かれて衝撃に大きく目を見開いた。一瞬遅れて喉の奥から、カハッ! と大量の血潮を吐く。
あぁ、と呻いた。どうやらもう自分に、戦う力は残されていないらしい。
(すまぬ、妻よ、子供達よ……)
瞑目した。一足先に戦いに散り、今は心安らかに居るであろう愛しき者達を想った。
自分は、そこへは行かない。間違っても敵達を、彼女達の居る場所へ行かせる訳にはいかないから。
(私は……地獄へ、愚者達を引きずって行くよ……)
だからすまないと、思ったのが久隆の最期。崩れ落ちたその身体に、命の灯は残されていない。
そうして仲間達が倒れていく中を、ただ必死に走ってきた
春夏秋冬 真優
は、ついに目指す相手の元に辿り着いていた。だがそこに居たのは、指揮官らしき男だけでは、ない。
命辛々駆けてきた真優の眼差しが、ぶつかった相手は1人の神官。涼やかな眼差しは顔見知りの――
八神 修
のもの。
だからこそ。
「――何やってんだ……ッ!!」
指揮官らしき男共々、修を全力で殴り飛ばした。ここまで走り抜き、全身に浅くはない傷を負った真優の、これ以上ない気合いを込めた一撃は、指揮官に膝を付かせ、修の身体を地に打ち倒す。
膝が、足が震えるのは激情のせいだけではなかった。だがここまで走り抜けた理由は、胸にたぎる激情の故だった。
お前らも、と紡いだ声は掠れ、喉の奥から血の匂いがした。
「お前らも苦しいかもしれねえけどさ……話し合う道だってあったんじゃねえか……ッ! ッたく、ばかやろう……が……」
だが、真優の気力が続いたのはそこまで。がくん、と膝から力が抜けて、そのまま地へと崩れ落ちる。
そいつを殺せと告げる男の声。良いさ、言いたい事は言った、伝えたい事は伝えた。心残りは星ほどあれど、今はそれで満足だ。
あぁ、でも、願わくは。
(この能力も、今度は好きな人への愛情で使いてえなぁ……)
そう思いながら瞳を力なく閉じて、永遠の眠りに就いた真優の身体を、修は無表情に見下ろした。ここで表情を崩しては、すべてが無駄になる。
アオイ姫とノノコ姫、この手で逃がした尊き、愛しき双子の姫達。それは、敵にはもちろん味方にだって知られてはならない秘密。
だから修が選んだのは、自身が双子姫を殺した事にして、その死に様を敵指揮官に話して追跡の手を少しでも緩めさせ、双子姫の逃亡の時間を稼ぐ事だった。考えた建前の理由は、真優のおかげで信憑性が出たと思う。
だから修は感謝の念で知己の最期を見届けて、冷徹に見えるだろう眼差しを揺らがず指揮官へ向けた。
「――ご覧の通りです。俺はこの国では混血として、皆に冷遇されていました。双子姫も俺のような異端児には冷たかった」
「だから殺した、と?」
探るような指揮官の言葉に、腹に力を込めて頷く。大切なのは、時間を稼ぐ事。そのためならば修の感情も誇りも何もかも、嘘と偽りに塗り固めて地に打ち捨て踏みにじろう。
揺らいではならない。堂々と、一世一代の演技を披露するのだ――アオイ姫のために――!!
「俺が殺した。刺して海に沈めた――これが証拠です」
無表情に血染めの短剣とショールと髪を差し出すと、指揮官の顔が思案深げな表情になった。修の手から『証拠』を取り、ためつすがめつ検分する。
騙されろ、と念じた。それに騙されてしまえ。騙されてくれ。確かに双子姫は死んだのだと、もはや探しても意味はないのだと思うが良い……!
――その、修の念が通じたのかどうかは解らない。だが、そうか、と指揮官は頷いた。
頷き――すらりと抜き放った剣を、向けた先は修の首筋。
「困った事をしてくれたものだ」
「……ッ、なぜ……ッ!! 手柄を立てたのに……ッ」
「我らの王は『恵みもたらす双子姫だけは生かして捕らえよ』と仰せだ」
そう、嘲いながら指揮官は、そのまま剣を振り抜いた。あまりの衝撃に叫ぶ事すら出来ず、修は大きく目を見開いく。
痛い。熱い。視界が真っ赤に染まって何も見えない。
唇が震えた。言葉は、紡げなかった。動かす事すら。それでも。
(アオイ……)
どうか生きていて下さいと、海に逃がした姫を想う。もはや2度と会える事はなくても、生きてくれるだけで良いから。
どうかと願った。彼女の笑顔を、想った。
ごぼり、喉の奥から鉄錆の匂いのする液体が溢れる。喉が詰まりながらも、その笑顔だけを抱いて修は瞳を永遠に閉ざしたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年08月25日
参加申し込みの期限
2014年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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