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ネコシマ王国最期の日。
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もはや戦う力も、守る力もこの体には残されていない事を、
風雲児 轟
は悟っていた。まだ辛うじて立ってはいるが、それだけだ。
自分でも不思議なほど静かな気持ちで、自分を取り囲む敵の顔を眺める。殺気立った顔。血に酔いしれ、だがどこか怯えた表情。
それに、――仕方ないなと思えた。自分達を虐殺し、滅亡させようとしている相手が、それでも同じ人間なのだと思えた。
だから、頼みがあると言葉を紡ぐ。警戒の表情が浮かぶのに、笑う。
「……最後に頼みたい……」
きっと本来なら、自分達が最初に気付かなければならなかった事。与えられる豊かな恵みを、享受するだけではいけなかった事に、気付けなかったからきっと自分達は今、神に見捨てられ滅亡の道を歩んでいる。
だから。島の恵みを今必要としてる人に分け与え、1人でも多くの人を笑顔にして。――願わくばこんな悲しい戦いの犠牲者は、自分達だけで終わらせて欲しい。
それが、轟の願い。聞いてもらえるかも解らないが、どうしても伝えたかった最後の願い。
「それを守ってくれたら、この島の神様もお前達を悪いようにしないはずさ。なんならこれから俺が頼みに行ったっていい」
そう告げて轟は、最後の力を振り絞り天高く拳を突き上げた。惚けたように轟の言葉を聞いていた兵士達が、何か不思議な技を行うのではと、慌てて槍で突く。
だが――それよりも早く轟の魂は、身体から離れていた。頼んだぞと、自分ではない誰かが思った気がする。そうして……『お前達』は、こんな最期を迎えるなよ? と。
それは、誰だろう。誰の事、だったのだろう。そう思ってる、自分を見ている『誰か』は――
(……あれは……俺……?)
目が合った、と思ったのは幻か。そう思う轟の魂は、遥かな高みへと登って行く。
そうして――すべてが破壊され、殺され尽した故郷の光景を、
矢萩 咲
は深い絶望で見つめた。すべてが、本当にすべてが終わったのだ。
――戦いの最中で気を失った咲が、意識を取り戻した時には拘束されていた。しかも防具なども剥ぎ取られた、無防備な状態で。
『皆はどこだ!』と思わず叫んだら、そばに居た男がニヤニヤしながら戦いは終わったと告げた。今は島中を虱潰しに捜索しながら、民の遺体を集めて燃やしているという。
それに――眩暈が、して。思わず咲は、絶望のままに叫んでいた。
『……くっ、殺せ!』
『殺すさ。皆殺しだからな。けど……殺す前に楽しんでもいいよな?』
『!? まさか……や、やめろ……いやぁ……ッ!』
だが、そんな咲にもたらされたのはそれ以上に深い絶望で――それを鮮明に思い出し、大きく咲は震えた。奴らはビームで皆殺しにしたが、刻み込まれた行為は消えない。
だが身を汚された事はなく、何も為さぬまま終わってしまった絶望の方がより、深い。姫達も、仲間も、民も――守るべきもの、人、全てはもはや取り返しのつかない場所へと行ってしまった。
「咲は……何も守れなかった……ッ! ごめん、皆……ごめん………ッ」
故に咲は涙をこぼす。奴らに良いように扱われた事よりも、その事が一番悔しく、咲の心を千々に引き裂く。
ぽたぽたぽたと、透明な滴を止めどもなく流しながら咲は、痛みと絶望で鉛のような身体を引きずり、辺りの石を拾って塚を築いた。せめて、皆の墓を作って弔ってやりたくて。
どうにか築き上げた塚は、ひどく不格好だった。だがこれが精一杯だと、頭を垂れてまた悔し涙を流す。
もはや、彼女が生きる意味はない。何も守れなかった自分に、生きている価値はない。
だから。
「……咲も今から、そこに行くから」
涙に塗れた顔で微笑んで、咲は短剣をすらりと抜いた。そうして自らの喉を突いたのだった。
●
陸はまだなのだろうかと、朦朧と思いながら蝶の姿で
屋敷野 梢
は飛び続けていた。否、本当に自分は飛んでいるのか、それすらも解らない。
視界のおぼつかない梢を突き動かすのは、仲間達との約束。あぁ、けれども――いつになったらこの海を越えられ、皆に再会出来るのか――
(ぁ……?)
