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花火大会、夏の思い出
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【応答せよ、聞こえてますかにゃん?】
「たーまやー!」
ばーんと打ち上がる花火に、
八十八旗 信彦
は両手を打ち鳴らして喜んだ。
「すごいね、ちーちゃん! 俺たちの前途を祝して、盛大に花火が上がっているよ!」
「ぼくたちのため……って、何を言っているんだい、きみは」
また調子のいいことを……、と思いつつも、
上穗木 千鶴
はそわそわしだした。
花火は美しく、エノコロ岬で、今は信彦と二人きりだ。
浴衣を着て、夜のお出かけだというだけでも気が張るのに、今日の千鶴は信彦に尋ねたい事柄があって、緊張に胸が締め付けられるようだった。
「その、だね。きみにひとつ、質問があるのだが」
「なんだい、ちーちゃん。……あっ、ひまわりの形の花火だよ!」
「う、うん。そうだね……。それで、だ」
意を決して、時折口ごもりながら、千鶴は言う。
「あの……、あの日のことなのだが。その、昔のきみと話した……」
「俺と話した? ああ、今日、花火大会に来ようって言ったこと? 晴れてよかったよねー」
「いや、そうではなくて、ほら。先日、驚いただろう? 昔、夏休みに……」
「うんうん、夏休みも、もう終わりだよね。また学校が始まると思うと、とってもエキサイテングだよ」
ばんばんと、次々に花火が打ち上がる。
大きな破裂音と、うつむきがちな千鶴のもごもごした声とがあいまって、意思の疎通が難しい。
けれど信彦は、紳士たるもの、何度も聞き返したりしてはいけないと、聞き取れない部分は想像で補った。
「そう、驚きの事実だった。まさか、
思い出のあの男の子
が、信彦くんだったなんて……」
「んー? 思い出? そうそう、もちろん今日の花火は、いい思い出になるさ!」
「……いい思い出? それは本当かい、信彦くん!」
「もちろん本当だよ、俺がちーちゃんに嘘なんてつくはずないのさ」
きらんとポーズを決めて言い切る信彦に、千鶴は熱っぽい視線を向けた。
「ぼく、まさかと思いながらも、あの男の子が信彦くんで、とても嬉しかったんだ」
「んーんー。俺もー」
「その……、運命、を、感じた……、というか……、だね」
「ふんふん?」
「他の人など目に入らない、というか、だね」
「他の人? あー、なるほど! 浴衣美人がたくさんいるけど、もちろん一番きれいなのは、ちーちゃんさ!」
「えっ、一番!? ぼくのことを一番って言ったのかい?」
「一番きれいなちーちゃんに、今夜一番美しく輝いた花火を捧げるよ!」
自信満々に言ってのけた信彦に、千鶴は喜びのあまり、くらりと目眩がする。
幼い頃、夏休みに訪れた別荘地で、千鶴は信彦と出会った。
無邪気に交わした、結婚の約束。
そんなものを未だに真に受けているわけではないのに、あの少年が信彦だと知ってしまえば、もしかしてあの約束は今でも有効なのではないかと、気にかかってやまない。
すっかり忘れていた約束なのに、高校にあがって、千鶴は信彦に恋をした。
因縁めいた関わりに、彼の誠意を問いただしたくて、気が気じゃないのだ。
寝ても信彦、起きても信彦のことばかり考えてしまう。
常々、どうして彼のことが好きなのだろうと思っていた千鶴だが、近頃ではその情熱も加速する一方だ。
子どもの戯れで交わした約束だと、頭ではわかっている。
けれど、万が一を信じたかった。
「……あの頃、ぼくたちは小さかったけれど」
「うん? ああ、あー、そうだね、子どもだったよね」
「今は、どうなのだろう。きみの気持ちは、変わってしまったのだろうか」
「変わったかって言ったよね? んーそうだなあ、俺はともかく、ちーちゃんは変わったというか、育ったというか……。今の髪型も似合うよ! かわいいよね!」
「かっ、か、かわいい!? そ、そんな破廉恥な……」
「破廉恥!? 破廉恥なことをしている人がいるのかい? どこ、どこ?」
きょろきょろする信彦の袖を千鶴が引いた。
