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ネコシマ王国最期の日。
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手近な兵を捕まえて、
志波 武道
は油断なく辺りに視線を向けた。
骨削 瓢
の姿は今は、地中に潜っていて見えない。
どうせまた地中からの不意打ちを狙ってくるのは判っていた。武道と瓢、2人の戦いになってから瓢は何度も、その手で武道を傷付けている。
現れたらこいつを瓢目掛けて突き飛ばそうと、首元に剣を突き付ける。それで奴の能力の発動を阻害できれば重畳だし、接近する隙になれば御の字だ。
そう考えながら武道は、じくじく痛む足に手刀を叩きこんだ。一瞬のためらいも、容赦もなくたたき込んだそれは瞬間の痛みの後に、そこにある傷の痛みを麻痺させる。
この能力さえあれば、最期まで動ける。この力は、相手を無力化し必要以上に傷つけない為の力だけれども、今の自分にとっては限界まで痛みをおっても最後まで戦う事の出来るものだ。
深い傷を気力で堪え、激しい痛みは力で誤魔化してきた。もし剣が握れなくなったとしても、腕がぶっ壊れるくらいの力で心臓か脳天に手刀を放ってやろう。
瓢だけは絶対に、何があっても許せないから。武道の大切な存在を奪った彼を、殺すまでは死ねないから――
(……ッて。まるで見世物か?)
不意に周りを遠巻く眼差しに気付いて、あぁ、と皮肉な笑みを口の端に引っ掛ける。瓢と武道、同じ国の人間同士が憎しみ合い、殺し合っているのはさぞ滑稽だろう。
それともありがちな悲劇と思ってるのかと、考えた武道は不意に気配を感じ、『盾』を思い切り突き飛ばした。飛んできた鋭い鏃がその喉笛に突き刺さり、声にならない悲鳴が上がる。
「そこか!」
「ブドーはんも懲りないお人だねぇ」
その矢を放った瓢は、歯を剥いて吠える武道に笑いながら続けざま、敵も味方も関係なく矢を次々と乱れ撃つ。誰かが武道の動きを止めてくれたら、感謝を込めてそいつごと射抜くつもり。
敵味方、どっちがどっちだって構いやしない。大切なのは生き残る事。そのために今、邪魔なのが武道であるという事だけ。
故に嗤いながら矢を射かける、瓢の動きが不意に鈍った。己が射抜いた味方の――武道にとっては敵兵の身体が倒れかかってきたのだ。
その隙を武道は見逃さない。相討ち出来れば上等だとばかりに、瓢に身体ごとぶつかっていく。
文字通りの渾身の一撃は、瓢の体に深く突き刺さった。腹を抉った鋼の塊は、容赦なく肉を裂き、骨を砕き、腹の腑を潰して瓢の奥深くへと潜り込む。
だが、それが武道の限界。剣を握る手から力が抜け、そのままずるりと崩れ落ちた武道の身体を、ぼたぼたと瓢の腹からあふれ出る赤が汚していく。
――そして。
「……ガ……ッ!」
そこに雨のように降り注いだのは――瓢の『味方』であるはずの連合軍の放った矢。あぁなるほどと、もはやどこが痛いのかも解らぬ痛みの中で、瓢は嗤う。
ここが自分の限界か。否、もっと上手く、もっと抜け目なく立ち回れる。あぁ、けれども――
(タリ……ナイ……ッ!)
まだ足りない。まだまだ足りない。この生を、戦乱を、混沌を、まだ遊び足りないのに……ッ!
それが瓢の思考のすべて。最期の想いの、すべて。
そのままどぅ、と倒れた瓢の姿を、武道は死にかすむ瞳に映して――笑った。それは心からの、飛び切りの笑顔。どこか無邪気な子供を思わせる、嬉しそうな顔。
意図して、その笑顔を浮かべ続ける。胸にあるのは自分たちを殺した、殺そうとしている、滅ぼそうとしている敵達への尽きせぬ怨嗟の呪い。
守れなかった、殺された弟。壊されたすべて。特別でも何でもなかった、当たり前の日常。夕暮れ。また明日と、笑って手を振り合った。
それは――自分達から奪ったこいつらにだってあるはずのもの。だから。
(未来永劫、家族の、国民の笑顔を見るたび、この惨劇を思い出しやがれ……ッ!)
自分達が手に入れようとする平和が、この血の上にある事を思い出せ。その笑顔の下に、踏みにじられた笑顔がある事を思い出すがいい……ッ!