ふいに人影が映った気がして、梢は気持ち、目を瞬かせた。ぼんやりと白い人影に見えたそれは、見る見るうちに輪郭を取り、見知った姿へと変わる。
あぁ、とその姿に、歓喜の声が漏れた。
『先生……皆……! よかった、私も皆も……海を越えられたんですね』
いつの間にか梢は、蝶から人の姿へと戻っていた。そんな梢を、皆が笑って迎えてくれる。遅いじゃないかと言うのは兄弟子だろう。さぁ研究を始めようと、兄弟子を窘める師の手には梢が隠した資料がちゃんとある。
良かった、と思った。これでもう1度、始められる。元通り、皆で研究し、学問を深め、調査して――
「これで……もう、1度……」
そう、呟いたのが彼女の最期。それきり動かなくなった梢を悲しそうに見下ろす、2人の少女の姿があった。
頼りなく揺れるボートの上だった。海の上を飛んで来た蝶を掌に受け止めたのは、それが少女達の愛する民だと解ったからだ。
少女達は頷き合って、梢の身体を海へと還した。ゆっくりと青に染まり沈んでいく少女を見守りながら、そろそろ逝かなければ、と思う。
神の末裔(スエ)たる少女達の、双子姫のそれが責務。この血に宿る力は――この血の在る所は『必ず』豊かに栄える王族の身が持つ能力は、この世に在ってはならないのだろうから。
瞑目する。ネコシマの民、全てを彼女達は愛していた。幸せだった。幸せに、したかった。――なりたかった。
「アオイちゃん……」
「そうね、ノノちゃん」
双子の姫はそう、頷き合って互いの手を握る。海の底は果てしなく深く、青き空は途方もなく高い。
願わくば、と思う。次にはこんな悲しい事がなければ良い。ネコシマの民も、彼女達も他の誰とも変わらず、フツウに、幸せに――
そう、儚く願いながら少女達はボートから一歩、小さく踏み出した。
●
ふと目が覚めるとそこは、いつもと変わらぬ自分の部屋だった。そのはずだと、暗がりの中で
御剣 刀
は考える。
今が夢なのか現実なのか、よく解らない。闇に沈んだ部屋はまるで、『あの時』力尽きて目の前が暗くなった続きのようで、実は自分が今見ている光景が夢ではないかとすら錯覚する。
外から僅かに差し込んでくる、朝の光。起き上がり、いささか乱暴に朝の光を部屋へと招き入れた。
途端、確かに見慣れた部屋の光景が朝日の中に浮かび上がってほっとする。
「夢かよ!」
大声で毒吐いたのはその光景を、一刻も早く夢にしてしまいたかったから。――ただの夢で良かったと、安堵したかったから。
――守ろうとして、力及ばず守れなかった夢。だがあれは夢だと、刀は強い瞳で朝日に照らされる窓の外の光景を見ながら、思う。
あれはただの悪夢で、刀が守ろうとしている現実は、刀の世界(フツウ)はちゃんと、ここに在る。
「……俺は俺のフツウを守ってみせる」
だから強く呟いて、刀は窓の前から離れた。守るべき『フツウ』のため、いつもの鍛錬に向わなければ。
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あとがき
担当マスター:
蓮華・水無月
ファンレターはマスターページから!
いつもお世話になっております、または初めまして、水無月 深凪です。
この度はご参加頂きまして、本当にありがとうございました。
とある夏の夜の夢の物語、いかがでしたでしょうか。
どなたさまのアクションもとても素晴らしく、何度か読みふけってその情景を思い浮かべながら突っ走ってみたら、こんな感じになりました(こくり
今さらですが、ネコシマ王国の日常とかも楽しかったかもしれませんね。
いきなり滅亡してしまいましたが(←
お届けさせて頂きましたリアクションが、皆様に僅かなりとも楽しんで頂ける物であれば、心から嬉しく思います。
またのご縁がございましたら、どうぞ宜しくお願いいたします(深々と
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年08月25日
参加申し込みの期限
2014年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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