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ネコシマ王国最期の日。
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レクイエムを奏でながら、チッ、と亮悟は舌打ちした。拍子にメロディーに雑音が混じったのに、それもこれも奴らのせいだとまた舌打ち。
(……ここも終わりか。逃げるところももうねぇか)
見下ろした先には先ほどよりも遙かに大勢の、弓を構えてこちらを狙う敵兵達。指さして宣言すれば行動を封じられるのは確かに脅威だが、1人ずつしか封じられない事に敵も気付いたらしい。
あらゆる方向から矢を向けられば避けようもないし、全員を氷の枷で封じる事はほぼ不可能。チッ、と舌打ちして、それでも可能な限り封じてやると、ハーモニカを手に睨む。
それは、『姫様達のため』などではない。結局は逃げ出した相手を守って死ななきゃいけないなんて、バカらしいにもほどがある。
だから、これは亮悟自身のため――せいぜいこの国の最期を見届けてやるため。その、亮悟の奏でるレクイエムが聞こえた気がして
握 利平
は、震える瞼を重たく開いた。
しっかりと彼の手を握っていた
レティシア・ル・テリエ
が顔を輝かせる。
「良かった! 目覚められたんですね……ッ」
「……死ん……で……、なかった?」
レティシアの喜びとは裏腹に、利平は戸惑いも濃く手を動かす。その動作も、全身に走る鈍い痛みも、とても死んだとは思えない――死んだ事はないけれども。
そうか、とため息を吐く。どうやら自分は、みんなに追い返されたらしい。
(まだ刻めってんだな?)
まだ自分は、皆が納得するくらい足掻いてない。戦い抜いてない。――恐怖を刻みつけて、ない。
確かに先ほどは格好悪かった、と我ながら思う。威勢良く宣言したものの、あっさり敵兵に切りつけられて、ろくに反撃も出来ずに倒されてしまったのだから。
はは、と乾いた声で笑う。
「やり直して来いってか? ……冗談キツイぜ」
「まだ動いてはダメです。やっと血が止まった所で、傷だってちゃんと塞がっては……」
利平の言葉に、レティシアが真剣に首を振った。彼女の癒しの能力は、傷の深さの分だけ時間もかかるのだ。
今の利平は、激しい出血をかろうじて止めただけ。大きく袈裟掛けに切られた左肩は、まだぱっくり開いた傷から肉が見えている状態。
だがそれすら利平にとっては、まだ右手があるじゃないかと言われた気がした。間違いなく死んだと思ったこの傷で生きているのは、皆が自分達の恨みを思い知らせてこいと、それまで死なせてやるかと言っているに違いない。
だから。
「――もういっちょ逝って来るか」
「でも……ッ」
「……助太刀するぞ」
剣を取りながらゆらりと立ち上がった利平に、悲鳴を上げたレティシアを制して
神嶋 征一郎
が、槍を構えて利平の隣に並ぶ。それは、守るべきレティシアのためだ。
1人でも多くを救いたいというレティシアの為に、今は利平と共闘して、少しでも時間を稼ぐ。故に利平に並んで、けれども利平に先じて征一郎は、長大な槍を舞うように振るい始めた。
うっかり見入ってしまいそうなその動きは、だが的確で残酷だ。全身をばねのように、しなやかに振るわれる槍が敵の頭を掠り、胴をなぎ払い、足を突き倒す。
倒れた敵の顔を覗き込み、呟くのは『オリアス』というキーワード。恐怖に歪む顔は征一郎にとって見慣れたもの、今はそれによって僅かなりとも戦力が減らせれば良い。
そんな征一郎に守られて、レティシアは新たな怪我人の元に走っていた。身に纏う服は、とっくに血に汚れて赤く染まっている。
駆け寄り、膝を突いて手を握った。どうかこの方を癒して下さいと、祈りながら必死に声をかける。
「決して、希望を失ってはいけません! 生きて……生きてさえいれば、必ず希望はあるはずだから……!」
同じ言葉を口にして散った少女の事を思い出したが、レティシアの想いは揺らがない。生きてさえいれば――必ずそこに何かしらの希望はあると、頑なにそう信じようとする。
だが
恵御納 久隆
にとっては、すでに最後の希望など失われたも同然だ。味方が次々と倒れていく今はなお、その思いが強い。
他愛ない、永遠に続く事を疑いすらしなかった日常。それを奪われた、守れなかった悲痛、絶望――この胸に渦巻き収まる事を知らない、ありとあらゆる負の感情が、全て敵への殺意に変わる。
「おぉぉぉぉ……ッ!!」
無茶苦茶に戦う久隆の両目からは、血の涙が流れていた。視界が真っ赤に染まっても、止まろうと思えない。
増強した筋力で敵の武器を奪い突き刺し、血脂に塗れて使い物にならなくなればそれを捨て、己に刺さる武器を引抜いてまた戦う。己が血潮をまき散らしながら敵を貫き、もっと血が流れればもっと強く、もっと激しく奴らを引き裂いてやれると吠える。
よほどネコシマの民が恐ろしいのだろう、敵の使う鏃に毒が塗られているのにも、とっくに気づいていた。だがむしろそれを幸いと、刺さったそれを引き抜いて射た相手の目に突き刺す。
この程度の苦しみ、自分のような人間には相応しい。たとえ血反吐を吐こうとも、久隆が守れず無惨に散った、散らされた人々はどれほど恐ろしかったかと思えば、当然の事だ。
それはまさしく、悪鬼が如く。只々咆哮し、負傷を厭わず、敵を引き裂く事だけに腐心し――
――ゴォォ……ッ!!
