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ネコシマ王国最期の日。
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最後の祈りは済んでいた。神の国へと『戻られる』双子姫の先行きを、そして儚くなった人々の安寧を、祈らずに居られなかったから。
(神よ……姫様達に、王国の民達に、望む最後と神の国への導きを……!)
そうして祈る事しか、今の
恵御納 久隆
には出来ない。娘も、身重だった妻も、神殿へと逃げ込む前に最期の誇りを守るべく戦って死んでしまった。
それに、久隆が覚えるのは悔しさ。家族も、多くの民も守れず終わろうとしている自身の、無力への怒り。
けれども、と瞑目していた瞳を開き、荒々しく踏み込んできた相手へ向ける眼差しは、鋭い。己が力を目覚めさせれば、これまでの戦いで負った傷の分だけ、全身に力が漲る。
「をぉぉぉぉぉ……ッ!」
そうして咆哮し、久隆は真っ直ぐ駆け出した。自身の武器はとっくに使い物にならないから、拳だけを握って。
怒りと共に、走る。それは相手を――否、『敵』を1人でも多く傷付けるため――1人でも多く殺すため。
「地獄へ堕ちろ、愚者共が――ッ」
貴様等の恐れしこの地の民は、そこには居ないし、来ない。彼らに、こんな無残な死を遂げる理由はなかった。ただ、神に愛されたこの地で純朴に生きてきただけだ。
だから。そんな場所に彼らは、居ない。
「……私以外はなッ!」
気迫と共に、最も手近に居た歩兵に渾身の一撃を叩き込んだ。それは鎧の継ぎ目を強か打ち据え、予想以上のダメージを与える。
その衝撃に、たまらず敵が取り落した剣を、すかさず拾い上げて振るった。守れなかった久隆に出来る事はせめて、1人でも多くの敵を自分の地獄への道連れにして、そうして最後まで姫達を守る為に戦う事だけ。
そんな人々のただ中に、
レティシア・ル・テリエ
も居た。といっても彼女は騎士ではなく神官――戦う力を持たない身。
けれどもレティシアには、戦いで負った傷を癒す力がある。だから多少の危険は覚悟の上で、それでも指を咥えたまま民が傷つき倒れていくのを見るのは嫌だと、思ったのだけれども。
すぐ側で閃いた、鏃の鋭さに身をすくめる。
「きゃ……ッ!」
「危ない! ……大丈夫か、レティ」
「は、はい……」
そんなレティシアを強く引き寄せ、背に庇ったのは
神嶋 征一郎
だった。そうして気遣われた言葉に、レティシアは頷き唇を噛む。
力がない自分は、こうして征一郎に守られなければ、ここに立つ事も出来ない。それでも。
(……1人でも多くの方を助けられるのであれば、私の危険なんて些細な事です)
やっぱりそう思ってしまうから、そんな彼女を側で守ってくれる征一郎に、心からの感謝を覚えた。レティシアの願いを聞いた双子姫が差配してくれた、彼女にとって今一番頼れる騎士。
ちら、と傍らを見たレティシアの眼差しに気付かず、征一郎は己の身長ほどもある槍を構えて、鋭く敵を威嚇していた。ヴァイオリンの弦を思わせるそれは、圧倒的不利のこの状況にあっても、敵兵を怯ませる役に立っている。
鋭い眼差し。けれどもレティシアに向けられる時は、どこか優しく柔らかで。
(なんででしょう。神嶋さんには初めてお会いするのに、何故か懐かしい気持ち……)
彼の姿を見るたびに、レティシアはそう思ってしまう。だが今はそんな場合ではないと、つい考え込みそうになる己を叱咤した。
今は自分に出来る事を精一杯やる事が、レティシアの役目。それだけが、レティシアの願い。
そう、視線をまっすぐ戦乱へ向けるレティシアから、少しでも敵を遠ざけようと征一郎は、ブンッ! と大きく槍を振るった。ざわめく敵兵をどこまで退けられるかと、睨む視界の隅でレティシアを捉え、心の中で小さく笑う。
まったく、神様って奴は最後の最後に粋な計らいをしてくれる。この戦いの最中で迫害され、命すら危うかった誠一郎を救ったのが、他ならぬレティシアだった事からしてそうだ。
かつてこの国を離れ、他国で地位を築いていた征一郎が、それを良く思わぬ輩に絡まれるのは当然だった。ましてそれを退けるのに能力を――目を合わせて『オリアス』と唱えれば相手に過去のトラウマを見せつける、お世辞にも趣味が良いとは言えない能力を使ったら、なおさらだ。
そんな自分を、救ったのがレティシア。それを見ていた双子姫が、ちょうど良いからと彼女の護衛に自分を抜擢して――否、或いはもう1つの『秘密』を察しての計らいだったのか。
(……よもや妹と再会出来るとはな)
レティシア、征一郎の血を分けた妹。それを知っているのは征一郎だけで、レティシアは自分達が兄妹だなんて、夢にも思っていないだろう。
それで良い。でもこの妹だけは、絶対に守ってみせる。そうして守ったレティシアが生きていくために、この国も決して良いようにさせはしない……ッ!