「本当の気持ちを教えてほしい。あの日の約束、信じてもいいんだろうか」
「へ? 約束?」
信彦はうなった。
「約束~? うん、約束ね~」
珍しくまともに聞き取れた信彦が、頭を悩ませる。
正直なところ、心当たりが多すぎた。
ディナーに誘った覚えもあるし、一緒に遊びに行くという約束もしたはずだ。
どれのことかはわからないが、千鶴が返事を待ちわびているのだけはよくわかった。
「そ、そうだなぁ~」
考えこんで上空を見上げた信彦の視界に、サンマさんの花火が上がる。
「おおっ」
「……どうしたんだね、信彦くん」
「驚きだよ、せにょりーた! 夜空をサンマさんが泳いでいたんだ。いや、破裂していたというべきかな!」
「は、破裂……!?」
「職人の技の粋を極めた、最高の花火だよ。極上の花火を、なんとしても大切なちーちゃんには見せてあげたいなっ」
「大切……、えっ、ぼくが大切……!?」
神魂の影響で、信彦は饒舌になっていた。傍目には見分けがつかなくても、なってはいたのだ。
「ああ、ちーちゃん。その美しい瞳を、空高くきらめく花火へと向けてごらん」
「花火を見てほしいのかい?」
「そうとも、見るべきだよ、ちーちゃん。ちーちゃんに見てもらえれば、花火だって舞い上がるだろうよ!」
「う、うん」
信彦にうながされて、千鶴は花火を見上げた。
「素敵だよ、ちーちゃん。ちーちゃんのつぶらな瞳の中で、花火が輝いているんだ!」
「そ、そうかい……? おや? ん、にゃー?」
流れるようにぺらぺらと、千鶴への賛美を口にする信彦だったが、空に上がった猫の形の花火を目撃して、千鶴もなにやら様子が変わった。
「……信彦くぅん、にゃんにゃんにゃんこの花火があったにゃ~」
「そうかいそうかい、きっとにゃんこも、キュートなちーちゃんに挨拶がしたかったんだと思うよ!」
「信彦くん、信彦く~ん」
「なんだい、ちーちゃん。愛らしい声で名前を呼ばれたら、どきどきしてしまうよ」
ぺったりと、信彦の胸にすがりついて、千鶴が甘えた。
「信彦くんにくっつくにゃん。信彦くん、あったかいにゃ~ん」
うっとりと目をつむって、千鶴がそっと顎を持ち上げた。
「どうしたんだい、ちーちゃん。もしかして、おねむの時間かな?」
「んーん。信彦くん、ちゅー」
「ちゅ!?」
大人しくキスを待つ千鶴に、信彦は驚いて我に返った。
確かに花火大会という場はムードがあるかもしれないが、流されてしまうのははばかられる。
特に、浮気的な観点で。
「えーっと、ちーちゃん。よしよし」
少しばかりためらって、信彦は千鶴の前髪をかきあげ、額にちゅっと唇をつけた。
柔らかな刺激に、千鶴がぱっと目を開く。
「……の、の、信彦くん……!!」
どうやら千鶴も、神魂の影響から解き放たれたようで、目をまんまるにして、声を震わせた。
「うわあああ! なななななっ……!」
口をぱくぱくさせる千鶴の顔がぐんぐん赤くなっていくのを見て、信彦はいつもの千鶴だと感じ、空気がふっと軽くなったことに安堵した。
【上昇気流にのって、どこまでも】
「おっとぉ、こりゃぁ見てられないねぇ」
千鶴の額に口づけた信彦を見て、
骨削 瓢
はにたりと笑った。
「右を見ても、左を見ても、参っちまうよォ。色ボケ共の熱気で、むんむんさぁ」
花火もそっちのけで、互いしか目に映っていないようなカップルが、エノコロ岬には大勢いる。
人が少ないはずのエノコロ岬でこうなのだから、本会場の海岸では、どうなっていることやら。
「いい気になっていられるのも、今だけさぁ。刺激的な夜にしてやるよぃ……!」
瓢は、しっとりとした雰囲気のただよう、社会人らしいカップルに目をつけた。
瓢のろっこん『悋気の独楽』を発動させると、目の前に小さな竜巻が現れる。
「それそれ、邪魔しに行くんだよぃ!」
何やらキザなセリフを垂れ流しにしているサラリーマンに竜巻を放つと、彼は悲鳴をあげつつ、同行していた女性をかばった。
手作りらしいお弁当がひっくり返り、悲鳴が上がる。
「ほぉ~う、アツアツだねぇ~」
竜巻に襲われながらも、強固な絆で結ばれているらしい二人は、抱きしめた腕を放さない。
