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花火大会、夏の思い出
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【にゃんこちゃん、理由を問う】
人の多さに
市橋 誉
がため息をつき、彼か辟易していることに、
市橋 奏楽
はすぐに気づいた。
「……誉、エノコロ岬へ行かないか? サブ会場だから、ここより人が少ないはずだよ」
「そんなところがあるのか。よし、行こう」
飲み物だけ買って、エノコロ岬へ向かいながら、奏楽が言った。
「きっとエノコロ岬からでもきれいに見えるよ。この花火大会、盛大で見応えがあるから楽しみだな」
「来たことあるのか?」
「うん、昔ね。よく来てたんだよ。今年は誉と一緒だな、嬉しいよ」
浴衣の裾を揺らしながら、二人は岬へと坂道を上っていく。
「ほら、ここだよ。空いてるだろう」
「本当だ。静かでいいところだな」
人はちらほら見かけるものの、息が詰まりそうだった海岸とはずいぶんと雰囲気が異なる。
誉はほっとして、周囲を見回した。
「……懐かしいな」
ぽつりとつぶやく奏楽の声が耳に届く。
以前、奏楽から届いた暑中見舞いハガキに、エノコロ岬が描かれていたことを思い出す。
不意に届いた一枚のハガキに込められた意味を知りたいと願いつつ、これまで尋ねる機会に恵まれなかった。
「ああ、ほら。誉、花火が上がるよ」
奏楽に肩をつつかれて、空を見た。
圧倒的な存在感を誇る光の輪に、思わず見とれた。
「きれいだな。……見に来てよかった」
つぶやきながら隣を見ると、奏楽と目が合った。
「……奏楽、花火を見ろよ」
「見てるよ、もちろん」
嬉しそうに微笑んで、奏楽も上を向く。
すっと伸びた首筋の先にあるまっすぐな眼差しが、奏楽も花火を楽しんでいるのだと教えてくれる。
一人で見に来るのはためらわれて奏楽を誘ったのだが、共に来てよかったと誉は思った。
隣に並んで、一緒に同じものを見て、感じたことをすぐに伝えられる。
その距離感と、言動に気を遣わなくてすむ気安さに、心が安らぐ。
「奏楽、花火が回転してる」
「うん、見事な回りっぷりの仕掛け花火だ」
「うわ、この花火、どんどん色が変わるな。……何色あるんだ?」
続々と上がる花火は、スタンダードなものから遊び心があるものまで様々で、見ていてちっとも飽きることがない。
落ち着いて花火を見ることができるのは、この場所に移動したからかもしれない。
この場につれてきてくれた兄に感謝して、横目でちらりと奏楽を見ると、不意に彼が声をもらした。
「あっ」
「どうした、奏楽」
「え、誉、今の見なかった? サンマさんの花火が上がったんだ」
「なんだって!」
見逃したくやしさから、誉は食い入るように夜空を見上げた。
「もう一回上がらないかな」
むきになる誉に、奏楽がやけに甘ったるい口調で告げた。
「夢中になって、誉、かわいいな。けれどそんなふうに誉の視線を独り占めするなんて、花火に妬いてしまいそうだ」
「は? 何言ってんだ、奏楽」
いつもの奏楽なら言いそうにないセリフに違和感を覚えたが、誉はどうにか自分もサンマさんの花火を見てやろうと、空に注意を向けていた。
「真剣な顔をして、そんなにサンマさんが恋しいのかい?」
「恋しいとかいう問題じゃないだろ。ああ、今のは猫か。かわいくても、あれはサンマさんじゃないにゃ」
「にゃ?」
「サンマさんの花火、もう上がらないのかにゃん。俺も見たかったのに、くやしいにゃっ」
「どうしたの、誉。なんだかとっても、かわいいね」
「……奏楽。もっと近くに来るにゃん」
ふいに人恋しさを覚えて、誉は花火ではなく、奏楽を見つめた。
あんなに見たかったサンマさんの花火より、ずっと気になることがある。
「奏楽、俺を見るにゃ~」
「見てるよ。俺はいつだって誉を気にしてる。知ってるだろう?」
「もっともっと、俺を見るにゃん。俺、奏楽に教えてほしいことがあるにゃ!」
「何でも言ってごらん。かわいいお口から、俺にどんなおねだりをしてくれるんだい?」
「俺にゃ、奏楽が
このあいだ送ってくれた暑中見舞いハガキ
があったにゃ。あれの絵の意味が知りたいにゃん」
「絵? ああ、描いたね。エノコロ岬を描いたんだ」
