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花火大会、夏の思い出
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【もふもふと一緒】
アンゴラうさぎのぬいぐるみ『もふもふ』をしっかりと抱えて、
飛吹 勘助
は海岸の端を歩いていた。
思った以上の人混みから逃げてきたのだが、人の気配がなくなると、ようやく楽に呼吸ができるようになった。
一人だけでも人間と相対するのは緊張するのに、少し歩くだけで誰かにぶつかってしまうような状況には耐えられない。
少しずつ慣らしていくべきだと思ってはいるが、少しずつの範疇を超えていたのだ、仕方がない。
本音をいえば、せっかくの花火大会だ。友人と一緒に過ごせたら良かったと思う。
「せっかくだから、もっといいところで見たいな」
周囲をぐるりと見回して、勘助はろっこん『Merman』を発動させた。
身体をウロコが覆い、人魚のような尾が生える。
「行こう、もふもふ」
ぬいぐるみのもふもふは、しっかりと防水のビニールに入れて持つ。
海に潜った勘助は、もふもふと一緒に、見晴らしの良い海原を目指した。
夜の海は、暗くて怖い。
日光がささないせいか、温度も低めだ。
ゆらゆらと海中を漂っていると、頭上に大きく花火が上がった。
夜空を彩る光の束が、海水を照らして、とてもきれいだ。
なにより、ここならば人目を気にせず、ゆっくりと花火を楽しむことができる。
花火を見ながら、勘助は物思いにふけった。
昔から勘助はどうしようもなく臆病で、幼いころからよくいじめられていた。
人が怖くて、友達などできるはずもない。
しかし、この夏に寝子島に来てから、勘助は確かな変化を感じていた。
閉塞感から抜け出せたような、一歩を踏み出せたような、そんな心地がしている。
勘助の努力の甲斐があってか、少しずつ人と会話ができるようになった。
そして、我ながら嘘みたいな話だが、友達もできたのだ。
ここは、とても不思議な島だと思う。
勘助の老けた見た目を嘲笑う人もいない。
初対面でおじさん扱いされてしまうのは以前と変わらないが、それは無理のないことだと思う。
この島で、きっとこれから、勘助は変わっていく。
もうすぐ新学期だ。
怖じ気づいてしまいそうになることもあるが、楽しみでもある。
新しい出会いがあって、この先、新しい道も見えてくるだろう。
頑張って乗り越えようと、前向きに考えることが、今の勘助にはできるのだ。
「もふもふも、これからも俺を、見守り続けてくれ……」
ビニール越しに、大事なもふもふの背をなでた。
勘助を励ますように、夜空に大輪の華が咲く。
【夏の終わりに】
寝子ヶ浜海岸にほど近いマンションの一室で、
朝鳥 さゆる
は目を覚ました。
見慣れない天井と、シーツの感触に、ここはどこだったかと記憶を探る。
「……ああ、そっか」
隣にいたはずの誰かは、既にいない。
昨夜誘ってきたはずの相手の顔は既に曖昧で、声はかろうじて覚えているのに、それ以外ははっきりしない。
名前は最初から知らなかった気もする。
聞いていたところで、すぐに忘れてしまう自信もあった。
名前などに意味はない。
相手に望むのは、現実を忘れさせてくれるかどうか、それだけだ。
そして昨夜のお相手は、その役目を十分に果たしてくれた。
昼に目覚めたときには、この部屋の主はまだいたはずだ。
身体に刻みつけた記憶は、比較的長く残る。
その人が今はいないということは……、さゆるは考えて、ため息をついた。
彼女の底なしの欲求と体力に、付き合いきれないとでも思ったのだろうか。
「根性なし」
感情ののらない声でつぶやいた。
気だるいまどろみを振り払い、上体を起こす。
ショートウェーブの黒髪をくしゃくしゃとかき回すと、裸の肩に、赤や緑の光が明滅した。
「……何?」
そういえば、どんと響くおかしな音で目覚めたのだ。
カーテンのひかれていない窓から、夜空を彩る光の渦が目に映る。
「花火?」
シーツをかぶり、窓際に向かうと、さまざまな色合いの大輪の花火が見てとれた。
そういえば、花火大会があるのだと聞いた覚えがある。
「そう、今日だったのよね」
薄く窓を開けてみると、夏の最中とは違った空気が、肌に触れる。
「夏も、もう終わりってことかしら……」
鮮やかに夜空を照らす花火を、ぼんやりと見つめた。
幼い頃は、今とは違った気持ちで花火を見ることができた。
もっと純粋で、きらきらしていた。花火も、自分も、どちらもだ。
身も心も汚れていなかった頃のように、夢中で花火を見ることはもうできない。
三年前に、両親が亡くなってから、さゆるは寂しさを紛らわせることだけに夢中になった。
とにかく一人になりたくなくて、時間を忘れさせてくれる相手を探した。
星ヶ丘にある屋敷も、両親の残した財産も、心をなぐさめてはくれない。
一人では、どこへ向かって進むこともできない。
自分をないがしろにするばかりの、後ろ向きな毎日を送っているという自覚はある。
わずかにうつむき、そんな自分を哀れんだ。
同時に、そんなふうに感じる己を、滑稽だとも思った。
「自分で決めてやってるのにね……」
誰のせいにもできない。
悲しむのはお門違いだ。
けれど、やはり心は渇いたままで、さゆるは何かを求めてあがくのだ。
どうすれば満たされるのか、わからない。
さゆるの望むものを与えてくれる人がいるなど、そんな都合のいいことを信じることはできなかった。
それでも、もっと欲しいと、身体の内側で叫ぶものがある。
秋を予感させる風を感じながら、刹那的な輝きを放つ花火を見ていた。
夏が終わる。
そう頭で判別はついても、さゆるには進むべき未来が見えていなかった。
前が見えなくても、季節は巡る。
ふいに、花の香りがただよった。
どこから香るのかと探してみれば、身体に巻き付けた、誰かの家のシーツの香りだ。
ふんわりと慰めるような柔らかな香りがするのは、ずるいと思った。
空に瞬く虚構の花を見ながら、さゆるは息を吸い込んだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月06日
参加申し込みの期限
2014年09月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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