「いいねぇ、それでこそ、こっちも威力が増すってもんさぁ!」
突如巻き起こったトラブルに煽られて、その場に居合わせた人々の恋愛脳にも拍車がかかったようだった。
竜巻がぐんぐんと成長していき、草花を激しく揺らす。
お弁当だけでなく、道中の屋台で買い求めたらしき品々や雑多なゴミが、周囲から渦を巻きつつ寄せ集められた。
「今日の風力はなかなかのもんだよぃ。こりゃぁ、アレを試してみたくなるってもんさぁ」
瓢は自らが生み出した竜巻に突撃し、荒れ狂う風の流れに身を任せた。
足が地面から離れ、身体が宙に放り投げられる。
「おっとぉ~」
バランスはとれないが、常に竜巻に煽られ続けることで、地面からは遠のいていられるようだ。
「しっかし、視線が定まらないねぇ」
上空から、カップルめがけてさんざん嫌がらせをしてやろうと張り切る瓢の元に、駆けつける人物がいた。
「……騒ぎの元凶はここだな? 場を乱すのはやめてくれ」
「ヒーローの登場かい? 楽しいことになってきたよぃ」
仮面をかぶった
灯 斗南
が、瓢に大人しくする気がないのを見てとって、ろっこん『イグニッションハート(点火する心)』を発動させた。
拳には拳を。そして、ろっこんに対応するには、ろっこんを、だ。
今夜、自分が何をするべきなのか、斗南はしっかりと把握していた。
迷いがないぶん、炎の威力も高いようだ。
斗南の手の平から吹き出す炎を目の当たりにしても、瓢はへらへらとした態度を崩さない。
「どうやら、言うだけ無駄のようだ」
「わかってるじゃぁないのさ~。ほぃよ、真っ向勝負だよぃ、無粋なヒーローは迎撃さぁね!」
竜巻をぶつけてこようとする瓢に向かって、斗南も炎を繰り出した。
どちらも遠慮のない、能力のぶつかりあいだ。
形のないもの同士が真正面からぶつかって、辺りが花火に負けないほど赤く照らされる。
「おっと、こりゃぁ……!」
風に煽られた炎は威力を増し、炎と合体した竜巻が、燃えさかりながら高温を発して拡大した。
手に負えないほどの風力と熱量を発する竜巻が、コントロールを失って瓢を巻き込む。
「こいつぁ、すごい威力だねぇ~! 愉快だよぃ!」
温められた空気が、上昇気流となって、竜巻とともに瓢の身体を空高く持ち上げた。
瓢の目に、空を見上げておののく人々の姿が見える。
こんな表情が見たかった。
炎をまとう風に巻き上げられ、上空へと跳ね飛ばされながら、瓢は愉悦にひたり、声をあげて笑った。
炎と光の帯をひきながら、この日、瓢は花火と化した。
「……あいつ、大丈夫だったかな」
瓢の行く末を案じながら、斗南は路地裏に潜んでいた。
竜巻と共に飛んで行った瓢の安否は不明のままだ。
だが、おそらく自力でどうにかするだろうと思わせるだけの図太さが、瓢にはあった。
仮面をつけたまま、斗南は次の騒動を収束させるために、人目を忍んで行動していた。
人の集まる場所には、不要なトラブルをを巻き起こす陰が引き寄せられる。
今、斗南が物陰から様子をうかがっている不良どもも、そういったたぐいの人間だ。
不快な笑い声をまき散らしながら、悪巧みの相談をしているのが聞こえる。
問題を排除するのが、自分の役目だ。
そう考える斗南は、彼らの不品行を正すべく、物陰から飛び出し、殴りかかった。
鈍く人の身体を打つ音がする。
やがて拳をさすりながら路地を出てきた斗南は、次の目標を定めるべく、ひっそりと歩き出した。
仮面を外すことができるのは、花火大会が終わった後だ。
それまで斗南は、闇に潜んで、己の信じた道を行く。
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コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月06日
参加申し込みの期限
2014年09月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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