唐突な質問に心臓を跳ねさせて、奏楽は誉に笑顔を向けるよう心がけた。
「誉は、気にしなくていいんだよ。俺が、好きで描いたんだから」
「でも俺、ちゃんと奏楽の気持ちが知りたいにゃん。ごまかさないで、教えてくれにゃん!」
「ごまかしてはいないさ。誉が俺のことを知りたいと言ってくれているのに、ごまかすはずないだろう」
「どうして、エノコロ岬だったにゃん……?」
つぶらな瞳でうるうると見つめられて、これはかなわないなと、奏楽は肩をすくめた。
「参ったね、そんな目で見られたらどうしようもないじゃないか、子猫ちゃん」
「……教えてくれるにゃ?」
「もちろんだよ、俺のかわいい誉。話して聞かせるほどのことじゃないかもしれないけどね」
「ささいなことでも、俺は聞きたいにゃん……」
甘えるように身を寄せてくる誉の頭を、奏楽はなでた。
「エノコロ岬はね、無くなった父と母に、よく連れてきてもらっていたのさ」
奏楽の目が、過ぎてしまった過去の幻を追うように、さまよった。
「あのハガキは、父母を思って描いた。自分を見つめ直しながらね。そして、誰に送るか考えたとき、誉、お前しかいないと思ったんだ」
「俺に、大事なハガキをくれたにゃん……?」
「ああ。誉は、俺の大事な人だからね。送るなら、誉がよかった」
きゅーっと唇を噛みしめて、誉は奏楽にしがみついた。
「そうだった……、にゃん。俺、全然気づかなくて、ごめんにゃ~……」
「謝ることないよ。そんな顔をしないで」
「けど、俺っ、……奏楽には、俺と父さんと母さんがいるにゃん!」
意気込んで真剣に告げる誉に、奏楽は内側からほころぶような笑顔をみせた。
「ああ、そうだね、誉」
「これから、過去の思い出に負けないくらい、俺と一緒に思い出を作っていこうにゃん!」
「うん。ありがとう。誉は優しいね、俺だけのかわいい大事なにゃんこちゃん」
「俺……、俺たちには、奏楽が必要だ、にゃん」
「大丈夫、言われなくてもわかってる。感謝してるんだよ、本当にね」
「奏楽、俺、俺……っ」
しがみついてきた誉を抱き返し、柔らかな髪をよしよしとなで続けた。
「奏楽、ありがとう、にゃー……」
「誉、いい子だ……、とっても……、ん!?」
びくっと身体を震わせて、奏楽の動きが止まった。
「奏楽、どうかしたにゃっ、……んっ!!」
舌を噛みそうな勢いで、誉もぱっと口を閉ざす。
はたと我に返った二人は、ぎこちなく目を合わせた。
途方もない居心地の悪さに、むずむずして背中をかきむしりたくなる。
「おおお、おい、奏楽……。俺、俺はべつに、だな……」
「大丈夫、大丈夫だよ、誉。俺はおそらく、平常心だ。動揺なんてしていない……」
雰囲気にのまれて、何かとんでもないことを口走った気がしていた。
直前までの言動を振り返った誉の顔が、首まで一気に赤くなる。
「まず、離せ」
そっと身体をはがして、誉はくるくると顔色を変えた。
「その……、大丈夫か、誉? 赤かったり青かったりしているぞ」
「赤くなんてなって……、ない」
無駄な悪あがきをして、誉は首を力なく振る。
「俺は、一体何を……」
こわばった表情のまま頭を抱える誉に、奏楽は告げた。
「まあ、それはともかく、だ。誉に言っておきたいんだけど」
「なっ、なんだよ」
警戒心をあらわにした目を向けられて、それでも奏楽は目を見て伝えた。
「おかしな点ももろもろあったかもしれないけど、……言ったことは、本当だからな」
再びかっと誉は顔を赤くして、「わかってるよ!」と、そっぽを向いた。
その横顔を見て、あらためて、この場所に誉と一緒に来ているのだと実感し、奏楽は不思議な気持ちを味わった。
「これから一緒に……、か」
口から出たつぶやきを誉はひろってしまったらしく、うらめしげに睨まれてしまう。
「くり返すなよ!」
「ごめんごめん」
笑いながら、奏楽は空を見上げた。
寝子島の夜空を、花火が鮮やかに彩った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月06日
参加申し込みの期限
2014年09月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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