そう、睨む征一郎と同じように
高梨 煉
もまた、妹の事を思っていた。もっとも、煉の妹はここには居ない。
こうなる前に逃げろと言っておいて良かったと、心の片隅で思う。能力さえなければ自分達は他国の人々と何も変わらないのだから、きっと生き延びられるはずだ。
そんな、ささやかな希望が煉の胸を確かに満たした。これで何の気負いもなく死ねると、得物を構えてにやりと笑う。
「さぁって、いきますかぁ!! 斬られたいやつは前に出ろ!」
そうして気迫高らかに、あちらの戦力を少しでも削るべく大きく1歩、前に出る。切っ先を突きつけるように巡らせれば、気色ばんだ兵の幾人かが鼻息を荒くした。
来いよ、と笑う。滅亡が避けられないのなら、せいぜい悪あがきしてやろう。
滅亡――その言葉を、皮肉な思いで反芻する。いつかこうなると漠然と思っていたのは、あくまで悲愴感を伴ってはおらず、決して実現すると思っていたわけじゃなかった。
でも今、王国は滅びようとしている。繁栄があれば滅びがあると、言ったのはどこの誰だったか。
もっとも、「仕方ない、諦めよう! ここを捨てて逃げよう! 大事なのは自分の命だ!」なんて言える『賢い』人間でも、なかった。精一杯足掻き、愚直な選択を愚直だと思いながら選ぶしか、彼には出来ない。
だが、そこから少し離れた扉の前、倒れたテーブルの陰で震える
桜庭 円
の胸に強くあるのは、怖い、という感情だけだ。怖い、怖い、怖い……死にたくない……ッ!
円が神殿まで逃げてきたのだって、襲ってきた兵士達が槍で子供を突き殺す姿を見て、怖くなったからだった。助けなきゃなんて、とても考えられなかった。
きっとあの兵士達には、情けも容赦も無いのだ。動かなくなった子供を見下ろした眼差しは、とても同じ人を見る眼では無かったから。
それを思い出し、ぞくりと身を震わせる。その拍子にまた、切られて倒れる人を見て――恐怖に染まる死者の瞳が見えて。
「ひ……ッ!」
目を逸らせず――だって少しでも目を閉じた瞬間、同じように切られたら、と恐ろしい――ただただ、震えてその末期を見届ける。その死をもたらした兵士を、やっぱり恐ろしいとしか思えなかった。
憎いとは、どうしても思えない。そう感じるある意味冷静な思考を、円はとっくに失っている。
ただただ、死を撒き散らす彼らが恐ろしい。動けない。――死ぬのはイヤ……ッ!!
そんな騒乱の中に、
握 利平
は堪えるように歯を食いしばり、立ち尽くしていた。瞳に映る光景を――映してきた光景を、血の滲むような想いで反芻する。
いつもオマケしてくれる林檎売りのおばちゃんが――道端でタバコをせがんで来るオヤジが――おっぱいの大きな花屋のねえちゃんが――仲間が――守るべき人達が――まるで何かの冗談のように死んでいく。紙切れのように切り捨てられ、壊れたおもちゃのように投げ捨てられ、物も言わぬ躯になる。
その、あまりにも非現実的な光景。夢にだって想像した事のなかった悪夢。
(この国は滅ぶのか?)
痺れるような思考で、そう思った。それを現実として認めなければならないのかと、強く唇を噛みしめる。
胸にこみ上げてくるのは悔しさと――申し訳なさ。利平の、利平達の力が足りなかった。弱かった。守るための力が、なかった。
「すまねえ、皆……ッ!」
血を吐くような想いで絞り出した言葉は、もはや届くべき相手を失っている。それも、知っている。
だから。
「――見てろ? このまま、あっさり殺られたりしねえさ」
そう、決意と共に利平は剣の柄へと手を伸ばす。
刻んでやろう。奴らの記憶に刻み込むのだ――この島で生きていた俺らの最期を――暗い角を曲がる時、壁の隙間に気付いた時、天井のシミを眺める時にふと蘇り、奴らの首筋を撫でる様な記憶を――ッ!
利平はすらりと剣を抜き放ち、叫びながら敵に向かって突進した。
「お前らッ! これ以上、好き勝手出来ると思うなよォォ!」
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担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年08月25日
参加申し込みの期限
2014年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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