そうして幾つもの怨嗟が渦巻き、命が失われていく中で、神殿の中でもまた命が失われようとしていた。
「グ……は……ッ!!」
「神嶋さん……ッ!」
周囲をぐるりと囲まれた、
神嶋 征一郎
の身体に何本もの槍が突き刺さる。その背後には、最後まで生存者を救おうと奔走していた、
レティシア・ル・テリエ
の姿。
自分の所為だと、レティシアは唇を噛み締めた。怪我人を救うために必死に、我が身も顧みず走り回ったから――そのせいで、敵に囲まれてしまったのだと。
だが征一郎は、そうではないと首を振る。もはや生き残っている者よりも、死体の方が多いこの神殿の中で、生きた者に狙いを定めるのは難しい事ではない。
そんな中、レティシアを1人遺して逝くのは心残り以外の何物でもない、けれども。
「……自分はどうやら此処までのよ、だ……」
「そんな……!」
全身に傷を負い、それでも自分を庇うように倒れ込んできた征一郎の手をレティシアは、悲痛な表情で握った。何としても癒したいと強く願い、必死に「神嶋さん!!」と呼びかける。
「神嶋さん、神嶋さん……ッ! 神嶋さんが怪我をされて……それで私が生き残っても! そんなの、全然嬉しくないです……ッ!」
「は、は……」
そんなレティシアに、征一郎はこんな時でも――こんな時だからこそ、柔らかく微笑んだ。握られた手はひどく暖かく、初めて触れた心地がする。
愛しい、大切な妹。たった1つ、何をおいても守りたかった少女。――出来るならもう少し、否、もっと一緒に居たかった。
それがもはや叶わない事は、自分自身が一番よく解っている。だから。
「てめ、ぇだけでも生き延び、て幸せに……それが自分……の願いだ……」
震える声でそう告げて、必死に血濡れた手を彼女に伸ばした。柔らかな頬を汚す血と涙を、拭おうとして上手くいかない。
「――……僕は、君の事を本当に……大事に想っている……」
愛しい妹――と。吐息のように紡いだきり、動かなくなった征一郎にレティシアは「いやぁぁぁぁぁッ!」と叫び声を上げた。
握った手から力が失われ、命の灯までもが失われていくのが、解る。解ってしまうから、レティシアは必死に征一郎呼んで、彼の命を留めようとする。
「神嶋さんッ! 神嶋さん……ッ! いまさらそんなこと言われても、私……!」
混乱した。どうしたら良いのか解らなかった。何より、彼が失われるのが恐ろしかった。
だから必死に彼の手を握り、これ以上なく真剣に祈りを捧げる。どうかこの方を癒して下さいと――この方の命を留めて下さいと――だってレティシアはまだ、何も彼に応えてはいない――ッ!!
――ドスッ!!
「く……は……?」
不意に焼け付くような衝撃を覚え、レティシアはびくりと身を仰け反らせて目を見開いた。震える眼差しを胸元に落とせば、血濡れた鋼の刃――レティシアの背中を貫通した、それ。
あぁ、と悟った。兄だと名乗ったこの人の、最期の願いすら――聞き届ける事が出来ない――
(ごめ……なさ……)
つぅ、と一筋の涙を零しながら、レティシアもまた征一郎の上に崩れ落ちた。――最期までしっかりと手を握り締め。
そんな悲痛な光景の上に、流れるのは
津田 亮悟
の壊れたようなレクイエム。けれども彼の身体は銅像の上ではなく、床に落ちて血に濡れている。
大勢から一気に弓を射かけられたら、さすがにあっけなかった。あっさり亮悟の小さな身体は矢だらけになり、どこが痛いのかも判らなくなった次の瞬間には、床に全身を叩きつけられていて。
魂を込めて呪ってやろうと、思う。このレクイエムはその呪文だ。奴らの耳から入り込み、魂に絡みつき、やがていつか奴らが同じように誰かに攻められて死ぬ時まで、永遠に死を奏で続ける。
「こ……いう、の……因果……応報っていう……んだ……ッけ? 楽しみに……してろ、よ、な……」
亮悟が奏で続ける音は、指も動かず意識も途切れがちで、不協和音が耳障り。それでも執念のように、途切れ途切れの息を送り続け、レクイエムを奏で続ける。
その光景に、
握 利平
はたまらず叫んでいた。
「お前ら、勝って嬉しいか? ジジイを、女を、子供を切って楽しいか……ッ!?」
その声に返るのは、沈黙。それに、はっ、と嘲笑ったら剣が構えられ、利平へと向けられる。その数は多い。――それほどに奴らの恐怖は、深い。
ならば気を付けろと、嗤ってやった。
「俺らの能力は、神様からの貰いもんだ。死ねば体を抜けて、敵に取り憑く――覚悟決めて、切りやがれェェ……ッ!!」
叫びながら血に濡れる手で握った剣を振り抜いた利平の身体に、その何倍もの刃が突き刺さる。カハッ、と血を吐いて、利平は今度こそ剣を永遠に取り落とした。
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担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年08月25日
参加申し込みの期限
2014年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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