「よ……ッと!」
そんな中で
高梨 煉
も、もはや出し惜しみせず派手に能力を駆使して戦っていた。風の刃を次から次へ生み出して、敵を切り裂き、傷つけていく。
それに伴って上がる、悲鳴。それは痛みだけではなく、得体の知れない力への恐怖もある。
絶対に能力は使うなよと、また逃げた妹を思って煉は、胸の中で小さく呟いた。
(本当は死にたくねぇよ、まだ生きていたい……妹を残して死にたくない……ッ!)
当たり前だ。叶うなら一生まっとうに過ごして安らかに終わりたかったし、せめて妹の事はこの手で守り抜いてやりたかった。
けれども生き延びるために、妹を守るために皆を置いて逃げ出したら、それもきっと後悔し続けるだろうと、煉は思う。自分で選び取った選択をきっと、死ぬまで後悔し続ける。
それ位ならば、ここで戦って戦い抜いて、仲間と一緒に散ってやろう。最後まで、戦い抜いてやろう。
そんな思いは、
屋敷野 梢
も変わらなかった。だが彼女はここで死ぬ気はない。
(無事に逃げられたでしょーか……)
他の仲間達が姿を見せない事に不安を覚えながら、きっと大丈夫だと言い聞かせる。仲間達とは、別の場所で再会しようと約束をしたのだから。
昔、先生から海を遥か南に進むと蝶が舞い花が咲き誇る常夏の島があると聞いたから――その島で、何としても生き延びて皆で再会しようと、手を握り合ったから。きっとそちらに先に向かったのだろうと、努めて前向きに考える。
気付けば階上から聞こえるざわめきは、近く、大きくなってきた。さすがに逃げなければ不味いと、きびすを返し掛けた梢は不意に、背中に焼け付く痛みを感じてビクリと身体を震わせる。
「………ッ!!」
大きく開いた口から迸る、声にならない悲鳴。痺れるような痛みと熱。
切られたのだと、悟った。思索に耽るうちに、近づいていた敵が居たのだろう。
「く……ぅ……ッ」
だが自分は、死ねない。死なない。何としても南の島へ、皆が待つ場所へ行くのだ……ッ!!
その想いを振り絞って、梢はぎゅっと目を瞑って小さく、辛うじて前へ倒れるように飛んだ。その瞬間、彼女の身は可憐な蝶へと変じ、よろめきふらふらと羽ばたき始める。
階上へ――城の外へ――そして島の外へ。必死に飛ぶ蝶に目もくれず、
春夏秋冬 真優
はひた走る。
真優が心に思うのは何としても1発、この戦いの指揮官を殴ってやりたという事。会いたい相手のイメージさえ出来れば、身体が走り出して相手へと会わせてくれるこの能力――それが、こんな風に使えると気付きたくはなかったけれども。
指揮官に会いたいと、願う真優の思いが彼を、相手の居る先へと走らせる。もちろん体力が無尽蔵にあるわけでもなければ、人知を超えた速度で走れる訳でもないが、どうせ最後だというのに死力を振り絞らなくてどうするのだ。
(一発気合入れていかねえと、な!)
故に、真優はただ走る。身体が疲労を覚え、全身から汗が噴き出し、心臓が早鐘のように鳴り響きながらも――倒れかけても、僅かに休むのみですぐに気合いを入れ直し、走る。
そんな真優を的に、数え切れない矢が射掛けられた。槍が突き出され、剣を構えた敵兵達が壁をなし――それでも。
(まだだ……!)
まだ、自分は届いていない。まだ、死んでいない。――まだ、走れる。
ならば走り続けると、ボロ雑巾のように傷つきながら走り続ける真優に、畏怖の眼差しが注がれたのにも気付かない。後ちょっと、後ちょっとだけ走らせてくれと、真優はただ願い、あらゆる所からから血を流しながら走り続ける。
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担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年08月25日
参加申し込みの期限
2014年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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